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三菱自動車

パジェロ公式サイト

発表会レポート

4代目パジェロ試乗レポート

永:登場からもうすぐ25年、このモデルで4代目となったパジェロの試乗レポートです。乗る前に1つ気になることがあるのですが。

国:何だい?

永:掲示板にも書き込みがありましたけど、シャーシも先代と共通でデザインな上、非常によく似ているということで「今回のモデルチェンジは果たしてフルモデルチェンジなのかすごく大きなマイナーチェンジなのか?」いったいどちらに区分けされるのかと。

横から見ると、旧型と見分けが付きません

国:これはなかなか難しい問題。三菱によると「対コストで計算すると先代と同じ部品は25%しかありません。よって、フルモデルチェンジなります」とのこと。だけど、正確に言うならヨーロッパ車でよくある“スキンチェンジ”なんじゃないかな。

永:スキンチェンジについて説明をお願いしたいのですが。

国:ヨーロッパ車ってモデルサイクルが8年から10年で長いでしょ。だから、サイクル中間くらいで中身の大幅改良を盛り込みながら、ボディパネルまで変える変更をスキンチェンジっていう。最近だと一番分かりやすいのはフォルクスワーゲンのポロ。現行ポロは出たときは丸目4灯ヘッドライトだったんだけど、昨年秋から角目ライト+ワッペングリルになったでしょ。そのくらいの規模のモデルチェンジをイメージしてもらえればいいかと。まあ、三菱としては本当に厳しい時期に開発されたクルマだから、開発資金を思うように使えなかった面もあるんだろうけど。

永:では超ビッグマイナーチェンジくらいに認識します。

<試乗レポート1 ショートボディVR−2>

ショートボディは最近めっきり見なくなったので、どこか新鮮です

永:1台目の試乗車はショートボディのVR−2です。トランスミッションはショートボディの3リッターV6にVR−1、ロングボディのZR、ZR−Sに5速MTがある以外はATのみとなります。

国:エンジンはMIVEC(可変バルタイ)付きの3.8リッターになってパワー、トルクともにかなり上がったと思う。ショートでも2トン近い巨体が全開加速する姿はかなりの迫力モノ。ただ、基本設計が古いせいなのか回転上げると振動が出てガサツな感じがする。

意外にもパジェロのエンジンはフロントミッドに搭載されています

永:自分は先代のパジェロに乗ったことないのですが、先代と比べるとどうですか? 形が似ているだけにそこを気にしている方も多いと思いまして。

国:先代はバネ下が重かったせいなのかかなりドタバタするクルマだったのよ。新型はそういうドタバタ感がなくなって、かなりシャッキリしたクルマになった。きっとボディ剛性の強化や軽量化も貢献しているんでしょう。

本領はオフロード走行で発揮か?

永:ちなみに乗り心地に大きく関係する足回りの設定は世界統一スペックだそうです。やっぱりフルモデルチェンジと考えると厳しいのでしょうか?

国:うーん、ボディ剛性の向上なんかはオンロードでも効果が分かるけど、普通に使うケースではすごく目立つ技術ってないからちょっと厳しいかなあ。きっとオフロードや雪道へ行くと違う面も出てくると思うけど。

永:でも、パジェロのショートボディって結構強力な武器があるんですよ。

国:何?

永:価格です。今乗っているVR−2だと348万6千円もしてしまいますが、VR−1(3リッターV6)のベーシックパッケージという仕様だったら4速ATで252万円です。この価格はライバルとなるプラドの3ドア(2.7リッター4気筒のRXだけの設定で294万円)と比べると、エイヤでいってV6エンジン付きで15%安になります。

国:3リッターガソリンだったら燃費もまあ我慢できる範囲だろうし、この価格ならいいね! ファッションとして乗っても面白いし、オフロードコースへ行って走るクルマとして買うにも比較的安い価格で楽しめると思う。なんだかんだ言っても「パジェロ」のブランド力は強いし。

永:やっぱりオフロード好きには魅力的なクルマに映りそうですね。それと、小さなことですが、ポジションが前になる小柄なユーザーがシートベルトを締めるときにシートベルトの支点との距離が遠いので、何か取りやすくするための工夫が欲しいです。

<試乗レポート2 スーパーエクシード>

永:2台目の試乗はパジェロのフラッグシップとなるロングボディのSUPER EXCEEDです。エンジンは先程のショートと同じ3.8リッターになります。

国:こっちの方がホイールベースの長い分とかも関連しているのか全体に落ち着いていいね。

永:乗る前は「ロングだと鈍重かも」と思いましたけど、まったくそんな感じはないです。むしろ「予想よりもショートとの差が少ないな」と感じるくらいです。

国:でも動力性能はショートよりだいたい200kg重い分(それぞれ3.8リッター同士の比較)でスポイルされてる。でも、今日来ている勾配がかなりきついワインディングでも力不足は感じないから普通に乗るなら問題ないと思う。

永:ハンドリングはどうでしょうか?

国:パジェロも本格SUVの常でオフロード走行のことも考えて動きはスローというかダルなセッティングになっている。オンロードでのフィーリングは限界値、コントロール性などトータルするとこの種のSUVの平均値っていったところかな。

ロールは大きめでも不安感はまったくなし!

永:ハンドリングの面ではステアフィールがしっとりとしたいいものに仕上がっている点に感心しましたね。

国:それとブレーキフィールも油圧のブースター使っているのにカックンブレーキみたいにならないのもいい。やっぱり細かい改良がたくさん行われているなと感じる。

永:以前ランクル・プラドに乗ったときには「なんかやたらにスポンジーな感じだなあ」と思ったんですが、パジェロは同じシステムなのにそういう違和感がないのは評価できますね。

ツートンカラーを見ると、大ヒットした2代目モデルを思い出します

<やっぱりオーディオは一級品!>

永:順番としてはいつもとちがいますが、インテリアを見ていきましょうか。私はスーパーエクシードの木目がなんか妙に好きです(笑)。

国:インテリアはすごく良くなったよ。先代は無骨で色気みたいなものはさっぱりなかったけど、新型は高級SUVとして十分通用するレベルになった。

もはや、高級サルーンといっても過言ではないインテリア

永:サードシートが床下にきれいに収納されるところも評価できますね。注目のロックフォード社のオーディオはどうですか? 今、止まっているクルマの中で聞いていますが、2列目に座っていると腰の部分に響くくらいのパワーを感じます。

SUVらしく広いラゲッジスペース。左に見えるのがパワーの源のサブウーハー

国:アウトランダー用の650Wのアンプも凄かったけど、今度は860Wだって。開発中に「車内で電子レンジを使うんじゃないんだから」って冗談が出たらしい(笑)。パジェロ用はアウトランダー以上にいいよ。しいて注文を出すならタトゥー(ロシアの女性2人組グループ)みたいな曲だと、音がボケちゃってるような感じがするくらい。ただ、タトゥーの曲がカーオーディオでうまく出るケースはほとんどないからその点は付け加えておきます。

永:DVDとか見るならホームシアター以上のデキですね。こんなにいいと「車内で音楽聴いたり、DVDでも見るか」っていう休日もありになりそうですね。

国:それはオーバーにしても、遊びに行ったときの待ち時間も楽しくなると思う。ロックフォード社のオーディオはロングボディだったらたいていのグレードに付けられるので、パジェロを買うならぜひ装着して欲しいね。

<まとめ>

 読者の皆さんは新型パジェロのモデルチェンジをどのように感じられただろう? きっと「このくらいの見た目の変化でフルモデルチェンジなのか」などといった意見もあると思う。しかし、私は新型パジェロに試乗して「すべて一新ということだけがフルモデルチェンジではないのだな」と感じた。9月に発表されたeKワゴン(レポートはしばらくお待ち下さい)もそうだったけど、使い慣れたものを磨き上げていく方法だってクルマを良くしていくのは可能。その点では、形の新鮮さこそないけど4代目パジェロは十分7年分の進歩をしていると思う。

 また、実際に購入するユーザーからすれば「メカニズムがキャリーオーバーだと、新たにいろいろなものを起こさなくて済む分で価格が安い」というのも大きなメリットだろう。安く済んだ分を遊び道具や旅行資金などの使うのもなかなか賢いお金の使い方なのではないだろうか。

 最近では少なくなってしまっているかもしれなけど、もし本格SUVを検討している方がいらっしゃったら新型パジェロもぜひ候補の1台に入れて欲しいクルマである。

スペアタイヤは中央配置に変更されました

レポート/永田恵一