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三菱自動車

ランサーエボリューション10

ランサーエボリューションィ

精悍なフロントマスクにファンは増えつつあるようです

永:ランエボ10の試乗会にやって来ました。今回は「ランエボ10のパフォーマンスをフルに引き出して欲しい」ということから栃木県宇都宮市にある「ヒーローしのい」が会場です。

国:こういうクルマはサーキットの方がより安心して楽しめるからね。今日はチミも走らせてもらえるみたいだけど、くれぐれもササらんように!

永:それだけはどんなときでも肝に命じているつもりなので大丈夫だと思います。さてエボ10ですが、車両、エンジン共にこれまでのランエボの歴史の中で一番大きく変化しています。

国:ランエボの大きな武器だった電子制御4WDシステムはASC(スピン防止装置)が加わったS−AWCへ進化し、VWのDSGに類似している2ペダルMTのツインクラッチSSTも設定されている。しかもドライビングゲームのようにいろんなスイッチも付く。若干戸惑うけど、とにかく乗ってみよう。

リアのブリスターフェンダーは迫力満点!

<同乗試乗1 ツインクラッチSST>

永:1台目の試乗車は11月下旬から発売されるツインクラッチSSTのハイパフォーマンスパッケージ(足回りはビルシュタインダンパーとアイバッハ製のスプリング+グリップ指向のタイヤの組み合わせ)です。

国:歴代ランエボ全てに言えるのだけど、クルマの方から「行け行け」って言われてるみたい。もう全開にしたくなったちゃうね。

永:加速感は絶対的にはすごいんですけど、意外にジェントルです。大排気量NAエンジンに近い雰囲気といったところでしょうか。

国:SSTもシフト瞬時だし仕上がりいいね(とコーナーへ進入)。

永:おおおお、このクラスのクルマでサーキットを攻めると物凄い横G出ますね!

国:そりゃそうだよ。

永:ビルシュタインダンパーのおかげなのか縁石踏んでも動きというか乗り心地はしなやかです。

国:ラリー風にリアを振り出す乗り方をしても流れ方はマイルドだからすごく乗りやすいよ。やっぱりランエボのDNAは受け継がれている。

どんな場面でもコントローラブルなので多くの方が楽しめるでしょう

<同乗試乗2 5速MT標準仕様>

永:2台目は最もベーシックなGSRの5速MT(KYB製ダンパーに公道での使用も重視した性格のタイヤの組み合わせ)です。さっそくですが、新設計となった5速MTはいかがですか?

国:タッチ、入りとも余裕の合格点。4速と5速のシンクロもマルチになったし、対応トルクも高いって話だから競技に使う人も満足できると思う。

永:5速MTを比べるとツインクラッチSSTの方が若干ギアのつながりはいい感じですね(6速と5速の差か?)。それと大きな違いとして感じたのは縁石踏んだときの乗り心地です。KYBダンパーの方がはっきりと衝撃大きいです。

国:サーキット走行で運転に集中していると乗り心地はワカランね。隣の方が解る。ただフロントが軽くてタイヤの性能が若干マイルドなせいか、ハイパフォーマンスパッケージよりアンダーステアは明らかに少ない。煮詰まってくればグリップ重視タイヤも履きこなせるようになるだろうけど、今の状態だと少しグリップ性能低いGSRの標準タイヤの方が楽しめる。KYBの評価は公道試乗の時にしたいね。

永:もしランエボ10を買う場合には「どうせ車高調に換えちゃうから安い方がいいや」という考えもあると思いますが、できれば究極のノーマル状態を味わうためにもビルシュタインダンパー付きを選んで欲しいなと感じました。

インテリアはかなり大人っぽい雰囲気、好みによっては座面の高さが気になるかも

このあと10月4日の日記にあった通り私もランエボ10でサーキットを思う存分走らせていただきました。続いて国沢師匠と“草レースに出たことがある”程度の弟子永田が冷静になった状態でランエボ10について話し合いました。

永:いやあ、久しぶりに頭の中空っぽにして、アドレナリンをガンガン出しながら楽しみました。何周走ったか忘れましたが、かなりの疲れを首と肩に感じてます(PS・疲れは翌日まで残りました)。

国:国産最強クラスのスポーツモデルでサーキット走行すると結構な運動量だよな。汗だくになるもの。

永:こういうクルマが普通にしかも頑張れば何とか買える程度の値段で売っていることに改めて感動しました。さてランエボ10なんですが、ツインクラッチSSTから振り返ってみたいと思います。

国:シフトがすごく速いのは車内で分かったと思うんだけど、意外だったのが予想よりも面白かったところ。これ、モータースポーツに使えるようになったすごい武器になりそう。

永:自分も思ったよりも面白くて驚きました。

国:それと撮影のために移動させて分かったんだけど、ノーマルモード(ツインクラッチSSTはノーマル、スポーツ、スーパースポーツの3モード)ならクラッチのつながりもマイルドというか上手で普通のATと何ら変わらない。トータルで見たらVWのDSG以上なんじゃないかな。

永:「奥さんも乗るから2ペダルがいい」という方には最高ですね。

国:1つ不満という要望したいのは、シフトダウンが出来るようになったらそのタイミングを教えて欲しいってことかな。今はそういう表示がないから、シフトダウン可能なスピードより高い速度だと、オーバーレブ防止でパドル引いても拒否されちゃう。2速に入れたと思っているのに3速だったりすると、立ち上がりで失速する。

永:警告音を鳴らしていますが、ヘルメットカブってサーキット走ってると聞こえない可能性もあります。エンジンはどうでしょうか?

ツインクラッチSSTの将来は非常に楽しみ!

国:ランエボ10から鉄ブロックの4G63型とは決別して新世代のアルミブロックエンジンになったわけだけど、中低速がすごく力強い。ランエボというか三菱の伝統は引き継がれてる。ランエボにはよく似合ってる。

4G63型よりエンジン重量が12kg軽いという4B11型エンジン

永:ただ比較用に用意されていたエボ9MRに乗って感じたんですが、加速感はエボ9の方がロケットみたいで強烈でした。これって100kg増えた車重の影響でしょうか?

国:まあ、そうだよね。でもこのあたりはまだ生まれたてのエンジンだから新しいエボが出るたびに手直しされていくと思うよ。

永:加速感とも関連するんですが、コーナーでの重量増による影響ってどうですか? 私はタイヤが滑る次元までは攻められませんが、9の方が軽さと室内幅の関係なのか「クルマとの一体感は上かな」と感じました。

国:やっぱり流したときに重さによる慣性で外に持っていかれる感じはある。今後、軽量化されることを期待しよう。でもポテンシャルの高さという点でエボ10でしょう。

永:エボ10の大きなトピックスとして4WDシステムの中にASCが組み込まれたことがあります。ASCの効果というか効きはいかがでしょうか。

国:サーキットだったから初めの2周くらいしかオンにしてなかったんで正確な印象ではないんだけど、そんなに邪魔な感じもなくて公道だったら安全性の面を含めてもちょうどセッティングだと思う。でも、サーキットではクルマの動きを楽しむ意味でオフがいい。

永:自分も初めは「安全第一」ということでオンにしていましたけど、立ち上がりでASCが入ると少しだけ失速感があって「サーキットなんだから自由に走りたいな」とオフにしてました。

国:まだまだ「エボ9MRより速いか?」とか「グループN仕様にしたらどうか?」みたいな疑問は解けていない。ただツインクラッチSSTとビルシュタインショック付きなら楽チンで乗り心地はいいしファミリカーとしても十分使えるということは間違いなし。どんな基準で見てもすごいスポーツセダンだよ。

永:今月中にインプレッサSTIバージョンも出ますから、これまで15年間続いた宿命のライバル対決の続きにも大いに注目したいですね。

<弟子永田からのリクエスト>

ランエボ10でサーキットを思う存分攻めた弟子永田は、このクルマのポテンシャルにただただ驚いていただけでした。そんな私から三菱自動車様にお願いがあります。

最近クルマ好き友人と話しているときランエボの話題になり、「エボ9(05年3月登場)にあったGTってグレードは魅力あったねえ」となりました。エボ9GTというのは当時のエボ9GSRのAYCを機械式LSD化し、6速MTを5速MTにしたグレード。それで価格はGSRより約25万円安いというもので、「AYCなしでアナログな動きを楽しみたい」という向きにはかなり人気だったようでした。

出来たらこんな仕様がエボ10にも欲しいのです。RSほどスパルタンではないけどGRSよりは大分硬派なエボがあったら、結構売れるんじゃないかと思うのは私だけでしょうか?

レポート/永田恵一

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