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ソニカ試乗レポート

(試乗車は最上級のRSリミテッド)

<まずはスタイル、インテリアから>

国:カッコいいねえ。ダイハツのクルマでカッコいいって思ったことは初めてかもしれない。

永:今までの軽自動車にはなかった感じのスタイルですよね。

新:軽自動車としては比較的全高が低い(1470mm)こととガラス面積が小さくて変わった形をしているせいなのか横から見ると軽自動車に見えないシルエットをしていると思います。

国:トゥディに似てると思うよ。

永:スタイルだけでも買う価値があるかもしれませんね。続いて室内に行ってみましょう。

国:さすがに新しい世代の軽自動車だけあって室内幅は広い。頭上空間も適度で無駄を感じないのがいい。ちょっと俺が後席に座ってみようか。

新:どうですか?

国:まったく問題ないね。広いとは言えないけど適度な包まれ感があって居心地いいよ。これなら大人4人でロングドライブに行っても不満は出ないんじゃないかなあ。行かないだろうけど。

身長183Bの国沢師匠でも十分座れます

永:ラゲッジルームの広さはごく普通ですね。

国:軽自動車というモノサシで見れば余裕で合格点。シートアレンジだって実際には後席の折り畳みくらいしか使わないんだからこれで十分。

片側を倒せば、3人までの旅行には十分対応してくれそう

永:今の軽自動車はワゴンRやムーヴのようなハイトワゴン系が主流になっていますが、ユーザーの中には「あんなに背は高くなくてもいい」という人もそれなりの数いると思うんですよ。そんなユーザーに案外受けそうですね。

国:「大人向け」とか「プレミアム」とも取れるコンセプトもいいよね。ただそうやって期待して見ちゃうと、インテリアの質感が惜しい。

永:大人向けというには安っぽいですかね。

新:ダッシュボードやドアトリムのプラスチックなんて映画の「千と千尋の神隠し」に出てくる「カオナシ」みたいです。

もう少し質感があれば文句なし

国:シートなんかはよく作りこまれているから余計に惜しい。

永:ドアトリムなんかは柔らか味のあるプラスチックかいっそのことシート生地のような布でも張って欲しかったですね。

国:コンセプトを考えるとオプションでいいからプレミアムなインテリアの仕様があってもいいと思うな。

永:ちなみにソニカのキー抜き忘れ警告音(ソニカはキーフリーシステムという全車カードキーなので正式にはカード置き忘れ警告音か?)とRレンジに入っているときのアラームは高級車の雰囲気を出すためかトヨタの高額車と同じ音です。

<ソニカの走りは?>

永:エンジンは昨年末登場のエッセから搭載されている3気筒KF型エンジンのターボ付きで、組み合わされるトランスミッションは新作の3軸式CVT(スペース効率に優れる)です。

国:まずエンジン、印象としてはエッセに載っているNAと似た感じ。下からちゃんとトルク出てて上までキッチリ回る。回して気持ちいいとか面白みのある性格じゃないけどね。

ノンターボと同様にターボ付きもも仕上がり良好!

永:今後席に乗ってますが、このエンジン驚くくらい静かでスムースです。下手な4気筒より快適だと思います。

新:しかもアップダウンのきついコースを男性3人(合計200kgちょっと)で乗車しているにも関わらずパワー不足を感じることなく走るのは立派です。やっぱり新しいエンジンはいいですね。

永:続いて軽自動車ではまだ少ないCVTはどうでしょう?

国:CVTも非常に自然な感じで仕上がりいいよ。それにコストがかかるトルコンを発進用に使っているから発進時のレスポンスも申し分ない。

永:ただCVT関係と思われる音がやたらうるさいですね。

国:そのうち静かになるでしょ。でもCVTの経験が少ない中でここまで仕上げてきたのは立派。

永:RSリミテッドにはCVTのマニュアルモード付いていますけど、ちょっとセレクトレバーが遠いせいかせっかくのマニュアルモードなのに使いにくい気がします。出来たらパドルシフトもあるといいなと思います。

<乗り心地はやっぱり軽自動車?>

永:パワートレーン系は概ね好印象でした。続いてハンドリング、乗り心地にいきましょうか。

国:ハンドリングは軽自動車と見れば特に問題とかはないけど、俺の好みではないな。

新:どういうことですか?

国:簡単に言うとダイハツ車でよくある「何をやってもアンダー」って感じ。確かにスピンしたりするリスクはないけど、楽しいか? 聞かれたら「楽しくない」って答えになるタイプ。

もう少し楽しさが欲しい

永:ハンドリングよりも乗り心地の方が問題だと思うんですが。

新:路面のきれいなところは問題ないけど、荒れてくるとドタバタしたり、突き上げがひどくなったりと途端に破綻が出ますね。

永:ちなみにダンパーはカヤバだそうです。

国:カヤバのダンパーを使ったクルマの典型だね。もしかしたらソニカの場合はサスペンション取り付け部の剛性不足なんかも関係しているかもしれないけど、プレミアムを感じる軽自動車でこの乗り心地はちょっといただけないなあ。

永:ソニカのタイヤは14インチ(ベースグレードのR)と15インチ(上級のRSとRSリミテッド)があります。今日の試乗会には残念ながら15インチホイールのタイプしかないんですけど、14インチだったら乗り心地はいい方向になりませんか?

15インチはオーバースペックか?

国:乗っていないから断言は出来ないけど、相当変わると思う。ソニカの購入を考えている方には14インチ仕様も検討して欲しい。機会があったらチェックしてみたいね。

新:その14インチタイヤを履いているRってグレード、かなりお買い得じゃないですか?

永:Rの価格は118万6500円です。アルミホイールなんか付いていませんけど、その値段でオーディオやキーフリーシステムまで付いています。実はこの値段って、他の軽自動車のターボ付きと大体同じなので非常にリーズナブルではないでしょうか(コンセプトの近いR2のスーパーチャージャーなど140万円以上する)。

国:いろいろ含めると、ソニカを考えている人はRを基本に考えるといいんじゃないかな。それにしてもソニカのコンセプトって面白いよね。

永:今あるクルマで言えば、R2やiに近いパーソナルな感じですよね。

新:自分の時間を大事にする「フリースタイルカップルズ」をターゲットにしているそうです。

国:「カップル」っていうのは若いカップルだけじゃないと思う。「2人だからクルマは小さいので十分」って考える年配の夫婦の方もいるわけで。だからこそ、目の肥えた大人も満足できるようにインテリアと乗り心地の改良をやって欲しいね。

<まとめ>

 ソニカの発売以来、三菱がiに「リミテッド」という車両本体価格約120万(「リミテッド」の出る前は一番安くても130万円近くした)の特別仕様車を発売するなど、にわかに「プレミアムな軽自動車」の市場が注目されてきたと思う。これだけ軽自動車が増えている時代なのだから「多少高くて、室内が狭くてもいいから、誇りを持てる軽自動車を欲しい」と考える人もそれなりにいるのだろう。ソニカはライバルとして思う浮かぶアイ、R2である。価格まで含めた総合点でトップかもしれない。しかし、よく出来ているからこそレポートの中で挙がったようにインテリアや乗り心地を良くして欲しいと余計に感じてしまう。例えば5万円くらいで上質なインテリアとダンパーを選べるオプションなんてどうだろう? 最近、コペンにビルシュタインバンパー、レカロシートなどの付いた「アルティメット エディション」を追加したダイハツだったら、実験的にでもやってくれそうな気がするのだけど。とにかくまだ新しいジャンルである「プレミアムな軽自動車の市場」とソニカが今後どのように育っていくか大いに注目したいところだ。

レポート/永田恵一