エアロキング登場!
<ダブルデッカーって何?>
三菱ふそうより新型となった大型高速路線バス「エアロキング」が発表された。エアロキング最大の特徴は日本で唯一のダブルデッカーであること(ダブルデッカーとは高速道路でたまに見るキャビンが二階建てになったバス)。
2段になったサイドウィンドウがダブルデッカーの証
今回ダブルデッカー車がフルモデルチェンジしたのは、コストパフォーマンスと夜行便の高速バスの運行者からの要望によるもの。最近の高速バス業界は快適性重視の横3列仕様(東京―大阪間でおおよそ1万円程度の運賃、隣に人がいる横4列仕様だと5000円前後)へのニーズが増加している。横3列仕様を仕立てる場合、ハイデッカーと呼ばれている通常の大型観光バスを横3列仕様にすると定員は30名程度。ハイデッカーよりも2割程度定員を増やせるダブルデッカーにはそれなりの需要があるそうな。
ハイデッカーのエアロクイーン
知らない人の隣での東京−大阪間は結構厳しい修行
三菱ふそうでは85年から05年まで先代モデルとなるエアロキングを生産していたものの、排ガス規制への対応などで生産をしばらく休止。しかし、昨年大型観光バス「エアロクイーン」のフルモデルチェンジを期に現行の平成17年排ガス規制(俗に新長期と呼ばれているもの)への対応も可能となり、今回の復活に至った。
<バスの旅ならこれが一番!>
エアロキングの透視図、定員は36名
それではエアロキングのキャビンを見ていこう。すべて3列シートなので全席セパレートとなっており、長距離でも疲労を覚えることなく快適に過ごせそう。飛行機のシートで例えるとしたら、横4列仕様がエコノミーで横3列仕様はプレミアムエコノミーといったところか。なお、バス会社のホームページを見ると料金の高い高速バスでは地デジテレビやFM多重放送を見れるものもあり、展示車よりもさらに豪華なダブルデッカーも登場するかもしれない。
壮大な眺めとなる2階席
2階席の定員は30名。広さは1階と同様だが、走行中の揺れはどうか? また、人によっては1階、2階共に通常の大型バスに比べると室内高の低さ(仕方ない部分だけど)が気になる人もいるかもしれない。
1階は「狭さ」が心地よさそう
ダブルデッカーのバスを見て感じたのは「席選びも飛行機と同じように面白いかも」ということ。揺れが少なそうで少人数のため落ち着ける1階もいいし、2階の先頭なら見晴らし最高、2階の後ろは1回にあるトイレに近いといった具合。時間があるときに1度「バスで大阪まで」というのもなかなか面白そうだ。
 
バスだけに降車ボタンも、オットマンもフル装備
ワンマンのため通路との仕切り板も付かないため、コックピットは案外普通に見える
<メカニズムはほぼ通常の大型バス>
全長12m×全幅2.5m×全高3.8m(乗員まで含んだ総乗量は約19トン、車両だけで約17トン)というおおよそのサイズを見るとエンジンの排気量が気になるが、エアロキングのエンジンはエアロクイーンや大型トラックのスーパーグレートと同じ12.8リッター(!)の直6ディーゼルターボ。スペックは最高出力420馬力、最大トルク185kgmとあまりイメージが沸かない数値だ。ちなみに車重+荷物合わせ25トンになるスーパーグレートは、ハイパワー版で最高出力380馬力。大型バスは制限速度も100キロで大型トラックに比べれば高く、パワー重視になっているといえるだろう。
大きさも強烈な12.8リッターエンジン
最近にわかに話題となっている排ガス規制への対応は燃費向上のメリットもある日産ディーゼルと共通の「尿素SCRシステム」で行っており、平成17年排ガス規制値よりもNOxとPMは10%クリーンになっている。(もちろんセッティングはふそう専用)。ガソリンエンジン並みのクリーンさが必要となる次の平成19年規制(ポスト新長期)に向けては、ダイムラーと共同開発するエンジンで対応するとのことだ。
気になる燃費は東名道を使った東京―大阪間のシュミレーションでリッター3.25km(尿素水を使う分を含んでも従来より5%向上)である。
トランスミッションはトラックでは増えつつある2ペダルでなく、普通のクルマと同じ6速MT(エアと電気を使っているのでタッチは軽い)となる。
小回り性向上のため後・後輪(後輪の後ろ側)も操舵する
<高速道路で見る日は近そう>
普通の人にはまったく関係ないエアロキングの価格は、標準的な仕様で7266万円(オプションやシート数で大きく変動する)。ハイデッカーのエアロクイーンの標準タイプで4254万6000円であるのを考えると高価だ。販売目標も非常に少なく年に25台だという(エアロクイーンは年間750台)。ちなみにエアロキングの1号車はJRバス(地域は不明)に納車されるとのこと。
レポート/永田恵一
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