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08JAIA試乗会
−輸入車販売No1、VW人気の理由は?−
今年もJAIA主催の輸入車試乗会に行ってきました! 最近は「予約はせずに空いているクルマに乗る」という「中身は着いてからのお楽しみ」というスタンスであります。今回は突如師匠が「VWのイッキ乗りをしようか!」。というわけで「フォルクスワーゲンの魅力を再確認しよう」と決定。ゴルフ3オーナーだったことのある私には非常に面白い企画です(関係ありませんが私の父は空冷ビートル、ゴルフ1を2台、母はゴルフ2を2台、ゴルフ3←このクルマが私の乗っていたゴルフ3、と乗り継いでおり、生まれてから25年間くらい私の周りにはずっとフォルクスワーゲンがありました)。今回は注目を集めているTSIエンジン搭載車を中心にライバルとなるモデルも味見し、フォルクスワーゲンが日本人から愛される理由を探りました。
ゴルフTSIコンフォートライン(289万円)
国:今日はワーゲン一気乗りと行きましょう。
永:1台目は追加されたばかりのゴルフTSIコンフォートラインです。ポジション的には今までのGLi(2リッター直噴FSIエンジン)を引き継ぐモデルで、ロープレッシャーの140馬力仕様のTSIツインチャージャーエンジンを搭載し、トランスミッションはフォルクスワーゲンお得意のDSG(6速)です。
国:走り出してすぐに感じるのは、1.4リッターとは思えないくらい速くて、パンチがあるってことだね。2リッター直噴よりずっと速い。
永:過給機が2つ付いているんだからそれもそのはず、とも思いますが驚きます。これで自動車税は1リッター以上1.5リッター以下の3万4500円ですから有り難いです。
国:去年乗ったGT TSI(ハイプレッシャーの170馬力仕様)に比べると当然パンチはないけど、その分扱いやすいのも特徴。

マイルドさも魅力の140馬力仕様のTSIエンジン、タイヤも大人しい15インチ
永:扱いやすいといえば、DSGも渋滞や車庫入れなどでゆっくり動くときにギクシャク感(非常に軽度)がほとんどなくなったように感じます。熟成が進んだせいでしょうか?
国:きっとそうだろなあ。その他は今までのゴルフと同じ。強固なボディ剛性とか乗る度に「いいなあ」と思う。
インテリアは今までのゴルフと変わらず
永:今のところ4気筒エンジンのゴルフのラインナップはベーシックモデルとなる1.6リッターFSIの“E”(245万円)以外全て過給機付きになりました。この流れでEも過給機付きになるんでしょうか?
国:Eもいずれ過給機付き(1.4リッターFSIエンジンにターボのみを加えたもの、122馬力の7速DSG!)になるよ。
永:そうなると「ベーシックグレードはちょっと待ち」とも思いますが、今ならEに1200台限定の“オクターヴ”という特別仕様があってHDDナビやアルミホイールが付いて何と7万円高の252万円です。今抱えているEの在庫処分的な意味もあるのかもしれませんが、お買い得感満点です。
国:こりゃ迷うな。まあ今すぐに新しいクルマが必要なこっちでもいいんじゃないかな。
永:最後の4気筒NAゴルフいう価値もあるかもしれません。それにしても商売上手ですね(笑)。
国:それもそうなんだけど、何でフォルクスワーゲンってこのユーロ高の時代にこんな安い(クルマの出来、ESPやサイド&カーテンエアバッグといった安全装備まで標準装備されることを考えると)んだろうなあ。さらにこのゴルフTSIコンフォートライン以上の価格のモデルならクルーズコントロール付きというワタシにとっちゃたまらないオマケまである。
永:日本の自動車業界の七不思議の1つかもしれません。
ゴルフヴァリアント・コンフォートライン(299万円)
永:2台目は去年の夏にラインナップに加わったゴルフヴァリアントのTSIコンフォートラインです。こちらも先ほどのゴルフと同じ1.4リッターツインチャージャーですが、ハイプレッシャーの170馬力仕様です。
国:こちらの方がゴルフの140馬力仕様よりボディ形状の関係で80kg(1470kg)重いけど、パワーある分でかなり速い。
永:3000回転あたりからのパンチは格段に強力ですね。
国:パワーは160馬力だからターボということを考えると大した数値ではないけど、トルクが25.5kgmもある。これで燃費も良さそうだから文句なし。
永;1.4リッターTSIの100km巡航時の燃費なんて18〜19kmくらいです。自分は去年のJAIAでGT TSIに乗って、自分の感覚よりパワーが出過ぎるようなところが好きになれなかったんですが、慣れたせいなのかそれとも改良されているのか気にならなくなりました。
熟成も進んできたTSIエンジン
国:それと20kmとか30kmのスピードになってもスーパーチャージャー付きだから4速とか5速の上位ギアで粘るのも偉い。乗り心地はゴルフTSIの方が柔らか目というしなやかな感じ。もちろん、ヴァリアントも「硬いんだけどちゃんと減衰してる」ってタイプだから非常にいい部類なんだけど。
永:コーナーではヴァリアントの方がしっかり踏ん張ります。ゴルフTSIはややタイヤがヨレルというか。
国:それにしてもヴァリアントも安いよなあ。
永:ヴァリアントは異常ですよ。さっきのゴルフと比べてワゴンなのに僅か10万円高、それだけでも超安いのに、こっちは30馬力増しですから。
国:ワゴンの必要がなくてもヴァリアントにするべき、なんて思っちゃう。
永:それと「クルマの値段は卵と同じくらい上がらない」って言いますけど、自分が乗ってたゴルフ3(95年式GLiのAT、当時3%の消費税抜きで274万円)と去年まで売っていたゴルフ5のGLi(消費税5%込みで282万円)なんて実質的に値段同じです。にも関わらず、内容はエンジン/2バルブ→4バルブ直噴、AT/4速→6速、安全装備/ESP、サイド&カーテンエアバッグが追加、おまけにインテリアの質感とボディサイズは全然違う、と昔の値段はいったい何だったの? ってよく思います。
国:まあ今のゴルフはアウディA3とプラットホームやエンジンを共用しているからその分開発費を分散できるとかあるんだろうけど、それにしても安い。
永:もしかしたら昔「ちょっと儲け過ぎたかも」みたいな懺悔でもあるんでしょうか(笑)。
パサートヴァリアント・コンフォートライン(345万円)
永:ゴルフのあとは師匠お気に入りのパサートです。最近追加されたコンフォートラインも先ほどのゴルフTSIコンフォートラインと同じく、今まで2リッターFSIエンジンを積んでいた“2.0”の代わりとなるモデルです。ただ、エンジンは1.8リッター直噴エンジンにライトプレッシャーのターボを加えたもので、トランスミッションは6速ATです。
国:これも今までの2リッターよりも全然速い。加えて3000回転あたりからの中回転域で結構なパンチを感じるのもビックリ。
永:「一番ベーシックなパサートってこんな速いのかよ」って驚いてます。
国:それとワーゲンのターボって直噴なのとタービンが小さいせいでアクセル踏んだ瞬間すぐレスポンスが付いてくるのも大きな特徴。ターボ嫌いな人でも受け入れられるんじゃないかな。
今後重要な任務を担っていきそうな1.8リッターTSIエンジン
永:私がまさにそうです。これだけ元気に走って、排気量下げてるから街乗りの燃費は格段にいいわけですから「参りました」って感じです。このまま行くとフォルクスワーゲンってNAエンジンを辞めちゃうような気すらします。
国:V6とかポロくらいの安いクルマは別として、日本向けの4気筒に関しては過給機付きにシフトしていくみたいよ。
永:自動車税は安い、動力性能は上がるでいいこと尽くめですからね。
国:俺は未だにスキー用としてパサートヴァリアントV6 4モーション(3.2リッターV6)が欲しいと思うんだけど、どちらかといえば実用的なパサートにはこの小排気量エンジン+ターボって似合ってると思う。
永:でも、パサートって乗るとこんなにいいのに日本では地味というかメジャーな存在ではないですよね。
国:まずパサート自体が目立たないっていうのが大きな原因。加えて諸外国では「値段の割りにデカくて広い」って選び方をする人も多いけど、日本ではそういう人があまりいないっていうのと300万円後半になるとベンツやBMWも視野に入ってくるから仕方ないんじゃない。
永:やっぱりフォルクスワーゲンは「基本的にゴルフ」なんでしょうね。
国:裏を返せば、「中古車は狙い目」っていうことになる。
永:確かに安いですね。いいクルマなのに安いっていう中古車の醍醐味が詰まってます。
国:リセールバリューがちょっと不安だから、長く乗る人にはすごくいいんじゃないかな。
質実剛健だけではないインテリア、ラゲッジペースは超ラージサイズ!
続いてフォルクスワーゲンのライバルとなる輸入車としてBMW120i、アウディA4アヴァント 2.0TFSIクアトロにも試乗しました。
BMW120i(355万円/6速AT)
永:フォルクスワーゲンのライバル1番手はBMW120iです。
国:値段的にはゴルフGTIのDSGに近いな。
永:BMWの4気筒って乗ったことなかったので興味あります。
国:エンジンなんだけど、ちゃんとレッドゾーンまでスムースに回るんだけど「普通にいい」ってレベル。ワーゲンはもちろん、ホンダやトヨタのバランサーシャフト付きの4気筒と大きくは変わらないと思う。
永:高回転まで回したときの音の良さというか色気もそれほど感じないですね。
「フロントミッドシップのお手本」と言えるBMWの4気筒エンジン
国:乗り心地もツキ上げ感がある。
永:ランフラットタイヤのせいなのか結構ドタバタします。もちろんいい部類には入るんでしょうけど。でも、ハンドルにドシッとした重みを感じるステアリングフィールなんて素晴らしいと思いますが。
国:BMW買うならやっぱり3シリーズかな。
永:それにもう少しで320が買える価格ですし、スタイルの好みも分かれそうですね。
国:ゴルフGTI優勢。
永:BMWファンなら迷わないと思いますけど。
アウディA4アヴァント 2.0TFSIクアトロ
(484万円/6速AT)
永:続いてすでに次期モデルへの以降が秒読み段階となっているアウディA4アヴァント 2.0TFSIクアトロです。
国:時期的にちょっとかわいそうだけど、これはパサートヴァリアントV6 4モーションの相手だな。
永:いきなり値段にビックリしちゃいました。V6になるとなんと600万円オーバーです。
国:やっぱり乗ると静かで乗り心地は快適だし、インテリアのデザインや作りも良くていいクルマなんだけど値段考えると強力な魅力には欠ける。
永:エンジンが縦置きなので、右ハンドル化しても横置きのフォルクスワーゲンより足元が広い(というか右側のホイールハウスの出っ張りがない)のはいいと思います。でも、自分だったら「パサートの方がずっとお買い得」とか「雪道行くならレガシィにした方が何かといいのでは?」なんて思っちゃいます。
基本的にはゴルフGTIなどと同じ2リッター直噴ターボエンジン
国:フォレスターだったらレガシィよりも値段も安いから、もっとガシガシ気兼ねなく使える。
永:私には買う理由があんまりピンときません。
国:まあ、アウディが凄く好きっていう人も結構いるから「お金持ち向けの雪道エキスプレス」ってところなんじゃないかな。
永:いずれにせよ現段階では大きな数は売れないクルマだと思います。
アウディらしい上質なインテリア
というわけでライバル2台はフォルクスワーゲン勢に予想外の苦戦。フォルクスワーゲンの強さが浮き彫りになってしまいました。このあと、ベーシックなフォルクスワーゲンであるポロにも試乗しました。
ポロ1.4コンフォートライン(199万円、6速AT)
永:今日は「コンフォートライン」と付くクルマばかりです。
国:いやあ、現行ポロって丸目4灯だった頃以来久しぶりに乗るんだけど、昔はボディがガタピシしたりあまりいい印象はなかった。でも、いいクルマになったねえ。
永:登場からの6年間に大分煮詰められたんでしょうか。
国:それと6速ATになって動力性能も見違えるくらい良くなった。
永:結構重いし(1140kg)、「速さは大したことないんだろう」って思ってたんですが、とんでもない。予想よりもずっと速いです。
国:これ1600?
永:いえ1600はスポーツラインですから、これは1400です。
国:フィットの1500よりパワフルに感じる。1600なんてぜんぜんいらない。
永:アッ、数値も低いという記憶はあったんですがカタログ発表はなんと80馬力です。
国:80馬力でこんなに走るなんて信じられないなあ。
数値以上の実力を持つエンジン、ポロのエンジンは傾いているのが普通のようです
永:それと言葉では言いにくいんですが、古い世代のフォルクスワーゲンの良さってありますね。
国:今ほどプレミアムな感じではない道具っぽいところとかね。
永:価格もフォルクスワーゲンお決まりのESP、サイド&カーテンエアバッグまで付いて199万円ですから安いです。
国:ポロって3ドアあったよね?
永:はい。3ドアならほぼ同じ装備で169万円です。169万円で買える日本車にESP、サイド&カーテンエアバッグまで付いたクルマなんてありますかね?
国:よく考えると「3ドアと5ドアで何で30万円も違うの?」っていうのもあるけど、とにかく安いな。
永:個人的には3ドア大歓迎なので非常に嬉しいです。
国:欲を言えばこの仕様でMTがあったらクルマ好きには楽しいと思う。
永:スポーツモデルのMTもいいですけど、普通のモデルのMTっていうのも魅力ありますよね。
国:輸入車入門は「ゴルフが最右翼」と思ってたけど、ポロも同じかそれ以上に入門編にはピッタリなクルマだと思いました。
インテリアはフォルクスワーゲンそのものといったところ
<フォルクスワーゲンの強さをまとめると?>
永:今日フォルクスワーゲンにまとめて乗って、強さばかりが目立ちましたね。
国:ホントだよなあ。まず、ワーゲンって昔はヤナセで売っていたこともあって日本人にとっては馴染みのある一番信頼できるブランド、それが強さの1つ。
永:輸入車の中ではトラブルも少ないですし、ワーゲンを5台も買った私の実家を見るとよく分かります。
国:それで最も肝心なクルマがいい。TSIエンジンなんて、乗ってみたいと感じている人も多いでしょう。
永:ハイブリッドのプリウスや近い価格帯のレガシィと迷う人も多いと聞きます。
国:そして、昔は「モノはいいんだけど高い」って部分もあったんだけど、今ではユーロ高にも関わらず大きな値上げもなく内容を考えると非常に買い得感も強い。今売っているワーゲンに割高感のあるクルマは皆無。日本のお客さんはホントに目利きだよ。
永:死角はないですね。
国:200万円から300万円台後半の予算で輸入車を買おう思っている人がいて決定打がない場合には、「迷ったらフォルクスワーゲン」と考えておけば間違いはないと思います。
結論も出たところで「せっかくJAIAの試乗会に来たのだから」ということで輸入車らしいクルマにも乗りました。そのクルマとは……
ジャガーXJ4.2エクスクルーシブ(895万円。6速AT)
永:ジャガーXJですか。今まで一度も乗ったことがなかったので興味津々です。イメージも好ましいです。
国:(走り出していきなり)このクルマすごく硬い。借りたクルマ、スポーツグレードとかじゃないよね?
永:スポーツグレードは“R”ですから違います。でも、仕様書を見ると19インチタイヤ(標準サイズ)と書いてあります。その影響が大きいでしょうか? それにしても硬いです。乗る前は「ジャガーのしなやかな猫足ってどんな感じだろう?」って思っていたんですが、猫足どころかドイツ車より硬く感じます。
ジャガーの変化振りに師匠困惑??
国:最近のジャガーってドイツ車的な方向にシフトしてるのかな? 俺も昔ジャガーXJ6乗ってたけど、そのイメージとは全然違う。それとスタートのときの飛び出し感も非常に気になる。
永:ジワジワ踏んでいくと反応が鈍くて、いきなりスロットルがガバッと開く感じですよね。ジャガーの高貴なイメージに合いません。エンジンはこのクラスの高級車の平均くらいでしょうか?
国:絶対的なパワー、スムースさとかそんなところでしょう。インテリアもウッドパネルとかJの形をしたシフトレバーとかジャガーらしさは持っているけど、昔に比べるとちょっと質が低下したというか手間ヒマ掛かった感じはなくなった。

熟成されたV8エンジン。ストラットアッパーの補強(右画像)にも注目!
永:正直ジャガーって自分にはよく分からない世界のクルマなんですが、ジャガーの個性って何でしょうか?
国:ムカシはインテリアとかしなやかな走りだった。今はその2つに加えてXJはアルミボディによる軽量化(XJ4.2で1710kg)ってところだけど、正直昔に比べると個性は薄れたと思う。
永:高級車もスポーツカーのように「好き嫌い」で選べばいいジャンルのクルマだと思うんですが、師匠だったらLS460、ジャガーXJ4.2、ベンツSクラスだったらどれを選びますか?
国:うーん、Sクラスだな。価格を揃えるとS350になるけど、それでもSクラス。
永:ジャガーに一度乗ってみたかったという方や個性派向けの高級車といった感じでしょうか?
国:そんなところですな。
今年のJAIA試乗会は知らなかったジャガーの実態を知り、幕を閉じました。
レポート/永田恵一
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