おそらく読者の皆さんは全然興味ないクルマだと思う。かくいうワタシもそう。日産に聞くと「シルフィのターゲットユーザーは50歳代。子供から手が離れたような世代です」。なんだ。メーカーもワタシら相手しておらんワな。しかし21世紀の日産を知ろうとすると、ぜひともこのクルマはチェックしておかねばならなかったりする。なんでか? 日産の新世代4気筒エンジンQRシリーズと、世界一クリーンな排気ガスしか出さないQD18DEエンジンが搭載されているから。両エンジン共、今後10年間くらい日産を引っ張っていくユニット&技術持つ。となれば多少クルマがお父さん仕様でも乗らずにゃおれまい!
 も一つはハンドリングの方向性。御存知の通り大がかりな社内改革行ったため、クルマを開発しているメンバーも一新している。馴染みだった実験担当の方など見かけなくなり、知らないヒトばかり。とてもじゃないけど日産だと思えないです。参考までに書いておくと、トヨタもホンダもスバルも、実験部やテストドライバーは長年の経験者。面識ある。日産も以前は同じだったのだが、全然違ってしまった。こうなると日産車のハンドリングの方向性まで変わってくる可能性大。ぜひともジックリと試乗し、どうなったのか味わってみたいと思う。ということで最初にハンドル握るのは、世界一クリーンな1,8リッターです。

 どのくらい排気ガスがクリーンかといえば「家の中にクルマを入れてエンジン掛けても臭くない」ほど。例えば臭さの元である『HC』の排出量は3ppmくらい。空気のがきれいな山間部より多いものの、平均的なオフィスのHC濃度より低いレベル。全くニオわない、と表現してもよろしかろう。興味深いことに、汚い大気を吸入しても排気ガスはクリーンだという点。HC濃度10ppmくらいある都市部の大気なら、そいつを吸ってHC3ppmの排気出す。シルフィが走れば走るほどクリーンになるワケ。笑っちゃうけどホント。もちろん二酸化炭素は出すけど、こらニンゲンも同じ。
 といった超環境エンジンなのに、走らせると普通のクルマだった。スペック的にはシビックに搭載される1700ccエンジンと同等だ。試乗してみたが、ドライバビリティだって悪くない。車重1170kgで低回転からトルクあるため、けっこう元気と評してもいいと思う(シビック5ドアより軽い)。環境を考えるなら、非常に手頃なボランティアだ。今後、いろんなクルマに搭載してくるだろうから、その時はぜひとも買いましょう。ちなみに排気ガスレベルは運輸省が認定する☆3つの『超低排出ガス基準』の半分。☆3つがアメリカで言う『ULEV』だ。シルフィは『SULEV』という神様みたいなクラスに入る。

 二つ目の新型4気筒もしっかり乗ってみた。意外なことに「すっげ〜いいよ!」というレベルじゃない。もちろん従来のSR型と比べれば夢のようにスムースなエンジンだけれど、猛烈に燃費いいワケでなく(OPAのD4はCVTと組み合わされ10・15モード燃費17,6km/リッター)、かといってホンダが間もなく世に出す新型2リッター4気筒ほど気持ちよくもない。日産の売りになりそうな排気ガスレベルは☆無し。う〜ん。どんな持ち味や特技を持つのだろうか? 残念ながら今回は不明。間もなく『エクストレイル』と呼ばれる日産の”フォレスター”にターボ仕様も搭載されるから楽しみにしておく。
 三つ目のハンドリングは「やっぱり日産らしさがありますね!」と評価しておく。最初に乗った1800ccこそ足回りの堅さとタイヤのマッチングに問題あり(足に対してタイヤの性能が高い傾向)、あらら、と思ったけれど、2000ccに乗ったらキチンと日産だった。しっかり食いつくフロント、横剛性あるリアを組み合わせており、テール流すような走りだってコントロールしやすい。ヲヂサンのクルマだとナメて掛かると、痛い目に遭うかも。ドライバー次第でスポーティカーをやっつけるくらいの走りをする。こんなクルマ出来るんなら、若いファンが欲しがるようなヤツも作ってちょ!