軽1BOXタイプで最も人気のバモスターボだが、たった一つ弱点を持っていた。それは「動力性能が物足りない」というもの。なにせ車重960sを、たった46馬力しかない660tエンジンで走らせているのだ。つまり1900sのパジェロ(車重2倍)を92馬力1320tのエンジンで走らせるのと同じ。もはや圧倒的にパワー不足ということが解っていただけると思う。街中を普通に走るならストレスを感じないけれど、高速道路に入るとダメ。特に流入時、鋭いダッシュを必要とする首都高速など怖いくらい。早ければ2年後に軽自動車の制限速度が普通車と同じ100qになるというから、パワーはあった方がいいに決まっている。
ホンダもそう考えたのだろう。バモスにターボエンジン付きモデルを追加してきた。最高出力は自主規制ワク一杯の64馬力。ターボ無しエンジンであれば、1000tくらいの排気量と同等のパワーを出す。さらに高速走行時のエンジン回転数を大幅に低くできる4速ATも組み合わせている。価格はターボ無し3速ATの12万円高。4速ATだけで3〜4万円の価格差あるので、実質的な「ターボ代」は8万円程度という計算。数年後、下取りに出すときのリセールバリューもターボの方が12万円以上高いと思う。バモス買うなら、どう考えてもターボを選ぶべきだ。
乗るとどうか? ターボ無しバモスと比べると、比較にならないくらいの動力性能を有する。ほぼ倍のパワーを持つのだから当然だろう。高速道路への流入も、加速車線で80qに届くほどに。それでも「パワフルである」と言い難いが……。何より嬉しいのは登り坂。アクセル全開して60qしか出なかった区間を、80qで走るようになった。80q巡航の燃費は、アクセル踏む量が少なくなった分だけターボ無しより良好かもしれない。また、4WDもターボ搭載車が選べる。これまたパワーアップの効果絶大といったところ。雪道を走ってみたが(4WDは基本的に後輪駆動。滑りを感知すると前輪にも駆動力を伝えるタイプ)、滑りやすいアイスバーンだって不安なく走れた。ABSの効きも万全。
意外だったのが「走る楽しさ」を感じたこと。今までのバモス、ハンドル握っていて楽しいと思うことはあまり無かった。ターボ付いたことによって余裕が生まれ、緊張感も低くなったような気がする。改めてハンドリングをチェックしてみたら、ボディはガッシリしており、素直に曲がる。1時間くらいしか試乗出来なかったものの「これ一台持ってればいいか」と思ってしまった。実際、セカンドシートの居住性は1500tクラスの乗用車よりいいし、衝突安全性だって普通の乗用車水準。ラゲッジスペースは大人4人座って、4人分の遊び道具(例えばスノーボード一式)がキチンと積めてしまう。狭い場所で駐車するのに便利だから、都会で暮らす人にはピッタリかもしれない。都会派の乗用車としてすすめておく。
発売以来、好調な売れ行きのバモスながら、唯一にして最大の弱点があった。それは「パワー無い」である。もちろん近所の足として使う程度ならあまり問題ない。ギア比を低くしているから(自転車で言えば、漕ぐ側のギアを小さくした時)、とりあえず加速だってするし。でも高速道路や、登り坂になった途端、もうてんでダメになってしまう。というのも960sもあるボディに、たった660t46馬力エンジンしか積んでいないのだ。車重2倍のエルグランドを、92馬力1320tのエンジンで走らせるのと同じコト。2年後くらいに高速道路の制限速度は軽自動車も100qになる予定。遠出するつもりなら、パワー不足致命的です。
ホンダも「軽自動車はパワーが大切だ」と気付いたのだろう。急遽開発をすすめ、ついにターボを装着してきたのだった。しかも高速走行時のエンジン回転数を大幅に低くできる4速ATも組み合わせている。もはや完璧なパッケージと言ってもよろしかろう。早速試乗してみたら、もう圧倒的に良い! 最高出力こそ64馬力しかないけれど、最大トルク9,5smは、1000tエンジンと同等。今までのターボ無しの倍近い数値だ。パワフルと表現できる走りじゃないまでも、普通に走ることが可能。100qでの高速巡航だって対応している(今までだとアクセルほぼ全開のままでないと100q出ない)。
ターボの4WDで雪道を走ってみた。さすが4WDだと車重1050sに達し、一段と重くなる。でも1BOXカーの軽自動車として考えるなら、これで十分と納得できる動力性能。気に入ったのが滑りやすい路面でのハンドリング。後輪駆動ベースの4WDシステムのせいなんだろう。コーナーでハンドル切ってアクセル踏むと、イヤらしいアンダーステアが出ない。オデッセイのページでも触れた通り、雪道でイチバン怖いのアンダーステア。曲がってくれれば、ストレスを感じないのだ。基本的に前輪を駆動する4WDだと、どうしてもアンダーステアが出てしまう。軽1BOXじゃトップクラスの雪道安定性を持つ、と評価しておく。
ミラーバーンと呼ばれるブラックアイスでの発進性能チェックを行ったが、これまた後輪のスリップと同時に前輪に駆動力が伝わってくれる。シンプルなビスカスLSDタイプなれど、後輪駆動ベースだと案外と素直に作動してくれるらしい。最も驚くのが価格かも。大げさに表現すると走行性能2倍となり、4速AT化したにも変わらず12万円しか高くなってなかったりして。今までバモス買ったヒトは、猛烈に悔しかろう。全ての点でターボ付きバモスの方がいいんだから。これから自家用車としてバモス買うヒトなら、迷う余地無くターボをプッシュした。良いクルマだと思います。