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ユーザー車検:フェラーリ328編
「328ユーザー車検準備編」
日本の車検は世界的に見れば極めて厳しいと思う。本来ならアメリカのように排気ガスチェックなど最低必要な項目だけでいいんじゃなかろうか。しかぁし! ことワタシのフェラーリに関して言えば、車検というシステムが無いと不動車になってしまいます。なんせ前回乗ったのって半年以上前の5月。それも修理するため動かしたのみ。以来、ガレージで眠りっぱなし。10月頃、涼しくなったので乗ろうとしたらバッテリー、カンペキに上がってるんでやんの。この時点で乗るの諦め再び休眠ざんす。車検が12月23日で切れなければ、そのまんまだったかもなぁ。
ということで車検である。お大尽サマなら「よろしくね!」とばかり、ぽ〜んと工場に委託することだろう。でもワタシはそうでない。というのも車検って、凄く楽しいことなのだ。自分のクルマをタップリといじれるし「車検を受ける」という行為自体楽しいと思う。こらもう趣味みたいなもんです。受かろう受かろうとすればプレッシャーになるかもしれないけど、趣味だと考えればワクワクしてくる。もちろん実益だってあるから嬉しい。フェラーリの車検ですら諸費用込みの車検費用9万円でオツリが来る。さらに個人的な問題ながら、フェラーリだけはヒトに乗せたくないのだ。こらもう単なるわがまま。ということで今月と来月はユーザー車検の取り方についてジックリ紹介したい。
まず整備の巻から。バッテリーを充電し、キー捻った。するとどうだ! ウンともスンともいわない。あらら、バッテリーがオシャカかと思いつつ再トライしたら今度は元気よくセル回って無事始動。やれやれ、と思ってメーターパネル見ると、今度はタコメーター以外動いてない。どうしたんだろう、と考えているウチ、これまた突如動き出した。フェラーリのメーターって、1秒間に地球を7周半する電気で動いてるんじゃなく、油圧か? しばらく2千回くらいでウォームアップし、走り出す。今度は「がたがたがたがた」だ。長い間、動かさなくなったのでタイヤにフラットスポットが出来ている。たまにゃ動かしてくれよ、とクルマに文句言われてる気分。
お次はいよいよ整備。車載の整備手帳を広げ、順番にこなしていく。328の整備手帳、古いタイプで今より点検項目多いけど(104項目。現在は71項目でOK)、まぁ入念にやるにこしたことない。しかも点検といったって、10項目は瞬時に終わる。例えば灯火類の確認。ウインカーが付くか、バックランプ付くか、ヘッドライト付きか、ブレーキランプ付くか、で終了。さらにホーンが鳴るか、ワイパー動くか、といった日常使っているだけで確認出来る項目もある。
それだけじゃない。笑えるのがエンジンの始動性。「容易に掛かるか?」とあり、セル回せばオシマイ。ハンドルのガタや遊び、ブレーキの踏みしろ、サイドブレーキの利き&引きしろ等も、普段乗っていれば解ること。こうやってチェックしていくと、12項目は大きな検査をしないで終了してしまう。フェラーリについていえば、パワステでなくキャブレターでもなく、点火時期もコンピューター制御だからして、最初から8項目はチェック不要。こうして考えると車検って、お金取るだけのシステムみたい。
34項目は多少点検が必要。液体類の漏れや、ブレーキのチェックなどである。半年前にブレーキのOHと冷却液の交換をやっておいたので、この項は12項目は問題なし。普通、車検に出すとブレーキはパッドの厚みまで計測するが、こら不要。輸入車の多くは車検システムがない国に売られるから、それなりの対応をしているのだ。ベンツなどはW126の時代からブレーキパッドの残量警告灯を装備していて、規定値まで減れば警告ランプが付く。この時点で交換すればいい。
警告ランプ点いていない車種のバアイ、パッド減ると隠れていた鉄のツメがローターと接触。激しいキーキー音を出すようになる。この音、車内からでもハッキリ解るほど大きく(こわれてるんじゃないかと思うほど)、これまたブレーキ完全に使い切ることがないよう、設計されているのだ。したがってブレーキ系のメインテナンスはクルマに付いている整備手帳をチェックし、そこで指定されているタイミングを守ればよろしい。ちなみにフェラーリのブレーキは1万2千?毎。
最後が下回り。オイル漏れやブレーキフリュード漏れないか入念にチェック。これ、見逃すと危険だから慎重にやって欲しい。またドライブシャフト部分に付いているダストカバー(ゴムブーツ)は破れていると車検が通らないから注意。これまた破れるとシャフトが焼き付いたりする危険性ある。今回は、いつも整備を頼んでいる梅田サンの工場の一角をお借りし、アドバイスなど受けながら終了。とりあえずワタシの328は健康体でした。次号、いよいよ車検本番! 果たしてキッチリ行くか?
「328車検本番編」
いよいよ車検ざんす。まずは練馬の車検場に電話し予約。といってもコンピューターの受け答えなので希望する日時をプッシュしてオシマイ。午前中だと早起きしなければならずバタバタするから、シロウトらしく午後を選ぶ。今回は取材ということもあって『テスター屋』(本番の前に事前検査を行ってくれる業者)さんを使う。ブレーキテストや排気ガスチェック、スピードメーカーのチェックなど車検ラインと同じ検査機器があり、落ちやすいサイドスリップやヘッドライトの光軸は調整してくれるから便利。
これで4千円。ユーザー車検するなら、保険だと思って利用することをすすめたい。練馬のテスター屋さんは車検場の斜め前にある。ここで練習すべきコトは二つ。スピードメーターチェクとブレーキだ。実際の車検ラインでは、スピードメーター検査は40kmになったらパッシングするかボタンを押す方式。ATなら2速。マニュアルだと3速でジワジワ車速を上げていくといい。ワタシの328は37kmを指した時に実車速40kmだった。これを覚えておくこと。
ブレーキは急ブレーキでなく、ジワジワ踏み込む。ドンと踏むとカラ回りしちゃう。同じくパーキングブレーキもジンワリと強く引く。サイドスリップはユックリ走るのがコツ。ブレーキもサイドスリップも、普通に走っているクルマなら全く問題なくパスすると思う。ワタシの328ちゃん、ここまで良かったのだがヘッドライトの光軸調整中、突如緑色の液体をどばっと吐く! 水温計みたら110度以上でないの! ありゃりゃ、オーバーヒートだよこれ。車検ドコロでないか?
慌てて検査ラインから出し、リザーバータンクに水を入れる。何と6リッターくらい入っちゃった。エンジン掛けると2分くらいで再びでろでろ緑色の液体を吐く。こらもう今回は取材終了ということで再び水を一杯に入れ、10リッターくらい予備の水を用意し補給しながら帰ろうとしたら、意外なことにオーバーヒートしない。どうやらウォーターポンプの調子が悪いみたいだ。そういや最近328見てもらってる梅田氏に「そろそろウォーターポンプを換えた方がいい」と言われていたっけなぁ。
とりあえずオーバーヒートしないのでスケベ根性出し、車検ラインに行って列に並べる。書類を作成し、いよいよ車検だと気合いを入れエンジン掛けようとしたら、もしも〜し! セル回らないよぅ! 突然バッテリー上がってるのだ。せっかくオーバーヒート止まったのに今度はバッテリー。どうなってるのよこれ。それでも「エンジン止めなきゃいい」と根性決め押し掛け。バッテリーは新しいし、充電もしたのになぁ。このあたりがフェラーリらしくて嬉し過ぎる!
押し掛けしたら、今度はまたしても冷却水ブチ撒き蒸気機関車状態。車検場で押し掛けしたり、モクモク湯気出すクルマも少ないだろう。こらもう車検など無理。シオシオ状況の写真を撮り、328の車検は梅田さんのトコロに頼もうかと思った。リベンジは1月に車検のベンツ300SEでやりましょうや。帰り支度を済ませ、自走出来るか試しに水を一杯に入れたら、まぁ素敵! 再びウォーターポンプ回ってるみたいで、水温は90度でビシッと安定してる。
よっしゃ〜! 行けぇぇぇ! とばかり車検ラインに突入。ブレーキのテストなどフェラーリの油圧システムをもってすれば規定値クリアなどお茶の子さいさい。スピードメーターは37kmでボタンを押す。これも絶対の自信あり。むろん『○』マーク出て次のヘッドライト光軸検査。これまた先ほどバッチリ合わせたばかりだから、全く不安なく『○』。光軸検査中、排気ガスの検査機を排気管に差し込む。いつも通りHCもCOも0ppm。計測限界以下のクリーン度。
続いてサイドスリップ。これもアライメント調整カンペキにやってあるから大丈夫でしょう。最後が下回りの検査。サーキット全開で攻めるようなクルマだから、ガタなんかあったらすぐ解る。下回りからキンキンとボルト叩いて検査する音が。ちくしょう! ハンマーでそんな叩くなよ。これまた問題あるワケないのだが、最後の難関がエンジン始動。下回り検査はエンジン止めなければならないのだ。祈るキモチでセル回すと、フェラーリ特有のハイピッチなクランキングの後、轟然と始動。バッテリー、問題ないじゃん!
怒濤のようにラインを通過し、いずれも余裕持ってパス。当然車検合格です。今となってはオーバーヒートも突然のバッテリー上がりも、取材の盛り上がりを演出したみたいになってしまいました。そんじゃ、と帰路に。しかぁし! 無事じゃ済まなかった! 途中、またしても蒸気機関車状態だよおい。コンビニでミネラルウォーター買ったら7リッターも入る。どうやら冷水の刺激が効くみたいだ。再びウォーターポンプが動き始め、無事帰着。梅田さ〜ん、部品取り寄せて下さいね。
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