<GDIを直噴エンジン全般と考えてもらっていいです>
ジドウシャギョウカイに大きな衝撃を与えたGDIエンジンだけれど、98年9月に発売されて半年が経過。第2弾である3、5リッターのV6がパジェロに搭載されるなど、バリエーションも増えてきた。そろそろGDIの評価を定めても良い時期になってきたかもしれぬ。ギョウカイの裏話も交えつつ、GDIの実力を探ってみようかね。まず悪口から並べてみよかい。イチバン多いのが「ぜんぜん燃費なんか良くないじゃないの! ウチも買ったけど、リーンバーンより悪い。国沢サンどう思いますか?」(リーンバーンエンジンを出してる某メーカーを筆頭に数社)。さらに「雑誌の企画でリーンバーンエンジンと燃費勝負させてみたところが多いんだけど、勝つどころか負けちゃうこともある。どこも結論出すのに苦労しているみたいですね」。これもギョウカイで有名なハナシ。
反対に三菱の技術力を裏付けるウワサも多い。あるメーカーのエンジニアは「ウチも直噴を搭載すべく必死で研究したけれど、やっぱり量産するとなると難しい。少なくとも1〜2年のウチに発売することは断念した」と言うし、トヨタでさえD4の本格的な量産は今年後半になってやっとメドが付く状態だ。日産も意地になって市販に持ち込むが、こちらも当初は少数生産。
そんならGDIは凄いのか凄くないのか? 結論から言うと「凄い技術なんだけど、三菱はGDIの特徴を活かし切っていない」になる。説明しましょうね。最初に書いた「意外に燃費は伸びない」という事実は、ホントだ。理由は簡単。普通に乗ってしまうとGDIのオイシイ部分を引き出せないからであった。例えば雑誌の燃費テスト。GDIがフルに性能を発揮するのは、100q以下で走っている時である。よって100q以下で走らねばなるまい。
しかぁし! 実際に走ってみると即座に解るんだけど、90qくらいで一定速走行をするのって死ぬほど辛い。10分くらいならガマン出来るも、20分もすれば右足の感覚が無くなり始め、しまいにゃ「アクセルペダルにレンガでも置いたる!」と叫びたくなるぞ。さらに90qで走ると、先行車に追いつくこともないので、アクセルのオンオフをしなくてもよい。ワタシも編集部員の経験を持つが、こんな時は「もう燃費なんかいいや!」と粗暴な運転に走ってしまうモノ。
街中も同じ。アクセルペダルの途中にクリックでも設けるか、重さを変えるなどしてGDI有効ゾーンがドライバーに解るようにすればいいのに、それをやっていないから、ついつい踏み込む。すると普通の150馬力エンジンになってしまう。つまり三菱は素晴らしい技術を作ったが、そいつを使いこなせるようにしなかったのだ。ちなみに90qで巡航すると、GDIの燃費はモンク無し! 一度ガマンし抜いて360qほど高速を走ってみたら、リッター19、6qまで伸びた。ただ、もう一度やってよ、と言われれば即座に「やざんす!」と答えるだろう。
もし三菱がドライバーのことを考え、アクセルのクリックとオートクルーズでも装着すれば、おそらく実用燃費は飛躍的に伸びると思う。特にオートクルーズは有効。100qにセットするとしょっちゅう遅いクルマに引っ掛かってイラつくけど、90qなら高速道路の走行車線をノンビリ巡航出来る。それでいて到着時間は100qごとに6分余分に掛かるだけ。オートクルーズ無しで低燃費エンジンを運行するなんて無理だと思う。というワケで、GDIエンジンは高く評価していい。しかもドライバーが性能をフルに発揮出来るようになったなら、今よりもっと燃費は良くなると思う。実用燃費を上げられれば、鬼に金棒の技術なのだ。
三菱以外の直噴エンジンも、基本的にはネンピ良い。ただ重量の重いクルマや空気抵抗大きなクルマだと、加速中や90キロ以上の巡航で希薄燃焼モードを外れてしまう。三菱だとレグナム4WDやディンゴなど厳しいです。