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2代目エクストレイル発表会
1)変化ではなく進化を求めた2代目が登場!
6月から欧州での販売が開始され、日本でも自動車雑誌やインターネット上で多くの情報が流れていた2代目エクストレイルが発表された。2000年10月に登場した初代エクストレイルは登場以来160カ国で約80万台の販売台数(日本でも約7年間で20万台を販売し、01年から05年までSUVのベストセラーに輝いた)を記録、日産の復活に大きく貢献したモデルであった。今回約7年振りにフルモデルチェンジされたエクストレイルは見ての通りというか、完全なキープコンセプトで開発されている。その中で2代目エクストレイルはどのように進歩したのか? 今回も隅々まで紹介していこう。(永田)
2)「遊びに使える楽しいクルマ」のコンセプトはそのまま継承
初代モデルとほぼ同じコンセプトで開発された2代目エクストレイルだが、2代目モデルのコンセプトを紹介する前に初代モデルのコンセプトを振り返ってみよう。初代エクストレイルは「若い人たちが本当に欲しいクルマとはどんなものか」ということを考えながら企画されたクルマで、スキーやスノーボード、キャンプ、マリンスポーツといったアウドアに行く足として使いやすいようと様々なアイデアが盛り込まれた。特にサイズの割には広い室内とラゲッジスペース、水に濡れたままの服装や遊び道具をそのまま積んでも掃除が楽なシート表皮やカーゴスペースへの防水加工、モデルサイクル中盤から採用された「ポップアップステアリング」(ステアリングが大きくは跳ね上がり、運転席スペースで靴の履き替えなどが出来る機能)などが好評となっていた。
ここまで挙げてきた良さはそのままに、さらに遊びの相棒としての使い勝手やクルマ自体の性能を向上させるべく開発されたのが2代目エクストレイルである。2代目エクストレイルのコンセプトは「アウトドアスポーツを最大限に満喫するためのTOUGH GEAR」。初代モデルの延長線上で開発されたと考えていいだろう。「あまりに変わり映えしないんじゃないか?」と考える方もいらっしゃるかもしれないが、初代モデルが大好評だったことを思えばこのやり方も正しいモデルチェンジといえるのではないだろうか。2代目モデルもキープコンセプトとしたことが市場からの評価にどう影響するかには大きな注目が集まりそうだ。(永田)
新型エクストレイルの車両概要を説明する角チーフ・プロダクト・スペシャリスト
3)スタイルは意外と変わってた?
今年のジュネーブモーターショーで2代目エクストレイルが公開された際、「初代モデルとどこが違うんだ?」とか「初代モデルと見分けがつかない」などというあまり前向きではない意見が多かった。では、実際に実車を見てみるとどうだったか報告しよう。
その前におさらいの意味で初代エクストレイルの写真を見ていただこう。
そして、こちらが2代目エクストレイルである。
どう感じられただろう? 写真で見ると「初代モデルとよく似ている」と感じられる方が多数派なのかもしれない。しかし、実車を見るとグリルとライトの形状、Cピラーやリアオーバーハングの長さ、リアゲートの切り方など予想以上に違っている部分は多い。さらにどちらかというと平面的なボディパネルだった初代モデルに対し、2代目モデルはボディパネルの張り出し方などに大分凹凸が増えており、見た目の印象はかなり違う。つまり、それなりに変化度合いの大きいデザインなのである。
デザイナーの方にデザインの方向性が決まるまでの過程を聞くと、すんなりとキープコンセプトで行くと決まった訳ではなく、ガラリと変えようという意見も相当あったとのこと。かなりの大議論の上で決定したデザインだったようである。
クルマのデザインは旧モデルを踏襲したことが吉と出る場合、凶と出る場合いろいろあるがエクストレイルに関してはどちらとなるか? 2代目エクストレイルのデザインに対する評価も非常に興味深いものになりそうだ。(永田)
4)インテリアは変化大、でも定評ある機能をそのままに
先代のイメージが非常に強く残されたエクステリアに対して、インテリアは先代モデルの特徴だったセンターメーターが通常のメーターに変更されるなど大きな変更が施された。
写真はディーラーオプションのカーナビ付き
全体的にダッシュボードの造型、ステアリングやメーターの形状(日産が今後装着を進めていく燃費計も装備される)など全体的に5月に発売された同じミドルクラスのSUVであるデュアリスに似た雰囲気といえるだろう。また、インテリアの質感もかなり向上しており先代モデルから乗り換えると半クラス上くらいのクルマのような印象を受けそうだ。
そして、先代モデルで好評だったポップアップステアリング(上級グレードの20XのCVT車と25X)、防水シート(合皮製、サイド&カーテンエアバッグ、後席中央の3点式シートベルトとヘッドレストなどがセットになる「Sパック」を選択するとジャージ地に変更される)、保温機能付きのカップホルダーなどは2代目モデルにも継続され、相変わらずアウトドアで非常に使いやすいクルマとなっているようである。(永田)
言われないと本革と間違えてしまう防水シート、座った感じは柔らかめ
未だに新鮮さを感じさせるポップアップステアリング
5)世界有数のアウトドアカー?
続いて後席、ラゲッジスペースを見ていこう。
後席の広さは先代モデルに比べると若干広くなっているようだが、ミドルクラスSUVの水準からすると大体標準的な広さといったところだ。特筆すべき点としてシル地上高が前席/28mm、後席/14mm下げられており、乗り降りしやすくなってことが挙げられる。また、従来はシートとラゲッジスペースに施されていた防水加工がフロアと天井にも施工されており、今まで以上に車内の汚れを気にせずに使い込めるだろう(汚れは水拭きで落とせる)。
乗降性の向上により、ファミリーカーとしても使いやすくなった
後席にはクラス初となるリアのエアコン吹き出し口を利用した保温・保冷機能も装備。
そして2代目エクストレイルの目玉の1つなるのがラゲッジスペースだ。スペース自体がかなり拡大されているところもさることながら(デュアリスと同様のショックアブソーバーのレイアウト変更などにより、容量は最大で先代から69L増しの603Lを確保。26インチのマウンテンバイクがタイヤを外さずに2台、特Aサイズのスーツケースなら5つ積める)、何といってもラゲッジスペース下に設けられたアンダートレイが新しい。このアンダートレイ(右側のみに標準装備。左側はそのままにして自由に使いたいという声に応えるためオプション)はかなりの容量があり、小物を整理するには非常に便利。素晴らしいアイデアとであるのと同時に、フロアが低くなったおかげで実現した装備といえる。また、アンダーボックスは外すことも可能なので、用途によってラゲッジスペースを広くするという使い方もできる。
夢や楽しさがたくさん詰まったラゲッジスペース
広いラゲッジスペース、防水加工、アンダーボックス(汚れたら、外して水洗いも可能)とこれ以上の気遣いはないのでは?と思えるくらいのラゲッジスペースを持つ2代目エクストレイル。アウトドアの相棒として最高のクルマといっても過言ではないだろう。(永田)
6)一新されたエンジン、駆動系
2代目エクストレイルのエンジンは今回のフルモデルチェンジを期に、今までのQR20DE(直4、2リッターNA)とSR20VET(直4、2リッターターボ)からデュアリス、ラフェスタなどに搭載されお馴染みのMR20DE(直4、2リッターNA)と日本向けではプレサージュやムラーノに搭載されるQR25DE(直4、2.5リッターNA)に変更された。
MR20DEについてはデュアリスとほぼ同じ。QR25DEの方はプレサージュ、ムラーノよりも7馬力増しの170馬力にパワーアップされるなどの改良が盛り込まれている(最大トルクはプレサージュ、ムラーノよりも1.5kgm低い23.5kgm、最高出力・トルクの発生回転数も高く高回転型となっている模様)。また、来年秋には次世代のクリーンディーゼルが搭載されることも発表されており、こちらの完成度も大いに期待できそうだ。
写真はQR25DE、改良に期待
トランスミッションは今までの4速ATがCVT(2.5リッターは6速マニュアルモード付き)に変更された。また、20Xにはこのクラスでは希少なMT(6速MT、6速MTはクラス唯一)も設定される。
6速MTのシフトフィールは良好
そして、4WDシステムも今までの「オールモード4×4」から「オールモード4×4―i」(どちらもFFベースの電子制御式トルクスプリット4WD)に変更された。従来型の「オールモード4×4」はアクセル操作と同時に各種センサーからの情報をコンピューターが判断し、前輪が滑り出す前に後輪へのトルク配分を増やしていたのに対し、「オールモード4×4―i」は標準装備されるVDCの舵角センサー、ヨーレートセンサー、Gセンサーからの情報も加えより適切な前後トルク配分を行うシステム。雪道等での運転しやすさが格段に向上していることだろう。なお、「オールモード4×4―i」も「オールモード4×4」と同じく2WDモード(FF状態に固定)、AUTOモード(状況に応じて後輪にもトルクを配分)、LOCKモード(スタート時から後輪に大きなトルクを配分)の3モードが選択できる。
オールモード4×4―iのコントロールパネル、左に見えるのはヒルディセンドコントロールのスイッチ
なお、4WD車には坂道発進時にブレーキ圧を残しておく「ヒルスタートシステム」と傾斜のきつい下り坂を下りる際にスピードを7kmにコントロールする「ヒルディセンドコントロール」(CVTのみ)も装備されており、オフロード走行なども安心して楽しめるだろう。
エクストレイルの全能力を使えばこんなことも可能
2代目エクストレイルのエンジン、駆動系はクラストップレベルのものであり、どんな場面でも力強い相棒となってくれるに違いない。(永田)
7)プラットホームはデュアリス譲り
2代目エクストレイルには「ハンドリングと乗り心地のバランスが素晴らしい!」と高い評価を受けているデュアリスのプラットホームが採用されている(デュアリス自体はセレナやラフェスタに使われている「Cプラットホーム」の大幅改良版。エクストレイルとデュアリスはホイールベースも同じで、車重はエクストレイルの方が20kgから40kg重い)。ショックアブソーバーもデュアリスと同様にザックス製のものが奢られており、エクストレイルのハンドリング、乗り心地にも大きな期待が持てそうだ。
隠し味のザックス製ショックアブソーバー
しかし、同じプラットホームやショックアブソーバーを使っているといっても、デュアリスと目指す方向性の違い(エクストレイルの方がよりしなやかな方向)、タイヤの相違(エクストレイル/オールシーズンタイヤ、デュアリス/サマータイヤ)などによりデュアリスとは一味違った仕上がりになっていることだろう。
タイヤサイズは16インチと17インチ、写真は一見16インチスチールホイール
デュアリスとの違いやエクストレイルならではの個性が実現されているか?などまで含めて、エクストレイルの乗り味には大きな注目が集まりそうだ。(永田)
8)価格設定はかなり戦略的
新型エクストレイルは2リッターエンジン(FF車の設定もあり)と2.5リッター(4WDのみ)にそれぞれ普及グレードの「S」と上級グレードの「X」が用意され、MT車まで含むと合計7グレードが設定される。
ベーシックモデルの20S(FF車195万9500円)でも、オーディオ以外の装備品はフル装備状態となっており不満を感じることはないだろう。なお、2リッター車の4WDで215万2500円、2.5リッターも231万円と差額は比較的少ないので4WDや2.5リッターを選らんでおく方が満足感は高いだろう。
上級グレードの「X」は2リッターFF/221万5500円、2リッター4WD/237万3000円、2.5リッター/253万500円という価格設定。「S」との差額は22万500円となるが、その中にはポップアップステアリング、オートエアコン、17インチアルミホイールなどが含まれる。エクストレイルの売りの1つであるポップアップステアリングが付くことなどを考えると、よりエクストレイルらしいのは「X」の方かもしれない。
個性派向けに本革シート、専用のエクステリアが与えられる「アクシス」も用意される
エクストレイルのライバル車として考えられるのは2.5リッターがアウトランダーやCR−V、2リッターだと同じ日産のデュアリスだろう。価格を見ると「25X」はアウトランダー、CR−Vのベーシックグレード(250万円前後)とほぼ同等だが、エクストレイルには防水加工されたシートなどのアドバンテージも多い。また、2リッターモデルとデュアリスも若干装備内容に差があるものの価格自体はほぼ同じとなる。エクストレイルの登場でミドルクラスのSUVがさらに選びがいのあるものになったのは間違いないだろう。(永田)
9)アウトドアやレジャーを盛り上げる装備も充実
エクストレイルの大きな売りとなるのがクルマをアウトドアなどに使った際に役立つ装備類だ。ここではその中から3つほど紹介しよう。
1つ目は装備と少し違うのだが、日常的にできる傷を大幅に防ぐ「スクラッチシールド」塗装である。この塗装は先代エクストレイルのモデルサイクル後半から採用されていたものなのだが、クリア塗装に軟質樹脂が配合されており傷が着きにくく、洗車機などにより傷が着いても自然復元される。自然復元までの期間は最長でも1週間程度(真冬の北海道などの場合、夏場の酷暑日なら30分程度)とのことだ。なお、「スクラッチシールド」はバーニングレッド、サファイアブルー、ダイアモンドブラックの3色に採用されている(3万1500円高のオプションカラーとなる)。
スクラッチシールドならワイヤーブラシでこすっても目立つ傷にはなりません。
2番目は「ハイパールーフレール」である。この装備も初代エクストレイルのモデルサイクル後半から用意されているものだが、ルーフレール内にドライビングランプが埋め込まれておりハイビームにしたヘッドライトと組み合わせると190m先まで照らすことができるという。ヘッドライト併用しなくとも夜間のキャンプなどに役立つだろう(全グレードに10万5000円でオプション設定される)。
そして3番目が「大型ガラスサンルーフ」だ。今やそれほど珍しい装備ではないが、車内から星を見るときなどには同乗者から喜ばれるだろう(全グレードに11万250円でオプション設定される)。
どの装備もアウトドアなどには非常に便利な装備なので、もし予算に余裕があれば装着を考えてみてはいかがだろう。(永田)
10)力作エクストレイルはどこまで支持を集めるか?
ここまで新型エクストレイルの紹介を読んでいただくと、形はそれほど変わっていなくても中身はかなりの力作であることが分かっていただけるだろう。実際、先行発売されているヨーロッパではかなりの人気を集めているようで、SUVが人気のジャンルとは言えない日本での販売成績にも注目が集まりそうだ。また、次世代のパワーユニットとして期待されているクリーンディーゼルの搭載1号車がエクストレイルになる可能性も高いようなので、こちらが発売された際にも再びエクストレイルがスポットライトを浴びるのは間違いないだろう。エクストレイルの今後も目が離せないものとなりそうだ。(永田)
新型エクストレイルと志賀COO
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