C180という車名を見ると、1800ccエンジンのように思うかもしれない。実際、これまでベンツはガンコに排気量を車名にしてきた。先代Eクラスに『E400』という4,2リッターモデルがあったけれど、あれは語呂悪い(シ・ニだから)ということで日本だけE400である。「なんでC180なんだろうか?」とベンツに聞いたけれど、特に理由ないという。2,2リッターになったBMW320iの最高速226kmを、C200で超えたかった、とも言われるが……。
 ということでC180に搭載されるエンジンは、2リッターの129馬力です。ヨーロッパで発表されている最高速は210km。従来型が203qだったから、大幅な性能アップを果たした。空気抵抗を大幅に減らした効果によるもの。高速燃費も10%以上向上しているから嬉しい。ちなみに最高出力は、ヨーロッパで販売されている最低限の規格をクリアしたガソリン使った数値。日本式表示にすれば最低で150馬力あると思って欲しい。じゃなければ210kmも出ないもの。



 なぜ性能について書くかとなれば、理由は簡単。読者の方からよく聞かれるからだ。確かに従来型より90kg重くなっていて、エンジンも136馬力からダウンしている。結論から言うと「全然問題ありません!」。おそらく最高出力を削り中低速トルクに回したんだと思う。通常の走行モードなら従来型のC200と変わらない速さ。しかも100kmくらいから空気抵抗を減らした効果が出てくるため(テストコースでのハナシ)、むしろ高速域での伸びは良くなった。高速道路の追い越し車線だって全くストレスない。
 足回りも従来型よりビシッと硬い。昨今のベンツの流れを見てると、ドンドン日本車みたいになっている。EクラスやSクラスは、セルシオになりたいとしか思えない。ま、アメリカでベンツのマーケットを喰っているのはセルシオだから無理もないか。ただ日本人のベンツ好きとしちゃ大いに不満。だからこそ旧型EクラスやSクラスが人気になるのだ。新型Cクラスも期待していなかったのだけれど、昨年ドイツで試乗してビックリ! ムカシのベンツ路線に戻ってみたい。

 乗り心地は日本車より明らかにシャッキリしており、ハンドルだって重い。ボディは剛性のカタマリだ。ベンツらしい過剰品質感ある。C180は上級グレードと違いタイヤが合っているらしく、乗り心地とハンドリングのバランスもちょうどいいように思う。昨年秋に試乗した右ハンドルの初期ロッドは(右ハンドルは南アフリカで生産される)多少インテリアの仕上がりに雑なブブンもあったが、今回試乗したクルマは、納得できるクオリティに達していた。これなら「ベンツらしさ」を味わえるだろう。
 気に入るのが装備。BMWは「日本で使わない装備など落としてコストダウンしよう」みたいな雰囲気を感じる。3シリーズにオートクルーズは付かないのだ。ベンツならC180からオートクルーズが標準で付く。残念なのは左ハンドル仕様を選べないこと。ワタシは基本的に本国仕様のハンドル方向を好む。新型Cクラスは他の右ハンドルベンツのような悪いクセ(フリクション大きいアクセルやカックンブレーキ等)こそ無いものの、やっぱり左ハンドルがベストだと思う。
 C180に限らず輸入車を買うときに迷うのがエンジン。Cクラスの場合、あと60万円出すと163馬力エンジンを搭載するC200コンプレッサーに届く。このエンジン、4気筒で多少賑やかな回り方をするけれど、最高速230kmと強力! 0〜100km加速も9秒3で、V6の2,6リッターエンジンを搭載するC240(これも排気量と数字が合わない)の235km/9秒2に限りなく近い。C180の0〜100kmは11秒。ちなみにC240は500万円する。110万円違うと迷わないだろう。
 11秒と9秒3じゃどのくらい違うか? 乗り比べればハッキリ解るほど。C180の場合、アクセル全開にしても「速い」と感じないが、C200だと「おお! けっこうスポーティでないの!」。200kmまでイッキに出る。従来型のC200とC240の差くらいをイメージしてくれればよかろう。そんなこんなで、もし「速いクルマが好き」で、60万円余分に出せるならC200をプッシュしておく。60万円高く買っても数年後に手放す時は半分以上戻ってくるハズ。
 390万円という価格が安いか高いか、という根本的な問題についていえば「決して安くないけれど、まぁ仕方ないでしょうね」といった程度。ただBMWの320iはキモチよく回るストレート6と、C200とイーブンの性能を持ちながら418万円で買える。クルマ好きなら迷う価値大。C180が350万円くらいで買えるならモンク無しにすすめるのだが。自分で買うなら、C200。主としてヨメの足になるのであればC180、といったあたりが落としどころでしょう。