<CT誌のレポート>

 シカゴショーのトップを切って発表されたのがフェアレディZだ。このクルマもすでに日本では写真が公表されており、スタイルについては皆サンも知っていると思う。ところが、である。日本で出回っている写真はノンターボの2シーターのみだったが、発表前夜に発表会場に忍び込むと、なんと! 3種類のZがある。「あれっ?」と思い近づくと、ウワサの2by2に加えて、ターボもあるではないか! これには驚いた。しかも今までは正直いってカッコ悪かった2by2も、見違えるようなフォルムときた。さすがはここのところ赤丸急上昇中の日産である!


  興奮してないで、冷静に話を進めよう。スタイルは写真で見るのと大違い。なにしろデカイのだ。スペックはほとんどポルシェ928S4だから当然かもしれないが、ホントに押しが効いて立派に感じる。 なかでも低いボンネットから続くフロントフェンダーにかけてのラインは、今までの日本車にはまったくなかったものだ。具体的には、従来フロントフェンダーといえばタテ方向の壁だったのに、新型Zは928S4のようにボンネットから続く面なのだ。うまく説明できないが、写真をよーく見ればボクのいいたいことがわかってくれると思う。 2by2の方は今まで単純に2シーターのルーフを延ばしたものだったが、新型ではボディ後半を別設計とし、バランスも考えてある。個人的には2by2の方がグットルッキンで好きだ。というより、いろいろ聞いてみると、そう思っているのはボクだけではなさそう。
 さーて、いよいよターボの話をしようか。基本的に今回のショーはノンターボのみの発表ということだから、ターボに対してのガードはとても堅かった。しかし前述のように前夜忍び込むと、ターボのエンジンがかかっているではないか! おまけに周りには人がいない! これは乗るしかないだろう! というわけでボクはコクピットに潜り込み、おそるおそるクラッチを踏み込んだ。ハイパワー車だから当然重いクラッチを想像していたが、気が抜けるほど軽いではないか。まるで1500ccクラスのようである(後で聞いてみると、油圧のアシストがついているとのこと)。 人が飛んでこないうちにと、あせってギアをローに入れた。このシフトフィールがまた抜の群! シフトストロークが短くて、フィールもカチッとしている。しかもシフトレバーの位置もいい。 さて、いよいよクラッチをミートするときがやってきた! エンストなんかコクとバレそうだから教習所のように慎重にミート(ああ、こんな気分は何年ぶりかしら?)。ところが思ったよりずっと低速トルクがあり、いとも簡単に動き出すではないか。
 残念ながらホテルの宴会場とあって、ほんとに数メートルの”試乗”だったが、手に汗を握る長い時間に感じた。一日でも早く全開で走らせたいものだ。 内装は写真を見てもわかるように、最近の日産トレンドでシルビアに良く似ている。メーター類も常識的なのは少し残念だが、このままガンコにこだわればこれまた”日産の味”になるかもしれない。 シートはかためでホールドはいかにもよさそう。こういうシートなら、後で説明するハイレベルなコーナリング性能を持っていても平気。またアメリカ仕様では左にオフセットされたシフトレバーは、日本仕様になると当然右オフセットとなる。 コクピットのスペースは問題ない。が、2by2のリアシートに座ってみるとまさにミニマム。でもこれでいいのだ。下手にスペースをとろうなどと考えて、外観に影響が出てはミもフタもないというもの。全体に上手にまとめてあり、文句はない。
 Zターボのスペックはどうだろう? 外観からわかるのは、タイアサイズくらい。ノンターボは前後とも225/50ZR16だが、ターボはフロント225/50ZR16と同じながら、リアには日本車初の45タイアである245/45ZR16を履いていた。ブランドはダンロップD40/M2で、相当グリップレベルは高そう。 開発を行った山田主管によると「定常円旋回時の発生Gは0、94くらいです」という。この数字を聞いて「すっげー!」と驚いた人は相当のクルマ通。知らなくて当然だから少し説明しよう。 クルマの性能を表すのによく使うのは、ゼロヨンや、最高速といった動力性能が主。しかしコーナリングパフォーマンスを表すものもあるのだ。それが”スキッドパッド”を使った横G数値なのである。 では、どのくらいが標準的なのだろう? たとえばFFスポーティではカルタスGTiが0、75G前後。シビックSiはもう少し限界が高い0、8G近辺のデータだ。0、8G以上でていれば立派なもので、体感上では相当速いと思うだろう。ちなみにシビックでタイアが鳴くくらいのコーナリングだと、0、65Gぐらいだ。
 コーナリングマシンといわれるRX−7でも、いいところ0、85Gまではいかない。そう考えるとZの0、94Gが飛び抜けてスゴイことがわかってもらえるハズ。 ところが日本では(というより日産では)こんな高いGを発生するクルマなど作ったことがないのだ。なにしろ開発初期の頃はテストをやる度にエンジンがドカーンといき、原因がわからなかったとのこと。 後に高いGがかかり、オイルが片寄るために潤滑系に回らなくなってブローすることが判明したそうだが、それまでに壊したエンジンは相当な数になるという。 というわけで、Zは現時点ではほぼ世界一のコーナリングマシンといってもいいと思う。 唯一の心配はHICASとビスカスLSD、そしてアンチロックブレーキの組み合わせ。未だかつてこの組み合わせが決まったことはない。いずれも安定志向で、スポーティなハンドリングにはなりにくい。
 ま、日産は901運動という、90年には世界一のハンドリングをモノにしようというトライを続けているから、お手並み拝見といったところ。何しろ新しいクルマが出る度によくなってきているので(ローレルのHAICASなしなどは、このクラスのセダンではまさに世界一)、個人的には期待している。 動力性能はどうか? ノンターボの方はゼロヨンが15秒台中盤。最高速は230キロを少々超えると程度という。これがターボになると、ケタが違ってくる! ゼロヨンは14秒台前半に向上! 最高速は実に250キロをかるーくオーバーするらしい。 「ま、ポルシェ928S4のATと同等くらいという思ってください」というから、265キロ程度までは出るのではなかろうか? こいつはカケ値なしにスポーツカーの性能である。
 こんな性能を引き出すエンジンのスペックはV6のツインカム4バルブで、ターボは二つ。最高出力は未発表だが、300PSを超えているのは間違いない! ウワサされたMID−4用に開発された330PSまではいかないが、CD=0,31という空力のいいボディなら必要にして十分なパワーだろう。 最後に日本仕様について予想しよう。エンジンパワーは運輸省の認可の関係上、スカイラインのように300PSの壁は超えられないと思う。多分280PS近辺で認可を受けるに違いない。でも心配は不要。エンジンのスペックは輸出仕様と同じだ。 問題はタイアサイズである。御存じのように、日本車は前後のサイズが違うと認可が降りない。しかもスノーチェーンも付かなくてはダメとくる。したがって日本仕様はタイアサイズは前後同じ225/50ZR16の可能性大。ただチェーンの方はZ専用の細いタイプを作ると言っていた。タイアは是非とも交換したい! 新型Zの発売はアメリカが先行で、2シーターのノンターボが5月。2by2は8月になる。日本は全モデル同時発売で、時期は8月頃といわれている。
 また、やや遅れるかもしれないが、もしかすると(というより、半分はボクの期待だが)スープラのターボA的な限定バージョンも用意されるかもしれない。 読者諸兄はどうだろう? 新型Zは余りにも外観がおとなしすぎると思わないだろうか? でっかいリアスポイラーなどを付けただけでグンとかっこよくなるような気がする。ま、日産がやらなくても、インパルあたりからハデなエアロキットがでるだろう。 気になる価格だが、ノンターボは2万9千ドル(380万円)前後。ターボは3万5千ドル(450万円)近いという。物品税がなくなるため日本でも同じくらいの価格になりそう。 すでにアメリカでのヒットは確実視されており、日本でもかなり売れるクルマになりそうだ。



<CT誌の試乗レポート>

「どっひゃ〜。カッコいいざんすぅ!」ロスにある米国日産でキーを受け取り、パーキングに置いてあった真っ白のZのコンバチを見て思わずうなってしまった。こりゃ時節柄アメリカで目立っちゃマズイ日本人としてはけっこう問題があるな、と思いつつキーを差し込むと、驚いたことに開かないじゃないの。
 よくよくチェックしたら、借りたクルマは隣のスペースに止めてあった茶色の方(デザイナー御自慢の新色だというが、個人的には撃たれてもいいから派手な色がこのクルマには似合うと思った)。ちょっとガッカリしつつも「長生きするためにはこれでいいや」と気を取り直し、サクサク幌を畳むことにした。
 幌の機構はアメリカのメーカーによるもの。こういった作業をやらせると米人は素晴らしい。各部の精度がしっかり出ており開閉は気分よく行える。しかも写真を見てもらえば解ると思うけど、幌は完璧にボディ内部に収納出来てしまう。これなら高価で重くなる電動式よりいいかもしれない。オープン状態にしてもボディ剛性を確保するためロールバーを兼ねる補強は残るが、デザイン的にはまったく問題はなし。地味な茶色のボディでも派手さは充分解ってもらえると思う。



 では試乗だ。走りだして驚いたのがボディ剛性。この手のオープンカーで荒れた路面を走るとボディがわなわな搖れるのが普通。ところがZは想像以上にビシッとしてるじゃない。これで一気に気分はよくなってしまった。
 エンジンはノンターボだけど、パワーは充分ある。試しにアクセルを全開にして20秒くらい待ったら、簡単に200qをオーバーするほど。風の巻き込みを防止するスポイラーがあるため頭はボサボサにならないけど、オープンでこれだけ出すと風切り音は正直いって迫力モンであった。
 もっと楽しかったのはワインディングロードをハイペースで走った時。ボディ剛性があるためコーナリング限界はけっこう高く、本気で攻めても大丈夫。ハンドリングに関していえば、ポルシェの944やカレラ2のオープンにも負けないと思う。青い空を見ながら走る海沿いのワインディングロードを走る気分は最高であった。
 残念だったのはオーディオ。オープン状態で音楽を聞くには圧倒的にパワー不足。安いクルマじゃないんだから、ボーズシステムの300ワットくらいをバッキ〜ンと付けて欲しかった。
 もうすぐ日本でも発売されるが、とりあえず目立つクルマであることは間違いない!
PS・出来ればカッコいいお姉さんに乗って欲しいと思う。

<300ZXでSCCAのレースに出た>

 現行のフェアレディZはボクにとって一生忘れないクルマになりそう。なにしろアメリカでこいつとタップリ苦楽を共にしたのである。知ってる人もいるかもしれないけど、ボクは91年にアメリカでレースなんぞを楽しんでみたのだ。クラスはSCCAのショールームストッククラス。もちろん現行の300ZXを駆ってである。
 成績はどうかというと、Zちゃんのおかげで波乱万丈。というのも現行のZはレースに出ることなんかまったく考えてなかった。だからサーキットを攻めてみるとトラブル続出。速い事は速いんだけど、エンジンがバンバン壊れちゃうのである。遅いんだったらヤメたろうが、壊れるまでは凄く速いから困ったもの。こうなりゃ意地でも勝ちたいでしょう。
 しかし全5戦のうち、2レースはフルー走行でエンジンブローという始末。せっかくロスまで行って、土曜日の朝に「トホホホ」の状態である。が、トラブルの原因を対策した5戦目(4戦目はエンジン修理が間に合わず出場出来なかった)は接戦の末に優勝。最終戦の耐久は予選で軽く1番手を取りつつ、相手ドライバーのウデのせいで4位に終わった。具体的にどこが良くでどこが悪いか?ボクはあまりにも深く知りすぎてしまって、書いちゃっていいのか解らないけど書く。まず弱点はエンジンとブレーキ、である。エンジンは横Gでオイルが片寄ってしまい(オイルパンが超浅い)、最悪の場合は焼き付く。公道では心配ないものの、上手なドライバーならサーキット走行をすると絶対にアウトだぞ。

 対策はオイルの質と量(レースに出るならオイルパンに壁を作ることも同時に行う。これは常識)。オイルはアメリカ製の『レッドライン』を、少し多めに入れるのだ。オイルディップから1pくらい多く入れて置けば30分は持つ。サーキット走行会などに出るなら、こいつを守る事。でないとパーだぞ! ブレーキは酷使するとすぐにジャダー(ペダルからガタガタと反動が出ること)が発生する。こいつはローターそのものの変形。ヨーロッパ仕様のキャリパーとローターを使えばイッキに解決するから、不満のある人は試して欲しい。劇的によくなるハズ。
 良いところはコーナリング性能。だって車高はベッタリと低く、トレッドは激しく広い。加えて4輪マルチリンクの足はハイグリップタイヤにだって耐える実力を持っている。レースでもコーナーは誰にも負けなかったくらい。ストレートで離されたってイッキにコーナーで追いつくのだ。今でも純粋なコーナリング速度で言えば、スープラと同等以上だと思う。

おっと、レースの話が長くなってしまった。ここらでクルマの紹介をしておく。エンジンは2タイプ。ボクがレースで使ったNAバージョンは230PS。NAとはいえスカイラインの2、5リッターターボやセドリックのグランツにに近い出力で、最高速は実測で240キロに達する。トルクが低いため、発進加速は15秒台とややパンチ不足だけれど、必要にして充分な動力性能を持つ。ま、これだけあれば何の不満もないハズ。ツインターボ仕様になるとエンジンは280PSにアップ。当然最高速もグッと高くなって軽く250キロをオーバーし、0〜400m加速は13秒台が確実に出る。これはポルシェ928S4といい勝負だ。
 足回りはアルミのアームを使ったマルチリンク。ターボ仕様はスカイラインで非常に評価の高いスーパーハイキャスを採用。日本仕様はリアタイアがフロントと同じだが(アメリカ仕様はリアのみ245/45となる)スーパーハイキャスは後輪のサイズを太くしたのと同様の効果が得られる。したがってアメリカ仕様以上のコーナリング性能を持つ。NAの足回りは基本的にターボと同じだ。

 装備も充実しており、エアコン、オーディオ、ABS、アルミホイール、パワーシートは全車標準装備(グレードというものはない)。ターボにはハイキャスが装備に加わる。今回撮影したクルマはTバールーフのAT。カッコイイ女の子、というより女性に似合うバージョンじゃなかろうか。
 以上、レースの話が主体になってしまったけど、フェアレディZというのはそんなクルマだ。スポーツカーとしてのポテンシャルはタップリ持っていると思う。でもエンジンはあまりに古いし、ノーマルはサスペンションの煮詰めも安全性に振りすぎている。可能なら新しいエンジンを積み込み、も一度キッチリと足を決めて欲しい。そうすれば実力は絶対にライバルにゃ負けないと思う。頑張れフェアレディ!


 <300ZXのUS仕様>

 エンジンはシーマに搭載されるツインカム3リッターのノンターボ(200PS)をベースに、大幅なチューンを加えたもの。最高出力はアメリカ表示で222PS。日本のJISにすると240PS程度となり、実に20%のパワーアップを果たしている。パワー的にはソアラのツインカムターボ並なので、スペック的には相当レベルが高い。
 前置きはこのくらいにして、まずは試乗だ! ギアを1速に入れて走りだすと確かに速い。ターボのように「ドーン!」とくるパワーフィールではないけれど、高回転の延びがとってもいいのだ。可変バルタイ付きのインテグラのようである。3速くらいまでなら、かるーく7千回転からのレッドゾーンに針が飛び込んでいく。
 しかもただ速いだけではない。これまでのZ(300ZR)に搭載されていたエンジンは、正直いってあまり質感がなかった。高回転でパワーがドロップするし、音や振動、パワー感は実用車のよう。とてもスポーツカーとはいえない。ところがこのエンジンは回せば回すだけパワーが出る感じがして、思わずペースが上がってしまうくらい気分がいい。すでに動力性能のテストを行ったアメリカの自動車雑誌の計測では、最高速が238キロ! 0〜400m加速は15秒5という成績を残している。トルクが細いために0〜400m加速は”並”に終わっているけれど、最高速の238キロは立派なデータだ。



 スポーツカーでは重視されるシフトの操作感は上々。ストロークが短くスパッと決まるし、2速と3速には日産お得意のWコーンシンクロが入っているため、引っかかりもない。できればマニュアルで乗りたいものだ。10万8千円だすと、4速ATの設定もある(アメリカでの価格)。
 さて、このクルマ最大の”売り”はコーナリング性能の高さである。シカゴショーの時に世界最高のコーナリングパフォーマンスを持つことをアピールしていたので楽しみにしていた。先の外誌のテストによるとスキッドパッド(円をぐるぐる回って、どのくらいの横Gを発生するか計測する)では、0,88Gを記録。275/40というレーシングカー的なサイズのタイアを履くコルベットを凌ぎ、フェラーリ・テスタロッサ(255/50)と同じ数値をマークしているのだ!

 これを見て「よーし。やったろーじゃないの!」とばかりに限界時のハンドリングをチェックしようと、箱根みたいなコースに突入する。結果からいうと最速のコーナリングマシンというカンバンは嘘じゃなかったのねー、であった。
 普通のクルマならとっくに限界を超えるスピードでも、ハンドルを切った方に曲がるだけ。相当きつくて狭いワインディングロードにもかかわらず、スピードは100キロを切らない! 本気で攻めると150キロにも達し、さすがのプッツン国沢さんも恐怖におののいてしまったほど。
 コーナーに入ってアクセルを踏んでいくとぐーっと横Gがかかっていき、クルマが路面にへばりついて曲がるような感じとなる。そのままスピードだけはどんどん上がり、そのうちに目が追い付かなくなってしまうのだ。
 アメリカのワインディングロードは危険防止のため、路面にバンクがついているからスキッドパッドよりさらに発生する横Gは高くなり、ほとんどレーシングカーに近いスピードが出る。

 テールを流そうと試みたが、周りはガケで谷底までは400mくらいあるし、スピードはすぐに150キロになるわで、こいつはサーキットで限界性能を楽しんだ方がよさそう。ワインディングを1時間ほど攻めるとあまりの横Gのすごさに首がやられてしまい、軽いムチ打ち症の状態になってしまった。こんなことは昔乗っていたグループA以来の体験だ。
 唯一残念なのは、パワードリフトに持ち込めるほどの馬力がないこと。秋に発売されるオーバー300PSのターボはこれくらい限界の高い足でもいいけれど、ノンターボの方はもう少しグリップレベルが低くして、楽しい味付けにし、その分長持ちするタイアを履かせればいいのではないかと思う。
 乗心地はまったく問題なく、毎日の足にも使えるだろう。基本的にはとっても堅いのだけれど、日産初の4輪マルチリンク(国内ではスカイラインが初採用)というハイレベルのサスを採用している上、ダンパーの精度も高く細かい振動を感じさせないのだ。このあたりはポルシェにもまったく負けていない。

 直進安定性がいいのも特筆モノで、200キロですっとばしても、ビシッとした味わいだ。また、スカイラインと共用の4ポットブレーキも強力で、下りのワインディングでブレーキを酷使しても、ききに変化はなかった。
 最後にインテリアについて書いてみよう。シートに座って印象的なのは横方向の広さ。幅が1800mmもあるのだろうからあたりまえなのだけれど、その割に一体感があり快適。しかもけっこう高級な仕上がりだ。
 装備はエアコンを始め、ボーズシステムのオーディオ(いかにもアメリカ人好みで、ボリュームを上げて聞くと低音がしっかり出る)、アンチスキッドブレーキ、Tバールーフなどが標準。試乗車にはパワーシートと、オートエアコンが付いていた。価格はほぼフル装備で2万7300ドル(約370万円)と発表された。日本では350万円くらいになるだろう。 
 外観は最近の日産車に共通する特長だが、見るうちにどんどんよく感じてくる。特に笑っているような顔つきのフロントマスクは慣れるとユニークだ。惜しいのはリアがおとなしすぎる点。こいつは後付けの少し大きめなリアスポイラー(フェラーリF40みたいなやつ)でも装着すれば、グッとかっこ良くなるだろう。