先号でワタシは「ロードスターを買うなら1、6リッターがいい。1、8リッターはシロウト向き」とキッパリ書いた。きっと編集部の中でも「ホントかよ!」と思ったんだろう。1、6リッターに激しく執着する伏木センセですら1、8リッターがいいと評価してるので、ワザと逆らってると思ってるスタッフもいるらしい。なんで1、6リッターなのかという結論は後半で出すとして、まずは動力性能チェックといきましょう!
 1、8リッターから計測を開始。一発目のアタックは常識的に攻める。するとどうだ! 新しい1、8リッターって予想外にパワフルなユニットらしく、最初から16秒を切ってきた。145馬力しかないNAユニットだということを考えると立派立派。秘密のテクニックを使った(いつも内容を聞かれるが企業秘密である)2回目は15秒818まで詰めることに成功。このくらいの性能を持っていれば、誰でも満足出来るだろう。

 1、6リッターに乗り換えると明らかに遅い。レッドゾーンまで引っ張ってシフトした一回目が16秒771。高回転の伸びがイマイチなので2回目はレッドゾーン手前500回転でシフトしたら、16秒538に縮まった。今までの1、6リッターと比べればキッチリ速くなっているけど、1、8リッターと乗り比べてみたら物足りないかもなぁ。
 でもワタシが1、6リッターを高く評価してるのは、誰にでも解る絶対的な動力性能じゃない。ジムカーナをすると、そいつを見事に実証出来た。1、6リッターの方が速かったんだもの! タイヤだって細いのに。1、8リッターのアカン部分は、パワーとサスペンションのバランスである。おそらくスポーティに感じさせるためなんだろう。簡単にリアを流すような味付けなのだ。もうデロデロといってよろしい。
 シロウトに毛が生えたくらいのウデだと、こいつを楽しいと思うかもしれぬ。リアタイヤにスタッドレスタイヤ履かせ、ダラダラとドリフトさせてるヤツらと一緒だぁね。確かにパワーでスライドさせるなら楽しい。しかし速さでドリフトさせようとしたら物足りないのだ。

 何でそんなセッティングにしたのか? おそらく1、8リッター用のタイヤ性能をフルに使い切るくらいグリップさせると、流れた時のコントロールが難しくなるんだろう。つまり高性能FR車に共通する大きなテーマと立ち向かわないとならなくなる。こら簡単に解決出来ない問題。低い速度域でテールを流してしまえばシロウトは喜ぶし。
 それ以上に気に喰わないのが、速さで流そうとした時の挙動。タックインを使いコーナーを攻めると、流れ出しはトリッキー。収まる時もショックを伴う。狭い公道風のテストコースで攻めると、1、6リッターの方が圧倒的にコントローラブルである。簡単に言っちゃうと1、8リッターは広い駐車場でドリフトさせ喜ぶクルマ。ウデを存分に震えるのって1、6リッターなのですよ。

 よって1、8リッターでテールを流して自慢してるヤツは、少なくとも”達人”でない。ちょっと運転の上手いシロウトである。1、6リッターの方は達人向きだ。パワーだけで流そうとしてもダメ。キチンと速度を確保しなければならない。ウデに自信のないヒトは1、8リッターを。けっこうイケてると思うなら1、6リッターを選ぶべきでしょう。
 ただし今回は公道のように滑りやすいジムカーナ場でのテスト。グリップするサーキットだと、やっぱり1、8リッターの方が速いに違いない。このあたりは0〜400m加速テストと同じで、絶対的なパワーとタイヤサイズによって優劣は決まってくる。