<カートップに掲載されたレポート>

 まずは売れ筋となること確実の2,3リッターから乗り倒してみやしょうか。試乗する前から気になってたのが、車重の増加。なんせエンジンパワー今までと同じ。なのに衝突安全性を向上させたため80sも増えちゃっているのだ。従来型の4WDよっか重い。こら厳しいでしょう! 遅かったらガックシよ、と思いつつ走り出すと、こりゃまぁ! 全然変わらない走りっぷりだったりして。カタログに記載されてるスペックは同じだけど、どうやらトルク特性など改良し、重くなった分をカバーしてるらしい。ちなみに重くなっても燃費は向上している。
 一方、空力はCd=0,33とミニバン世界有数の数値。よってテストコースで全開したならば、楽に180qのリミッターまで届く。最高速に関しちゃ従来型より全然速ってこと。走りにウルサイCT読者でも、動力性能的にゃ4気筒で全くモンダイ無し、と書いておく。ワタシが買うとしても迷わず4気筒選びます。また、エンジン本体を改良しただけでなく、遮音材や防震材もケチらず使っているそうで、高速巡航は大幅に静かになった。4気筒エンジン積む「良くできた乗用車」と比べても負けない快適性、といってよろしかろう。ATのスムースさにも高い点数付けていい。


 動力性能以上に気に入ったのがハンドリングだ。聞けば新型オデッセイの開発にあたり、イチバン気合い入れたポイントとか。確かに今までのオデッセイ、ちょっとばかり乗り心地を重視し過ぎた。ま、開発当初はアメリカ専売車として位置づけられていたから仕方なかったかもしれない。でも後から「オデッセイに負けるな!」とばかり出てくるライバルモデルに負けてたのは確か。バサラとかのハンドリング、けっこうビシッとしてて楽しかったりする。こうなるとホンダだって黙ってないでしょう! 何たってFFのハンドリングじゃ、今やホンダは世界トッップクラス。
 もはやロール剛性、ロールセンター、重心といった基本設計から見直した。結果は乗ってハッキリ解る! スゴく素直なのだ。4気筒エンジンなのでフロントは軽く、ハンドル切ればスッとインを向く。加えてステアリングフィールも抜群によい。シャープ過ぎず、かといってダルでもない微妙な味付け。大変オイシイと思う。いつものごとく神戸近辺に確保した特設テストコースで攻めてみたら、テールのコントロールも自由自在。タックインなど使ってコーナーに飛び込むと、ややテールアウト気味の姿勢をキープ! とうていミニバンと思えませんな。


 これまで『プレステージ』と呼ばれていたV6搭載車も最初からラインナップされた。4気筒と同じく車重増となったけれど、エンジンスペックが若干上がっており(200馬力から210馬力に。言うまでもなくトルク特性も改善されている)、重くなった分をカバー出来ている感じ。さらに2,3リッターと比べ90sしか重くない1670s。排気量と車重を半分にすれば835sのクルマに1,5リッターを積んだのと同じ。こりゃもうスポーティモデルのようなスペックだ。実際、アクセルをガンガン踏んで走ったら、ありゃりゃ、と声が出ちゃうほどパワフルだったりして。
 最高速のデータないため不明ながら、最低200qには届くと思う。150馬力の2,3リッターで190qだもん。3リッターなら200q以上出て不思議じゃない。いや、もしかすると210qくらい出るかも。ヨーロッパに輸出すると(今のトコロ予定してない)、世界一速いミニバンのタイトルホルダー確実。3リッターはATも5速タイプ。これまた動力性能と静粛性向上の大きな要因となっている。『Sマチック』と呼ばれるスポーツシフトで走れば、ワインディングロードでも楽しい。同乗者がいるときに楽しんではいけませんぜ。


 ハンドリングは4気筒より従来型との進歩が大きい。これまでの6気筒って、どうにもバランス悪かったと思う。後から無理矢理搭載したエンジンという理由もあるんだろう(デビュー当初は6気筒積む計画さえなかった)。前後の過重配分狂ったのかアンダーステア強いし、重いエンジン積んだため、ロール&ピッチング抑えようとバネやダンパーも4気筒より堅かった。本来なら高級かつスムースな乗り心地にならなくちゃイケナイ6気筒なのに、スポーツカーみたいなピョコピョコ系乗り心地だったのだ。オデッセイに限らず、プレサージュとかもピョコピョコ系ですけど。
 新型は最初から弱点を消すべく設計されたことがよ〜く解る。6気筒車らしく高級な雰囲気漂う。解りやすく表現すると、4気筒が「素直」。6気筒は「スムース」といった具合。高速巡航すると、良くできた足回りもあって、上級セダンに乗っているよう。ただ限界まで攻めると、やっぱアンダー気味になる。バランスいいのは4気筒です。個人的に残念なのは、従来型に設定されていたクルーズコントロールが無くなってしまった点。長距離ドライブする時、燃費を稼ごうとするとクルコンヒがジョウに有効。このところ愛好家も増えているらしい。オプションでいいから設定してちょうよ。


<以下ワゴニストより>

 ついに新型オデッセイが発表された!といってもクルマそのものは東京モーターショーに出展されてたオデッセイ・プロトと全く同じですけど……。軽く復習しておく。ボディサイズは意外にもホンの少しながら大きい。全長4770o×全幅1795o×全高1630o。従来型4765o×1770o×1645oなので、5o長く15o幅広で15o低いなったワケ。「変わらないやんか」と言われれば変わらない。実車を見た感じも「同じ大きさだな」と思った。コンパクトにして評価落としたアコードワゴンの反省もあるのだろう。
 スタイルは「恐ろしいほどのキープコンセプト」。すなわち、今までのスタイルをまんま継承している。従来型オデッセイのスタイル、特に不満があるワケでないし、飽きもきていない。だったら冒険せず行きましょうということ。もちろん全体のシェイプはキッチリ新しく作り込まれており、フロントから見れば明らかに新型と解る個性的なヘッドライトなど持つ。サイドビューもクリスタル(水晶のようにクリアな面構成)タッチでよい。ラグレイドと似ていると思った。唯一残念だったのがリアスタイル。後ろ向きで止めたら見分けつかんよ。



 インテリアをチェックしたら、オデッセイ最大の欠点とされていたサードシート横のスペアタイヤが室内から消えている。リアラゲッジスペースの下に移されたのだ。もちろん床下にスッポリ入ってしまうサードシートはオデッセイの売りだから、キチンと継承していた。運転席回りではシフトの場所がインパネになったのと同時に、操作性もググッと良くなっている。Dレンジに入れようとしたのに他のギア入ってた、ということはもう無い。アヴァンシアと同じだと思えばよかろう。
前置きはこのあたりにして試乗だ試乗だ。新しいオデッセイに搭載されるエンジンはこれまで通り2タイプ設定されている。売れ筋になりそうなのが2,3リッターVTECの4気筒で、アヴァンシアに搭載されたタイプと基本的に同じ。このエンジン、最高出力は150馬力で変わらないものの、普通に使う回転域のパワーを上げたタイプ。乗ってみると衝突安全性向上などで車重が80s程度増えているのに、むしろ現行モデルより活発に走る。車重の増加分よりトルクアップが勝っているのだろう。トルクバンドも広がっており、元気。

高速道路も走ってみたが、やっぱり快適だった。新型は空気抵抗を大幅に低減させており、Cd値0,33と乗用車並。いや、アコードワゴンのCd=0,36より小さい。高速走行域での必要エンジンパワーを確実に少なくしている。楽に走れる感じ、と表現しておく(特に130q以上でハッキリ体感出来る。テストコースでの話ですけど)。驚いたのが騒音の低さ。遮音材や防震材を上級セダンと同じくらい使ったそうで、もうミニバンというイメージはない。高級乗用車に乗ってみたいだ。
 V6も大きく進化した。元々乗用車用として開発されたエンジンということもあり、スムースさでこのクラスのライバル車を相手にしない。最高出力も200馬力から215馬力に向上し、普通に使う回転域のトルク10%くらい上がっている。「3,3リッターエンジンになったみたい」と評価しておく。4気筒と同じく80s程度重くなっているが、まったく意識させなかった。参考までに書いておくと、速度リミッター無しとしたバアイの最高速は、4気筒で約190q。V6は210q近辺に達するそうな。

 エンジン以上に良くなったのが、ハンドリング&乗り心地。ウソ偽り無く乗用車と同等の快適性を持っていた。現行オデッセイはアメリカ市場を強く意識したせいで、若干フワフワして手応え不足。「頼りない」と表現してもよかろう。新型オデッセイはアメリカ市場を考えていない。よって後発のライバルモデルをやっつけるべく、基本設計から見直されている。キープコンセプトのスタイルと逆で、気合い入ってるワケ。ステアリングフィールも非常に素直。乗用車からオデッセイに乗り換えても何ら違和感ナシ。
 ホンダも自信あるらしく、モーターショーのプロトタイプを鷹栖(ホンダ自慢の難コース。ドイツのニュルブリックリンクのごとくクルマに対し厳しい)で試乗させたほど。スポーティモデルのごとくテールスライドさせた走りまで可能だった。そうそう。従来型のV6搭載モデルは、4気筒モデルより堅いサスペンション設定(乗り心地少し悪い)だったが、大幅に改善されている。新型のV6はスムースなエンジンの味を引き出すべく、乗り心地も良い。高級車的な乗り味を望むならどうぞ。
ただ限界まで攻めた時のバランスは、軽い4気筒をベストとしておく。上手にセッティングしてあるとはいえ、絶対的にV6って重い。ワタシなら多少動力性能低くても、軽快で燃費の良い4気筒を選ぶだろう。その燃費だが、しっかり延びた。従来型V6の10・15モード燃費8,8q/リッターに対し、9,8q/リッターと約10%向上。4気筒も現行より向上して11q/リッターに。おっと書き忘れた。今まで4WD選べるのは4気筒だけだったが、新型になってV6との組み合わせもOK。