−ついに全グレード外国製のエンジン積んだ日本車が出ました。このクルマのポイントはエンジンとリーズナブルな価格設定だと思います。
国沢「ガイコク製エンジンね。ちょっと前ならスゲエや、と思ったかもしれないけど、もはや日本製エンジンの仕上がりもいい。それにフォード製でしょ? V6がデュラテック。4気筒ゼテックときた」
島津「乗った瞬間、安いクルマに感じたやんか。エンジンの精度がいかにも低いみたいやな。V6でも騒音と振動でかいし。これでベンツとかBMWのエンジンなら有り難いやろが。で、このクルマはいくらや?」



−今日のクルマ、2リッターの4WDなんですけど、240万円くらいだったと思います。
島津「そんな高いわけないやろ! きっと200万円くらいだと思う」
国沢「エクストレイルの4WDで200万円でしょ? トリビュート240万円なら誰も買わない」

−ああ価格表ありました。フル装備の4WD『LX Gパッケージ』で216万1千円です。安いですね。
島津「安くない安くない。それなりの品質や! むしろ高いと思うぞ!」
−だってボディサイズからすればハリアーなんかと同じです。ハリアーだと2,4リッターになりますけど、263万5千円します。
国沢「ワタシも異論ある。クルマの価格とサイズ、質感をごちゃ混ぜにすると大混乱すると思うよ。今後」
島津「そやなぁ。ハリアーとトリビュートって、似てるのはサイズとスタイルだとやぞ!」
国沢「確かにトリビュートは悪いクルマじゃないと思う。普通に乗るなら十分。でも品質感あるかどうか、と聞かれたら、アメリカ車並だと答える」

−う〜ん、もう少し詳しく説明していただきましょう。
国沢「最近のトヨタ車は80点主義じゃなくて100点を狙ってる。つまりライバルをベンツやBMWにしてるワケだ。必然的に品質感は上がる」
島津「そうやな。ホンダも一昔前の日本車より格段にレベルが上がった。オデッセイとMPVを乗り比べるとハッキリ解るほどや」
国沢「対するマツダは技術の進歩を価格低減に使っている。だから乗るとトヨタやホンダより質感で負けてしまう。アメリカ車や、ここにきてグンとクオリティを高めてきた韓国車などと並んだ感じ。ヒュンダイのSUVであるサンタフェのV6なんか悪くないよ」

−確かにエンジンでクルマの質感は相当決まってきます。アメリカ製エンジン使えば、それなりということでしょうかね。
島津「エンジンの振動や騒音を低くしようとするとお金が掛かるんや。そんならお金掛けず、その分安くしようという考え方と、お金掛けて質感良くしてやろうという分かれ道に来た、ということやろうなぁ」
国沢「もしクルマを単なる道具として考えるんならトリビュートで満足出来ると思う。衝突安全性や排気ガスのクリーンさもキッチリしてる」
島津「大きなボディサイズの割に室内狭いと思うが、とりあえず大人4人座れるし、4WDもデフロックモード付きや。クロカンな感じでカッコも悪かないと思う」

−じゃいいクルマじゃないですか。トリビュート。
国沢「でもワタシは買わない。だってそうでしょ? 同じTシャツで1枚380円のもあれば、2900円するのもある。オシャレでなけりゃ380円でいいけど、見る人が見ればすぐ解る。食事だって腹一杯になって栄養補給できればいい、という考え方もあるワな。こらもうライフスタイルの違いです」
島津「ワシも買わん! 同じ予算ならHR−Vとかにする。カッコいいしオシャレでしょ、あのクルマ。じゃなければインプレッサの中古」
国沢「アメリカやヨーロッパに行くと、あまり質感とかにこだわらないユーザー層がいる。そういった意味からすれば合理的なんだけど。日本で成功するか注目したいと思う」
島津「自動車メーカーがどういったクルマを作るかで、ユーザー層も決まってくるかもしれないな。このままだとマツダ地獄は続く。ムカシはスバル地獄というのもあったけどな、もう無くなった。こらもうクルマが良くなって中古車相場も高くなったからや」

−最近あまり使いませんね、そのジゴクというやつ。説明願います
島津「ようするにや、マツダのクルマ乗ってて次に他のメーカー買いたいと思うやろ。で、例えばトヨタでマツダ車を査定してもらうとメチャ安いワケや。ガックリしてマツダ行ったら、高く査定してくれる。メチャ嬉しいからまたマツダ買うんやな。で、ここから抜け出せない」
国沢「以前はそうだったと思う。マツダ車もトヨタ車も同じサイズのクルマは同じくらいの値段だったから。でもここにきてトリビュートとハリアーの価格って50万円くらいの差がある。だから下取り安くて当然。何度も言ってる通り、ユーザーの考え方が違う。長く乗るなら下取り安くたっていい。トリビュートは耐久性あるらしいし」

−マツダに聞いたら、耐久性はフォードの基準の方が厳しかったそうです。ということは今までのマツダじゃ物足りなかったということですね。
国沢「言い忘れたけど、トリビュートは米国フォードとの共同開発みたいなもの。エンジニアの人数も日本側とフォード側で半々くらい」
−今日は複雑な論議になってますけど、トリビュートはいいのか悪いのかずっぱり教えて下さい。
島津「欲しいと思えば買ってよし! でも期待したらアカン。6万9800円のデスクトップコンピュータみたいなもんやろな」
国沢「良い例えです」

 このクルマ、米カンザス工場で生産する左ハンドル版を本国じゃ『エスケープ』という車名で販売する。もちろん完全なフォード車としてだ。なんせエンジンはフォード製。開発スタッフもフォードのチームが大挙(350人ほどと言われる)広島にやってきて日本側と共同で作った。トリビュートは日本で生産されるが、乗るとアメリカ車みたいな雰囲気を持つ。生活の道具として割り切れるなら、これで何の問題もなかろう。もしパワー不足が気にならなければ2リッターを。気になるなら3リッター選べばよろしい。
 4WDシステムも基本的に「前輪が滑った時だけ後輪も駆動」という軟弱なスタンバイ式ながら、最悪の状況下では50対50のデフロック4WDをセレクト出来るのもアメリカらしい。彼の国は「緊急時の対応」をしっかり考えるのだ。ライバルだと考えるのが日産エクストレイル。ボディ幅こそ一回り狭いものの、室内のユーティリティなどはいい勝負。使い勝手や燃費、4WD性能、コストパフォーマンスでエクストレイルがリードしてい。大きくて安いクルマをお望みならトリビュートをプッシュしましょう!