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<新型Z>
フェアレディZという看板は日産から消えてしまうのかと思われたが「Zカーが無い日産などあり得ない!」と、ゴーン体制になり大復活を果たす! コンセプトはアメリカで爆発的な支持を得た初代フェアレディZ(S30)と同じだと思えばよかろう。リーズナブルな価格で、カッコ良く高性能というもの。驚くべきは価格! アメリカで発表された予価を見ると、2万8200ドル!
Z32のベースモデルが3万ドル程度だったから、実質的な値下げである! 一方、性能的にはZ32のターボさえ凌ぐと言う。従来のVG30ターボと同等のスペック持つ怪力VQ35を(エルグランドの重いボディを軽々走らせる)、軽いボディに搭載。足回りのキャパシティも大幅に向上させてきた。
日産復興の象徴としてゴーン社長が復活させた新型フェアレディZは、スポーツカー氷河期と言われる中、予想外の売れ行きを見せている。日本とアメリカを皮切りに、ほぼ全世界で販売されているのだけれど、好調な販売状況。この時期、どうして2人乗りのスポーツカーが売れるのだろうか?
どういったユーザー層から支持されているのか日産に聞いてみた。「年代で言えば最も多いのが30歳〜39歳で27%です。続いて50歳〜59歳の26%。40歳〜49歳の22%を合わせると75%。30歳以下の方は14%です」。スポーツカーというと「若い人のクルマ」というイメージを持つかもしれないが、むしろ大人の乗り物といった売れ方だ。
考えてみれば長いクルマの歴史を持つヨーロッパなどに行くと、スポーツカーは完全に大人の乗り物。日本の「スポーツカー=若い人の乗り物」というイメージは、石原裕次郎さんの映画などで作られたのだと思う。それに高い性能持つスポーツカーを安全に扱えるという観点からすれば、ある程度精神的に”大人”でないと危険かもしれない。
また、大人にとってみると、スポーツカーほど魅力的なオモチャは無いんじゃなかろうか。スポーツカーに乗ったことのある読者諸兄なら解っていただけだろうが、とにかくシャープで楽しい。料理を「趣味」とする人は、包丁にも凝ると言う。それと同じで、スポーツカーの「切れ味」たるや、やはり普通の乗用車と全く違うのだ。
アクセルを踏めば必要なだけ加速し、ブレーキ踏むと圧倒的な減速力を発生。カーブでハンドル切れば、切っただけ曲がってくれる。乗用車から乗り換えると、目からウロコが2枚も3枚も落ちることだろう。新型フェアレディZを買った方にインタビューしてみると、皆さん「一度スポーツカーに乗ってみたかった。予想してた以上に楽しいです」。
内容を考えれば非常にリーズナブル
しかもゴーン社長の肝いりで、価格も低く抑えられた。3,5リッターのV6エンジは、国産メーカーの規制ワク一杯の280馬力を発生。これに前進6速のマニュアルミッションが組み合わされる(ATなら5速)。さらに強力なグリップ力を発生する17インチサイズのタイヤやオーディオ、青白く光るHIDライトを標準装備。それで300万円なのだ。
この価格、驚くことに従来型フェアレディZのターボエンジン搭載車(280馬力。現行モデルと同等の性能)より100万円以上も安い。アメリカでは優れたコストパフォーマンスが高く評価され、店頭に並ぶ前に売れてしまうほど。ちなみに日米共、納期は2〜3ヶ月掛かっている。今オーダーしても3月下旬になってしまう。
乗るとどうか? 運転席に座った途端「乗用車と全然違う!」と感じることだろう。なにしろ着座位置からして低い。運転席から見た「景色」が新鮮なハズ。加えてスポーツカー特有の”包まれ感”もある。やはり戦闘機のような乗り物なのだ。ギアを1速に入れてクラッチを離すと、圧倒的なパワー感に驚くと思う。正しく非日常の世界。
乗り始めてしばらく幅広いボディなどで緊張するかもしれないが、スポーツカーの持ち味は「速く走れる」こと。クルマに身体が馴染めば文字通り意のままに操れるようになるだろう。するとスポーツカーの存在意義素がハッキリ解る。運転していて何より楽しいのだ。良いクルマだとゴルフの帰りも全然苦にならないから不思議。
性能は申し分ない。日本仕様だと180km/hで速度リミッター作動となるも、実力的には250km/hを超える速度が出せる。発進加速もポルシェなどのスポーツカーと互する実力を持つ。これだけ速ければ何ら不満無し。というか必要以上余るほどの性能だ。やっぱり血の気の多い若者でなく、分別効く大人の乗り物だと思う。一生懸命働いた自分への「ご褒美」にいかがか?
フェアレディZのライバルは現在存在しない、と言ってもよかろう。価格的に見るとホンダのオープン2シータースポーツカーである『S2000』とバッティングするものの、フェアレディZの方が完全に1クラス大きい。乗った感じも2リッターのS2000と違う、3,5リッターのフェアレディZは豪快! また、フェアレディZならAT車も選べる。
輸入車だとポルシェのボクスターか。乗り比べると、やはりフェアレディZより勝る部分が多い。正確に表現すると、ボクスターもデビュー直後は物足りない点あったのだけれど、毎年改良され今や素晴らしいスポーツカーになった。フェアレディZも毎年改良していけば、ボクスターと対等に勝負できるクルマになるだろう。ただボクスターは550万円。コストパフォーマンスを考えると圧倒的にフェアレディZが高い。
<Z32>
Z32は現在Uカーで最も人気の高いZだ。今度こそホンキでポルシェを打倒するためシャシから新設計。スポーツカーらしい思い切り低いボディと、ワイドなトレッドを持たせた。レポーターはこのスタイルに惚れ込み、アメリカでレースをやろうと決心したほど。サスペンションも気合い入ったマルチリンク式。走ってみたらコーナーが速いの何の! パワフルなライバルにストレートで抜かれても、コーナーで軽く抜き返せた。
後で知ったのだけれど、開発陣が予想していた以上に高いコーナリング性能となったためエンジンオイル偏り、開発段階で何度もエンジンブローしたのだとか。そんなことを知らないワタシは、1シーズンで2度もエンジン壊しました。しくしく。セミレーシングタイヤ履かせると、もっと高い横Gが出てしまうためだ(Gメーターによると1Gを超えていた)。直線番長的イメージ強いZ32なれど、コーナリング性能も強烈。
91年はアメリカでSCCAレースに出た。4戦してエンジントラブル2回。優勝1回
搭載されるエンジンはツインカム4バルブのV型6気筒3リッターのみ。ターボ無しが230馬力でターボ付きは280馬力。それぞれ5速マニュアルと4速ATを組み合わせている。デビュー直後に自分で書いた試乗レポートを読み返してみたら「ノンターボなら2シーターのマニュアルが良く、ターボは2by2のATで楽しめる」とあった。まぁ妥当な評価でしょう。残念なことにZ32がデビューした翌年あたりから景気は悪化。スポーツカーの売れ行きも低迷してしまい、途中でオープンモデルをラインナップした以外、12年の生産終了までの12年間は、エンジンのモディファイや足回りの変更などに代表される大きなマイナーチェンジを行わなかった。
<Z31>
83年9月、3代目の『フェアレディZ』Z31がデビュー! 基本シャシこそS130を引き継いだものの、すでに日本の自動車産業はイケイケ状態に突入していたように思う。驚くべきコトに「250km/hでの巡航!」を開発テーマとしたのである。搭載されるエンジンは、ライバルを圧倒するパワー出すVG30ターボV型6気筒230馬力! CD値=0,31という極めて空気抵抗の少ないボディと組み合わせることにより、実測値で230km/hをオーバーする最高速を記録。もはやポルシェ928が完全に射程に入った感じ。2リッターもターボ付きで、ポルシェ944と同等のパフォーマンスを持つ。ハンドリングやブレーキ性能など追いついていない部分も残っていたけれど、Zは日本車のフラッグシップとなった。
2年後のマイナーチェンジでスポーティグレードという位置づけの『ZRシリーズ』を追加。4バルブツインカムのRB20ターボ直列6気筒を搭載しているのだが(RB系はスカイラインGT−RのRB26に発展する)、直列6気筒に固執するスカイラインGTシリーズと違い「速ければ何でもOK!」という、いかにもフェアレディZらしいモデルだったように思う。
景気良かったためZの進化は止まらず、さらに翌年大幅なスキンチェンジ。アメリカのデザインによる丸みを帯びたボディに変身。この時のマイナーチェンジで追加された『300ZR』は、ZRというグレードなのに直列6気筒でなく、ツインカム4バルブのV型6気筒。さらにノンターボのみという、複雑なラインナップになってしまう。Z31のUカーを狙っているなら、しっかりチェックして欲しい。
<S130>
リーズナブルでカッコよく高性能なS30は「Zカー」と呼ばれ、日産の予想をはるかに超える大ヒット車になる。しかしユーザー層が増えるにしたがい(S30は9年間も生産されたのだ)、全長4115mm。全幅1630mmという現行サニーより二回りも小さなボディに不満が出てきた上(大柄なアメリカ人にとってみるとミニマムの居住性でしかない)、アメリカ国内の法規改正により衝突安全性向上のためバンパーを大型化する必要が出てきた。
そこで78年にフルモデルチェンジ。全く新しいシャシを使うS130へバトンタッチする。ボディが大きくなっただけでなく、初期のS30より200kgも重量が増加。動力性能確保のため排気量アップしなければならず、2リッターで始まったL型エンジンはついに2,8リッターへ。国産車で唯一の3ナンバースポーツカーとなった(アメリカ仕様も2,6リッターから2,8リッターに)。当時、学生だったレポーターにゃ憧れの存在だったです。
法規対応に迫られ大型化したS130だが、開発陣は少しでも魅力を出そうと頑張ったのだろう。2年後のマイナーチェンジでTバールーフを追加。さらに2年後、ターボエンジン搭載車もデビューさせている。スカイラインやセドリックと同じL20型ターボだったけれど、空力の良いボディということもあり、簡単に200km/hオーバーの世界を味わえる初めての国産車となった(180km/hの速度リミッターを外した場合)。このあたりからフェアレディZの最高速伝説は始まったんじゃなかろうか。何度か谷田部のオーバルで乗ったが、L20ターボエンジン搭載車で最も速かったことを鮮明に記憶している。
<S30>
スカイラインは「偉大なる内弁慶」である。初代から輸出を考えず、日本国内のクルマ好きに支持されてきた。しかも生まれは日産でなく飛行機屋の流れを汲む技術集団『プリンス自動車』(第二次世界大戦終了時、日本の飛行機技術はすでに世界トップ水準だった)。このメーカー、天皇陛下の御料車の開発&生産を行うなど文句無しの名門である。ちなみに名設計者、桜井真一郎氏はプリンス自動車出身。あまりに技術重視だったため商売的に上手くいかず日産に吸収された後も、スカイラインは国内専用車として位置づけられていく。
一方、フェアレディは最初から本家「日産」の世界戦略車種だ。『SP310』で、本格的にアメリカ市場を狙う。東洋からやってきた可愛らしいオープン2シーターは、イギリス製のスポーツカーより大いにフレンドリーな価格設定だったこともあり、アメリカのユーザーから大歓迎される。その後、パワー不足というリクエストを受け、新しい2リッターエンジンにバージョンアップした『SR311』へ進化。日産の看板車種に育った。
S30には2タイプの高性能バージョンが存在した。『240Z』(カタログ上の最高速205km/h)と『Z432』(同210km/h)である。前者はS30の軽いボディに、2,4リッター150馬力の直列6気筒を搭載したモデル。方やスカイラインGT−Rと同じ名機S20をフェアレディのボディに移植した最新鋭のスポーツモデルで、最高出力160馬力。30年前のクルマ好きは、今以上にスペックフェチ。加えて高価なスポーツカーとあって、どちらも乗れる機会など無い。そんなことから、多くのクルマ好きがZ432の方が速いと信じていたのは無理もないことだろう。
しかしオーナー達は240Zの方が速いことを知っていた。確かにピークパワーからすればZ432優勢なのかもしれない。しかしオープンロードじゃピーキーなエンジンの実力を使い切れず、どの回転域からアクセル踏んでも太いトルクでグイグイ加速してくれる2,4リッターの方が有利だったのだ。スカイラインのファンなら(開発陣も含めていいだろう)、それでも名機S20にこだわったに違いない。しかしフェアレディZにとっちゃ2リッターという「縛り」など子細なこと。
この「おおらかさ」はフェアレディZのDNAでもあると考える。エンジンの排気量&型式になど、こだわらないのだ。あまり知られていないことながら、S30ってトヨタ2000GTとの関係が深い、と言われている。そう言われてみればボディシルエットそっくり。両車エンジンも直列6気筒だ。やがて真相が語られる時があろう。いずれにしろワタシはS30のスタイルが大好きである。
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