先号を読んだヒトなら覚えているかもしれないが、300SEのアライメント調整をしたトコロ「こらステアリングギアボックス緩んでるよ」だって。ワタしゃてっきりアライメント狂っているせいで直進性悪いと思っていたのだった。まだまだ修行が足りぬ! じゃ調整しようか、ということになったのだけれど、行きつけの修理屋サンで調整しちゃったらソレでオシマイ。どうせやるなら皆さんの役に立ちたい。安くて良い修理屋サン見つければ、有用な情報になるし。
 そこで今回はアライメント調整頼んだ『東京自動車エンジン』から紹介してもらった『葛商自動車』という修理屋に突入することにした。名人は名人を知る、というのがワタシの経験。ついでにブレーキパッドを新車時から一度も交換してないのでやってもらいましょう。場所は寅サンで有名な葛飾区柴又の近所。ごく普通の修理工場といった感じながら、工具見ると全部スナップオン。洗浄用のケミカル類などもキチンと揃えている。この時点で相当安心しましたね。



 とりあえずリフトでクルマを上げ、パッド交換から。左ハンドルのステアリングギアボックスはエンジン近くにあるため、熱いと調整出来ない。パッドを取り外してみると、前輪が6分残り。後輪9分残り。十分使えるのになぜ交換するかというと、パッド素材は10年くらいすると硬化するから。こうなればフルブレーキングで粉々になることもあるそうな。怖い怖い。ワタシの300SEも9年が経過。そろそろヤバい感じ。まだ残っているけれど交換する時期だ。ちなみに走行距離1万6千q。制限速度守ってるのでブレーキも減らないのだろう。
 作業は全然文句ナシ! と言うより、このヒトなら「お任せ」です。例えばホイール装着する時も、柄の短いレンチで基本通り対角するボルト緩く締めた後、仮締め。そしてリフトから降ろし、トルクレンチでキッチリ本締めする。エアインパクトレンチ一切使わない(もちろん外す時は使う)。パッドグリス付けるのも、必要最小限の量。ベタベタ塗るとトラブルのモトになるからだ。これで工賃3千円! 前後パッドの代金が1万6000円で、消費税込み1万7430円。

 エンジン冷えたのでいよいよステアリングギアボックスの調整に行く。ベンツやBMWなどFR車の多くは『ボール&ナット』(ラック&ピニオン以外の方式)というタイプを採用している。コスト掛かるけれど、路面からのキックバック無くしっとりした手応え出せるのが特徴。しかし緩むことも多い。気難しい、と表現してもよかろう。使っているウチ、少しずつクリアランス(隙間)出てくるのだった。具体的にはハンドルの中立付近のレスポンスが悪化するワケ。
 緩んだなら締めればよろしい、ということで、この調整を自分でやっちゃうヒトも多い。作業自体は非常に簡単。インターネットなどでも紹介されている。アカイ画伯の芸術的劇画で解るかどうか不安ながら、要するにロックナット緩め、真ん中の軸を六角レンチで締め込むだけ。右ハンドルだとボンネット開けるだけで作業出来ちゃう。ところがこいつぁ経験を要するのだな。どのくらい締め込んだらいいか、という基準がないからだ。少し緩いだけで遊び出る。

 かといって締めすぎると、今度はギアボックスに負担掛かってオシャカ。パワステ無かった時代であれば「締めすぎ=ハンドル操作の重さ」になって体感出来たものの、パワステ付きは締め過ぎても全然解らない。葛商自動車にも自分で締め過ぎお手上げになったヒトが来るらしいけれど、たいてい手遅れとのこと。ベンツの場合、リビルドのギアボックスで10〜15万円くらいするそうな。BMWもそんなもん。ギアボックスのコンディション悪いと、ベンツもBMWも独特の味を堪能出来ないと思う。
 作業見てると、最初の位置にマーカーで印を付け8分の1回転くらい締め、そこからハンドルの遊びをチェックしつつ少しずつキツくしていく。ワタシのクルマは5分の1回転ほど締めた。「こんなもんでしょう!」と言うも、やっぱり明確な基準はないみたいだ。ま、世の中そんなコト多いワな。だから人生面白いんだと思う。気になる結果はどうか? 調整後、高速道路入ってツインリンクもてぎまで往復したのだが、やっとSクラスらしいフィールになった。これで本調子!
 工賃は比較的作業しやすいクルマで3千円(右ハンドル車やSクラスの6気筒とかEクラスの4気筒など)。手が届きにくいV8になると6千円くらい。エンジンさえ冷えれば20分あれば出来る調整だから、もし不安なヒトは頼んでみたらどうだろう。今回イチバン驚いたのは作業してくれた高田サンという工場長の年齢。20歳代かと思ってたら、どうも古いハナシに詳しい。聞いてみると40歳だって。ワタシもそうだけど、現在40歳前後のヒトって年齢不詳が多いです。

<葛商自動車 東京都葛飾区鎌倉3−18−3 03−3657−0530>