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2007年12月19日
新型インスパイア登場!
<風格は先代とは段違い!>
かつてから「アコードとレジェンドの間を埋める4ドアセダン」という位置付けにあったインスパイアが5代目モデルにフルモデルチェンジされた。3代目モデルまでは「専用ボディ」を与えられていたインスパイアだったが、V6エンジンを積む北米向けアコードをベースとするようになった先代モデルは気筒休止エンジンやレーンキープシステムといったハイテク装備を満載した意欲的なクルマにも関わらず地味な存在のまま終始してしまう。
新型インスパイアは「北米アコードベース」という成り立ちこそ先代と変わらないものの、北米アコードのサイズが大幅に拡大(全長/4940mm、全幅/1845mm、全長はレジェンドよりも15mm長い)されたことや、スタイル自体の押し出しが強くなったこともあって、いかにも「高級で立派なクルマ」に見える。
全体的に「伸びやかなスタイリング」となりました
また先代インスパイアはベースとなる日本仕様のアコードの後に出たせいもあって、例えるならオーリスとブレイドのような「極めて近い関係のクルマ」というイメージが出来てしまった部分もあった。しかし、今回上級のインスパイアからラインナップされたことはアコードファミリーにとってプラスに働くのではないだろうか。
こちらはベースとなった北米アコード、「お色直し成功」といったところか
インテリアもアコードのイメージが離れなかった先代に比べると格段に高級感を増している。ただ厳しく見ると、300万円台の高級車として見てしまうと「もう少し頑張って欲しかった」と感じる方も多いかもしれない。
後席とラゲッジスペースは大型のFF車ということで文句なしの広さ。大柄な男性4人で移動することが多いという方にはピッタリの4ドアセダンといえそうだ。
足元空間は非常に広い
ゴルフバッグ4つも余裕
<可変シリンダーエンジンも大幅に進歩!>
搭載されるエンジンは先代の3リッターV6から3.5リッターV6に変更された。先代インスパイアに採用されていたVCM(可変シリンダーシステム)も引き継がれており、新型インスパイアではVCMの制御が大きく進歩した。
従来のVCMは主に加速時やアイドリングといったケースには6気筒、巡航時は3気筒という使い分けとなっていたが、新型インスパイアでは4気筒モードも加わった。4気筒モードは比較的高い速度域での巡航、登坂や緩い加速時といった場面で使われ、言ってみれば中途半端な走行シーンでの燃費向上に貢献する。結果、同じ3.5リッターV6エンジン搭載するクラウンアスリート3.5(6速AT、10・15モード燃費は10km/L)と比べると、5速ATという不利な要素を持ちながらも9.8km/Lという3.5リッタークラウンに肉薄する燃費を実現。実燃費や走行モードによる燃費も興味深いところである。
また、燃焼モードが変わった際に乗員へ振動を感じさせないためのアクティブエンジンマウントコントロールやこもり音を低減するアクティブノイズコントロール(オーディオスピーカーからこもり音を打ち消す音が出る)も継続採用されている。エンジン担当の方によれば「振動は全く分かりません」とのことだ。
最高出力はレギュラーガソリン指定でありながら、ハイオク指定となるトヨタの3.5リッターV6(エスティマやブレイドマスターなどに使われている通常のポート噴射タイプ)と同等の280馬力となる。
<シャーシは新設計、ボディにも注目>
ホンダは現在世界規模でおおよそ350万台前後の生産台数を推移しているが、その中の約2割となる70万台程度を生産するアコードファミリーだけにシャーシは新開発された。このプラットホームは10mm低くなったエンジン搭載位置等の効果により、低重心化が図られハンドリングと乗り心地の両立に大きく貢献しているという。サスペンション形式は4輪ダブルウィッシュボーンだ。
燃料タンクは前方に移動され、重量バランス最適化に寄与
ボディ剛性も大幅に向上しているようだが、個人的にビックリしたのがフロントのストラットアッパーである。ストラットタワーバー付きなのはもちろん(エンジンルームの写真参照)、ストラットアッパーを見ると通常は3本くらいのナットでアッパーマウントが止まっているものだが、なんとインスパイアは6本のナットで取り付けられているのだ。効果や意図については確認できていないが、かなり厚みがありそうなストラットアッパーの板圧を含めてボディ補強の効果がどの程度のものか大いに注目したい。
実物を見ると結構衝撃的です
<価格競争力は高いものの……>
新型インスパイアのグレード設定はベースとなる35TLと上級グレードの35iLの2種類。価格はそれぞれ330万円と390万円となる。東京モーターショーにプロトタイプが出品された時点では「ベースグレードは300万円以下」いった噂もあっただけに、意外と安くなかったと感じられる方もいらっしゃるかもしれない。もちろん、3.5リッターエンジンを積む全長5m級の4ドアセダンの価格と考えれば非常に安いといえる。
35TLと35iLの間にある60万円の価格差は主にHDDカーナビとミリ波レーダータイプの先行車追従型クルーズコントロール(ACC/アダプティブクルーズコントロール)+追突軽減ブレーキ(CMBS)によるものと考えていいだろう。なお、新型インスパイアでは、先代モデルの上級グレードに設定されていたレーンキープシステム(高速道路等でハンドルを補舵していれば、クルマ任せで車線内を走れる機構)は廃止されている。ちょっと残念なことだが、今回の廃止は最近では珍しくというかパワステのシステムが電動から油圧に変更された影響なのかもしれない(ステアリングへのトルク補助は電動でないと不可能なため)。
「300万円台で全長は5m近く、エンジンは3.5リッター級のライバル車」となると日本では直接的な相手は見当たらず、サイズを無視してスカイラインの3.5リッター(350GT TypeSで348万6000円)が近いといえるだろう。正直なところ500台という月間販売目標台数や競合車が浮かばないといったことで日本市場への適合にはちょっと疑問も感じるが、実力判定は乗ってみてから考えたいところである。
目指したのは「ドライバーがニヤリと笑うセダン」とのこと
レポート/永田恵一
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