<くるまにあ誌のQこと古屋君のベンツ>

古屋「この際、感じたことを何でも言って下さい」
国沢「怒らない?」
古屋「ぜ〜ったい怒りません!」
国沢「ホントにぃ? 事故車かも、って言っても平気かよ」
古屋「ええ〜っ? イキナリそんなこと言われても。個人的にはジコシャが一番怖いです。ムカシ国沢さんにアブナイと言われてから……」
国沢「そう。事故車はカンペキに直ってるように見えてもアカンからね。鉄は板金で直すと、絶対設計通りの強度が出ないんだよね。このクルマ、おそらくフロントやってるように感じるけど、もう一度ぶつかったら、設計通りに潰れないと思う。どれどれ。ボンネット開けてみて」


古屋「そう言われてみるとウインカーとボディの段差が気になります。ああ!フェンダーの先端が波打ってる」
国沢「あまり自信ないけど、たぶん事故やってると思う。この当時のベンツのテッパンは190Eでも強烈にオーバークオリティで、波打ってることなどない。ワタシの300SE見ても見事にフラットでしょ?」
古屋「どのくらいの事故でしょうか?よくインパネのライトが消えることがあって、叩くと直る。コレ、事故車っぽいですね」
国沢「おお! そらアブナイ。ただ修理は意外と上手。少なくともインチキは工場で直したんじゃないと思う。乗ってみようか」


古屋「こないだ岩手まで走ってきたんですけど、特に問題有りませんでした。ネンピもいいし」
国沢「そうだね。ハード的な問題はなさそう。ダンパーキッチリ生きてるし、ブレーキもシャープ。それにしても190Eはやっぱ左だね。300SEも左が圧倒的にイイ。でもさ、妙なこと気にならない?」
古屋「横風で左右に強く振られるような気が……」
国沢「関係ないと思う。妙なのはハンドル切った時の音。ほら、ハンドル切ると、どこか当たってるでしょ? シューシュー音がする」
古屋「ホントだ。ハンドルと付け根のブブンが擦れてる。グリスでも塗っておきましょう」
国沢「そうじゃないって! 普通なら絶対に当たらない場所なんだから。ベンツがそんなインチキな設計するワケないもの。きっとハンドルのシャフトとか微妙に曲がってるんだと思う」


古屋「ヒトがハンドルに当たったことあるんですか?」
国沢「だね。ま、ぐんにゃり曲がっちゃえば交換すると思うけど、少なくとも曲がるくらい当たった」
古屋「60万円ですからね」
国沢「お。急に開き直ったね。60万円だから許す?」
古屋「仕事の一貫ですから。ちょっと怖くなってきたけど」
国沢「問題はどの程度の事故かだね。フレームまで曲がってたりしたら、心底怖い」
古屋「事故車以外の問題点はありますか?」
国沢「い〜え。カンペキに近いと思う。60万円でオークションなら、売値は100〜110万円ってとこでしょ?軽自動車買うよりいいよね。92年式だから年式も新しいし」


古屋「後ろのフェンダーに大きな引っ掻きキズがあったので直したら8万円でした。計68万円。その他、エクボみたいなのが車体左側に5つあります。未修理」
国沢「気にするヒトは気になるよね。このエクボ。デントリペアで直すと一個2万円としてリアドアが8万円。それだったら板金した方が安い。前ドアはデントリペアで2万円。納得行くまで仕上げると75万円かな」
古屋「コンディションはどんなもんでしょうか?」
国沢「走行距離考えると大変良いと思う。ATの状態も良好。足回りいいし、ベンツらしさをキッチリ残している。事故車がらしいことだけだな、減点。買うときに修復歴、聞いた?」


古屋「いえ。ナニも表示されていなかったと思う」
国沢「これだけちゃんと直して有れば気付かないかもしれないね。ということは無事故の190Eでも60万円ってことかな」
古屋「きっとそうだと思います。中古車相場も100万円前後ですから」
国沢「そう考えると買い得かもね。事故車じゃなければ。この190Eなら、きっと大きな整備やトラブルを必要としないで数年乗れると思う。初めてのガイシャにゃピッタリだ。同じ予算でゴルフ買うよりお金の使い出ある」
古屋「嬉しいんだか悔しいんだか。事故車かぁ」
国沢「でもクルマ好き歴が長いんなら、もう60万円くらい出してW126の300SE買ったらいい。走行距離が同じなら、トラブルの発生率も同じくらいだよ」
古屋「事故車だということを忘れてしばらく乗りたいと思います。それではさよ〜なら」