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本田技研工業

CR−V

3代目CR−V発表会

1)アコードを超えた? 新型CR−Vデビュー!

ホンダのアーバンSUV、「CR−V」がモデルチェンジしました。1995年に初代がデビューし、2001年に2代目。累計販売台数は250万台にもなり、160カ国以上で販売されている主力車種であります。

福井社長によれば、日本のSUV市場は初代CR−Vデビュー後にピークを迎え、最近では縮小傾向にあるものの、現在はピーク時の半分くらい(20万台規模)くらいで安定しているという。最近ではSUVの種類も増え、上級SUVの移行も進んでいるといいます。

ホンダはそういった市場を考慮しながら、新型では「アコード」の走りをベンチマークとし、ハンドリングと快適性を徹底的に追求したそう。またデザインでも一目見て「Nice car!」と言われるようなものを目指したとのこと。

登録車の販売台数が15ヶ月連続で減少するという厳しい情勢ながら、ホンダは新型ストリームに加えてこの新型CR−Vで拡販を狙います(新型CR−Vの月販売目標台数は2000台)。ホンダ渾身のアーバンSUVやいかに! (新美)

2)スタイリングのテーマは押し出しとスポーツ性!

新型CR−Vのスタイルをご覧になって、皆さんはどう感じられただろう? おそらく多くの方が気になるのが2段に分けられたグリルだと思う。この2段式グリルを採用した意図についてデザイン担当の石倉さんに伺ってみた。石倉さんによると「2段式のグリルはCR−Vも3代目になることもあって、何か新しいものを盛り込みたかったためです。ヘッドライトと下側のグリルのつながりを利用して押し出しの強さを強調しているのがデザイン面での一番の特徴となっています」。確かにフェンダーの膨らみが大きいこともあって、迫力ではクラス1番といえそうである。

その他のデザイン面の見所について聞いてみると「全体的な傾向になりますが、ボディ下側でSUVらしい力強さ(黒っぽくペイントされた部分など)、ボディ上部でスポーティーさ(ウィンドウ、テールランプの形など)を主張しているところを見ていただきたいです」とのことだった。

リアのガラスは先代ストリームに似た雰囲気か?

主に海外で販売されている車種なので、日本人には若干好みの分かれそうな部分もありそうにも思える。このスタイルが日本市場でどのような評価を受けるか興味深いところだ。(永田)

スペアタイヤは全車室内に移動されました

3)インテリアは質感高く、かつ武骨?

インテリアを見てみましょう。今回はフロントとリヤの2つに分けてお伝えします。インテリアのテーマは「クオリティータフネス」。質感高く丈夫なインテリアということでしょうか。実際にインテリアを見てみると、質感は確かに高いですけど、どこか武骨な感じ。SUVであることを意識させるインテリアであります。

この辺りが武骨ですよね

インパネシフトを採用。エアコンやオーディオのスイッチ類は配置を考え抜き、大型ダイヤルを採用することで高い操作性を実現しています。インパネでは至るところにメタル調パーツが使われ、タフさと先進性を表現。メタル調は設置場所によって表面の処理を変えるなど、細かい配慮も。

人によってはそっけない内装に感じるかも……

新型CR−Vのインテリアは武骨ではあるけども快適性はしっかりと配慮されており、フロントシートはシートクッション、シートバックともに大型化。ホールド性も高められています。電動8ウェイパワーシートには、運転席側に電動で調節できるランバーサポートも備えられます(一部グレードではメーカーオプション)。ステアリングにはテレスコピック機能を付加。走りを意識した新型CR−Vでは適切なドライビングポジションを取り、快適なドライブを楽しめそう。

メーターは青色と白色が使われた自発光式。青や白はコスト的に高くつくのですが、電装関係の開発者である宮田さんにお話を伺ったところ、「青や白は先進性を表現しやすい色なので、あえてこの色にしました」とのこと。

最近のホンダ車はブルー&ホワイトが多いです

ドライバーにとってありがたいのはプリズムアンダーミラー。左ドアミラーの下部にプリズムを内蔵することで、車両左側面の死角部分を見えるようにしているのです。先代ではフェンダーミラーでこの機能を付加しておりましたが、ドアミラーと同じ場所にすることで、慣れた場所で確認できるようにするとともに、エクステリアデザインもスッキリしたものにさせております。歩行者との衝突でもフェンダーミラーは凶器に成り得ましたから、いい工夫ではないでしょうか。

プリズムアンダーミラー。タイヤが見えるの分かります?

走りと快適性の両立を狙った新型CR−Vは、SUVらしさを感じさせる一方で、居住空間として快適さと安心を与えてくれるインテリアを持っていると言えそうです。(新美)

4)インテリアその2〜後席、ラゲッジスペース編〜

インパネを含んだフロントシート周りに続いて、後席、ラゲッジスペースについてご報告しよう。

リアシートに座ってみると、全幅が35mm拡大されたこともあって「横3人掛けをしても不満はないな」と思うくらい広く感じた。もともとフロアが低く、平らだったこと(センタートンネルの出っ張りはほとんどない)を生かして、乗員をアップライトに座らせているのが効いているのだろう。また、最近では備えられたクルマが多いけど、リアシートにもリクライニング機構が付いているので後席で快適に眠りながらの長距離ドライブもできそうだ。

もう1つ、後席周りで触れておきたいのがサイドシル。写真では分かりにくいのだけど、厚みが薄い上にフロアとの段差が小さく抑えられているのである。この点について車体設計に携わられたエンジニアの方に伺うと「先代のCR−Vではサイドシルが厚く、乗降性の面でお客様にご迷惑をおかけしていました。その反省で、今回は楽に乗り降りできるようにサイドシルの厚みやドアの開口角度にはかなり気を使いました」とのことだった。

広さ、乗降性ともに満点

ラゲッジスペースは写真を見ていただくと解るように、リアサスペンションの出っ張りも少なく1クラス上のステーションワゴン以上の広さを確保している。ラゲッジスペースで目新しいところは2つ。1つ目はリアシート中央席のシートバックだけ倒せるようになった点。おかげで4人乗車をしながらでも快適に長尺物を運ぶことができる。

リアシート中央にご注目を

もう1つはラゲッジスペースを上下2段に区切ることができる“ダブルデッキカーゴシェルフ”の採用だ。10kgまでの荷物を上段に載せられるので旅行カバンくらいだったら後席から放り込んでも、降ろす際にテールゲートを開かずに済むなどのメリットがある。

結構丈夫なボードです

このように気遣い満載の新型CR−Vは使い勝手を重視するユーザーにも勧められそうなクルマとなりそうだ。(永田)

5)エンジンは最新版の2.4リッター!

新型CR−Vのエンジンは直4 2.4リッターのK24A型一本だ。今回新型CR−Vに搭載されるにあたり、オデッセイなどに使われている同じエンジンよりも10馬力向上した170馬力仕様となった。出力アップの要因についてエンジン担当の方に聞いてみると「大きな要因はホンダの得意ワザと言えるかもしれませんが、より高回転まで回せるようにしたことですね。もちろん、低速トルクも犠牲にしていませんから(それどころか性能曲線を見ると、トルクは厚くなっている回転域が多い)、扱いやすさも向上していると思います。その他の要因はバルブタイミング・リフト量を含めた吸排気軽系のチューニングによるものですね」とのお話だった。また、扱いやすさの向上には今回から全車に採用されるようになったDBW(ドライブ・バイ・ワイヤー、電子制御スロットル)も貢献しているようである。なお、組み合わされるトランスミッションは5速ATだ。

熟成の進んできたK24Aエンジン。低い搭載位置にも注目!

ちなみに、輸出仕様のCR−Vにはストリームに使われているR型の2リッターエンジン、ディーゼルエンジンも用意されている。この2本のエンジンの日本への導入についても伺ってみると「まったく考えていません」。(永田)

6)シャシーはブランニュー!

新型CR−Vのシャシーは低重心や高剛性を目指して新設計されたもの。注目すべきは剛性のバランスがしっかりと考えられていること。車体開発の統括をした太田さんによれば「今回は前後の剛性バランスを向上させることに重点を置きました。もちろんある程度高いレベルでの剛性確保が必須条件となりますが、単に剛性を上げるだけでなく、前後のバランスでフィーリングなどが大きく違うことを発見したのです。

コンピューターによるシミュレーションとテストドライバーのフィーリングをそれぞれ考慮し、最適な前後バランスを実現しています」だそう。ハンドリングで大事なのは、操縦安定性はもちろんのこと、ドライバーのフィーリングもとても重要な要素。運転していて気持ちいいかどうかは、フィーリングによる部分が大きいからです。あまり聞いたことがない「剛性の前後バランス」。新型CR−Vがどんな走りを見せてくれるか、とても楽しみになってしまいますね。

足回りは先代と同じくフロントがマクファーソン・ストラット、リヤがダブルウィッシュボーンとなります。形式こそ同じですが、部品は1点1点全て違うそう。シャシ担当の森さんによれば「形式は先代と同じですが、部品が全て違うため、走りもまた違います。細かい部分の積み重ねで、かなり進化した足回りだと思っています」。聞けばブッシュも大容量化し、ダンパーはショーワ製を使っているということですから、かなり期待できるものではないでしょうか。森さん曰く「特に接地点横剛性が大幅に増しており、応答性や安定性が飛躍的に向上しているはずです」。

一方低重心化については、エンジンとミッションを先代よりそれぞれ20mm下へ搭載することにより実現。またスペアタイヤも床下に収納させるなど、細かい所で低重心化を図っております。ホンダによると、新型の重心高は35mm下がっているとのこと。最低地上高を185mmも確保しながらも低重心としていることで、かなり走りは良くなっているでしょう。

こうやって見るといかにエンジンの低いかが分かります

「とにかく乗ってみてほしい。確実にアコードより上の快適性と走行性能を持っています」。開発者の方はこう断言しております。素性のいいシャシーで一体どのような走りを見せてくれるのか。SUVであるCR−Vの走りや快適性がアコードより良いとアコードの立場がないと思うけど、とにかく新型CR−Vの走りが今から楽しみであります。(新美)

7)4WDシステムは改良版

SUVというからには、ある程度しっかりした4WDシステムを持っていなくてはならない。新型CR−Vのそれは、通常はほぼFFで走行し、前輪が滑った時に後輪にも駆動力を発生させるという「リアルタイム式4WD」となります。

新型CR−Vの走破性は進化しているのか

以前ホンダのリアルタイム式4WDについては「前輪がかなり空転しないと後輪が駆動しないので、雪道などでの発進でかなり気を遣わなければならない」という弱点がありました。新型では後輪へトルクを伝達するデュアルポンプシステムにワンウェイカムユニットを追加することで、前輪の空転検知機能が大幅に向上しています。

ここでデュアルポンプシステムとワンウェイカムユニットについて簡単に説明しましょう。デュアルポンプシステムとは、前輪の回転数が後輪の回転数を上回った場合に、その回転差によって発生する油圧でクラッチを接続し、後輪へ駆動力を伝達するシステム。このシステムは確かに必要となった場合、4WDになることを可能としますが、しかし前輪と後輪の回転差に応じてしかクラッチ作動圧を大きくできなかったため、回転差が小さい領域では十分なトルクを後輪へと伝えることができません。

そこで出てきたのがワンウェイカムユニット。これはデュアルポンプシステムのクラッチ機構に2つのカムでボールを挟み込んだボールカムというものを備えたもの。微少なスリップでもその回転差を増幅させることができ、瞬時にクラッチを接続させることができるようになったのです。

ワンウェイカムユニット。2つの球体が挟み込まれております

ただしこのワンウェイカムユニット、実は先代CR−Vが2004年9月にマイナーチェンジを受けた際に装着されています(現行オデッセイの4WDにも装着されている)。ではどこが先代と比べて優れているのか。それは後輪に伝達できる駆動力の大きさです。先代に比べて20%向上させているのです。もちろん元々の伝達駆動力がそこまで大きくないため、駆動力が大幅に向上というのは無理ですけど、でも駆動力が増えたこと自体は歓迎できます。

加えて新型CR−Vでは全車に標準でVSA(姿勢制御デバイス。左右輪のブレーキ・駆動力を制御して車両の姿勢を安定させる)が装備されるため、大きな不安はなくなりました。

進化したCR−Vの走破性。開発者の森さんに話を伺うと「後輪のスリップはもはや感じられないレベルとなりました。フルタイム4WDには確かに及びませんが、リアルタイム式4WDは通常FFで走るため、ドライ路面でフルタイム4WDより燃費がいいというメリットもあります」とのこと。4WDのネガを出来る限り排除し、それでもちゃんとした走破性を確保したCR−Vは、いつでもどこでも手軽に乗れるクルマであります。(新美)

8)高い静粛性と高性能オーディオ

電装関係の宮田さんによれば、「新型CR−Vの魅力的な部分は多々ありますが、私が最も強調したいのはオーディオです。ものすごくいいということですね。北米やヨーロッパ、日本など好みの違う地域にそれぞれ合わせて独自にチューニングしました。かなりいい音であると思います」だそう。

残念ながら新型CR−Vは全てのグレードがオーディオレスとなる。オーディオはAM/FMチューナー付きCDプレイヤーを選ぶか、ナビを選べばセットで付いてきます。6スピーカーを採用しており、セッティングは宮田さんの言葉にあるように日本人向けのものとなっている。しっかりと低音を聞かせながら高音域も犠牲にしていないと胸を張る宮田さんの言葉に、かなり期待を抱かされました。

オプションであるのが難点

音楽を楽しむためには、音楽以外の音をできるだけ排除するのが望ましい。音楽のためだけではありませんが、新型CR−Vは静粛性にもかなり気合いが入っております。

エンジンでは2次バランサーを採用するなどして、エンジンノイズを低減。エンジンマウントには振動を前後方向で受けるものを採用したり、エンジン側とボディ側の両方にゴムブッシュを持たせるなどして、乗員に振動を伝えないよう工夫しています。

ボディではフロア周りの板合わせ部を平らにして隙間をなくした上で、フロント&センターピラー、そしてリヤホイールハウス前部に発砲ウレタンの遮音材を配置して遮音性を高めております。ドアにおいてもドア内部のシールを2重化し、さらに軽量化のために開けてある穴から侵入する音を、軽量かつ吸音性能に優れたホールシートで遮音するなど、かなり気を遣っております。

静粛性の高さもアコード以上か?

時には静かに、気が向いたらハイレベルなオーディオで好きな音楽を。いい相棒となりそうですね。(新美)

9)新型CR−Vのグレード紹介

新型CR−Vには4WD/3グレード、FF/2グレードの計5グレードが用意されている。

詳細を紹介していこう。4WD仕様のベースとなるのはX(252万円)だ。このグレードでもオーディオ以外はフル装備である。HIDライト、全車に標準装備ということで新型CR−Vの自慢になっている姿勢制御装置VSAも付く。たいていの人はこれで十分だろう。その上のZX(275万1千円)になると、電動シートや18インチホイールなどが追加されるものの、Xとの差額(23万1千円)ほどの価値はないかなと感じる。

2グレードあるFF車のベースとなるのがZL(246万7500円)だ。ZLの装備内容は基本的に4WDのXとほぼ同じものと思ってもらっていいだろう(違いはZLに18インチホイールやダブルデッキカーゴシェルが付くくらい)。そう考えると、「どうしてもFFがいい」という人以外はXとZLの差額が5万2500円と小さく、燃費の低下も比較的少ない(10・15モード燃費で4WDのX/11.6km対FFのZL/12.2km)ので、ZLを買うならXにした方が良さそうな感じもする。

お買い得感の高い4WDのX

最上級のZXi(4WD、323万4千円)、ZLi(FF、302万4千円)は300万円オーバーと「これがCR−Vの値段か?」と思うような値段だけど、これにはカラクリがある。ヘッドライドの向きがハンドル切ったほうに向くASF、サイドエアバッグ・カーテンエアバッグ、車速/車間制御機能付きクルーズコントロールIHCC、最近にわかに増えてきた追突軽減ブレーキ(CMBS)+E−プリテンショナーが装着されるのだ。これだけの装備が追加されれば約50万円の差額も納得できるだろう。最上級の2グレードは、1クラス上になるハリアーの2.4リッターの最上級グレードとほとんど同じ価格なるので、ハリアーをライバルに考えてクルマ選びをしても面白そうである。(永田)

10)世界レベルでの活躍を期待します

今回の新車速報「3代目CR−V」編はいかかがだったでしょうか? 本編では触れませんでしたが、新型CR−Vは世界中で販売されることもあってか、衝突安全性にも素晴らしく力が入っています。具体的にはフルラップ、オフセット衝突などの単独事故の場合での安全性はもちろん、クルマ対クルマでの衝突においても相手車両の重量、衝撃吸収部材の位置などに関係なく衝突エネルギーを受け止め、相手への攻撃性まで低減させる「高効率衝撃吸収構造、コンパチピリティ対応ボディ」が採用されています。安全性を重視される方にも新型CR−Vはオススメできるクルマとなりそうです。

色の付いた部分が安全性に寄与する補強部材

日本にいるとあまり意識しませんが、世界160カ国で年間30万台以上販売され、ホンダにとって非常に大事な車種であるCR−Vの成功を願いながら今回の新車速報は終わりたいと思います。今回も最後までご覧いただきありがとうございました。(永田)

発表会にはモデューロ仕様も登場。ホイールはなんと19インチ!