本田技研工業

エリシオンオフィシャルサイト

装備表

2.4リッターモデルスペック表

3リッターモデルスペック表

価格帯表

《エリシオン発表会&試乗レポート》

●低床プラットフォームに盛られた上質さを武器にLクラスで勝負!

師匠の試乗インプレはCARTOPMOOKの『HONDAエリシオン』にて!

試乗レポート(5月24日UP)

○ミニバン購入層から見たエリシオンの印象は?

 エリシオンは人気の8人乗りミニバンということと共に、今年初の国産車ということもあり、その注目度は高い。既に特集を組む雑誌や、別冊本を発行するメディアもあるが、やはり気になるのは実際にこのクラスのミニバンを購入しようと考える人のたちの印象。
 今回は先日ヒルトン小田原で行われた試乗会に、この度kunisawa.netの御意見番、磯崎氏を伴って参加してきたので、実際に購入を考える立場での率直な感想をQ&A形式でレポートにしてみました。
 ちなみに氏の現愛車はBH型レガシィのGTで、これまでも国産・輸入車問わず多数の車歴を持ち、現在もS2000を所有するなど本格的なスポーツモデルまでをもカバーしてきたというクルマ通です。

山崎(以下:山) よろしくお願いします。ところで、エリシオンの実車を見たことありますか?
御意見番(以下:御) それが、まだないんですよ。家族も増えたことだし、そろそろ8人くらい乗れる大きいクルマも興味はあったんですけどね。
山:どんなクルマだと想像してますか?
御:CMなんかで見る限りではアルファードくらい大きくて、ゆったり乗れそうだなと思ってます。
(いよいよ試乗の順番となる。グレードは最高級のVZ)
(実際にクルマを前にして…)

山:第一印象。どうですか?
御:個人的に顔は受け入れ易いですね。どうしてもアルファードやエルグランドと比べてしまいますが、あちらは価格相応の豪華さを狙ってか、ちょっと威圧感のあるデザインになりすぎてるような気がします。その点、エリシオンは上品に見えるので好きですね。かといって、エスティマより高級感ありますし。
山:ほかには?
御:サイズ的にはアルファードに近いんですね。でも、エリシオンの方がコンパクトに見えます。凝縮感があるというか、まとまりがあるような気がします。
(早速乗り込んで走り出す)

山:運転席の感覚どうですか?
御:結構普通ですね。もっと目線が高いのかと思っていたけど、これなら今のレガシィから乗り換えても違和感少ないです。
山:そうですよね。確かにオデッセイほど低くないですけど、自然な感覚で乗れます。
御:横方向の広がりが感じられて、ナビやメーター類も大きくて見やすいです。

(周囲を確認してアクセルを踏み込む)
山:このグレードは3リッターのV6エンジンで250馬力なんですけど、パワーあるような気がしません?
御:十分ですね。もっと、じわじわ加速するのかと思ってたので、瞬発力あるのに驚きました。
山:料金所ダッシュで悔しい思いすることもないでしょう。1950kgの車重を感じさせません。それから、ECOっていう表示が出ているときは3気筒しか稼動してないんですけど…。
御:まったく分かりません! すごく自然で、表示が無かったら絶対気付かないですよ。

山:コーナーでの印象はどうですか?
御:ハンドル切ったときもロールが少なくて安定しているので、怖くないですね。大きなミニバンはもっとユラユラするもんだと思ってました。
(VZには高速道路で速度や車間距離を制御して運転負荷を軽減するIHCCと、追突軽減ブレーキCMSが標準装備。安全な範囲でハイテクON! 山崎はリヤシートで初体験)
(まずはIHCCを設定してアクセルから足を離す。クルマが前方を走る遅い車にどんどん近づく)

山:結構怖いっすね(ホントはかなりドキドキです)
御:スピード落ちてきましたよ! ホントに車間制御してますね。凄い!
(追い越し車線にレーンチェンジ。前方にクルマ無し)
御:また加速し始めました。これは、いいですね〜。

山:CMSも試してみましょう。前方車(師匠のクルマ)に近づいてみてください(IHCCはOFF)。
御:ピーピー鳴ってますね。
山:そろそろやめときましょう。ブレーキ踏んでください。
御:アレ? なんか効きが良くなったような気がしますね。
山:自動ブレーキ作動するんで、ブレーキを踏んだ状態になるんです(どうやら第2段階までいってしまっていたようだ)。

御:この2つは魅力ある装備ですね。エリシオン本気で欲しくなります。
山:ただ、VZにしか付きません。ただでさえ値段が高いと言われるエリシオンですけど、VZってコミコミ500万円クラスなんですよ。
御:それは無理ですね。全然予算オーバーです。頑張って350万円くらいが限度かな。
山:それだと2.4リッターしか選べません。3リッターの最低が335万円しますから。ただ2.4リッターは全車ナビがオプションなのに対して、3リッターは標準ですよ。
御:30万円のナビが付くとなると難しいとこですね。
山:2.4リッターの最上級グレードにナビを付けて330万くらいだと思います。
御:それは迷いますね。装備的には2.4リッターの最上級車にナビを付けた方が快適に使えそうですし…。
山:3リッターは全車気筒休止システムが付いているので、技術的にも値段相応の価格と言えなくもないですが、いくら燃費が良いと言ってもハイオク指定なのでランニングコスト的には不利かと思います。
御:是非とも2.4リッターを試してみたいですね。気合の走りをするようなクルマじゃないですから、あまりにパワー不足ということでなければ2.4リッターを選ぶんじゃないかと思います。
山:決め手はやはり価格ですか?
御:ミニバンというクルマの本質とトータルコストで考えると、2.4リッターの方が現実的かと思います。3リッターの余裕も魅力ありますが、常に8人で乗るわけじゃないですしね。

○こだわりの作り込みが生み出すホンダの新たなる方向性

 

左:VX(3リッター) 右:G(2.4リッター)

 今回は残念ながら2.4リッターモデルに乗る時間が無かったので、3リッターのみの印象を語って頂いたのだが、ボク個人がエリシオンに試乗して強く印象に残っていることは、これまでのホンダ車(特にミニバン)にはない次元の静粛性。明らかにプレミアム感が違うのだ。自らはステップワゴンに乗るエンジニアの方も言っていたけど、エリシオンをテストコースで試乗してから帰宅する為に自分のクルマに乗り換えると「どこか壊れてるんじゃないかと思って、一旦降りて確認した」というくらい、これまでのホンダ車にないテイストを持っている。悪く言えばホンダの味がスポイルされてトヨタ的になってしまったのかもしれないけど、上質さを求めるコンセプト通りの仕上がりと言ってもいいだろう。


 かと言って、走りへのこだわりを棄てたという訳ではない。オイルレベルゲージを抜くと分かるそうだが、前出のエンジニア曰く「フェンシングができる(危険なので絶対しないで下さい)くらい長くなっちゃいました」。これは、エンジン搭載位置がかなり低いことの証明で、安定した走りに直結する低重心化を徹底追求した結果。御意見番磯崎氏も語っている通り、コーナーでの安定性も高く、普通車感覚で運転できる最も大きな要因はここにあるのだろう。
 強気と言われる価格も、実車を確認すると相応の品質と意気込みを持って作られたクルマだと納得する人も少なくないのではないだろうか。ただし、ライバル勢は登場以後かなり時間が経っていることもあり、新しモノへの対抗策として値引きを拡大させてくる可能性は大いに考えられる。人気のカテゴリーなだけに、今後の販売台数の推移に注目したいと思う。
                              (レポート/山崎裕正)

発表会レポート(5月13日)

○5月になってやっと平成16年初の国産車エリシオンがデビュー

 聞き覚えのあるエンヤの曲が流れるホールに足を踏み入れると、エリシオンが青白いライトに照らされて浮かび上がっていた。
 数あるホンダ製ミニバンの中でも、これまで国内専用モデルとして最大だったのはオデッセイ。アメリカ版オデッセイと言われるラグレイトの存在もあるが、あちらは米国ホンダ社からの逆輸入というスタンスだから、エリシオンのデビューは事実上ホンダの国内専用モデルのフルラインナップ化を意味している。
 福井社長による「独創のプラットフォーム技術を活かした、ホンダらしいミニバンが完成した」という力強い挨拶の後、販売展開などの説明へと続く。最も安い273万円(税込み)! の『M』から、インスパイアやアコードに採用された、追突の危険を知らせ必要に応じてブレーキ操作を行うシステムを標準装備する最高級グレード『VX』は451万5千円!! という強気な価格設定に少々ビックリしたが、クルマのデキに相当自信を持っていることの表れなのだろう。


エリシオンを横に自信ありの表情を見せる福井社長

 一通りのプレゼンテーションが終わり、細部までじっくり観察。第一印象はとしては「思ったほど大きくない」。このレポートを読んでくださっているみなさんの中にも、ボリューム満点の外観をもっていると想像している人も少なくないと思うけれど、実際目の前にあるエリシオンを見ると、確実にアルフャードやエルグランドよりも一回り小振りで、とても塊感のあるフォルムをしている。
 早速車内に乗り込む。他のメーカーのLクラスミニバンを隣において交互に座り比べるということは出来ないので、具体的にどのくらいの差があるのかは比較できないが、明るい内装色を採用していることもあって、開放感はなかなかのレベル。これなら、大人8人がゆったりくつろぐことが出来るだろう。シート自体はソファに近い仕上げがされており、柔らかすぎず硬すぎずちょうどいい感じ。サイズは平均的だと思う。
○スイッチのタッチにこだわったインパネ周り

 インパネ周りのデザインはオデッセイに近い。ただ、コンセプトの方向性を“上質さ”に振っているので、グッと大人っぽい処理がされており、価格相応の質感を持たせたという仕上がり。気になったのは、文字盤が青く発光するメーター類。視認性は高いと思うのだが、トータルコーディネートという面から見ると、ややミスマッチのような気がした。まあ、この辺は個人の感性の問題になるのだろうが、果たして熟年層に受けるかどうか注目したい。やっぱり、この価格帯のクルマに手が出せる人となると、それなりの年齢になっていないとムリですしね。

○気になる走りのパフォーマンスは?

 エンジンは2.4リッターと3リッター。2.4リッターはオデッセイと同型のものを重量増に合わせて最適化して搭載。3リッターはインスパイアで好評を得た、低負荷時に3気筒を休止させるシステムを持つV6。2トンに迫る車重になってしまったことから、ラグレイトが搭載する3.5リッターも候補に挙がったらしいが、3リッターで十分のパフォーマンスを発揮できるとの判断だそうだ。エンジニアの方に聞くと、スペック通りのパワーがしっかり出ているとのこと(国沢註:車重的にも厳しいようだ)なので、試乗の機会に恵まれた際にはチェックしたい。
 トランスミッションはどちらのエンジンも5速ATとの組み合わせとなり、不思議とオデッセイで積極採用されたCVTの設定はなし。どうやら、CVTではまだまだ車格相応の走りの質感を出すのが難しいとの判断らしい。しかし、組み合せること自体は可能とのことなので、可能性は低いがストリームのようにマイナーチェンジで設定されるかもしれない。ちなみに、アブソルートの予定はないという。


コチラは最高級グレード『VZ』

 2.4リッターと3リッターの外観状の大きな違いは排気系の取り回し。同型の2.4リッターを搭載するオデッセイでは、低さを追求するギリギリのパッケージングを要求されたため、全てのグレードで左右両側排気(最低地上高を確保するには太いパイプが不利になるため細いパイプ2本としている)となったが、エリシオンはそこまで厳しい制約を受けなかったため右側1本出し。対して3リッターは排気効率を稼ぐために両側排気となっている。コスト的にはオデッセイの排気系を改良して使えば良いのではないかと聞いてみたのだが、そうでもないらしく、新たに設計しても片側排気の方が安く済むのだという回答だった。


 そのほかで注目した点は、エンジンルームのコンパクトさ。横方向はそれなりに広いのだが、縦方向がカナリ短い。ボンネットを開けても見えるのはヘッドカバーとエアクリーナーボックスのみといった感じ。昨今の衝突安全に対する取り組みから考えると、クラッシャブルゾーンに余裕があるに越したことはないのだが、実際にライフなどの軽自動車との衝突実験を繰り返し、革新の安全ボディとなっているのだそうだ。安全性に対する意識の高いホンダだから、ミニバンの中では世界トップレベルだと思って良いだろう。
                              (レポート/山崎裕正)