このところ「ユーザー車検をやりたいけれど、やっぱり不安で」といった質問をされることが多くなった。確かにクルマのメインテナンスを行うのは難しいような気もする。しかし世界的に見れば、日頃の点検くらい自分で行うのが常識。簡単に出来る十二ヶ月点検から取り組んでみたらどうだろうか?
まず用意するものは、クルマに備え付けてある整備手帳。たいてい車検証と一緒になっている。これを開くと『定期点検整備記録簿』というページがあって、十二カ月点検だと約六十項目の整備内容を指定している(昨年七月に法律の改定があり、それ以降に買ったクルマに付いている記録簿は二六項目)。
これだけ見ると「自分じゃ出来ない!」と思うかもしれない。でも詳しくチェックすると、単純な項目が実に多いのだ。例えばエンジン。ここは十箇所(以下、いずれも古いタイプの記録簿に記載されているもの)のチェック項目を指定しているが、実際に点検してみると驚いたことに五分あれば終わってしまう。
まずオイル、燃料、冷却水の漏れをチェックし三つ完了(漏れていれば駐車スペースにシミが出来る)。エンジンが簡単に掛かって、スムースに走れれば二つ完了。排気ガス中に煙が混じってしなければ一つ終わり。残る四つは、乗る前に必ずしなければならない始業点検の内容だ。ボンネットを開けて、オイルと水の量、ファンベルトの緩み、エアクリーナーの汚れをチェックすればよい。
このように、始業点検に含まれているウインカーや、ホーン、ワイパーの作動確認、ブレーキオイルの量、タイヤの空気圧といった簡単なものが、六十項目のうち半分以上ある。コンピューター制御のクルマなら、点火時期や排気ガス浄化機能関係のチェックも不要(トラブルがあればインパネ内にある赤いエンジンマークが点灯する)。
記録簿を見ながら順に作業を行い、OKならワク内に 印を付けていく。万一問題があれば、その時は修理工場に相談すること。すべて終わったら、右下に自分の名前とハンコを押し点検の年月日、走行距離を書いて終了。これで二万円前後の小遣いが浮く計算。
中には「不安で仕方ない」という人もいるようだが、最近のクルマは重要なパーツにトラブルが発生すると、すべてドライバーに解るようになっている。エンジントラブルなら、インパネ内のエンジンマークが。ブレーキパットが減れば、ダメになる前からブレーキを掛ける度に「キーキー」と激しい音を立てて交換を促すように作られているのだ。
ハンドルがブレたり、エンジンから異音が出たりしない限りは、キチンと車検を受け、オイルや冷却水のチェックさえして置けば大丈夫。ぜひとも十二カ月点検は自分でやってみたらどうだろう。自信が付けばユーザー車検にトライするのもよい。ちなみに法的にも自分で点検することはまったく問題ない。