日産のターボエンジン、これまでちょいとばかり元気なかった。走りを売りにするメーカーとしちゃ、大いにモンダイあったと思う。日産の中でも「しっかりせい!」という声は多かったハズ。新しいセドリックのカタログみたら、きっちり280馬力となっている。早速試乗してみたら、やっぱし今までより明らかにパワフル! 1660sという重さを全く感じさせず、グイグイ加速してくれちゃう。速いぞ!
速度リミッターが無いと仮定したバアイ、最高速は240〜250qといったところ。3リッタースポーツセダンとして持ち上げられているアリストと勝負したろかい、ってなパフォーマンスを持つのだな。絶対的なパワーだけでなく、アクセル全開していない時の余裕トルクがキッチリあるのも嬉しい点。トップエンドのパワーだけ重視したんじゃない、ということか。ターボでありながら、排気ガス基準がクリーンなLEVというのイイ。
少しだけだけれど、ノンターボの3リッターにも試乗出来た。コチラは新開発の直噴Diを採用し(10・15モード燃費11、2q。凄い!)、240馬力を発生。最大トルク31sm以上あるパワフルなエンジンである。高速道路で乗っていないで結論は出せないものの「コレで十分」だと思った。280馬力がエラくスポーティなのであって、ノンターボもパワフル。最高速だって実力的には220q以上だもの。
乗った瞬間に解るのがボディのガッシリ感。新型セドリックは、基準を明確にしていないゾーンボディの中にあって、キッチリとオフセット64q。フルラップ55qを打ち出しているそうな。衝突安全性向上のためにはボディの強化が絶対必要。その甲斐あってか、ベンツのミディアムクラスやBMWの5シリーズと比べ勝るとも劣らない剛性感を持つ。特にV規格のタイヤ(最高速240qまで保証)履いたグレードは、ヨーロッパみたいな乗り味である。
これまでのセドリックも乗り心地は悪くなかったけど、どちらかというとゴムやスポンジみたいな緩衝剤を使ってゴマかしてきた感じ。事実そうなんだろうが……。新しいセドリックは、素性の良さで勝負出来る。ノンターボも同じ。コチラも標準仕様はV規格タイヤがセットされている。グレード選びや詳細なインプレについちゃ、おそらく次号でキッチリとフォローしてくれるんじゃないかと思う。お楽しみに。
残念だったのが、280馬力のパワーとスポーティなサスをフルに活かせないこと。ターボ車はVDC(スピン防止機能)が標準装備。こいつをカット出来たら、豪快なテールスライド楽しめるのにぃ! ただ日産車らしくVDCの作動はアリストなどよりワンテンポ遅い。走りの楽しさを特長とするBMWと同じようなセッティングである。したがって出しゃばり感が無く、ワインディングロード走っても楽しかった。
インテリアはトラディショナルなセダンという性格上、あんまりトンがったデザイン採用できないんだろうけど、思い切ったエクステリアと比べる若干マイルドか? いや、ワタシがそう思っているだけであって、セドリックのインテリアとして考えるとアグレッシブなのかもしれぬ。明るくていいワな。全グレードセンターコンソールに5、8インチの液晶モニーターを設置。ここに必要な情報を表示してやろうというコンセプトも新しい。
装備類は標準グレードで十分だと思った。液晶モニター標準装備なのでオプションのチューナーだけ付ければTV見れるし(ナビゲーションは7インチの液晶モニターとグレードアップオーディオとセットで**万*千円)、サイドエアバックなども付く。気に入ったのはターボだけでなく、ノンターボにオートクルーズのオプションがあること。90qくらいで高速をユッタリ流せば、Diエンジンのメリットを100%引き出せる。リッター13〜14q走ると思う。
スタイルは賛否あると思う。でも今までと同じような方向だったなら、もっとバッシングされたに違いない。日産に求められているのは「新しさ」なのだ。そういった意味からすると、クラウンと全く違う路線を選んだ新型セドリック/グロリアのデザインは、高く評価できる。いや、もっと積極的に言えば、ラテン風の仕上がりでワタシは好きだ。リアとかサイドなんかカッコいいでないの! フロントもヘッドライトの形状も少し整えれば、もっとシャープになるだろう。
今やセドリックとかクラウンというクルマ、アメリカで言うキャデラックとかリンカーンみたいに「オジイサンのクルマ」になりつある。地味なデザインだと、ますます若いユーザー層はソッポを向く。新しいセドリックでオジイサン路線から外れようとしているのは大正解だ。日産のユーザー層って、革新的なモノを積極的に受け入れてくれるし。価格も2、5リッターフル装備車で346万円。同じ価格帯の輸入車と比べ、やっぱり安い。景気も良くなりつつあるので、一発いっとく?
エクストロイドCVT
苦節20年。トロイダルCVTがついにデビューした! こう書くと「ナニ意気込んどるんや?」と思うかもしれないけど、たまにゃ大ゲサな文章書かせて下さいね。普通のCVTは皆さん知ってると思う。イラストのようなシステムになっており、たいへんシンプル。原付スクーターの無段変速も全く同じ仕組み。クルマとスクーターの違いは「ベルトがゴムか金属か」というだけ。重いクルマだとゴム製のベルトじゃ走らないのだ。
CVTは無段変速なので非常にスムース。しかも最適なギア比を常時使えるため(4速ATのバアイ、2速ギアだと低すぎ3速ギアは高すぎる、という状況が少なくない)、加速性能やネンピで有利になる。スムース&低ネンピ、となれば世の中CVTだらけになってもよさそうなモノ。ところがCVTだらけになっていない。理由は「発進でギクシャクしちゃうから」。初期のCVT、ホントにスタート下手だった。
反省した日産とスバルは、スタート用のクラッチとしてトルコンを組み合わせる。コレ大成功! 現時点で最もスムース&低燃費の変速機として育ったと思う。でも残念ながらエンジンを縦置きする後輪駆動車には構造上使えないのだ。これまたイラスト参考にして欲しい。本来なら高級車の変速機としてピッタリなCVTなのに、金属ベルト使った従来のタイプはFFでしか成立しないワケ。そのモンダイを解決してくれるが、トロイダルCVTである。
エンジン側のプーリーと車軸側のプーリーを向かい合わせにし、金属ベルトの代わりに円盤使う。こうすればコンパクトで、しかも縦置きエンジンと組み合わせて使えるCVTが出来るという寸法。考え方としちゃムカシからあったものの、実用化しようとすると問題山積み。金属と金属が擦れ合うため、大きな駆動トルクを伝達出来ない。かといって強いチカラで押しつけると、今度は摩擦熱でオーバーヒート。そんなこともあって夢のCVTなどと言われていた。
口の悪いヒトは「腐っても日産」などと評するが、やっぱり日産の技術レベルって依然高いんだと思う。世界中のメーカーが「解決不可能」と諦めていた数々の難問をクリアし、ついに実用化したのだから。マジな話で開発に要した年月は20年近いそうな。あまりに嬉しかったせいか、トロイダルCVTから『エクストロイドCVT』というネーミングになった。大きくなると名前が変わるサカナみたいだな。
エクストロイドCVTと組み合わせれば、後輪駆動ベースのハイブリッドも実現可能。直噴エンジンとの相性も抜群によい。今回は280馬力ターボ用ということだから、ハイパワー対応もOKになったのだろう。さて、実車はどうか? 早速試乗してみたら、当然のごとくCVTの優れた点をキッチリ持っていた。スタートはトルコン使うので従来と同じく滑らか。そこから最高速に至るスムースさときたら、こらもう抜群でしょう!
スポーティドライビングしたいならマニュアルモードを選んでもよし、常時高回転キープのスポーツモードを選んでもよし。普通のATのようなモタ付きは皆無で、間髪入れずレスポンスする。しかもベストなギアレシオを選んでくれるのだ。スカイラインGT−Rとかに搭載しても面白そう。そのうちマニュアルより速いATが出てくるか?気になる燃費は、従来型ATより5%くらい向上。将来性あるミッションだと思いました。