5月10日 チャイルドシートの使用義務化が始まったものの、依然として全く感心を示さないヒト達もいるようだ。新聞を読まずTVもニュース番組など見ない、となれば、取り締まりを受けるまで知らないのだと思う。その正反対で、ムチャクチャ神経質なヒト達もいたりして。先日も助手席に装着するという想定の記事を新聞に書いたら「危険な助手席にコドモを座らせるなんてとんでもない」という意見をもらった。「チャイルドシートの装着は絶対後席の中央です」(チャイルドシートメーカーであるタカタの広報)と公言するヒトもいるほど。確かにチャイルドシートは後席に装着するのが基本。でも絶対に安全かとなれば、そんなこともない。あくまで基本形であり、車種や衝突形態によっちゃ後席が危険なこともある。以下、後席に装着した時の注意などツラツラ書いてみよう。
最大の弱点は追突事故。今度機会あったら軽自動車や小型のハッチバック車を見て欲しい。後席からボディ最後端までの距離30pなどいうモデルさえある。後席にチャイルドシート装着してて追突されたらどうか? そう。後席着用推奨派は、追突事故を想定していない。公式な統計でないのだけれど、軽自動車メーカーの内部資料によると「軽自動車は追突事故の割合が普通車より多い」のだそうだ。確かに軽自動車は平均車速遅いため、加害者になること少ないと思う。だったらキチンと衝突基準を定めてある前席がいいんじゃなかろうか(後席の衝突基準というのはないのだった)。とりあえずホンダの軽自動車だと前席は64qのオフセット衝突にまで対応している。
ラゲッジスペースに硬いモノを積んでいる時も危険。ボンネットには荷物積まないため、設計値の通りエネルギーを吸収してくれる。しかしラゲッジスペースに積んだ荷物は、追突されると押し出されて客室内に飛び出す。SWであっても、荷物積んでいたらアウト。前面衝突では、これまたリアシートの背もたれ部分に荷物が激突。60qで衝突すれば相当のダメージを受けることに。また、チャイルドシート固定装置付きでないタイプのリアシートベルト(一杯まで引き出し少しづつ戻す。その際、カチカチと音がして固定されるタイプがチャイルドシート固定機能)でないリアシートベルトだと、前席のシートバックに激突することもある。正しい方法であれば、どの席に装着しても効果あります。
4月12日 チャイルドシートの使用が義務づけられる。いろんな団体や企業から出されているリリースを見ると「チャイルドシートは後席に装着すること」と書かれていることに気付いた。ワタシもムカシから後席への装着を推奨してきたし。でもジャーナリストたるもの、何でもアタマから信じちゃイケナイ、と先輩達に教えていただいてきた。果たして助手席にチャイルドシート付けるのって、危険なんだろうか?
いつものようにインターネットのHPで皆さんに意見を聞いてみると、やっぱり前席は危険だという反応。一歩踏み込んで「なぜ危険か?」と問うてみると、二つの大きな理由があった。「助手席エアバッグがコドモに激突して重大なダメージを与える」というものと「助手席はクルマの中でイチバン危険な場所だから」という認識。なるほど、と思い、ワタシが最も信用しているチャイルドシートメーカー、タカタの広報に聞いた。
すると担当者「後席中央がキホン」だという。なるほど。そんじゃ、ということで毎日のように衝突実験やってる自動車メーカーの担当者に「助手席エアバッグは危険か?」と聞いてみた。「後ろ向き装着は絶対危険です。でも前向き装着で、シートを最後方にスライドさせれば強く当たることはありません」。さらに「サイドエアバッグ付きのクルマなら、側面衝突に対しても有利だと思います」。
となれば残る懸案事項は一つ。果たして助手席って危険か? いや、それ以前に愕然としたのが、タカタの広報マンですら、危険だと思っている助手席に他人を乗せていること。もしホンキで助手席が危険だと考えるなら、コドモに限らず他人を座らせちゃイカンでしょう! 「助手席が最も危険と認識してる」というコトは自動車工業会の広報マンも言っていたなぁ。驚いた! ワタシは助手席が特に危険だと思っていない。
確かにシートベルトを着用しない事故が大半だったムカシのデータ見ると、助手席は危なかった。でもシートベルトさえしていれば、助手席だって決して危険じゃない。衝突実験しても、むしろ助手席の方が運転席より数値低いのだ。後席どうか? 困ったことに後席の安全基準って無い。追突事故の時の実験も行ってなかったりして。でもトランクの無いハッチバックボディや、軽自動車など、リアシート背もたれからすぐの位置にボディ最後端がある。
トランクに硬い荷物を載せていたら、間違いなくリアシート背もたれを突き破って(トンガッテなければ強く押す)リアシートの乗客に大きなダメージを与えるだろう。後席に座っているヒトがシートベルト締めてないと、衝突時に前席の乗員を激しくキックし、頸椎折ることも珍しくないとか。よって自分からブツかる可能性より、追突される可能性の方が高い軽自動車などは、むしろ後席の危険度、高いと思う。
様々な面から取材し、調べてみると「前席より後席の方が明らかに安全」と断定できる証拠は無かった。適切な方法でチャイルドシートを装着すれば、どこでも相当に安全なんじゃなかろうか? ちなみにリアシートに装着するバアイ、確実に「チャイルドシート固定機能」を作動させないとダメ(一度シートベルト全部引き出し、そこからソロソロ戻す。するとロック機能が働く)。
付け足し。助手席エアバッグ付いてるクルマの大半は、助手席がプリテンショナー付きシートベルト。衝突と同時にキツく巻き上げてくれるので、助手席にチャイルドシート装着する時は、シートベルトの弛みだけを取っておけばよいです。ワタシが孫を乗せるようなトシになったら助手席に座らせ、いろんな話をしながらドライブしたい。
2月16日追加レポート 4月1日からチャイルドシートの使用義務化が始まる。このコラムでもすでに何回か取り上げてきたけれど、最新の情報を入手したので参考にしていただけたら、と思う。これから買おうと思っている読者諸兄はぜひとも良いチャイルドシートを選んで欲しい。
まずチャイルドシート選びだが、実際にチャイルドシートを使った衝突実験など行っている自動車メーカーのデータによれば、ポイントは三つある。最も重要なのがシートベルト。子供を守るシートベルトは、最低でも4点。理想を言えば5点で固定するタイプが良いという。子供の体は柔らかいため、衝撃力を分散させなければならない。
二つ目は堅さ。柔らかくでフカフカのチャイルドシートを見ると安全そうだけれど、衝撃で子供の体が大きく動いてしまい、むしろ好ましくないという。つまりユルユルのシートベルトと同じ状態になるのだ。メーカー純正チャイルドシートは全て堅めに出来ている。メーカーとしてはチャイルドシート用の衝突実験施設を持っている『カタタ』(純正シートの大半はこのメーカー製)か、世界的に有名なシートメーカーである『レカロ』あたりなら安心。
三つ目が『ISOフィックス』と呼ばれるワンタッチで装着できるチャイルドシートで、今後主流になっていくと思われる。現時点では使える車種が限られているので、もし使えるようならこのタイプを選ぶと万全。
装着する向きはチャイルドシートメーカーによって主張が異っている。あるメーカーは「後ろ向きに座らせるべき」だし、横向けに寝かせるのがいい、というメーカーも。チャイルドシートは後席に付けなければいけない、というメーカーまで出てきた。これまた実は決定的な理由がない。
首がしっかりするまでは後ろ向きに座らせるべきだという意見を聞くと納得する。確かに自分から衝突する事故ならいいけれど、追突事故に遭えば逆になってしまう。大人しい運転をするドライバーなら、追突事故に遭う確率の方が高いのではなかろうか。
横向きに寝かせた状態は前後方向の衝撃に強い反面、左右方向から衝突されると厳しい。むしろ重大なダメージを受けやすいと思われる。だったら前後方向の衝撃の方が総合的に考えると有利。前席はいけないという意見もあるようだ。助手席エアバッグと干渉するという理由なのだけれど、メーカーに聞くと前向きに装着すれば問題ない。
まとめよう。首が座るまでは、頻繁に移動させるべきでない。チャイルドシートの装着位置は、は子供快適性を優先してあげたい。お母さんと二人で座るような時は、精神安定上も「子供だけ後席後ろ向き」というのはどんなもんだろう? 自分の子供なら、助手席前向きに座らせる。大人二人以上で乗るなら、大人一人後席に座り、その横に装着すればいいと思う。
<チャイルドシートについて>
平成12年4月1日からチャイルドシートの使用が義務づけられることとなった。基本的には大いに評価できるものの、いささか規制が厳しすぎると言われている。以下、問題だと思われる点について挙げてみたい。
例えば夏休みに友人が遊びにきたとしよう。近所の駅まで迎えに行ってみたら、幼稚園の子供も一緒。こんな場合、チャイルドシートを装備していないと、自分のクルマに乗せることは出来ない。でもタクシーなら、チャイルドシート無しでも乗ることが可能。タクシーは安全で、自分のクルマだと危ないということなのだろうか? 少なくともワタシのクルマならタクシーより優れた衝突安全性を持っているし、運転だって上手いと思う。
家に遊びにきている親戚を、駅まで送るとする。これまたチャイルドシート無しだと、幼児は乗せることが出来ない。バスを利用できない地域や時間帯だと、やはりタクシーを呼ぶしかなくなってしまう。駅まで近いなら問題ないだろうけれど、数千円掛かるような距離だったら困る。かといって持ち運び出来るようなチャイルドシートは製品化されていない。
すでにチャイルドシートの使用が義務づけられている外国はどうしているのか? 調べてみると、ほとんど「助手席に座るとき」にチャイルドシートを使うよう指導されている。衝突安全性について研究している専門家の間でも「非常に危険」だと言われているのは助手席。助手席エアバッグが普及してきたことによって、ヒザの上に座る幼児は最も危険な環境になってしまったからだ。
後席の危険度については、大人と変わらない。大人でも幼児でも同じような条件だからだ。むしろ体重の軽い幼児は、物理的に考えれば大人より有利だと言われるほど。だったら大人がリアシートに座るときも、シートベルトの着用を義務づけるべきだろう。実際、リアシートベルトの着装が義務づけられている国は少なくない。
ちなみに日本でもチャイルドシートの使用をしなくて良いケースは定められている。前述の通りタクシーと、急病に代表される緊急時。そして子供の数が多く、チャイルドシートを人数分装着出来ないような時だ。いずれも使用しなくてよい、とされているだけで、助手席に座っていけないという記載はない(現段階で公表されている資料による)。これまた不思議だと思う。
どうしたらいいだろうか? 法規自体は決まってしまったので簡単に変えられまい。しかし「違反ながらキップを切らない」という運用なら可能。「法で禁止されていても罰しない」という前例は少なくないのだ。未成年のタバコや飲酒は禁止されているものの、飲んだ未成年が起訴されたという話を聞かない(飲ませた方は捕まる)。
施行されるのは来年4月とあって、まだ取り締まりのための内規(警察の中で使われるマニュアル)も出来ていないハズ。議員の皆さんなどに相談し、後席に座っている限り「厳重注意」くらいの処分にしてもらえるよう、近隣の警察にお願いしてもらったらどうだろう。ただし交通事故から幼児を守るには、やっぱりチャイルドシートが効果的だということを理解して欲しい。
チャイルドシート選び
また、チャイルドシート着用義務化が決まってから、チャイルドシートはカー用品などでの売れ筋商品になっている。しかし実際に買おうとすると様々な製品が並んでいて大いに迷う。加えてアメリカのサターンというメーカーが日本に於いてチャイルドシートの装着方法をチェックしたところ、安全だと思われたのは1割程度だったという。
つまり法律だけ決まったけれど、チャイルドシ−トについての理解や認識は十分でないのだ。以下、チャイルドシートについての最新情報をお伝えしたい。まずチャイルドシート選びから。気になるのは、当然ながら安全性だろう。「事故の衝撃を吸収するためクッションを厚いしました」などという宣伝を見ると、ソフトで肉厚の製品が安全だと思ってしまう。
確かにクッションの厚いフカフカのチャイルドシートは、事故の衝撃を吸収してくれるように感じる。でも実効性について言えば、あまり関係ないらしい。考えてみると成人のシートだって同じ状況。だったら運転席もフカフカのシートの方がよさそうだ。現実はどうか? むしろフカフカ過ぎるシートだと身体が安定せずデメリットさえ出てくる。
衝突安全性の研究については世界トップクラスだと評されているトヨタが純正部品としてカタログに載せている最新のチャイルドシートを見ると、案外シンプル。ベンツのチャイルシートは、さらにアッサリしている。フカフカのチャイルドシートなら豪華に見えるから高い値段で売れる、ということなんだろう。
それより重要なのが形状と身体を固定するベルト。トヨタの純正チャイルドシートは、レーシングカーのシートみたいな形状。左右からの衝撃にも耐えるようになっている。ベルトは成人用と違い、面積が大きいソフトなパット状。骨格の弱い幼児は、ベルトだけだと骨折しやすい。広い面積で衝撃を吸収しないと危険なのだ。
装着方法は取り扱い説明書に明記されているので必ず指示に従うこと。指示通り取り付けていなければ、事故の際にチャイルドシートだけ外れたりすることも。前出サターンによると「9割はチャイルドシートとしての役割を果たさなかった可能性があります」。
現在最も安全だと言われているのが『ISO−FIX規格』と呼ばれるタイプ。ワンタッチでシートの付け根に固定できるようになっており、最新の国際規格となっている。早くもトヨタの新型車に採用されているし、今後は一般的になっていくに違いない。これからチャイルドシートを買うなら、ぜひ入念にチェックしたいものだ。個人的には「タカタ」のシートをすすめておきます。