クルマ好きにとってみると、マツダのイメージはドンドン薄くなってしまっている。走り屋ならRX−7やロードスターあたりが引っかかってくるだろうけど、ワタシなんぞマツダのことを忘れている日の方が多い。原稿だってあまり書かないなぁ。ま、最近のマツダ車って、悪い意味で親会社となった米フォード社の影響を受けてしまっていた。コストダウンのためなんだろう。アメリカの小型車みたいに安っぽいのだ。安っぽくなるとジドウシャ=道具で、もはやクルマ好きの興味対象でなくなる。
ジツは今回紹介するプレマシーも試乗するまで「ダメだろうなぁ」などと思ってた。しかし乗ったらイイのだ!なぜいいか? プレマシーは安いクルマ作りを得意とするアメリカのフォードでなく、ヨーロッパのフォードと組んで開発されたためらしい。同じフォード社でもヨーロッパ部門はアメリカと全然違う。そりゃそうだ。ヨーロッパのライバルと勝負しなければならないんだから。しかもプレマシーはヨーロッパじゃフォードのブランドを付けて販売されるとのこと。なるほど。
荒れた路面を走ってもミシリとさえ言わないくらいボディはガッシリしており、サスペンションも軽快に動く。エンジンだって高回転までスムースに回り、高速巡航など楽チン。正統派の「良いクルマ」なのだ。ホントにファミリア作っているのと同じメーカーが作ってるのか、と思うほど(ちなみにシャシは前半分がファミリアベース。後半はカペラとか)。マツダのクルマに乗って心底「いいぞ!」と感じたのは、いつのことだったろうか? 遠いムカシのことらしく覚えてない。
ところが、である。商品力はどうかとなれば、けっこう厳しいかも。クルマってのは「良いだけ」じゃ売れないのだった。欲しいと思うヒトがいないければアカンのである。このクルマ、良く言えば「ナンにでも使える」だし、悪く言うと「全てにおいて中途半端」に感じてしまう。例えば価格。外観や、高級感からすれば、ライバルはスパシオあたりの1、5リッタークラスに感じる。でも価格設定は高く、アコードやプリメーラの1、8リッターモデルとイーブン。
3列シートのミニバンとしちゃ、室内の広さが足りない。一応3列目のシートを装備するも、セカンドシートに大人座ったらサードシートのスペースは絶望的。スポーツカーのリアシートと同じで「乗ろうと思えば乗れないこともない」広さ。だったらイプサムあたりを値引きしてもらった方が価格的にも安いだろう(イプサムの値引きは30万円を超え、実質的にプレマシーより安くなる)。このあたり、どう考えるか、だ。むしろS−MXとかRVRみたいな2列シートのミニバン、と割り切るべきでしょうな。
となればドレスアップもそれなりの路線で攻めて欲しい。オーソドックスに行くならスポーティ路線がおすすめ。ヨーロッパ車をイメージし、ホンの少しローダウン。リアスポーラーやボーテックス・ジェネレーター形状持つフロントエアダムなど、空気抵抗の減少を狙ったアプローチなどいかがか? インテリアもレカロのセミバケット入れ、スポーティなステアリングと交換する。おそらくヨーロッパじゃフォード社向けのドレアスアップパーツも出てくると思う。
いずれにしろヨーロッパでも売る、ということはパーツの点でも面白そうだ。簡単なのはフォード向けプレマシーのパーツをそのまんま使う作戦。フロントグリルなど、加工無しでそのまんま交換可能。これだけでイメージはガラリと変わるだろう。しばらく待てば、ビルシュタインのダンパーや、レカロシート用のレール、エアロキットなど出てくるかも。最近のヨーロッパフォード、ラリーやF−1でも活躍しており(ラリーは早くも2勝してるし、フォードF−1のバリチェロだってトップに絡む速さ)、人気なのだ。
トヨタのヴィッツはヨーロッパで量産される。日産もルノーとの兄弟車を作ること確実。フォードの子会社であるマツダは、今後一段とヨーロッパ・フォードとの関連が出てくるに違いない。日本車も国際的になったのか、弱くなったので買われてしまったのか判断が難しいところだけれど、ドレスアップを楽しむという立場になれば、決して悪いことばかりじゃないと思う。プレマシーのスポーティバージョン、案外と似合いそう。特にWRCでフォード応援してるヒトにどうぞ
おすすめグレードは186万8千円の『Gパッケージ』。標準グレードより12万4千円高くなるが、CD/カセット付きオーディオと、サイドエアバッグ、大気汚染除去フィルターなど付く。サードシートが付かない5人乗りも選べるものの、リセールバリューを考慮すれば7人乗り有利。コンパクトで高機能のクルマが欲しい、というなら、魅力的だと思う。そうそう。ボディ剛性高いクルマはオーディオ組むのにも好適。リアにデカいウーハーなど組んでみますか?