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フィアット

500スペシャルサイト

<フィアット500試乗!>

永:フィアットとしては久々の大物となる500(チンクエチェント)です。今までフィアットに乗ったことがほとんどなかったのでちょっと楽しみにしておりました。

国:試乗会の会場も完全な市街地なので、街乗りした感じをメインに見ていきましょう。

永:まずスタイルとインテリアなんですが。

国:現行ミニやニュービートルと同じように、現代のクルマとしてクリアしなければならない法規や必要な室内空間を確保しながら偉大な先輩をうまく再現していると思う。

永:オシャレな街乗り用のクルマが欲しい方にはピッタリですね。

国:インテリアもボディと同色のプラスチック板やメーターとかイタ車らしく遊んでて気持ちが明るくなりそう。この種のクルマにとって一番大切ともいえる内外装は余裕の合格点。

デザインはもちろん、省スペースな点も評価できるメーター

クルマの性格を考えれば、リアシート&ラゲッジスペースの広さは十分

永:スタイルで買うクルマですから、「これだけで合格なのかも」という気もしてきました。

<運転すると、楽しくない?>

永:個人的にはマニュアルミッションベースで2ペダルとなるロボタイズドAT(フィアットの場合はデュアロジック)が初めてなんで、そこを一番注目していました。師匠が「あれはかなり厳しい」と言っていたので「どんなにひどいんだろう」くらいに思っていたのですが、同乗している分にはそんな悪さは感じないですね。

国:ムカシに比べれば良くなってるけど、運転してると良くはないよ。スタート時のクラッチミートは結構上手だけど(クリープ現象はしない)。運転してみ。

永:はい。第一印象はそんなに悪くはないです。オートモードならシフトアップして欲しいタイミングでアクセルを少し戻せばシフトアップしてくれますし。比較対象として正しくはないかもしれませんが、プジョー206の人間の意志をまったく汲み取らない(希望のスピードになってアクセルを戻してもなかなかシフトアップしてくれない)トルコンATよりはずっとこちらの方がいいかと。

国:まあロボタイズドATも出てきてからかなり時間が経ってるからこのシステムなりに熟成されてきてるけど、逆に言えばこれ以上の進歩はあまり期待できないと思う。MR−Sの2ペダルも成功しなかったことを考えると、少なくとも日本では向かないよ。

永:マニュアルモードにするとアクセル戻すタイミングとかどうしたらいいか分からなくなっちゃいました。慣れれば済む問題なんでしょうけど。

右側ゲート/ニュートラルとリバース、左側ゲート/通常走行用

国:500の日本仕様を見てすぐ思ったんだけど、普通のマニュアルが欲しい。

永:はい。インポーターとしては主力モデルとしてそれなりの数(08年中は3000台)を売りたいでしょうから、「日本市場では2ペダルが必須」という考えでまずはデュアロジックでというのも分かりますけど、正直クルマ自体をかなりブチ壊しているように思います。「とりあえず左ハンドルでも何でも構わないからマニュアルもラインナップしてよ」って感じです。

国:クルマの性格上「スタイルが気に入ればそれだけでOK」って部分もあるから、惚れこんだ人にとっては案外関係ないことなのかもしれない。

左のスイッチ(シティモード)を押すと、ハンドルがメチャクチャ軽くなる

永:デュアロジックの話ばかりになっちゃいましたが、運転していて楽しい気持ちにならないように感じるんですが。

国:俺もそう。「何が原因か」って言われると、キッチリ仕事はするんだけど音とかが味気ない1.2リッターエンジンに起因するのかもしれない。今日はたまたま空冷ビートル乗ってきたけど、ビートルなんて性能的には本当に大したことないけど、メチャクチャ楽しいもの。

マフラー交換でもすれば劇的に楽しくなるか?

永:遅いけどエンジン音とか信じられないくらいレーシーで楽しいです。一人で乗ってると多分ニヤニヤしています。個人的にフィアットって以前JAIAの試乗会で乗ったマニュアルのムルティプラしか経験はないですが、ムルティプラは平均的なスペックだけどエンジン音とかしなやかな乗り味が妙に楽しかった記憶があります。それで500も期待していたんですけど。

国:他にネガティブな要素としてクルマの性能に対してタイヤが185/55の15インチなんてオーバーサイズなことでしなやかさをスポイルしている部分もありそう。ついでに言えばクルマが小さいだけにブレーキのタッチとか右ハンドル化の弊害を大きく受けているんじゃないかな。

永:今度の熟成やラインナップ強化に期待したいところです。

本国仕様だったらもっと楽しいのかも?

<惚れた人以外は待つべき!>

国:ラインナップの話だけど、このクルマいくらなの?

永:現状では15インチタイヤやガラスルーフなどが付く豪華版の「ラウンジ」/225万円と200台限定となる「ラウンジSS」/233万円です。

国:ミニONEやニュービートルの1.6リッター(それぞれ6速ATで231万円、236万円)が近い値段で買えることを考えると、自分のものにするにはかなり勇気を必要とするワな。

永:ミニなら6速MT(218万円)まで設定されていますからね。チンクエチェントには後からもっとプレーンというかベーシックな仕様となる「ポップ」のデュアロジックが190万円で追加されるそうです。

国:クルマ好きだったら「ポップ」のマニュアルで185万円とかにならないと厳しいかもしれない。

永:180万円台になったとしても、新鮮さや可愛らしさこそないですけど安全装備完備ですごくよく走るポロの3ドア(6速ATで169万円)みたいな強敵もいますからね。

240万円で買える輸入車を調べてみると、実は魅力的なクルマが多い

国:まあ、フィアットとしては期待の星だし温かい目で見守って行きたいと思います。私は興味なくなりましたけど……。

<フィアット500発表!>

 

 昨年の欧州カーオブザイヤーを受賞するなど、世界的に見れば「07年に最も注目を集めたモデル」の1台であるフィアット500(チンクエチェント)の日本仕様が発表された。

 今回日本導入を開始したフィアット500はご存知の通り、ルパン三世にも登場したあのフィアット500のリバイバル版(当時の500はリアエンジン/リアドライブ500cc)。もちろんFFだ。ニュービートルや現行ミニと同じようなコンセプトと考えていいだろう。

 となれば「ファーストプライオリティはスタイル」とも考えられるわけだが、スタイリングは写真の通り。サイズの大型化(といっても全長3545mm×全幅1625mmと現代のレベルでは非常に小さい)やFF化ため昔の500とはやや違う印象だが、全体的には懐かしさと可愛らしさをうまく表現したデザインといえる。

 

写真は画家のジュリアーノ・ゲッリ氏デザインのペイント

 4月に出るルパン三世のDVDには新フィアット500が登場するそうです

 ちなみに昔のフィアット500はこんな感じ

 インテリアも装備や質感など現代のクルマとして納得できるレベルを保ちながら、ダッシュボードに白いプラスチック板を大きく使うアイデアなどを盛り込み、楽しい雰囲気も両立している。

明るい気持ちになれそうなインテリア(写真は本国仕様)

<ハード面はパンダ譲り>

 復活したフィアット500のハード面は基本的にパンダの流用となる(ホイールベースもパンダと同じ2300mm)。エンジンから紹介しよう。本国仕様のフィアット500は1.2リッターと1.4リッターのガソリンエンジン、1.3リッターディーゼルターボという3種類のエンジンをラインナップしているが、日本仕様はとりあえずベーシックな1.2リッター(パンダの1.2リッター60馬力に対し、500用は69馬力にパワーアップされている)が上陸。トランスミッションはMTベースながら2ペダルでATとしても使える「デュアロジック」(5速)との組み合わせだ。ただ、デュアロジックは変速スピードなどに大きな問題を抱えており、「日本市場はATが必須」というのも理解できるものの、フィアット500が趣味性の高いクルマであることも考慮すると、なるべく早い時期に普通のMTも加えて欲しいところである。

 

 第一便として導入されるラウンジのホイールは15インチ

 また、新フィアット500で特筆しておきたいのが高い安全性。衝突安全性ではユーロNCAPで最高レベルとなる5つ星をこのクラスのクルマとしては初めて獲得。安全装備も輸入車では当たり前となりつつある姿勢制御デバイスESPやサイド&カーテンエアバッグはもちろん、運転席のニーエアバッグも標準装備される。

<買うならちょっと待つべきか?>

 リバイバルされたフィアット500の日本導入にあたってはクルマそのものと同じくらい価格も大きく注目されていたが、価格は今のところ一番安い「1.2 8Vラウンジ」で225万円。日本導入を記念して200台限定で販売される「1.2 8VラウンジSS」(フォグランプ、フルオートエアコンなどが付く)だと233万円である。過去の名車のリバイバル版という意味でライバルになりそうなニュービートルとミニのベーシックグレード(ニュービートルEZ/236万円、ミニOne/231万円、それぞれ6速AT)を強く意識した価格といえる。ただ、サイズや排気量(ニュービートルEZ/1.6リッター、ミニOne/1.4リッター)なども含めて比べてしまうとフィアット500に割高感を感じてしまうのも事実ではある。

 近いうちにベーシックなPOP(外見は黒いドアミラーに鉄ホイールで、ルーフもスチール)の1.2リッターが導入されることも明らかにされており、こちらの価格は190万円の予定。「今すぐフィアット500に乗りたい」というのでないなら、このグレードを見てからでも遅くはないだろう。さらに1.4リッターエンジン(100馬力、トランスミッションはデュアロジック)を積む「スポーツ」の追加も決まっており、価格次第とはなりそうだがホットハッチとしてフィアット500に乗りたい方には魅力的な存在となりそうだ。

 なお、3月15日に発売されるフィアット500の今年の販売目標は3000台のこと。全国で80拠点というフィアットの販売網を考えると(しかもたいていの店舗でアルファロメオも併売しており、アルファロメオが主役的存在)、かなり強気な目標に思える。しかし、新生フィアット500には「日本市場でのフィアットの認知度アップ」という重要な役割も課せられており、500自体の売れ行きはもちろん、フィアットのイメージ向上という面でも大いに注目したい。

※今回の発表会は展示車が2台しかなかった上に、ドアもロックされていたためインテリア等の写真は撮れませんでした。新型500を展示している仕事場近くのディーラーにも行きましたが、撮影してよいか聞くと冷たく「ダメ」と言われました。

レポート/永田恵一