ステラ試乗レポート
永:今日はスバル期待の軽自動車ステラです。1台目の試乗車はR2のRと同じDOHCエンジン(54馬力)を積んだLXです。
(ステラに乗って第一声)
国:永田と近いね! 少し離れてくれ。
永:二人乗ると場合によっては腕が触れちゃいます。
国:男同士だとな〜。
永:R2だったらこのくらいの室内幅が適度な包まれ感というかパーソナル性という個性につながりますけど、広さを売りにするステラにはちょっと疑問です。
インテリアはR2とほぼ同じです
国:R2をベースにしているからライバルに合わせて室内幅広げるのは大変な手間とお金がかかる。解っていてもできなかったんだと思う。ま、家族で乗るならいいか。
永:逆に頭上空間は「広過ぎ?」と思うくらい大きいです(ムーヴなどと比べても広い)。
国:全高がライバル車と比べても高いせいもあるけど、おそらく着座位置がR2と近いからだよ。どうせだったら着座位置も上げて見晴らしよく作れば良かったのにね。こっちもお金と手間がかかるけど。ワゴンRに対抗して急遽開発した初代のムーヴがこんな感じだった。クルマ感度の低い人なら気にならないんだと思う。
<走ってみてどうか? 標準>
国:CVTはR2とずいぶん違う味付けをしているなぁ。
永:具体的にはどんな風なんでしょうか?
国:常時使う回転を下げようと下げようとするというか……。アクセル踏むと、ある程度の開度から急に回転上げに行く。
永:燃費を稼ぐためなんでしょうか? ちなみにこのCVTはまったく新規のものだそうです(確かに10・15モード燃費はNAエンジンのFFで22.5km/Lとハイトワゴン系の中では群を抜いて良い)。
国:出来立てだから熟成不足なのかも。改良に期待しときましょう。スバル自慢の4気筒エンジンなんだけど、素早く加速しようとすると賑やかだね。
永:まったく同感です。個人的にはクルマのエンジン音って、クルマの種類にもよりますけどいい音だったら音量は多少大きくても構わないと思うんです。だけどステラは気になる音質です。
4気筒らしい静かさ、いい音が欲しい!
国:巡航状態なら100キロでも静かなんだろうけど(会場がお台場付近だったので巡航状態の静粛性については未確認)、せっかくの4気筒なのに残念。
永:絶対的な音量はR2より低くなっていると開発を担当された方から試乗前に聞きました。
国:エンジンパワー自体は無過給エンジンでも必要十分。一般的な軽自動車の使い方に
は問題ない。
<ハンドリング、乗り心地はいかに?>
国:でも乗り心地はすごくいいねえ。
永:私も走り出した瞬間に感じました。当たりは柔らかくて、かつ収まりがいいとい
うタイプですね。
国:ダンパーのメーカーはショーワだって。
永:なるほど。やっぱりショーワは一味違いますね。
国:あと、パワステも良くなった。若干頼りなさを感じたR2に比べると、すごくしっかり感が出た。
永:R2に乗ったことのある人だったら「乗り心地とパワステはすごく良くなったなあ」と感じるでしょうね。ただロール量大きくないですか?
国:大きい。もちろんこの世のものとは思えないくらいロールするタントよりはいいけど、直接的なライバルとなるワゴンR、ムーヴ、ライフに比べたら格段にロールする。ま、これもさっきのエンジン音と同じように普通の使い方なら問題ないか……。スタビを付けたらずいぶん印象変わるのに。
普通のスピードでもこのくらいロールします
永:ちなみにロールした場合、踏ん張りたければシフトレバーの部分の出っ張りを壁のように使えます。
国:そういう使い方をするためのものじゃないんだけど。
<走ってみてどうか? カスタム>
側面はゼストかekワゴンに似た雰囲気ありませんか?
永:2台目の試乗車はスポーツグレードのカスタムRS(AWD)です。カスタムの顔はムーヴの標準タイプに似ていますね。
国:瓜二つという訳ではないんだけど、グリルのせいなのか似た雰囲気。お尻も似てる。
永:走り出すとやっぱり余裕がありますね。1000ccくらいのイメージというか
国:高速道路を使うケースが多い人ならこちらを薦めたい。でも全体的な傾向は1台目のNA仕様と同じ。CVTのフィーリングや加速中のエンジン音とかね。
永:CVTの方はスーパーチャージャー付きだとスポーツモード(エンジン回転を上げる傾向のモード)があるので、スポーツモードを使えばだいぶ違和感はなくなります。回転が上がる分燃費は落ちるでしょうけど(スーパーチャージャーの10・15モード燃費はFFで18.8km/L)。
今回からレギュラー仕様になったスーパーチャージャー
国:タイヤサイズが全車同じもの(155/65R14)を使っているせいか、乗り心地はNAとほとんど変わらない。スポーツグレードだと乗り心地悪くなるケースが多いんだけど。ただロールはスタビライザー付く分NAよりは小さくなるけど、絶対的には大きい。
こちらもスピードは通常レベル、でもロールは大きい
永:カスタムだと内装色が黒になりますけど、こちらの方がいいですね。
国:ガラス面積が大きくて、光が入りやすいからNAの白系は明るく見えすぎたのかもしれない。
永:1つ使えるなあと思った機能があります。それは「スキンシップモード」というシートアレンジです。助手席のシートバックを前に倒して、リアシートを目一杯前に出すと後席に座っている赤ちゃんに運転席からミルクをあげたりできるんです。シートアレンジそのものもいいんですが、運転席に座ったままでも簡単にセッティング出来る点も評価したいですね(この機能は簡易型カードキー”スバルスマートパス”、撥水シート、助手席マルチユーティリティーシートから構成されるセットオプション「ユーティリティパッケージ」を選ぶと使える。セットオプションの価格は3万6750円)。
赤ちゃんのいるお母さんには嬉しいスキンシップモード
国:インテリアで1つ欠点を挙げるとオーディオね。標準グレードもカスタムも良くない。というか音がするだけ。
永:このオーディオだと私のようにAMラジオ中心の使い方でないと厳しいでしょうね。しかし、カスタム系なら純正オーディオはレスオプションでなしの状態にもできます(NAのRで2万1千円、スーパーチャージャーのRSなら3万6750円引き)。おまけにディーラーオプションのベースキットと呼ばれる付属品(フロアマット、ナンバーフレーム、サイドバイザーなど。5万2500円)を買うと、富士通テン エクリプスのDVDナビ(使えるオーディオソースはCDのみ)がなんと7万3500円で装着できるキャンペーンが9月末まで行われています。
国:近いうちにステラを買うなら、このキャンペーン使うべきだ。ついでにスピーカーも変えれば万全でしょう。「近くでしか使わないからナビは不要」という人でも「少しでもいい音楽を聞きたい」という気持ちがあるなら、カー用品店で一番安いものでいいからオーディオユニットとスピーカーの交換を勧める。
黒内装の方がシックな感じ。メーターは自光式
永:キャンペーンの中にはナビの他にもディーラーオプションのエアロパーツやチャイルドシート(こちらもベースキット購入が条件)などを定価の半額近くで付けられるコースもあります。師匠、ステラの総括をお願いします。
国:スバルらしさとか強いこだわりは感じられないけど、かといって大きな欠点もない。数の売れるクルマが欲しいスバルには必要な存在ってところかな。
<まとめ>
Kunisawa.netの掲示板でもいろいろな意見のあったステラ。読者の皆さんはどのように感じられていただろうか? 試乗するまで私は「デザインやコンセプトが似てしまうのは仕方ない。でも乗ったら“やっぱりスバルだね”というものが欲しい」と思っていた。乗ってみると今までのスバル車には必ずあった「個性」や「こだわり」というものは薄いな、と思った。それとCVTやエンジン音で感じた「詰めの甘さ」を感じたのも残念だった。正直、私の中でステラに関して一番印象に残っているのはCMソングである。こういうタイプのスバル車は今までなかったと思う。
こんなことを思いながら、ふと「自分だったらステラをどんなクルマにするだろう」ということを考えてみた(コンセプトはライバル車と類似させるとして)。
まず頭に浮かんだのは「スバルの軽自動車ってどういう人が買うのだろう?」ということ。私は1)レガシィなどのスバルの登録車に乗っている人のセカンドカー用途、2)クルマにこだわりを持った人、が主なのではないかと仮定する。そうなるとライバル車にはない個性、魅力、楽しさが必要。やっぱりスバルにはこだわったクルマを作って欲しいのだ。しかしこんな構想は買いもしないクルマ好きの妄想、と言われればそれまで。結局、成功か失敗かを決めるのは実際にクルマを買うユーザーなのだから。それにしても、ステラがある程度長いスパンでどんな販売成績を収めるか大注目である。ステラの販売次第でスバルの方針が変わるかもしれないのだから。
レポート/永田恵一
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