三菱 コルト プラス

三菱自動車

コルト プラス

平成16年10月25日

《コルト プラス発表速報》

「コルトプラスを国内販売再生の足がかりにしたい」という多賀谷秀保社長。

 コルトをベースにしたコンパクトワゴン『コルト プラス』が発表された。「三菱らしいユニークなコンパクトカーを作る」という目標を掲げて開発されたこのクルマは、コンパクトクラスとしての使い勝手の良さはそのまま、ユーティリティ面の充実と走行性能の高さが大きなアピールポイントとなっている。

○効率的な手直しで実用性大幅アップ

リアオーバーハングのデザイン処理が非常に個性的。サイズ以上に大きく見えます。

 全長4185mm×全幅1680mm×全高1550mmというボディサイズは、全長のみベースとなったコルトの300mm増し。そして、この300mmうち285mmがリアのオーバーハングの延長に用いられ、荷室長はコルトと比べ270mm拡大。クラス最大級のラゲッジスペースを確保している。外観上ではストレッチされた部分を丸みを帯びた特徴的なラインとすることで、コンパクトクラスとは思えないほど伸びやかなスタイルが印象的。また、フロントグリルにアクセントの効いたメッキが施されるなど、個性的なシルエットの中にもメリハリのある洗練された雰囲気が感じられる。
 内装面は質感アップを図るためにダッシュボードなどの素材を変更した程度だから、運転席に座って前を見ている限りコルトとなんら変わらない。しかし、リアシートに移動してみると明らかに座り心地が良くなっている。しっかりと厚みのあるクッションが使われており、他社の同クラスと比べても高いレベルにあると感じられた。

リアコンビランプはコルトと大きく異なり差別化を図っている。

 ただし、ホイールベースの延長はされていない(2500mm)ため、コルトにあったリアシートのスライド調整機能(リクライニング機能はあり)がなくなったことにより、前後スペースが最大25mm小さくなってしまっている。このあたり、三菱の方によれば「スライドレールをなくしたことにより厚いクッションが使え、その上ヘッドクリアランスも30mmアップしているので総合的に見て実用域のゆとりはアップしている」とのこと。確かに、大きなラゲッジを持つワゴンという前提に立てば、リアシートをスライドさせて細かく荷室を拡大する必要はないし、もしものときは、新たにワンタッチフォールディング機構を装備したリアシートを倒せば(6:4分割)フラットなスペースを作ることが可能だから、シートスライドを残す必要はなかったという判断も納得できる。

○全車新エンジン搭載


マイベックエンジン復活! しかも後方排気になりました。

 コルトプラスのエンジンは2種類。標準的なモデルには、ダイムラークライスラーとの共同開発(ドイツ:MDC Power社製)で既にヨーロッパ市場に投入されているコルトと同じアルミブロックの1.5リッター(105ps/14.4kgm)が搭載され、「三菱のDNAを投入した」というスポーティモデル『ラリーアート』には従来のコルトに使用されていた鋳鉄ブロックの1.5リッターエンジンにインタークーラーターボを装着した147馬力(18.3kgm)のハイパワーエンジンが搭載されている。どちらも、可変バルブタイミング『MIVEC(マイベック)』が採用され、動力性能を向上させつつ燃費や環境面でも優れた数値を達成。全車CVT(ジャトコ製)との組み合わせにより、スペック以上の力強さを感じられるとのことだった。

マイベックターボは従来のブロックを使用した前方排気。ボディ補強もしっかりやってあります。

 また、今回のコルトプラスの発表に合わせて、コルト(コルトプラスの発表とともに一部変更)のエンジンもすべて新型に変更され、『ラリーアート』もしっかりラインアップ。すでに噂が飛び交っているエボリューション的モデルは少々先になると思われるが、ターボのブーストアップなどを含め、更なるハイスペックに5速MTを組み合わせるとのことなので、クラス最強のホットモデル誕生は確実と見て間違いないだろう。

○ライバルはフィット
 コルトプラスがターゲットとするユーザー層は20歳代から30歳代のファミリーがメイン。「直接のライバルに想定するクルマは?」と伺ってみたところ「イストやフィット、それからデミオですね」。また、同じような手法でボディを伸ばしたキューブキュービックなどは3列シートということからユーザーのバッティングは起こらない見ているということだった。

エレクトリックリアゲートの稼働はとてもスムーズ。挟まれ反転機能ももちろん装備。

 荷室スペースの広さに加え、クラス初採用となる自動開閉式テールゲート(エレクトリックテールゲート)を全車標準装備するなど、使い勝手の面でも大きなアドバンテージを持つコルトプラス。「一般的な家族構成におけるファーストカーとして十分な役目を果たすことができます」という自信の言葉通り、ユーザーの“心”をガッチリと掴むことができるのか? 月間販売目標2000台を掲げる今後の販売推移に注目したいと思う。
 なお、コルトプラスの開発にあたっては、高い品質マネジメントシステムの下で開発されたコルトやグランディスより、一層厳格な管理の下に品質向上を図る体制がとられているとのこと。三菱自動車の一連の状況に端を発する会社再生計画発表(6月)以後、初めて市場投入される新型車ということからも、コルトプラスの持つ役割は大きいのだ。

コチラはコルトの『ラリーアート』です。

 Report:山崎 裕正