ワタシが免許を取ったのは23年ほど前だけど、驚くべきことに今がガソリン一番安い。近所のスタンドなんかレギューラー83円だもの! 20年くらい前はリッター150円近かったのだよ。だからして気合い入れ遠慮なくガソリン使おう、ということにはならない。今やガソリンの節約は経費の節約でなく環境のためである。子孫に快適な地球を残してやろうでないの、というお約束というか意義の確認をしつつ、具体的なネンピ低減テクニックついて、エコラン親方と呼ばれる国沢光宏がみっちりとコーチしてみたい。
まずはエンジン始動から。延々と暖機運転などカマすヤツぁウンコタレである。毎日乗っているクルマならエンジン各部までオイルが回るまで長くて20秒。週イチのクルマでも40秒あれば潤滑系はOK。始動直後は濃いガソリンでエンジン回すし、アイドリングだけだとエンジンも暖まりにくい。エンジン始動し、オイルが行き渡れば走り出して大丈夫。ただアクセル全開で走ったらアカンよ。エンジン以外のミッションや駆動系などの暖気は非常に大切(エンジン暖まったからと全開で走り出すの、おバカ)。水温計動き出すまで、抑え目で。
水温計が適温に達したら、通常の走行モードに切り替えよう。じゃエンジンの使い方からいく。ネンピを考えたときの走行速度は60〜90qの間がベスト。60q以下だとATはODに入らないし、マニュアルもトルクのある回転数に達しないため、アクセル開度は大きくなってしまう。90q以上になると今度は空気抵抗で燃費はダウン。オートクルーズのある車種であれば、90qくらいにセットすることをすすめたい。この速度レンジだと5リッターのアメ車でもリッター10qくらい走っちゃう。
したがって普通に使っている状態でイチバン確実な燃費低減効果を発揮するのが、巡航速度を落とす作戦。案外と知られていないコトながら、60qくらいになってくると、走行抵抗より空気抵抗が大きくなってくる。特に車高の高いミニバンだと、100q巡航時はガソリン消費量の60%くらいを空気抵抗で失うほど。以前、オデッセイで燃費計測したら、80q巡航と100q巡航の20q差でさえ17%の違いを見た。GDIなど直噴エンジンが希薄燃焼するのも、やっぱり100q以下に限られる。取り締まりの心配をしなくてもいいしね。
しかし80qでの巡航は難しい。遅すぎて後続車のイライラを買うからである。高速道路の走行車線を走っているクルマで最も遅いグループが90q程度。この速度が交通の流れを考えた際の、最低速度だと思う。ワタシは90qでオートクルーズを掛けたドライブを好む。この速度なら交通の流れに乗った平均105q走行(制限速度は100q。例えのハナシである)との到着時間差は100q当たり9分。90q巡航だとアクセルの開閉もググッと少なくなるため、エイヤっで比べれば30%くらいの燃費向上になると思ってよろしい。
加速は”適度に”がコツ。あまりノンビリ加速すると、エンジン回転数の高い3速以下で走る時間が長くなり、かえって燃費は悪化する。目安として50qまで10秒くらいのつもりで走ればよろしい。マニュアル車なら早めのシフトアップをすること。とにかく高いギアで走るのが燃費を稼ぐ最大のテクニックなのだ。そうそう。雪道発進モード(2速でスタートする)付きのAT車で渋滞に巻き込まれたら、舗装路でも雪道モードにするとギア比が高くなり、燃費は10%くらい良くなる。アクセル開度を少な目にすれば、ミッションも痛まない。
走り方は「とにかくアクセル開度を少なくする」と「ブレーキを使わないようにする」の2点に尽きる。例えば下り坂があり、その先は登り坂だったとしよう。速度を一定に保とうとすれば、最初アクセルを少し戻し、その後で踏み込むワナ。燃費を稼ごうとすると、それじゃイケナイのだ。アクセル一定のまま下り、そのスピードを使って登ればよろしい。アクセルを戻した分がムダなエネルギーになるだけでなく、アクセル開度は大きいほど燃料を喰う。
交差点で止まるときは、早めにアクセルを戻す。あまり知られてないことだけど、アクセル全閉状態で1500回転以上(車種よって若干異なる)回っている場合、燃料は完全にカットされるのだ。燃費ゼロってことだぞ。10・15モード燃費の計測だとこいつをうまく利用出来るため、ATよりマニュアルの方が10%くらい良いデータになる。早過ぎるタイミングでアクセル戻すと交差点にたどり着けないだけでなく、後続車のイライラ買うので注意。
ブレーキはガソリンを使って加速させた車体のエネルギーを、熱に換えて消費してしまう。非常にもったいない。ハイブリッドカーだとブレーキで電気を起こし、バッテリーに戻すけど。それだったらエンジンブレーキの方がまだマシ。高速道路の追い越し車線を走行している時など、前がつかえると思ったなら手前からアクセルを戻すようにしたい。ギリギリまで迫ってブレーキを踏む、なんてことをRV車でやったら、簡単に10%くらい燃費が悪くなる。どうかね? 速く走るのと同じくらいアタマとテクニックを使わねばならぬのだ。
意外に思うかもしれないが、エアコンも大きく燃費に影響する。なかには「小排気量車ならエアコンのロスはあるかもしれないが大きいクルマなら大丈夫でしょ?」みたいな意見を述べるヒトもいるけど、そいつは大きな間違い。大きなクルマを冷やすには大きなコンプレッサーを必要とするのだった。特にエバポレーターが二つ付くVIPカーやミニバンは、エアコンをオンにすると10%くらいの燃費低下になってしまう。
理想的なのはエアコンを働かせないこと(燃費低下の原因となるコンプレッサーが動くのはACと書いてあるポジションだけ)。エコノミーモードがあればそいつを選び、無いならACをオフにしてやればよろしい。夏場なら燃費を無視しても迷うことなく冷気だが、それ以外のシーズンは外気とヒーターだけで快適な室温をキープ可能。もし「室内が曇る」というなら、その時だけエアコンを入れればよかろう。
燃費を向上させるためのテクニックはいくつか知られているけれど「やり過ぎじゃないの?」と思えるものも少なくない。典型的なのは下り坂でニュートラルにしたり、エンジンを切ったりすること。確かに燃費は稼げるような気がするけど、前ページで書いたようにアクセルオフ状態ならエンジンを掛けてても燃料消費ゼロ。あまり意味はない。そればかりかニュートラルで走るとパワステのポンプに負担が掛かってエンスト。ブレーキ用マスターシリンダーのブースト圧までダウンしてノーブレーキになることもある。1分以上の長い信号や踏切待ちでエンジンを停止させるのが唯一有効な策だ。
タイヤの空気圧も、上げすぎたらアカン! エコラン競技をやる時は3sくらい入れることもあるけど、そんなことをするとタイヤのグリップ力まで落ちてしまう。ブレーキの効きは悪くなるだけでなく雨天性能もダウン。燃費向上のため事故を起こしたんじゃね。せいぜい標準から0、2s/pくらい増せば十分に燃費良くなる。その他「ハンドルを頻繁に切るとパワステに馬力を喰われる」とか「オーディオは発電機に負担を掛けるので使わない方がいい」みたいなことを言うヒトもいるが、こういった損失は微々たるモノ。
トロトロ走ればいいと思ってるヒトも多い。公道を使わない競技ならそれもよかろう。しかし一般道でユックリ走るのは、スピードの出し過ぎより危ないだけでなく、他車の怒りも買う。クルマに乗る主目的は、あくまで「安全で快適に移動する」こと。上手なドライバーは、けっこう速いペースで走っても良い燃費なのだ。交通の流れを乱さず、効率良いエンジンの使いかたをするのがテクニックである。
さらに燃費を良くしたいなら、車体側の改良も必要。以前乗っていたワタシのパジェロミニは、ドラテクだけじゃリッター8qくらいが限度であった。そこでパジェロジュニア用のデフに交換し、ギア比を全体的に20%早めてみた。するとイッキにリッター10q以上走るようになったではないの。ギア比まで変えるのは大変ながら、少し外径の大きいタイヤにしたり、ミシュランのグリーンタイヤみたいな転がり抵抗の少ないタイヤを選んだりすると、それだけで5〜10%くらい燃費が向上する。リッター8qのクルマで年間1万6千q走るなら、10%浮かすと2万円の節約。どうだ。予想外に浮くでしょ?
チキュウカンキョウのため、頑張って欲しい。