<フロントガラスのチッピング>

 事故は安全な運転さえ心がけていれば、そうそう起きるもんじゃない。しかし! 石ハネによるフロントガラスの破損となると、こらもう運みたいなもの。なんせ飛んでくる石が見えないし、見えても避けられないと思う。一番いいのは車両保険に入っておくことながら(窓ガラスの破損のみ事故割り増し無い)、ワタシの場合、保険料節約のため免責10万円に設定しており、大ダメージ受けた時にしか使えない。ただ免許取って25年間、一度しか石ハネ喰らったことありません(15年前。泣く泣く交換)。
 幸運はいつまでも続くモンじゃない。1月のある日、高速道路の走行車線を走っていたら、追い抜いて行ったトラックが前に入った瞬間「ビシッ!」とハネ石。急いでトラックのナンバーをメモしたけれど、考えてみたら賠償請求出来るワケでなし。荷台からボロボロこぼした石でガラス割れれば請求するが。さらに運悪いことに石当たった部分はドライバーの真ん前。プラス志向で考えるワタシは「大きな石ならガラス破って顔を直撃してた。ああ良かった」と強引に納得する。

キズは指の先2cmの位置にある白い点。


 ヒビの状況は石が当たったブブンに3ミリくらいの穴が開き、そこから5ミリくらいづつ5本ほどのヒビ。止まってジックリとチェックしたら、不幸中の幸いか合わせガラス(今のクルマは全部ガラスを2枚合わせたタイプ)の外側だけ。大きさもタイしたもんじゃない。とは言えちょうど目の前の位置。絶対車検は通らないと思う。かといってガラス交換するほどひどくないし。これがワイパーの払拭面以外の場所なら、自分でリペアキット買って治したろう(カーショップに行けば3千円で売っている)。
目の前となると、失敗したらオシマイ。ガラス交換だ。となればプロに頼むしかないでしょう! 早速どこに頼むか探して見ることに。インターネットで調べてみると、どうやら1万5千円〜2万円くらいが相場らしい。『Google』で「フロントガラス 補修」と入れ検索したら、1290件もヒット。順番にチェックしていくと、ガラス屋さんや、カー用品店、ディーラーなどでも作業してもらえるようだ。迷った末、自動車ガラス業界じゃ有名な『小西ガラス』を選ぶ。



 有名だから高いのかというと、そんなことない。聞くと「10円玉で隠れるくらいのヒビなら国産車も輸入車も1万5千円です」とのこと。DIYで失敗しガラス交換になることを考えれば安いと思う。予約し、小西ガラスに持っていくと「この程度のキズなら目立たなくなりますよ」。早速作業してもらう。書き忘れたが、ヒビ入ったら可能な限り早く破損個所にセロテープ貼ることをすすめる。ゴミがキズに入り込むと、修理した時に汚れとして残ってしまう。むろんワタシもテープ貼りました。

ドリルで小さな穴を開ける。


 まずドリルで石の直撃点に穴を開ける。少し不安。透明な液体レジン(硬化すると透明になる)が入りやすくするためだ。続いてガラス面にアタッチメントを密着させ、キズ内部をバキューム(減圧)する。その後、レジンを圧力掛けて押し込む。すると減圧させてあるため、ヒビの先端までレジンが入り込むという寸法。しばらく待つと、ヒビは全く見えなくなってしまった。紫外線を当てるとレジンが硬化するためヒビは拡大せず、強度も元のガラスと同等になるそうな。

キズの部分を負圧にする。


 これでヒビが消えたけれど、ドリルで開けた穴は残ってしまう。ハッキリ目立つくらいの穴です。どうするのかと思ったら、違うタイプのレジンを使って穴を塞ぐのだという。レジンの硬化は紫外線(UV)照射装置使えば2分でOK。ちなみに歯の治療で使うのも、紫外線で硬化するレジン。セミダインみたいなニオイした液体と粉末をペタペタ塗り、光線銃みたいなの当てると硬化する詰め物、御存知だろうか? あれ、レジン塗って紫外線を当ててるのだ。
 2回ほどレジン入れ硬化させると、ハッキリ見えていた穴が”おおよそ”見えなくなってしまった。完全に見えなくなるワケじゃないまでも、普通の写真だと写らないくらいのキズになる。この程度なら十分ガマン出来る範囲内と言ってよかろう。キズまでいかない軽い石ハネの痕跡くらいのイメージ。修理後、10日間経ったが、乗っていて気になることは無い。ガラス交換を考えれば絶対安いと思う。表側のガラスだけのキズなら、ぜひともリペアをすすめておく。


 ポイントは文頭に書いた通り、キズの深さと大きさだ。小西ガラスの方に聞いたら「とんでもなく大きなキズや、完全に内側のガラスまで破損してしまったクルマを持ち込んでくるケースが案外多いです」。インターネットで見ると、皆さん目の前に出来た大きなキズを自分で補修して痛い目にあっている。大きなキズはプロでも直せない。自分のキズを冷静に判断して下され。今回の修行に掛かったお布施、消費税込み1万5750円なり。まぁこんなもんでしょう。