ワタシは根っからのクルマ好きだからして、初めて新型シビックのスペック表見た時「スポーツモデルはどれどれ?」と探しました。だってシビック=スポーツモデルでしょ? タイプRは遅れても仕方ないけど、標準モデルに高性能バージョンあってしかるべきざんしょう。あのトヨタさえカローラ・フィールダーに190馬力の高性能エンジン積んだスポーツグレード設定してるんだから。しかぁし! ドコ探しても元気良いエンジン無い。
これまで無かった1700ccエンジンを搭載してるものの、最高出力130馬力。今までの1500ccVTECと同じ。正直なトコロ、大いにガックリ。おそらく読者諸兄もそう感じると思う。「気合いが抜けちゃいましたよぅ」とホンダの開発担当者に言うと「そうかもしれませんね。でも最近のホンダ車の売れ行きを見ると、スポーツエンジンより、普通のエンジン積んだモデルが売れてるんです」だって。
確かに! シビックもタイプRは大いに魅力だけど、猛烈に売れてるかと言えば、そうでもない。むしろステップワゴンやオデッセイといった、車体そのもののコンセプトに魅力あるモデルが売れ筋になっている。おそらく180馬力エンジン積むグレードを設定しても、それほど売れないかもしれぬ。しかも180馬力の方が注目されてしまい、普通のグレードは埋もれる。だったら”最初は”スポーツエンジン無くてもいい。
スポーツエンジン作るための開発力は、全てネンピ改善のために使ったらしい。その結果は明白。新型シビックのスペック表を見て「やっぱホンダってすっげ〜エンジン作るね!」と思った。だって1500cc5ドアの10・15モード燃費、19,4km/リッターだよ! 奇しくもガチンコのライバルとなったカローラ・フィールダーは、16,6km/リッター。ボディ重量が80kgも重いのに、ネンピいいのだ。
こう書くと「そりゃCVTだからでしょ」と突っ込まれるかもしれないけど、トルコンATの『1500G』だって17,4km/リッターです。21世紀はネンピの時代と言われる。考えてみればシビックというクルマ、ホンダにとって常に最新の技術を使ってきた。ツインカム4バルブに始まり、VTECやリーンバーン、そしてCVT。今度のシビックも、ホンダが実用化出来る段階に入った技術を全て投入している、といってよかろう。
で、それでも気になってしまうスポーツグレードだけど、どうやらヨーロッパで販売される3ドアボディをベースに、タイプRシリーズが追加されるかもしれない。もちろんすぐ出るのでなく、早くて1年後くらいか? 現行インテR用1800ccエンジンの搭載も考えているらしい。となれば従来型シビック・タイプRより高い性能になること確実。「速いシビック」が欲しいなら、もう少し待つこと。
自動車好きにとっての『新型シビック』は、5ドアボディだと思う。もちろん4ドアのフェリオもいいクルマだけれど、やっぱし1500ccクラスのセダンって魅力を感じない。ということで今度の5ドアをジックリ分析すると、コンセプト的にはOPAに近いんじゃなかろうか。乗用車のシャシをベースに、可能な限り室内スペースを広く確保。ミニバンに近い実用性を持たせた。実際、リアシートに座ってみるとメチャ広い!
従来型シビックのリアシート、とてもじゃないけど大人の長距離ドライブは不可能(根性と忍耐力あれば別だけど……)。でも新型なら余裕。なんせホイールベースが2680mmもあるのだ! カローラ・フィールダーは2600mm。こらもう2000ccクラスと同等の居住空間をイメージしてもらえばよかろう。また、リアシートを折り畳めばステーションワゴンのようなラゲッジスペースになる。5ドアHBというより、新世代ミニバンと言うべきジャンルか?
売れ筋の『1500iE』はリーンバーン付きVTECとCVTを組み合わせ、10・15モード19,4km/という常識ハズレの燃費をカタログに載せている。驚くべきコトにヴィッツ1000tの19,6km/リッターに迫り、15km/リッターのファンカーゴをブチ抜く。このデータを見た時は迷うことなく「ミスプリントだな」と思ったほど。実用燃費でファンカーゴを抜くか? 発売したら勝負させたいぞ!
気になる動力性能だが「1500ccで十分満足できる」と評価しておく。エンジンは105馬力で従来型VTECの130馬力と比べれば大幅にパワーダウンしているけど、常用回転域のトルクが出ている。このあたり、輸入車の馬力表示みたいなもので、カタログスペックより実用性能を重視したということらしい。アクセル全開にすれば、CVTがベストの回転数をキープ。これまた来月号でカローラあたりと勝負させたい。
従来型シビックで賛否両論あった油圧クラッチ式のCVTはどうなったか? 最近の傾向として、CVTをトルコンと組み合わせるようになった。スタート時にギクシャクするのを嫌うユーザーが多いためである。シビックのCVTも「ギクシャクする」という不満多かったとか。ホンダも解っていたらしく「油圧クラッチですけれど改良を加えました」。乗ると従来型から大きく進化しており、これならトルコンじゃなくてもいいね、と思えるレベル。
1500ccの乗ってパワー不足だと感じたヒトは、1700ccをどうぞ。車重20kgしか重くなっていないのに、排気量12%増し。しかも195/60R15タイヤを履くため、足回りが格段にシャッキリする。燃費は17,2km/リッターで、これまたライバルを圧倒する数値。車両価格**万円差をどう考えるかヒトによって違うだろうけど……。ワタシなら迷った末、燃費を重視し、1500ccを選ぶと思う。
4ドアボディは従来型と同じく「フェリオ」と呼ばれる。カローラ同様、このクラスの4ドアって商用車やレンタカーとして使われるケースが多いので、どうしても必要らしい。ちなみにセダンを販売するのは日本とアメリカ、そしてアジア地区とのこと。その他、アメリカ専用ボディとしてセダンベースのクーペを用意。ヨーロッパ専用に5ドアHBベースの3ドアHBがある。クルマ好きとしちゃ「全部欲しい」と思う。
フェリオのホイールベースを見ると2620mmで(従来型と同じ寸法)、5ドアHBより短い。ジックリと写真で比べると解るのだけれど、ボンネットの長さを含めたバランスも5ドアHBと違う。ボディスタイルも常識的だ。つまりフェリオは極めて従来型のフェリオに近いと言うこと。それでも車高を確保したりして室内スペースは拡大させた。5ドアHBほど快適でないにしても、大人4人でのドライブは可能。
フェリオの注目株は『RS』とネーミングされた1700ccグレード。若い読者じゃ解らないだろうけど、ホンダがシビックに『RS』と付けるのは初代以来(Vi−RSはあった)。けっこう由緒あるグレード名なのである。といっても『タイプR』のようにスパルタンなグレードでなく、ノーマルより少しパワフルなエンジンと少しだけスポーティなサスペンションを持つだけだった。フェリオの『RS』も似たような味付けただと思えば良い。
嬉しいのはフェリオにのみマニュアルミッション車の設定があること。車重も1110cc(RS)と軽くスポーティな走りを楽しめるだろう。RSに限らず試乗して感心するのはボディ剛性の高さ。動き出した瞬間から「こらガッシリしてるワ!」と解るくらい硬い。おそらく衝突安全性を飛躍的に高めているからだと思うが、これくらいボディ剛性あればハイパワーエンジン積んでハードな足回り組んでも全然大丈夫。
意外だったのがハンドリング特性。同じ電動パワステ使うアコードは、テール流すと極めてコントロールしづらかった。ホンダも認識しているようで、ユーロRはテール流れないセッティングを選んだ。似たようなハンドリングだと思ってシビックに乗ると、たいへん素直。テール流すことも気軽に出来るし、コントロール性も良い。最初、電動パワステ止めたのかと思った。しかし電動パワステである。それだけシャシ技術が進んだと言うことであろう。
これだけ素性の良いシャシを持つなら、フェリオにインテRの1800ccエンジン積んでタイプR作ってもいいような気がする。でもフェリオも環境を重視。1500tの『iE』は、10・15モード燃費20km/リッター。その他、5ドアHB、フェリオ共にデュアルポンプ式の4WDもラインナップ。フェリオの『B』というグレードの4WDは『B4』だって。レガシィB4人気のあやかりたかったのか?
5ドアHBのライバルはカローラ・フィールダーとOPA。特にOPAはボディサイズからコンセプトまでソックリだ。ここまで似てると、OPAの1800ccとシビックの1700ccを徹底比較してみたくなる。もしかすると燃費自慢のOPAよりシビックの方が動力性能高くて低燃費かもしれない。それにしてもホンダとトヨタ、最近よくブツかるなぁ。元気なメーカーといえばスバルの新型インプレッサ1500ccだってライバル関係。価格も近い。これまた比較してみねばなるまいでしょうぞ。値引きは当面8万円程度が限界か?ただホンダの場合、新型車でも12%引きで販売している『ホンダ4輪販売東京』から買うという手も使える。いずれにしろ2〜3ヶ月すれば15万円くらいまで期待出来るだろう。対するトヨタ勢は例によって値引き無しのワンプライス販売。実質的な車両価格からすると、シビックより15万円くらい割高だと思っていい。