評判の磨き屋さんを取材しました。
以前このコラムでコーティングについて取り上げた。「効果はあるようだけれど、キチンと作業できる業者に当たったことが無い。知っているヒト居れば教えて欲しい」という内容。するとどうだ。全国5千万人くるまにあ読者から多数のFAXを頂いたでないの。けっこう興味深かったのが、コーティング作業で使う溶剤を業者に卸しているヒトからのもので、やっぱりウデ次第だという。全然ダメな業者も多いそうな。洗車して溶剤を塗ればイイ、というモンじゃないらしい。それだったら誰にでも出来るワな。
自薦、他薦の業者も多数あった。全部にお願い出来ればいいのだろうが、そうもいかん。そこで「一度試して見て欲しい」と書いてあった『ポリッシュファクトリー』に連絡を取ってみたところ、面白そうなのでお願いすることに決定。取材日までの間に調べてみたら、ここの大将、ギョウカイじゃ有名なヒトらしい。仕事に困っているワケでもないのに、なぜFAXしたのか聞いてみたら「お得意サンに記事見せられて、ナメられてるね、と言われちゃいまして」だって。引き下がれない、というヤツだな。
当日、軽く水洗いしたベンツを持ち込む。すぐ作業するのかと思いきや、なんかキカイを使ってボディを調べメモ取ってる。そのキカイ、塗装の厚さを測るモノだという。コレでボディパネルをチェックすると、いろんなコトが解るそうだ。オリジナルの塗装は約100ミクロン(1mmの10分の1)。何らかの理由から、そいつを磨くと薄くなり、事故で再塗装すれば厚くなるらしい。ジツはワタシのベンツ、トランクフードに細かいキズがあり、再塗装した。大将、一発で指摘。
さらに右ドアは小キズがあったんだろう。磨きを入れたため塗装厚80ミクロンに減っており、左ドアに板金まではしていないものの、再塗装の痕跡あることも判明した。何で塗装の厚さなど計るのか言えば、塗装が薄くなっているブブンを丁寧に磨くためである。塗装厚50ミクロン程度になってくると、黒っぽくなると言う。普通、1回に2ミクロンほど磨くそうだが、薄くなっている部分は1ミクロンくらいに抑えるらしい。ちなみに1年に1回の磨きなら、10年で20ミクロン。そう考えると、塗装は丈夫だぁね。
それ以上にタマげたのが、作業を開始してから訪れた常連だというお客さんである。塗装に関して特殊な感覚を持っているらしく、このヒトは見ただけで再塗装した箇所を指摘。塗装作業がヘタだと言う。この時点で「こりゃ普通の洗車屋サンと違う!」と感心してもうた。ドコの世界にもプロや職人は存在する。そしてウルサイお客も集まるのだ。たいていの洗車屋サンは、辺り構わず電動ポリッシャーでゴシゴシ磨き、コーティング材を塗ってオシマイ。どう考えてもプロの仕事と思えない。
結局、作業には半日ほど掛かった。仕上がりについちゃ、一同開いた口がふさがらない状態。アカイコウジ氏のマンガでどう表現されているかワカランけど、9年落ちのW126は新車と見違えるほどである。タイミング悪く降り出した雨の中を走って帰るのがイヤになるくらい。数日後、雨とホコリで汚れたボディを水で洗ってやると、またもやピカピカのボディが出現。さらに数日後、水垢状の汚れついてたので洗うと、これまたピカピカ。今のところ効果バツグンといった雰囲気である。大将によれば丁寧に扱えば1年くらい持つ、とか。
気になるのが料金だろう。一般的に磨きのプロだと、料金は作業内容によって決まるのだという。つまり同じボディサイズでもヨゴレがひどければ高いし、軽く磨いてツヤ出れば安く済むってこと。しかし普通のヒトにとって寿司屋の『時価』が怖いのと同じく、いくら掛かるか解らないんじゃ頼みにくい。参考までに書いておくと、今回の作業、フルコースを10とすれば6くらいの内容とか。これで平均的なコンディションにあるゴルフサイズのボディなら約3万円。3シリーズで3万5千円。5シリーズが4万円。Sクラス4万5千円前後らしい。
昨日入ったアルバイト作業員が行う街中の洗車屋サンに頼んでも、だいだいそんなネダン。内容を考えれば千倍くらいの価値あると思う。中古車を買ったなら、国沢光宏にダマされたつもりになって(このページのタイトルみたいね)磨いてもらったらいかがか?信じられないくらいピカピカになって戻ってくると思う。以後、毎年頼むかどうかは皆さんにお任せする。その際、再塗装の痕跡など全て判明するから、精密検査を受けたつもりになってみたら面白い。