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日産自動車

デュアリスHP

デュアリス発表会

1)イギリス生まれのマルチプレーヤー、デュアリス登場!

今年2月からヨーロッパで先行発売され、現地のユーザーやヨーロッパ仕様に試乗した自動車メディアから高い評価を受けているデュアリス(ヨーロッパではキャシュカイ)が日本でも発表された。デュアリスはイギリスの英国日産製造株式会社で生産され、各所に普通の日本車とは一味も二味も違った特徴を備えている。デュアリスとはどんなクルマなのか? 今回も隅々まで紹介していこう。(永田)

デュアリスとCMで共演するパワードスーツのツーショット

2)目指したのはハッチバックとSUVの融合!

デュアリスを見て皆さんはどのようなクルマだと認識されただろう? 多くの方は「小さめのSUV」と感じられていると思う。しかし、メーカー側がデュアリスで目指したコンセプトは「ハッチバックの軽快さとSUVの力強さをスマートに融合」とのこと。つまり、ハッチバックとSUVのいいとこ取りということなのだ。

コンセプトは、ボディサイズに象徴されている。全幅は確かに1780mmと広いが、全長と全高はそれぞれ4315mm、1615mm(しかも205mmの最低地上高も確保している)と案外小さい。このサイズやコンセプトは、ハッチバックの延長として購入するユーザーや「SUVのワイルドな感じがちょっと」と感じていていたユーザーに対してなかなか面白いものとして受け入れられるかもしれない。デュアリスが日本市場で新しいマーケットを開拓できるか、注目である。(永田)

街中からアウトドアまで、幅広く使えることが身上

3)スタイルは好みが分かれるか?

デュアリスのエクステリアは生産台数の多くがヨーロッパで販売されることもあって、ヨーロッパのデザインセンターでデザインされたものである。特徴的な部分はヘッドライトやグリルの形状、全体的にボリューム感に富んでおり実際のサイズ以上に強い存在を感じさせるところなどだ。

サイドとリアのスタイルはムラーノを思わせる部分もあり

このデザインに対して「ヨーロッパ市場が主なマーケットなので、ヨーロッパ人の好みに合わせたデザインなのではないか?」と思ったので、そのあたりことをデザイン担当の方に伺ってみた。問いに対しては「ヨーロッパ向けのデザインというよりは、グローバルに通用するデザインを目指しました」との回答だった。合わせて、「フロントマスクについては、個性が強いので好みは分かれるかもしれません」という言葉もいただいた。デュアリスのデザインは、日本市場でどんな評価を受けるのだろうか?(永田)

4)インテリアにもヨーロッパの香りを感じます

デュアリスのインテリアは「くつろぎ感」を味わってもらうことが大きな目標だったという。形状的やデザイン自体はごくオーソドックス。飛びぬけた部分はないものの、スイッチ類の配置もよく、飽きのデザインであるため1台のクルマに長く乗るようなユーザーにはなかなか向いているものといえそうだ。ただ、見ただけでマイナスに感じてしまうのは、ダッシュボードやシフトノブ等のクオリティだ。海外生産なので仕方ないのかもしれないが、早い段階での改善を望みたいところである。

逆に「これは普通の日本車と違うぞ」と感じたのは、シートとペダル。シートは若干固めな仕上がりで体をしっかりと支えてくれ、ペダルも非常に立派な作りとなっており、見た目にもいい。まだ、乗っていないため断言は出来ないが、デュアリスは長距離ドライブなどでも、体への負担が少ないクルマとなっていることが期待できそうだ。(永田)

「質実剛健」という言葉が似合うインテリア

5)リアシートもサイズ以上に広々しています

続いて、リアシート、ラゲッジスペースを見ていこう。リアシートは約4300mmというボディサイズを考えればなかなか広いといったところである。加えて、着座位置が高いため見晴らしは良く、シートもフロントと同様にしっかりとした作りなので、長距離ドライブでもなかなか快適なのではないだろうか

サイズの割には広いリアシート

ラゲッジスペースはまず写真をご覧いただきたい。

かなり使い出がありそうなラゲッジスペース

サイズを考えればかなり広い。この広さはショックアブソーバーの配置を工夫したことが要因とのことだが、サスペンションの張り出しが少なくとにかく使いやすい。これだけの広さがあれば、アウトドアやスキーなどへ行く足として使っても不満を感じることは少ないだろう。デュアリスのマルチな性能はこんなところにも象徴されているようである。(永田)

6)エンジンは気持ちよさを向上させた4気筒

デュアリスの日本仕様に搭載されるエンジンは今までにラフェスタ、セレナ、ブルーバード・シルフィにも搭載されてきた2リッター4気筒の「MR20DE」型である。このエンジンは今回デュアリスに搭載されるにあたって、排気系の全面的な見直し(エキゾーストマニホールド、マフラーの材質変更等)が行われ、今まで好評だった低速からの扱いやすさに加え、高回転域での気持ちよさも楽しめるエンジンに仕上がっているようだ。また、セレナなどではマフラーの取り回しの問題により、4WD仕様を選んだ場合に出力低下(セレナの場合で8馬力)が見られた。しかし、デュアリスの4WD車は4WD化にキチンと対応して排気系も専用のものとなっており、FF車と同じパワーが出ているところも評価できるポイントである。

先行して行われた海外試乗会では「生まれ変わったようだ」という意見も多いエンジン

トランスミッションは6速マニュアルモード付きの「エクトロニックCVT−M6」1種類となっている。新たにアダプティブシフトコントロールというシステムが盛り込まれ、約700パターンある変速パターンの中から走行状況に応じて最適なパターンを選ぶとのこと。

4WDシステムはエクストレイルやムラーノで好評となっている「オールモード4×4システム」を使う。FF状態となる2WDモード、前後トルク配分を50:50に固定するLOCKモード、前後トルク配分をクルマに任せるAUTOモードという3つのモードを選ぶことが出来る。それほどヘビーなシステムではないものの、デュアリスの性格を考えればピッタリのものといえるだろう。

デュアリスのパワートレーンには特に新しいものはないが、その分細かい改良が数多く施されており気持ちよい走りを楽しむことが出来そうである。(永田)

7)シャーシ、サスペンションもヨーロッパ仕込み

デュアリスのシャーシはエンジンと同様にラフェスタ、セレナ等にも使われているCプラットホームがベースだ。しかし、サスペンションは新開発されたフロント/ストラット、リア/マルチリンクに変更されている。リアのトレーリングアームも非常に太く(クルマの下側を覗くと分かる)、高い剛性感が期待できるのではないだろうか。

デュアリスの前後サスペンション

デュアリスのサスペンションで興味深いところはドイツのザックス製のパーツを使うショックアブソーバー(ハイスピードダンピングコントロール・ショックアブソーバーという名前)。このあたりの経緯について、開発担当の長谷川さんに伺ってみると「高いスピード域でも、乗り心地とハンドリングを高い次元で両立するために我々の要求値を達成してくれたザックスの部品を採用しました。もちろん、イギリス生産なので調達をしやすいという面もあります」。コスト的には「入力によって、ショックアブソーバーの動き方を変えるためのパーツなども着いていますので、若干お高いです。でも、良さは必ず分かっていただけると確信しております」との答えだった。

デュアリスの走りを見えないところで支えるショックアブソーバー

ベンツ、BMWといったドイツ車に対する高い評価は、ザックス製のショックアブソーバーによる部分も大きいと聞くが、そのザックス製のショックアブソーバーを使うデュアリスの乗り味はどんなものになっているか大いに楽しみである。(永田)

8)デュアリスは衝突安全性も自慢

デュアリスはヨーロッパを中心に販売されるモデルらしくというか、高い衝突安全性も大きな特徴となっている。デュアリスが発表された5月23日に日産から出たプレスリリースによると、デュアリスはヨーロッパの衝突安全テスト「ユーロNCAP」において、37満点中過去最高となる36.83点を記録し、乗員保護性能で最高ランクとなる5つ星を獲得したとのこと。これだけの衝突安全性が確保されていれば、日本一衝突安全性が優れているモデルといっても過言ではないだろう。

高剛性ボディは衝突安全性にも好影響を与えた

ノートは日本の安全性評価でも素晴らしい結果を残している。最近の日産車の衝突安全性は優秀だと思う。(永田)

9)デュアリスの価格はバーゲンプライス!

デュアリスのグレード構成は標準の20Sと上級の20Gの2種類で、それぞれにFFと4WDが用意される。20Sと20Gの装備差はタイヤサイズ(20S:16インチのスチールホイール、20G:17インチのアルミホイール)、ルーフのかなり大きな面積がガラス張りとなるスタイリッシュガラスルーフ等である。両グレードの価格差は26万7750円だ。この価格差はまずまず納得のいくところなので装備品の要、不要でグレード選択をすればいいのではないだろうか。

SUVにこのようなガラスルーフが着くのは初めてではないでしょうか。

価格はFFの20Sが195万3000円、4WDの20S FOURで216万3000円である。この価格は、労働賃金の高いイギリス製であることやパーツのコストもかさんでいることは踏まえれば(欧州仕様の豪華版は日本円で300万円オーバー!)激安ともいえるのではないだろうか。この価格設定は、おそらく一番近いライバルとなるRAV4を意識したものだろうけど、ユーザーとしてはヨーロッパテイストの強いデュアリスか2.4リッターエンジンというアドバンテージのあるRAV4のどちらにするか、なかなか面白いクルマ選びとなりそうだ。

欧州仕様のデュアリスにはディーゼルエンジンやマニュアルなどの設定もあるが、このあたりの導入については「立ち上がりは納期等の問題もあり、2種類のグレード設定としました。今後のバリエーション追加はお客様からのご要望次第です」(商品企画の安藤さん談)とのことである。本場のヨーロッパを走っている同じ仕様のデュアリスの登場にも期待したいところだ。(永田)

10)日本車離れしたデュアリスは市場からどう受け入れられるか?

ここまでデュアリスの紹介記事をお読みなっていただくと、デュアリスが見える部分よりも見ないところにお金をタップリ使ったモデルであることがお分かりになると思う。正直なところ、日本では今までこのようなコンセプトで開発された日本車はどちらかというと過小評価されてしまうケースが大きかったと感じる。しかし、昨年似たコンセプトで開発されたトヨタのオーリスがなかなか好調なセールスを記録していることを踏まえると、デュアリスにも十分成功するチャンスはあるのではないだろうか。幅広く使える部分と厳しい条件でも頼りになることを売りにするデュアリスが、日本市場でどんな評価を受けるか大いに注目したいところである。(永田)

デュアリスは日本のSUVに新風を巻き起こせるか?