東京モーターショーに出展されたオデッセイは『オデッセイ・プロト』とネーミングされている。プロト=試作車ということから、とりあえず市販モデルでない。したがって詳細なスペックも公開されていないのだけれど、まぁこの段階までくると大半が解ってしまうもの。もちろん外観やエンジン、インテリアに至るまで次期型オデッセイそのものだと思ってよかろう(ウッドパネルの色は違うらしい。市販車は一般的なウッド調となる模様)。加えてプロトタイプの試乗会も行われた。以下、気になるオデッセイの新型について、解っている限りのレポートを行おう。

 最初に弱点というか問題点を書く。そいつぁスタイル、だ。とは言え全体のイメージが現行オデッセイとソックリでツマラン。ということでもない。オデッセイのスタイルは依然として飽きていないから、むしろ今までのイメージを受け継いでもらった方が嬉しいほど。それでいてフロントから見れば明らかに新型と解る個性的なヘッドライトなど持つ。だったらナニがアカンのかといえばリアスタイルです。サイドビューも、現行オデッセイと比べればやっぱりシャープで新しい。でもリアスタイルはあまりに変わらな過ぎる。ガレージに後ろ向きで止まってればワカランでしょう!
 ココさえ納得できれば次期型オデッセイに不満は無い、と言い切ってしまってもイイ。じゃ本編に入ろう。サイズから。「もしかしたら一回り小さくなるのでは?」とウワサされていたが、意外にもホンの少しながら大きくなった。全長4770o×全幅1795o×全高1630o。現行は4765o×1770o×1645oなので、変わらないと思えば変わってないかもしれぬ。実車を見た感じも、現行型と並べたって「大きさが変わった」というイメージは無い。このサイズにオデッセイらしいさを感じるのだ。小型化して評価を落としたアコードワゴンの反省もあるのだろう。

 搭載されるエンジンは現行モデルと同じく2タイプ設定されている。売れ筋になりそうなのが2,3リッターVTECの4気筒で、アヴァンシアに搭載されている進化型。最高出力は150馬力と変わらないものの、常用回転域のトルクを大幅にアップさせたタイプ。乗ってみると確かにトルクフル。衝突安全性向上などで車重が50s程度増えているということだけれど、むしろ現行モデルより元気に走ってしまう。車重の増加分よりトルクアップが勝っているのだろう。空気抵抗は少なくなっているため、最高速も180qの速度リミッターに当たるまで出る。
 それより驚くのがハンドリングを含めたシャシ性能。タマげることにプロトタイプに試乗させたのは、北海道の鷹栖コースなのだ。このコース、ドイツのニュルブルックリンクをイメージした難コース。スポーツカーですらアゴ出すほど厳しい。そこを全開で走らせたのである。アクセル全開で通過するコーナーあり、ほとんど車体が宙に浮くような箇所まであるほど。攻めて良い、と言われれば思い切りヤルのがワタシらの商売。ウエット路面だったのにも関わらず、全開してみました。どうかと聞かれたら「もはや良くできた乗用車と同じだと思ってよろしい」。

 感心したのがハンドル切った時の挙動。現行オデッセイ、アメリカ市場を強く意識したせいで、若干スポンジーだった。「頼りない」と表現してもよかろう。ハンドルと路面の間にグニャグニャのゴムが介在してるみたい。この点じゃヨーロッパ市場に向けて作られたイプサムに負けていたと思う。しかし次期型オデッセイはアメリカを考えていない。ハンドル切った時の挙動は、車高の低い乗用車のように素直。乗用車からオデッセイに乗り換えても何ら違和感ナシ。鷹栖の難コースをウエット状態でガンガン攻め、全く怖くないのだからタイしたもんだ。
 V6は4気筒と違い大きく進化した。最高出力が200馬力から215馬力に向上し、常用回転域のトルク10%くらい上がっている。これまた50s程度重くなっているも、まったく意識させないで走らせてしまう。現行モデルよりハッキリ速いと思えるくらい。それでいて燃費しっかり延びた。現行V6の10・15モード燃費8,8q/リッターに対し、9,8q/リッターと約10%向上(4気筒も現行より向上して11q/リッターに)。アップダウンのキツい鷹栖のコースさえ、アクセル全開するとパワー不足を感じさせない。V6に要求されるスムースさは、このクラスのライバル車を相手にしないほど。

 気に入ったのが乗り心地。現行のV6搭載モデルは、4気筒モデルより堅いサスペンション設定になっている。パワーアップしたため、その分高速域での安定性を確保しなくちゃならなくなったためだ。したがって本来なら快適な乗り心地を提供しなくちゃならないV6モデルなのに、4気筒よりハード。ホンダも「やっぱり何とかしたい」と思ったのだろう。現行モデルの経験を生かし、少しでも快適な乗り心地を実現しようとしたらしい。乗ってみると現行より圧倒的に快適。それでいて4気筒よりキチンとダンパーが利いており、高速域で安定した走りを見せる。

 インテリアはどうか? オデッセイ最大の欠点とされていたサードシート横のスペアタイヤが、めでたく室内から消えているでないの! 調べてみたらリアラゲッジスペースの下に移されていた。こうなると心配なのがサードシートの収納場所。床下にスッポリ入ってしまうサードシート、オデッセイの売りだったのだ。早速チェックしたトコロ、これまで通り収納出来るようになっていることが判明。ただオデッセイの得意技だったベンチモード(サードシートはベンチのように使える)にすると、やや足つき性悪くなっている。
 運転席回りではシフトの場所がインパネになった。アヴァンシアと同じだと思えばよろしい。賛否両論あるらしいけど、ワタシは現行モデルのコラムタイプよりずっと好ましく思う。書き遅れたが、V6モデル5速ATになった。全開につぐ全開の鷹栖テストコースじゃ有用性を感じなかったものの、一般道だと高速巡航で威力を発揮するに違いない。以上、ザッと次期型オデッセイ(おっとタテマエはプロトだった)について解説してみた。発表は12月になるとそうな。次期型オデッセイを狙っているなら、もはや迷うこと無い。早く欲しいなら仮予約をどうぞ!