正直なところ、ヘンなカッコだと思う。でもヘタウマのイラストみたいなモンで、ぜ〜んぶ同じくらい妙なデザインなのだ。よく見るとキッチリとツボを押さえていることに気付く。少しツリ目のヘッドライトといい『X』グレードに標準装備されるサイドシルプロテクターといい、ウェッジの利いたウエストラインといい、けっこう凝ってる。ヘンなカッコだけど悪くないぞ!
 気に入るのがオネダン。売れ筋になりそうな『X』は、エアコンからエアバック、ABS、皮巻きハンドル、電格ミラー、アルミホイールを標準装備した4速ATで141万8千円。S−MXなどより30万円は安い。少しオヤジの入ったラウムとは10万円差だけど、クルマとしての雰囲気からすればキューブの方が好ましいでしょう。
 ただ試乗車の色はアカン! ゴールドだったらもっとシャッキリせんかぃ! だ。これじゃウンコ色にしか見えない。ワカモノが買うなら、ホワイトかブラック。だっさいフロントグリルは、たった1万6300円で交換出来る。ブラックに、レッドのメッシュグリルなど装着するとカッコよろしおます。4万8千円ナリのリアスポイラーも、CT読者ならお約束のアイテムか?


 前置きはこのあたりにして試乗といきましょう! 動力性能をチェックすべくテストコースでアクセル全開る。すると案外とイケるでないの! シートバックに身体がメリ込むような加速は最初から期待してないけど、メーター読みで160qまでは軽く届いた。2リッターエンジンのS−MXや1、5リッターのラウムあたりと勝負したら白熱するだろう。低いレベルでだけど……。
 実際、S−MXなどと高速道路で踏みっこになったら(速度は100qまでですが)、絶対面白い勝負になる。バトルって絶対的な速度が高ければ楽しいんでなく、良いライバルを得ることが大切なのだ。1、3リッターエンジンでここまで走れば大満足だと思うな。弱点は乗り心地。継ぎ目の多い西相バイパスを走ると、激しくピョコピョコする。
 いわゆるピッチングというヤツね。ホイールベースが短い割に車高は高く、足回りを硬くしてるのだから無理もない。高級車なら大減点の対象になるも、この手のクルマだと愛嬌に思えてしまう。激しいといっても舌を噛むほどでないし、滑らかな路面であれば気にならないレベル。むしろ「ヘンなクルマに乗ってる」という感じかして、ワタシは気に入った。試乗したら確かめるように。


 アクセル全開テストをしたら、お次はハンドル操作全開の番。借りたテストコースが狭かったものの、クルマのサイズを考えればちょうどいいでしょう。トナリに編集部員を乗せ、コーナーに元気良く飛び込んでみた。結果が前ページ走りの写真、である。本人によれば「そんなに横Gが出ると思わなかったですもん」らしい。どんなクルマでも限界テストする時はナメんように!
 コーナーを攻めるとさすが日産車。面白いのだ。コーナリング速度自体は速くないけど、それなりに緊張してワクワクする。限界性能が高い=楽しいのであれば、どんなスポーツカーだってレーシングカーにゃ負けるハズ。しかし遅くたって面白いクルマは面白い。同じ日に試乗したギャラン・スーパーVR−4の追い上げを食らいつつ、ホンキで頑張ってもうた。
 コケるのを防止するためなのか最終的にやや強いアンダーステアになるし、同じ理由からキツいタックインをカマしてもオーバーステアにならないが、下り坂で強いブレーキングをすると前ノメリになって冷や汗をかく。ここがキューブの弱点と見た! このクルマを攻めるときは、早めにブレーキングして吉である。ABSやブレーキアシストの効きは、合格点をつけておく。



  室内はどうか? 身長183pのワタシが座ったら写真のようになった。フロントは余裕のよっちゃん。リアのみ若干物足りないレベル。マーチと同じ全長だということを考えると大健闘かもしれない。これでリアシートが前後にスライドすれば100点である。男女4人組であれば、快適にロングドライブ出来るだろう。第一オトコ4人の旅など考えただけでも息苦しくなる。
 やや残念だったのがオーディオ。頑張ったらしいけど、チラカ足らず(試乗車に装備されていたのは**万*千円ナリのオプションだった)。ボリュームを上げると音が割れるのだ。どうせ気合いを入れるなら、アコードとかロードスターのボーズのようなオーディオにして欲しい。両車共、キューブのオーディオより安いのよ! ワタシなら迷わず社外品を選ぶ。
 忘れてた。衝突安全性はオフセットクラッシュまで含んだ国際水準(GOAと同じレベル)。この点でも安心してすすめられる。ミッションは4速ATとCVTから選べるが、ストップ&GOの多い都市部ならAT。流れの良い郊外で使うのであればCVTを推奨しておこう。依然として日産のCVTは停止からのスタートでギクシャクする。価格もATの方が2万3千円安い。