HPトップに戻る

マツダ

「ロードスター」

・コンセプト

・スタイル、カラー

・主要諸元、スペック

・インテリア

・走行性能

・安全、環境

・グレード、価格

国沢インプレッション

・初代ロードスター

・2代目ロードスター

マツダ・ロードスター

新:2005年日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車のロードスターです。

国:新美は乗ったことないんだよな。

新:ありません。S2000でもそうですけど、僕、こういったスポーツオープンに憧れあるんですよね。

永:クルマ好きの王道とも呼べる歴史あるロードスター、楽しみです。新美君は新型のデザインどう思う?

新:特にカッコよくもなく、カッコ悪くもなく……。

国:車高が高過ぎると思う。ホイールアーチとタイヤの隙間が空き過ぎてる。でも車高下がれば一気にカッコよくなると思うよ。

新:僕はタイヤが妙にデカく見えてしまいます。17インチってこともありますけど、なんかボディに対してタイヤ外径も大きい気がする。

永:ふ〜む。そうかなぁ。

国:今回はRS(6MT)だ。じゃあ早速乗ってみよう。まず新美。俺が横に乗るね。

新:お、意外と低速トルクあります。2リッターエンジンだから当然と言えば当然ですけど。常用域で扱い易いエンジンです。

国:ま、こんなもんでしょう。お前シフトワーク下手くそだな。

新:うぅぅ〜。

国:そんなんじゃ恥ずかしくてラリーに出れないぞ!

新:が、頑張ります。こうして乗っていると、正直シフトフィールに引っかかり、というか渋さを感じます。師匠はどう感じました?

国:良いって感じじゃないよね。ロードスターである限り、シフトとか「操作に関わる」ところでは、もっともっと高いレベルを実現してほしい。

新:ところでこのエンジン、正直なところ、回してもパワー感足りない感じです。1100kgくらいの車重に170psは決して不足ないはずですけど、もうちょっとパワーあってもいいと思っちゃいます。音も控えめ。オープンスポーツなんだから、もう少し排気音とかを出してもいいのでは。音を楽しみながらドライブしたいです。

ロードスターのエンジン。扱いやすいけど刺激はあんまりないです

国:「ピュアスポーツ」ではないから、これだけパワーあればいいと思うよ。それにロードスターの楽しみは絶対的な速さにあらず。何と言っても「操る喜び」でしょう。

新:確かにコーナーをヒラリヒラリと楽にクリアしていってくれるので、コーナーが楽しくて仕方がないです。気のせいかもしれませんが、自分を中心にして曲がっていく感じ。自分のお尻がグリップしている感覚とでもいいましょうか。荷重のかけ方によって違うのかもしれないけれど。まさか! これが「人馬一体」?

国:普通のクルマでは真ん中より前に座る。それに対しロードスターは真ん中付近(というか後輪の前あたり)に座ることになる。その結果自分が中心にいる中でグリップを感じられるんだよ。これ、ブリティッシュ・ライトウェイトスポーツのお約束で、マツダも狙ってやっていること。それを新美が感じているということは、マツダの狙いは成功だってことだ。俺なんかは「人馬一体」の感覚をもっと強くしてもいいと思っているけどね。

新:なるほどねぇ。なんか運転うまくなった気がします。完全に気のせいですけど(笑)。変にクルマに曲がらされている感じもしないし、タイヤに頼った曲がり方でもなければ、サスペンションの固さに頼った曲がり方でもない。非常にバランス良く、不自然な感じがまったくありません。

国:そこがロードスターのいいところだ。

新:コーナー途中で路面にうねりや段差があっても、特に大きな挙動変化はありません。これは安心して攻められるでしょうね。ただ、意外と初期応答性はシャープじゃないような……。

国:新美でもそんなこと分かるの?

コーナー楽しい!

新:まぁ何となくですけど(汗)。乗り心地もしなやか。RSというグレードは走りのグレードですけど、思ったよりしなやかです。これ、きっとダンパーがいいんですよね? きちんと動いているし、しっかり減衰してくれている。ボディ剛性もたっぷり。

国:剛性たっぷり〜? やっぱりまだまだ修行不足だな。ボディ剛性の弱いクルマばっかり乗り過ぎだ。剛性足りなくはないけど、決して「たっぷり」とは言えないよ。ちなみにダンパーはビルシュタイン。

新:ビルシュタインだったのか。それにしても剛性をしっかり分かるようになるのは難しい……。

国:でも乗っているうちに気にならなくなるレベルだから、基本設計はいいんだろうね。ポルシェもそうだけど、デビューしたてのモデルでいきなり「最高!」と思えるものはない。どんどん改良していけば良くなると思うよ。

新:なるほど。素性は悪くないってことですか。

国:ところで、新美はこの内装どう思う?

新:う〜ん、特に何とも。オプションの本革シートもマッチしているといえばマッチしているけれど、特に何か印象的なものでもありません。ちょっと小物入れが少ない気もしますね。可もなく不可もなくといった内装だと思います。オープンカーって内装も外装のようなものだから、もうちょっと色気を出すとか、スポーティにするとか、明確な方向性を出して欲しかったです。運転席はちょっとタイトでスポーティと言えばスポーティですが。

本革の色はグッド。「妥当」な内装

国:だよな。この内装を見て特に欲しくもならないし、だからといって値段と比較して損した気分にもならない。外装も同じ。こういったカテゴリ−のクルマは、何かしら「これだ!」っていう特化した部分が欲しい。それは内装でもいいし、外装デザインでもいいし、走りでも新技術でもいい。ロードスターにはそれが足りないから、イマイチ商品力にパンチがない。

新:ちなみに師匠は昨年のCOTYで、ロードスターに何点入れたんですか?

国:6点だよ。GSに次いで2番目に評価した。

新:何故6点という評価になったのか教えて下さい。

国:まず1位じゃなかった理由。それは例えば最新技術を搭載しているとか、そういった目新しいものがなかったから。COTYを受賞したクルマには「この年には〜〜があったなぁ」という意味合いを持たせたい。そのためには何かしら目新しいものが欲しかった。ロードスターにはそれがなかったワケ。

新:なるほど。逆に評価できる部分はどこなのでしょう?

国:やっぱり「運転する楽しさ」があるし、クルマの基本形としてのレベルが高いからだよ。それにロードスターってスタートから変わらぬコンセプトでしょ? そういったクルマを作り続けているという意味でも高く評価できる。

新:重要文化財的な感じだと。

国:そうだね。新美、せっかくだからクローズにしてみようよ。

新:はい! あれ? んぐぐぐぐ……。これ、固いッスね。

国:おりゃ〜! 

新:これは座ったままだと非常にやりにくいです。パワーが必要ですね。

国:もうちょっとやり易いと嬉しいんだけどな。

NBの方がいい?

新:永田さんはロードスターをどう思います?

永:う〜ん、難しいなぁ。いいクルマだとは思うけど、正直欲しいとは思わないかも。ちょっと値段も高いと思う。

新:確か200万円代後半ですね。

永:そう。オプション付けると300万円くらいになってしまう。それならベースグレード買って自分の好きなようにイジるか、もしくはRAを買います。

新:僕にとってロードスターは値段的にも性能的にも「若者に分相応なスポーツカー」なのですけど、新型の値段はちょっと高いですね。

永:それからクラッチの切れる位置もちょっと奥過ぎる気がする。もうちょっと手前で切れてもいいと思う。毎回クラッチペダルを床まで踏み込まなければいけなかった。

新:僕はそんなに気になりませんでしたけどね。

永:新美君は動力性能に不満を感じたんだっけ?

新:不満とまでは言わないですけど、もうちょっと刺激があってもいいと思いました。

永:そこが不思議だよね〜。僕は逆に速過ぎると感じたんだよね。もしかして、ラリーカーに乗り過ぎて、速さの感覚狂ってるんじゃない(笑い)?

新:う〜ん、そこが個人差なんですかね? 

永:正直なこと言っていい?

新:どうぞ!

永:僕は新型ロードスターを買うなら中古のNBを買うな。

新:ふ〜む。

永:それこそ個人の好きずきですけど。

新:あまり新型が好きではないと?

永:嫌いではないけど、でも積極的に欲しくはならないって感じですね。

試乗後記

 2005年カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたロードスター。マツダのクルマがCOTYを受賞するのは初代FFカペラ以来23年ぶりで、ロードスターはマツダの復活を印象づけたクルマであります。にもかかわらず、思ったより売れていないのですね。もちろん圧倒的な台数を期待できるジャンルのクルマではないのですけど、それでももうちょっと売れてもいいはず。僕はその原因を「分かり易い魅力がない」からだと思います。確かに走りはいい。速すぎず遅すぎず、操縦性も高いため「等身大のクルマ」という感じがします。乗り手を選ばない、楽しいクルマなのは間違いない。でも、どこか尖った魅力を感じられないのです。デザインがすごくカッコイイとか、グラマラスな内装であるとか、もう楽しくて楽しくてステアリングを離せなくなるとか、そういうものを感じられるクルマにしてほしかった。クルマの平均レベルが高い今、そういった「特化した部分」がないと、なかなか難しいでしょう。景気は回復しつつあるというけれど、でもまだまだ皆さん財布のヒモは固いはず。ロードスターみたいに実用性をある程度犠牲にしているクルマは、やはり何かした大きな魅力が必要だと思います。

 これはロードスターだけでなくマツダ自体に言えることかもしれません。クルマは全体的にいいのだけれど、何故か売れない。やはり「これだ!」という武器を持つクルマが少ないと思うのです。逆に明確なコンセプトでユーザーに魅力をアピールできれば、ある程度売れると思うし、ブランドイメージも構築できるはず。元気を取り戻しつつあるマツダなのだから、ここは1つ「思い切り」を見せてほしいところです。

レポート/新美瑛生