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4代目パジェロ発表会
1)王者復権に向け、パジェロがFMC!
一昔前は「本格SUVの代名詞」とも言われていたパジェロが7年振りにフルモデルチェンジされ、4代目モデルに生まれ変わった。最近は本格SUVというジャンル自体が下火になっている影響もあってか、日本での販売は伸び悩んでいた。しかし、販売が低迷しているのは日本だけのようで、世界的な視野で見れば82年の登場以来25年間で250万台を販売する世界戦略車なのである(しかも、輸出される国はなんと170カ国)。日本人でありながら、驚くほどの人気だ。世界中で愛されているパジェロがどんなクルマになったか? 詳細をお伝えしていこう。(永田)
2)コンセプトはキープコンセプト、でも・・
4代目パジェロは「世界基準のオールラウンドSUV」という開発コンセプトの元に開発された。このコンセプトは、言い換えれば「今までの集大成として、パジェロをもっと磨き上げよう」ということである。商品企画の方のお話によれば、先代パジェロがビルトインフレームタイプのモノコックボディや4輪独立懸架などの先進的なメカニズムを採用した入魂の作だったおかげか、パジェロに乗っているユーザーから大きな不満というはあまりなかったとのこと。だったら「先代パジェロと同じ流れのまま、各部を進歩させていこう」となったそうだ。こう書くと「それほど力の入っていないモデルチェンジなのか?」と思われる方もいるかもしれない。しかし、実際には先代から改良された部分は5000ヶ所以上と多く、決して「形だけ変えた」というモデルチェンジではない。「前モデルのリファイン」といえば、9月に発売されたekシリーズも同じ。そのekシリーズが着実な進歩を重ね、好調な販売を見せていることを踏まえると、4代目パジェロもなかなかいいSUVに仕上がっているのではないだろうか。(永田)
写真は開発担当の田中プロジェクト・マネージャーへのインタビュー
3)デザインは「パジェロらしさ」を継承
キープコンセプトが一番表れているのがエクステリアだろう。簡単に言ってしまえば「一目でパジェロと分かる」デザインである。正直、側面のスタイルだけを見たら新型か先代モデルか当てられる人は少ないと思う。しかし、その代わりにコンセプトに準じた細かい部分の改良がたくさんある。
フロントマスクはグリル、ライトの形状が変更され、バンパーのコーナー部分も絞り込んだ「ダイヤモンドカットノーズ」になった(ダイヤモンドカットノーズには空気抵抗の低減、取りまわり性向上のメリットもある)。
よく見れば、結構変わっています
リアビューで大きく変わったのは背面に背負っているスペアタイヤだ。よく見ると今まで右側に寄せられていたスペアタイヤが中央に配置(センターマウント方式)されているのである。この変更には斜め後方45度という見にくい角度からでもテールランプを確認できるというメリットがあるのだ。加えてスペアタイヤの取り付け位置も先代よりも50mm低くされ、重心高を低くすることや後方視界の改善にも貢献している。
スペアタイヤを固定する「スペアタイヤガーニッシュ」にナンバープレート、リアフォグランプも内蔵されいます
このように新型パジェロのエクステリアデザインに大きな変化はないけど、代わりに小さな気遣いが盛り沢山。新型パジェロのデザインなら、飽きずに長期間使うことが出来るのではないだろうか。(永田)
4)インテリアは激変!
インテリアはエクステリアと対照的に大きく変わった。写真を見て欲しい。
先代パジェロと比べると「別のクルマのインテリアではないか?」と思うほど、高級感のあるインテリアである(特にパリをイメージしたというベージュのインテリアの場合)。この仕上がりなら、インテリアについてはライバルと想定されるランドクルーザー・プラド、フォルクスワーゲントゥアレグなどにも十分対抗出来るといえるだろう。また、「本格SUVらしく」というか座ってみると見晴らしが良く、大きさの割に運転しやすそうに感じたことも付け加えておこう。
後席はロングボディなら3人掛けも苦にならないくらい広い。この広さなら、長距離ドライブでも余裕でこなせそうだ。なお、ロングボディは全車7人乗りとなっている。3列目の広さは短距離の移動用といったところ。イザというときには役立ちそうである。
3列目シートは床下に収納されます。広さもかなりのもの
ショートボディの後席にも座ってみた。こちらの後席は思ったより広く(3ドアのハッチバックくらいの広さ)、4人乗る機会が多い人でも、乗り降りさえ容認できれば十分実用的。荷室も予想よりも広いので、子供が小さいうちならファミリーカーとして使うのも面白そうである。(永田)
ショートのリアシート。
5)エンジンは扱いやすさを重視
新型パジェロのエンジンは先代でも搭載されていた、3.8リッターと3リッターのV6である。バリエーションだけ見ると「代わり映えしないな」と思われる方がいるかもしれないけど、3.8リッターの方はかなり大きな改良が加えられた。具体的には可変バルブタイミング・リフト機能MIVECが採用されたのだ。効果はかなり大きかったようで、最高出力は219馬力から252馬力に向上。最大トルクも数値こそ34.5kg・mで先代(34.3kg・m)とほとんど変わらないものの、発生回転数が3800回転から2700回転に低められ、かなり扱いやすいエンジンになっているようだ。
写真は3.8リッター。扱いやすく、速そう
ちなみにパジェロは輸出向けにディーゼルエンジンを持っているのだけど、日本仕様には用意されていない。このあたりのことを商品企画の林さんに伺ってみると、「日本市場でもディーゼルエンジンのパジェロに乗っているお客様というのが意外に多くて、買い替えの際にディーゼルをご希望されるケースも結構あるんです。しかし、現状では排ガス規制への対応の問題で日本仕様には設定していません。需要は割とありそうなので、将来的には追加することあるかもしれません」とのお返事。ディーゼルとSUVの相性は良さそうなので、何とか排ガスの問題を克服してもらって、クリーンでパワフルなディーゼルエンジンを積んだパジェロも見てみたいものだ。(永田)
6)乗り味はよりオンロードを重視した方向へ
新型パジェロはシャーシ、ボディも先代モデルを踏襲したものを使っている。サスペンション形式はフロント/ダブルウィッシュボーン、リア/マルチリンクで先代と同じだけど、細かい部分の見直しが多数行われ、ロール量が少なく安定感の高いコーナリング性能としなやかな乗り心地を実現しているという。
シャーシの分野で大きな改良があったのはブレーキだ。ロングボディの3.8リッターエンジン搭載車のフロントに対抗4ポットキャリパーと17インチサイズのブレーキディスクが奢られたのである。2トン以上の車重があるパジェロには力強い味方となりそうだ。
ボディ構造は従来と同じ軽量、高剛性、低重心が売りの「ビルトインフレームモノコックボディ」を採用。ここまでは代わり映えしないが、スポット溶接箇所の拡大によるボディ剛性の向上、錆による腐食に強いメッキ鋼板の使用面積拡大(先代のほぼ倍)などより長持ちする、いいクルマにするための改良が行われた。
継承された「ビルトインフレームモノコックボディ」
ちなみに走りの方向性としては「オフロードでの走破性をそのままに、よりオンロードで快適な走りを目指した」とのこと。たいていはオンロードでの使用がほとんどであるのを考えれば、正しい行き方だろう。もう1つ、新型パジェロで特筆したい点は、先代までは仕向け地によってボディ構造や足回りの設定を変えていたのを、今回からは世界共通スペックに統一したことだ。1つのセッティングで、アウトバーンのスピードレンジ、中東のような砂漠、アジアの未舗装の道路まで世界のどこでも通用するというのは本当にすごいと思う。(永田)
7)オフロードもより自由に楽しく!
パジェロの本領発揮となるのがオフロードだ。4WDは従来と同じ「スーパーセレクト4WD2」で、基本的に走りながらでも後輪駆動状態から直結4WD状態まで切り替えることが出来る。
左側が4WDのセレクトレバー
その他、駆動系でのトピックスは姿勢制御デバイスASTCとリアデフロックが同時に選択できるようになった点だ。このあたりの経緯を開発担当の西岡さんに聞いてみると「今までのASTCだけでも、対角線上のタイヤが埋まってしまうような“対角線スタック”にも対応できていたんで、これで十分だと想定していたんです。でも、実際にはアクセルを絞る、ブレーキをかけるといった制御をしているASTCだと泥の浮いたところや砂漠のような“滑らせながら進みたい”場面ではお手上げだったので、今回からデフロックも併用できるようにしました」。なるほど、砂漠などではASTCをオフにしてデフロックを使って、滑らせながら進むという裏ワザが使えるようになったわけである。その他、ASTCのオフについては「ASTCは疲労低減、安全などに貢献するすごくいいデバイスですが、自分の意思でクルマをコントロールしたいときには余計なものになることもあります。パジェロは4WDの切り替えもドライバーの任意で出来るようにしてあるように、ドライバーの意思を尊重したクルマなんです」という言葉も。うーん、パジェロってすごく男らしいクルマである。
開発テストには「こんなところをクルマで走るのか」と思うような荒地や水深70cmの川のようなところを走るようなテストもあり、文字通り「どこでも行けそうな」に感じる。もし、パジェロのユーザーになったら、ちょっとクルマが痛むような気もするけど、オフロードコースにでも行ってみるとても楽しそうだ。(永田)
8)「オーディオの三菱」となりそうな予感
新型パジェロにもアウトランダーで好評となっているロックフォード社のオーディオが設定された。発表会には視聴できる展示車も用意されていたので、音楽を流してみるとやはり絶品。音のクリアさとパンチが高い次元でバランスされており、ドライブ中の気分も盛り上がりそう。オプションで付ける場合には21万5250円と高価だが、その価値は十分にあると感じた。
大人っぽいスイッチ。上に見えるのは平均燃費、方位などを表示するセンターインフォメーションディスプレイ
オーディオの開発について電子技術部の五味さんにお話を伺ってみると、「アウトランダー用のロックフォード社のオーディオも担当したのですが、パジェロはボディ剛性が非常に高いのでボディ側の補強などがさほど必要でではなかったので、その面では楽でした。逆に大変だったのは室内長が長いので、運手席に座るか3列目に座るかで音の伝わりに遅れが出てしまうのをチューニングすることでした」。やはり、基本設計のいいクルマはオーディオをチューンする際にも有利に働くようだ。
バックドアにもスピーカーが
アウトランダーのロックフォード社のオーディオ(70%以上のユーザーが選択)、ekシリーズに用意されたスペシャルオーディオ、そして今回のパジェロと最近オーディオに力が入っている三菱自動車。こうなると「三菱車には特別なオーディオがお決まりになるか」と思ったので、今後の展開について聞いてみると「続けていくことになるでしょうね」との回答をいただいた。今後、オーディオにこだわる方がクルマを買う際には三菱車を必ずチェックした方が良さそうだ。(永田)
9)価格もお買い得です
新型パジェロにはショートとロング、2つのボディタイプがあり、合計で7種類のグレードが用意される。
ショートは3.8リッターのVR−2と3リッターのVR−1という2つのグレードが用意される。ベーシックなVR−1はATで256万2千円となかなかお買い得。このグレードにはMTも設定があるので、「自分を信じてMTを選ぶ」というのもなかなかカッコいい乗り方だ。
横から見たショート
ロングは3.8リッターが2グレード、3リッターが3グレードだ。安いグレードでも必要な十分な装備は揃っているので、ご予算と欲しい装備品に応じてグレードを選べばいいだろう。特に最上級のスーパーエクシード(436万8千円)には本革シートまでおごられ、高級車と言えるくらいの雰囲気だ。
ロングはショートより50センチほど長い
価格は全体的に割安。一番のライバルとなりそうなランドクルーザープラドと比べると、プラドの2.7リッター直4を買う予算でパジェロの3リッターV6が買えたり、3.8リッターもプラドの4リッターと同じ値段のグレードならカーナビの分くらい安いといった感じだ。
プラド対パジェロ、新しいライバル対決が始まりそうである。(永田)
10)増岡選手も来てくれました
発表会には毎年パリダカにパジェロで参戦している増岡浩選手も駆け付け、パジェロの魅力を語った。増岡選手は「僕が始めて乗ったパジェロは初代パジェロのフレームナンバー0007番でした。パリダカは本当に大切かつ厳しいテストの場となっており、パジェロもここで鍛えられてきたと思います。新型パジェロはもう完成の域に達したクルマで、誰もが砂漠からアウトバーンまで速く、安全に楽しく走れるクルマに仕上がりました」とコメント。ここまで言われると、すごく乗ってみたい気がしてきた。会場には来年(07年1月)のパリダカ用のマシンも展示され、雰囲気を盛り上げた。活躍を大いに期待したいところだ。
パリダカ用パジェロと増岡選手
最近本当に販売が少なくなってしまった本格SUVだが、新型パジェロの登場により、このマーケットの活性化もあるか?にも注目したい。今日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。(永田)
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