結論から書いてしまうと、コンセプト含めたソフトはアルテッツァ。ハードでスカイラインだと思う。以下、なぜそう考えるか説明してみたい。まずコンセプトだが、もはやスカイラインは「てんでアカン!」である。なんせ日産がダメになって行く途中に企画されたクルマだかんね。当時の上層部、もうやることなすことトンチンカンだった。スカイラインはかくあるべきだ、といったような論議さえなかったに違いない。
多くのパーツをローレルと共用するよう押しつけられ、さらに「マークUと戦えるクルマにしなさい」だもの。そこにはスポーツセダンといったコンセプトなどない。大きく重くなったボディはターボエンジンでカバーすればいい、くらいの意識である。もちろんR32みたいに原点回帰しようという意見も出たと聞く。しかし「リアシートが狭いというクレーム多かったろ!」の一声でパー。
対するアルテッツァは、伸び伸び育つ。ヨーロッパ戦略車の一つとして位置づけられ、ライバルをBMW3シリーズに設定。ボディサイズからスタイル、コンセプトワークに至るまで、開発担当者の自由度は大きかった。逆に言えば、上層部も「日本じゃ売れるまい」と期待していなかったと言われている。この時点でスカイランとアルテッツァの運命は決まった、と評価してもよかろう。
しかし、である! ココからが面白いトコロ。スカイラインの開発陣、FR作りのノウハウに関しちゃベテラン揃い。妥協のカタマリみたいなコンセプトのスカイラインを「可能な限り良いクルマにしてやろう!」と懸命になるのだった。最後のスカイラインマイスター、渡辺氏も「せめてホイールベースは短くしてくれ」と粘り、ローレルより55oシャシを短く詰める。2ドアのボディもオーバーハング切り軽量化。
1410sという車重に280馬力のパワーは必要にして十分! ハイパワーFRを調教することにも慣れており、おそらくFR車じゃ世界ベストと思えるようなクルマに仕上げてしまう。唯一難点を挙げるとすれば「ホントに280馬力あるのかね?」的なパワー。GT−Rが280馬力とすれば、230馬力くらいしか無いように感じてしまう。も少しパワーあったら、評価ググッと良くなったのに。
一方、アルテッツァはコンセプト良かった。でもトヨタというメーカー、FRについて真剣に考えてきたことがなかったから大変。「楽しいFRとはなんぞや?」みたいなテーマから入らねばならぬ。そんなもん、すぐに結論など出ないワな。かくして大いに迷いつつアルテッツァの開発は進む。ワタシが考えるに、答え出なかったんじゃなかろうか? 迷いの産物みたいなクルマになったもんな。
チーフエンジニアは「楽しいクルマにしたい」と考えているよう。でも実際にセッティング担当してる部門、BMWのスタビリティに感銘しているみたい。楽しさとスタビリティの両立は、スカイラインだとR33で悩んだテーマ。で、現行アルテッツァはスタビリティが勝っている。これで「楽しい」という味わい入ってくれば、アルテッツァもずいぶんイメージ変わると思うのだけど……。
そろそろ結論を出そう。現在販売されているモデルラインナップで比べれば、明らかにスカイラインが勝ち。スポーティセダン欲しくてマニュアルミッション買った、というアルテッツァファンなら、スカイラインのターボに乗れば「なるほど!」と納得すると思う。アルテッツァって、パワーよりシャシが勝っている。いや、勝ちすぎているのだ。スカイラインはホントに楽しい。
将来的にゃどうか? スカイラインは霧の中を進んでいる。少なくとも今のスタイルのままじゃ、スポーティセダンとしての魅力を取り戻せまい。アルテッツァは「これからだよ!」というイキオイ持つ。ヨーロッパ仕様と同じ6気筒のマニュアルも出すと言うし、アメリカは3リッターエンジン積んでデビュー。素晴らしいパフォーマンスらしい。努力さえすれば、基本コンセプト優れたアルテッツァが勝つと思う。