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MPV国沢レポート

新型MPV試乗レポート

車高が低くなったせいかオデッセイに似たシルエットになった気がします

まずはスタイル&インテリアから

国沢師匠(以下国):横から見ると随分、大きくなったように感じるね。

弟子永田(以下永田):先代より全長で6センチ長くなっていて、6センチ全高が低くなっていますからね。ついでに全幅は2センチ広くなっています。

国:堂々としたなかなかいいスタイルだと思う。

永:私は縦長になっているヘッドライトの形が好みでないのですが、見慣れると印象かわるかも? という気はしています。

国:インテリア見てみようか。おおっ、インテリアもスタイルと同じくらい立派になってるね。

永:先代は「安っぽいなあ」とまでは思いませんでしたが、言葉で表すと「質実剛健」といった感じでした。

質感、視界ともに良好!

国:そう。インテリアの質感はライバル車に劣っていたと思う。新型はクルマの値段以上の質感を感じる。

永:それとシフトがコラムからインパネに移ってやっと「最近のミニバン」という感じになりました。

国:じゃあ、試乗に行こうか。


新型MVPの走りは?

国:やっぱりMZRエンジンはいいねえ。

永:アイドリング時なんてよく使われる表現ですが「タコメーターを見ないとエンジンがかかっているか分からない」と言えるくらい静かですね。

国:このエンジンも登場から4年経ってかなり熟成されている。静粛性もそうだけど、中低速トルクが増えて乗りやすくなった。これは可変バルタイや電子制御スロットルのセッティング変更による効果が大きいんだろうね。それと高回転までスムースに回る点も相
変わらずイイ。

永:ドライバーを楽しませてくれるいい音してます。

国:クルマ好きには「音」って大事な要素だからね。

MZRエンジンは数値に出ない楽しさではクラスナンバー1!

永:FFのNA車のみ4速ATなのですが、どうでしょうか?(遅れて発売されるターボ車、4WDには6速ATが組み合わされる)。

国:台場近辺の市街地を走っている分には問題は感じないけど、高速道路や山道に行ったらどうかなあ。きっと「なんで6速じゃないんだよー」って思う場面が出てくると思う。

永:オデッセイやエスティマの標準車はCVTですから、標準的なMPVも6速ATで対抗して欲しいです。

国:コストなんかの問題もあるんだろうけど。今後の改良に期待しよう。マツダもスバル
のようにどんどんクルマを育てていくメーカーだから、途中で変えてくれる可能性は多い
にあるよ。

永:ハンドリングはどう評価されますか?

国:今日のコースでは試す場所がなくてはっきりしたことを言えないけど「素直で扱いやすそう」と予想しておく。このあたりを走っているだけでも車高が低くなったメリットはしっかり感じられるよ。マイナー後の先代MPVだったら今でも通用するくらいの走りの性能は良かったし、走りが売りのマツダ車だから期待できるでしょう。

永:ちなみにシャーシはアテンザあたりがベースになっているのかと思ったら、キャパシティ不足だったのでしょう。新しく設計したシャーシを使っているそうです。アンダーボディ、アッパーボディの説明図を見ると先代とは比べモノにならないほどの補強が入っています。

国:予想以上に気合いが入っているのね。このシャーシ、今後どう使うのか興味深い。

永:乗り心地はいかがでしょうか?

国:ちょっと固い感じの当たりなんだけど、収まりはいい。ダンパーのメーカーどこ?

永:前、後ろともトキコだそうです。

国:カヤバとは違う味だよね。エスティマよりも乗り心地では勝ってる。トキコも悪くはないけど、デミオやアクセラみたいにテネコのダンパーだったらどうなるか? って気になるよねえ。

永:同感です。

マツダのDNAはMPVにも引き継がれています

国:運転変わってよ。2列目、3列目をチェックするから。

永:了解しました。


2列目、3列目の居住性をチェック

永:このナビ、トヨタにソックリですね。

国:トヨタが推進しているG−BOOK対応だから当然でしょう。ナビの性能も向上しているから歓迎できることだよ。

永:2列目の居心地はどうでしょうか?

国:先代も良かったけど、新型はさらに磨きがかかっていて非常に快適。一度、2列目に乗って長距離ドライブしてみたいねえ。ただオットマンが体格に合わない。うまく足に当たってないんだよね。まあ、人それぞれ体型違うからオットマンの合わせ方って難しいんだけど。

オットマン以外はかなり満足!

(一旦停止して、国沢師匠は3列目に移動)

永:普段使うことは少ないと思いますが、3列目はいかがですか?

国:予想よりもいいよ。長距離ドライブも十分こなせるスペースがあるし、乗り心地も2列目と遜色ない。2列目、3列目の居住性を評価すると「オデッセイとエスティマ」の中間って感じ。6センチも全高が低くなったのにこれだけ居住性がいいということは、かなり低床化を頑張ったんだと思う。

永:3列目の広さ、乗り心地にはホイールベースの延長も大きく貢献しているんでしょう(ホイールベースは先代より11センチ延長されている)。不満な点はないでしょうか?

国:今日のクルマに付いているオプション設定のBOSEのオーディオなんだけど、クリアな音質なのはいいんだけど低音を出すためのパワーが足りない。この広い室内を大迫力にすることは難しいと思うけど……。

永:そうですか。私は修行不足のせいか「さすがBOSE」と思ったのですが。師匠は新型MPVを総合的にどう評価されますか?

国:「コストパフォーマンスに優れたいいミニバン」ってところかな。

永:なるほど。

国:このクラスのエスティマ、MPV、オデッセイはそれぞれ得意技を持っているからユーザーは選びがいがあると思うな。



まとめ

 今回の試乗では高速道路やワインディングロードでのインプレッションは出来なかったが、「マツダ車らしく走りが楽しそうなミニバン」ということは読者の皆さんにも伝わったと思う。今回チェックできなかった部分については3月半ばにターボモデルの試乗会が行われるそうなので、その際にチェックしてレポートしたいと思う。

 私も国沢師匠と同じく「いいクルマなのに安いなあ」という印象を持った。ベーシックグレードの23Fだとオーディオ以外の必要な装備がすべて揃って238万円、今回乗った23Cでも247万円。ほぼ同じ時期に登場したライバル、エスティマと比べて20万円近く安いことになるのだ。エスティマの購入を考えている方がいらっしゃったら、MPVも一考する価値のあるクルマだと思う。

 クルマ好きとして期待してしまうのがターボモデル。ミニバンにはエスティマの3.5リッターモデルのような大排気量エンジンの高性能モデルが多い中、4気筒+ターボエンジンという個性はどんな走りを見せるんだろう? 走りのマツダだけにクルマ好きの期待に応えてくれるクルマに仕上がっていることを願いたい。新型MPVは高い完成度に仕上がっており、完全に復調したマツダをもう一押ししてくれそうなクルマである。
 


 
※ ちょっと気になったこと

 

 こんな配線見たことありますか?

 この写真を見て欲しい。マイナス側のバッテリーの配線が必要以上に長過ぎてUターン。長い分をビニールテープで巻いて調整しているように感じる。お分かりになるだろうか? 国沢師匠がエンジンルームを開けた際に気づいたのだが「買った人は“これ不良品なの?”と思うかもしれない」という第一声。試乗から戻ってマツダの方に聞いてみると「汎用のターミナルの向きがこのタイプしかなく、MPVには合わなかったので仕方なく配線を長くし、ビニールテープで縛って固定した」とのこと。師匠は「マイナスアースだから危険性はないけど見栄えも良くないし、何年かしたら曲がっている部分のビニールテープが切れてしまう可能性もあるので絶対改善するべき」と指摘していた。何でも「先代のMPVの時はもっと危ない不具合あってね、事前試乗の時アクセル全開のままになっちゃったの。工場にあったクルマ全てを対策したのよ。でもマツダって、その後何の連絡もしてくれないんだよね〜。今回もきっと何の連絡もしてくれないと思う。知らんぷりして直すの、マツダだけ。ま、今回はユーザーに危険がないからいいけど、対策して欲しい」。クルマ作りはコストダウンで縛られていて大変なだと分かるのだが、何もここまでしなくても……。出来上がってしまったものは仕方ないので、サービスキャンペーンでも行ってもらって改良して欲しいものである。

レポート/永田恵一