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スカイライン発表会
1)12代目スカイライン、発進!
来年4月で登場から50周年を向かえるスカイラインが12代目に生まれ変わった。先代の11代目モデルからはインフィニティG35の名前でアメリカ市場を中心とした輸出も始まり「日本のスカイライン」から「世界のスカイライン」へと移行。12代目も世界的な活躍を期待され、日産が総力を結集した渾身の1台に仕上げられているようだ。賛否両論いろいろあった11代目からどのように変わったのか? 今年、日産から発表された唯一の新型車である新型スカイラインを今回もじっくり紹介していこう。(永田)
2)コンセプトは「魅惑・洗練・高性能」
皆さんは「スカイライン」という車名を聞くと、どんなことを思い浮かべるだろう? 人それぞれいろいろな考えがあると思うけど、「とにかく速い」、「運転して楽しい」、「憧れの存在」などいった意見を持つ人が多いのではなかろうか。そんな熱い思いを持つファンを裏切らないよう12代目スカイラインに与えられたコンセプトは「魅惑・洗練・高性能」である。具体的に日産では「世界でトップクラスの、魅惑的で、洗練されていて、何よりも、高性能なセダン」を目指して開発したとのこと。この開発目標を達成するために、全高を20mm下げると同時に全幅を20mm拡大したディメンション、新世代FMプラットホーム、新開発されたVQエンジンなどが与えられ、新型スカイラインは「日産の技術の集大成」と言えるくらいに力が入ったクルマなのだ。
広いところで見ると、だいぶ違った感じに見えます。
なお、新型スカイラインの月間販売目標台数は1000台。「そのくらいなの?」と感じられた方も多いと思う。商品企画担当の綱島さんに伺ってみた。綱島さんによると「月間目標台数を1000台に設定したのは、先代スカイラインの平均販売台数が約5年半のモデルサイクルで月に1000台程度だったためです。プレミアムなクルマを目指しているので、闇雲に販売台数を稼ぐのではなく、手堅く売っていきたいと考えています。でも、手堅く売った台数が先々1000台を大きく超えるようだったとても嬉しいですが(笑)」。確かにスカイラインが日本人にとって特別なクルマであることを考えれば、販売台数は多くなくても、スカイラインが好きなユーザーに深く愛される方がいいのだろう。ちなみにライバル車は国内、海外問わず、“スポーティ性を持つプレミアムなセダン”であるBMW3シリーズ、レクサスISあたり(国内では価格帯が近いこともあってマークXも)を想定しているそうである。(永田)
3)スタイルは先代を踏襲
新型スカイラインのスタイリングは「シルエットやリア周りに先代モデルの面影を残しつつ、全体により洗練されたものになった(ここでコンセプトの洗練につながる)」と言えるものに仕上がっている。
各部を見ていこう。まず、全体的にはこの前の項でも述べた通り全高が20mm下げられ、その一方で全幅は20mm広げられているのでよりワイド&ローが強調されるフォルムとなった。従って、前から見るとより堂々としたスタイルに見える。しかし、全幅が1770mmと1800mm以下に抑えられているため、取り回しくいということはなさそうだ。フロント周りではヘッドライトの形状は先代の縦長のものから、横長で吊り上った感じに変更されたのが大きな違いとなっている。好みが大きく分かれた先代よりは万人受けしそうである。ただ、ヘッドライトとグリルの形状のせいなのか、ちょっとブルーバード・シルフィに似た雰囲気も感じる。サイドビューは全体的にボリュームを増している(トランクリッドが下がり気味なのも理由か?)
久しぶりに見るリア下がりです
リア周りは先代モデルを踏襲といったところだろう。
正直、10代目までの日本国内専用だった時代のスカイラインが好きだった人にはまだ馴染めないデザインなのかもしれない。しかし、新型スカイラインのデザインを見ると「世界に出しても通用しそうだ」と感じるのも事実。果たしてこのデザインが日本のユーザーの目にはどのように映るか、注目である。(永田)
12代目にも丸テールは継承されたました
4)インテリアはディテールに注目!
新型スカイラインのインテリアを見て、「フーガ以降の日産流を踏襲したものだなあ」と感じる人も多いのでは無かろうか。しかし、インテリアのデザインを担当された方によると「これは日産流というよりも、スカイライン流のスポーツ性を追及したものなのです」という答えをいただいた。
飽きずに長い間使える予感がします。
続いて、インテリアの見所について伺うと「一番見て欲しいのはディテール(細部)ですね。具体的には手が触れる機会の多いシフトノブ、パドルシフト(マグネシウム製!)や本アルミ調フィニッシャー、メーターの意匠などですね」。新型スカイラインの内装はよくまとまっているなあ、と感じるのには細部の入念な仕上げも大きく貢献しているようである。
こだわりのディテールの1つ
続いて、室内の広さについてもお伝えしよう。前席はシートの大きさ、頭上空間など全体にたっぷりしており、長距離ドライブも快適に楽しめそう。しかし、適度な包まれ感があり、スポーツセダンらしさも十分残されている。後席は特に広い空間ではないけど、前席同様2人に不満ない広さが確保されている。スポーツセダンとして見れば適当なところだろう。ただ、バックレストはかなり寝ており、好みが分かれるかもしれない。
トランクルームの容量は430リッターと、こちらも広くはないけど実用上不便のない空間を確保している(ゴルフバッグ4つとスポーツバッグ2つは入る)。
トランクも後席同様にまずまずの広さ
新型スカイラインはスポーツセダンらしい雰囲気と適度な広さをうまく両立していると思う。12代目も「家族でも使えるスポーティーカー」というスカイラインの伝統を引き継いでいるようだ。(永田)
5)新VQはリッター90馬力を達成!
新型スカイラインのエンジンは、夏ごろから公表されていたように名前はVQで同じだ
けど、ほとんどのパーツが新設計されたVQ35HR(3.5リッター)と
VQ25HR(2.5リッター)という2本のV6エンジンである。
技術的特長としては
・量産される6気筒エンジンとしては非常に高いレブリミットとなる7500回転を実現(これにはクランクシャフトの支持剛性を高めるラダーフレームの採用、各部の強度向上、徹底的なフリクション低減等で貢献した)
・吸排気効率を高めるためのツイン吸気システム(両バンクに直接空気が入る)
・排気抵抗を減らすための等長エキゾーストマニホールド、ツイン排気システム等の採用
などがある。
手前に2つあるエアクリーナーに注目
技術的内容は以前から明らかになっていたが、新型スカイラインの発表にあたり、具体的な数値が公表された。最高出力は3.5リッターが315馬力、2.5リッターも225馬力とリッターあたり90馬力を確保。世界トップレベルのV6エンジンといえるだろう。
エアクリーナーが2本ならマフラーも2本出し!
組み合わされるトランスミッションは全車5速AT(一部グレードはパドルシフト付き)で、シフトダウン時に回転数を合わせるための空ぶかしをしてくれる「シンクロレブコントロール」も備えられる。
パドルシフトは剛性感が高く、質感抜群
「走りのスカイライン」ということで、マニュアルミッションの設定がないのを残念に思っていらっしゃる方もいるだろう。マニュアルミッションは今のところ日本仕様に追加する予定はないそうだが、北米仕様には6速MTの用意があるとのこと。技術的には可能なことなので、リクエストが増えれば日本仕様にもMTが設定される可能性は十分ある。走り好きのスカイラインファンは、声を大にしてマニュアル設定を希望した方が良さそうである。(永田)
6)シャーシ関係も見所が満載!
新型スカイラインのシャーシは先代スカイラインから始まったFMプラットホームの最新版である。具体的には乗り心地、ハンドリングの面で好評となっているフーガのシャーシをさらに進化させたもので、今後発売される日産のFR車も使っていく大事なシャーシである。
特徴としては
・前:ダブルウィッシュボーン、後:マルチリンクのサスペンション(新設計)にはアルミ素材を多用し、大幅な軽量化を実現。
・フーガで好評のデュアルフローパス ショックアブソーバーが採用され、滑らかな乗り心地と応答の良い走りを実現(発表会で流れた走りのシーンのVTRは非常にしなやかな動きをしていた)
・4輪アクティブステア(4WAS)の採用(350GT TypeS、SPにオプション設定)
4WASについては詳しく紹介しよう。初めに「4WASとは何か?」ということから説明する。簡単に言ってしまうと「速度によってハンドル操作による前輪の切れ角を調整するシステム(基本的に低速域ほどクイックで高速になるに従ってスローになる)と4輪操舵を組み合わせたもの」である。4輪操舵の方は以前の4輪操舵システム「ハイキャス」やフーガの「リアアクティブステア」と違い、舵角を与えた際に一瞬後輪に逆相(前輪とは逆の方向に後輪を動かす)機構は廃止され、同相のみとなった。(同相のみとなったのはクルマ側でステアリングの切り足しを行うようになったからだそうである)。
このシステムの効果としてはレーンチェンジ等での安定性の向上、クルマがシャープにキビキビと動くようになるためより楽しく運転できるようになるとなどといったことがある。実際にはどんなフィーリングなのか、非常に興味深い。ちなみに4WASの展開について開発を担当された佐尾さんに伺ってみると「このスカイラインでの評判次第ですね」というお答えだった。次に4WASが付くのはどのクルマになるのだろう?(永田)
実際の走りが楽しみ!
7)新型スカイラインは先進技術も充実
日産の技術の集大成ともいえる新型スカイラインだけあって、安全面を中心とした最新技術も非常に充実している。例えば、
・渋滞時などのノロノロ走行運転の際にも先行車を追従してくれる「インテリジェントクルーズコントロール」
・インテリジェントクルーズコントロールのレーザーレーダーを利用して、先行車に追従する恐れがある場合には警報やクルマ側でブレーキ操作を行う「インテリジェントブレーキアシスト」と緊急ブレーキ時にあらかじめシートベルトを巻き取り、乗員を拘束しておく「前席緊急ブレーキ感応型プリクラッシュシートベルト」
等である。
加えて、姿勢制御システムVDCがベースとなる250GT以外に標準装備になるのも嬉しい。新型スカイラインは歩行者保護まで含めた衝突安全性にもとても力が入っており、同クラスでもっとも安全なクルマといえそうだ。(永田)
8)オーディオも一級品!
新型スカイラインはカーナビ、オーディオの面でもライバル車をリードしている。
カーナビは新型スカイラインからの採用されることになったHDD方式(音楽データの録音・再生機能、DVDの再生機能等も備える)だ。今となっては特に珍しいものではないが、今までの日産車のカーナビに比べると使い勝手もかなり良くなっているようである。
オプションでカーナビを選ぶと、もれなくサイドブラインドモニターも付きます
オーディオは標準のものに加え、オプションでBOSEサウンドシステム(スカイライン専用設計)も用意されている。視聴できるクルマがあったので何曲か聞いてみると、やはりBOSEの売りであるパンチが効いていて素晴らしい(出力は374W)。どちらかというパワーを必要とする男性ボーカルの曲などが合っていると思う。価格は12万750円。音にこだわる方だったら価格に見合った価値があると思う。もし、新型スカイラインを買うと決めたら、ぜひ装着を検討して欲しいオプションの1つである。(永田)
一番下に見えるのが低音を担当するウーファー、大きさは25cmとかなり大きい
9)グレード展開
新型スカイラインには2WD/6種類(2.5リッター、3.5リッターともに3グレード)、4WD/3グレード(エンジンは2.5リッターで、4WDシステムは前0:後100のFR状態から前50:後50まで前後の駆動力を最適に配分するアテーサET−Sを使う。発進時の駆動力配分を前50:後50に固定できる「スノーモード」も備える)の合計9グレードが用意される。
ベースとなる250GT(2WDで279万3千円)でもバイキセノンヘッドランプ、運転席、助手席のパワーシート、17インチホイール等が装備され、VDCをオプションでも選択できないことくらいしか不満は出ないだろう。1つ上の250GT typeV(300万3千円)になるとインダッシュ式のCDチェンジャー(CDは6枚入る)、VDCが追加される。2.5リッターで最上級となる250GT TypeP(331万8千円、PはおそらくプレミアムのP)だとさらに、本革シート、後席のリクライニング機構等が加わる。
ベーシックな250GTでも魅力タップリ!
3.5リッターエンジンを搭載する350GTシリーズは348万6千円の350GT TypeSからのラインナップ。TypeSのSはスポーツを意味しているようで、パドルシフト、18インチホイール、スポーティなデザインのフロントバンパー、サイドシルスポイラーなどが付く(シート地は標準の布とネオソフィールのコンビ)。350GT TypeP(359万1千円)は250GT TypePと同じ装備内容と考えていただきたい。最上級となる350GT TypeSP(380万1千円)はTypeSのスポーツ性を高める装備(パドルシフト等)とTypePに付く本革シートなどを兼ね備えたグレードだ。
どのグレードも最近は装着率が極めて高いカーナビこそオプションとなるが、カーナビ(組み合わせる内容によって約30万円から40万円)を付けてもライバルのレクサスISに比べるとかなり割安。新型スカイラインはISにとって強力なライバルとなりそうだ。(永田)
10)スカイラインの今後にも注目!
ここまでセダンボディの新型スカイラインを紹介してきたが、カッコいいスタイリングに根強いファンも多いクーペがこの先どうなるのか、気になっている方も多いだろう。配布された資料によるとクーペは来年秋にフルモデルチェンジを予定しているとのこと。内容については未定だが、マニュアルミッション車やさらにスポーツ性を高めたグレードの登場にも期待したところだ。
今回の新車速報「新型スカイライン編」はいかがだったでしょうか? 形やコンセプトが変わってもやはりスカイラインというクルマの注目度は高く、発表会の会場となった日産本社ギャラリーにはたくさんの報道陣が集まり、新型スカイラインの門出にふさわしい大変盛り上がった発表会となりました。冒頭でも書いたように来年はスカイラインの50周年記念ということで、異業種とのタイアップ、各種スカイライングッズの販売、そしてスカイラインがはじめて世に出た4月24日には何か大きなイベントが行われるなど、スカイラインはクルマ好きを楽しませてくれる存在でいてくれそうです。今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(永田)
ワールドワイドな活躍を期待します
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