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2006年6月14日

ステラ発表会

 1)スバルの「星」が誕生!

 今回新車速報でお届けしますのはスバルの新型軽自動車「ステラ」です。イタリア語で「星」を意味する「ステラ」は、軽自動車の中でも台数の見込める背の高いハイトワゴンであります。皆さんご存知の通り、今や軽自動車は登録車に迫る勢い。1995年に全新車登録の25%であった軽自動車のシェアは、2005年の時点で30%以上にも伸びています。国内市場の不調は長く続いていますけれど、まさしく軽自動車だけは気を吐いている状態です。スバルによれば、軽自動車の普及率が高いのは都会よりも、九州や四国、中国地方や東北地方だそう。それらの地方では軽自動車のシェアが50%を超える県も少なくないとのことです。

 スバルは軽自動車「R2」と「R1」、「プレオ」を販売しているけれど、台数的にはあまり出ていない。それではキツイということで、今回のハイトワゴン投入となったようです。竹中社長の言葉を借りれば、「ストレート直球勝負」とも言えるべき「ステラ」ですから、販売台数の伸長に期待したいところですね。開発段階で試作車等を1000人以上の一般の人に見てもらい、意見を求め改良を重ねたという「ステラ」はスバルの「むつらぼし」をより輝かせるための立役者となり得るのか。「ニッチ志向な技術屋のクルマ」が多いスバルから出る売りたいクルマとは、一体どんなクルマなのか。皆さんお楽しみに! (新美)

 2)実車はオシャレ!

 さてさて、まずは外観を見ていきましょう。フロントデザインはムーブに似ているなんて言われていたりしますが、実車を見るとそこまで似ていない。というか、かなり上品で、素敵な外観であります。華やかさを備えており、それでいて派手過ぎないというところに好感を持てるデザインであると思うのですけど、どうですか? リアは正直に言って「可もなく不可もない」感じのもの。今の軽自動車市場に対して「革命的」と思えるようなデザインではありませんが、しかしそれは逆に言えば市場に受け入れられやすいということ。またグレードにより大きくイメージも異なります。「ステラ」が若いママにピッタリなデザインだとすれば、「ステラ カスタム」はグリルも大きくフォグランプも付いて自己主張強い。とはいってもそこまで派手ではありませんけど。どのクルマについても言えることかもしれませんが、外観というのは写真で受ける印象と実車を見ての印象が大きく違うもの。写真で見るとイマイチだと思っても(何を隠そう、僕は写真を見た時点でイマイチ気に入らなかったのです)、実物を見ると気に入る人は多いと思います。気になる人は一度現物を確認して下さい。

 次に内装です。スバルらしく(?)細かい所に細かい気遣いが沢山あります。細かいことはとりあえず後に回して、まずは全体の印象から。インパネは小綺麗にまとめられていて、使い易いこと間違いなし。室内空間と荷室空間も十分で、他の軽自動車達と同じく高度なパッケージングにより不満を感じることはないでしょう。ポケット類についても、ペットボトル用のものからティッシュボックスを入れるところまで沢山設置されている。まぁ「ステラ」は後発の軽自動車ですから、この辺りは「抜かりない」といったところでしょうか。

 一番魅力を感じるのはシートアレンジの容易さです。例えば助手席を倒してテーブルみたく(もしくは長尺物を積むために)使おうとしたら、助手席ヘッドレスト横の紐(運転席側)を引っ張るだけ。運転席と対角線上にある左リアシートだって、運転席から手を伸ばせば届くレバーですぐ前へ出せる(しかもレバーは重くない)。チャイルドシートを左リアシートに装着している時には、とても便利そうですね。ちなみにリアシートは左右独立で前後200mmのスライド量を確保。用途によって幅広く調整できるのも大きな魅力であります。最後にシート自体についてですが、はっきり言って普通の軽自動車用のシート。特別良くもなく、特別悪くもなくという感じ。人によっては若干固めに感じるかもしれません。(新美)


街に溶け込むリアデザイン

 3)メーターは3種類用意 

 メーターはグレードによって3種類用意されます。標準グレードにはタコメーターなし。手抜きに感じられるかもしれませんけど、軽自動車では珍しいことでもないし、メーター自体はしっかり作ってあるのでご心配なく。タコメーター付きは2種類あり(スピードメーターとタコメーターが一体になっているものと、スピードメーターとタコメーターが独立しているもの)、どちらも質感は高いです。立体的かつ光の色もいい具合で、軽自動車には贅沢なくらい。こんなところにお金をかけているのもスバルらしいというか、何とも微笑んでしまいますね。メーターによってグレードを変更する人なんて少ないでしょうけど、グレードごとにメーターは違うので、もし購入を考えている方がいたらご確認を。(新美)

これはタコメーター付き(not独立型)

 4)内装開発者の主張

 さて、内装設計部の和田さんに色々と内装の魅力を語っていただきました。微に入り細にわたるところもありますけれど、それぞれキチンと根拠あってのものなので、1つ1つ紹介させて頂きたいと思います。いくつか内装関係の話題が続きますので、皆さん覚悟してください!

<ウェルカムランプ> リモコンでドアロックを解錠すると、ハザードが点滅するのはもちろん、エントランスランプと呼ばれるAピラーに設置された青いランプ、イグニッションキー照明、ルームランプ(光量は70%)、カーゴルームランプが点灯するのです。ドアを開ければメーター照明も点灯し、一部グレードではイグニッションをONにするとメーターの針がアクションを起こすというこだわりよう。「軽自動車でそこまでやるぁ?」という声も聞こえてきそうですけれど、おもてなしをされてイヤな人はいないはず。他と違うという意味でも、軽自動車らしからぬ充実さを持つという意味でも、なかなか貴重であると思います。下の写真はAピラーに設置された「エントランスランプ」。ちょっと分かりづらいかもしれませんが、このランプは下などを明るく照らしてくれる、本当に「おもてなし」を感じさせてくれるものです。和田さん曰く「エンジンを切ってから2秒後に点灯してくれるので、ドアを開る際周囲への注意を促す効果もある」のだそうです。

<後席ドアポケット> 和田さんによれば「リアドアには普通リア用のスピーカーが付いていますよね? ステラもはじめはリアにスピーカーを設置する予定だったのですけど、開発の途中段階で一般の方から音よりも収納を重視してくれという意見を頂いたので、スピーカーは設置しませんでした」。なるほど確かにスピーカーはなく、その代わりに大きなドアポケットが設置されております。「音質的にはだいぶ下がるんじゃないの?」と思っちゃいますけど、フロントにドアスピーカー+(ツィーターみたいな)ダッシュボードのスピーカーで、音質には全く問題ないとのこと。なるほど、世の女性は軽自動車に対して、音質よりも収納などの利便性を求めるのか。

<iPodも接続可能> なんかこう書くと「ステラ」は「音」や「音楽」に関してあまりこだわっていないように理解されてしまうかもしれませんが、そんなことはもちろんありません。AUX端子を搭載し、iPodなどをちゃんと接続可能なのです。iPodを収納しても閉められるように、センターコンソールの蓋にコード用の小さい穴を作っているし、本当に細かい部分までしっかり作ってある。この辺りがスバルらしさを感じさせますね。

<ヒモ> あと2つほど、内装に関して紹介させて頂きます。内装ばっかでスイマセン(笑)。でも内装は使い勝手という面でとても重要ですから(特に軽自動車では使い勝手が超重要)、仕方ないことにしましょう。ということで「ヒモ」。後席のシートバックに設置されているフックとヒモであります。このヒモはどう使うかというと、例えばベビーカーを荷室へ積んだ時に、ベビーカーを安定させるために使います。ヒモは長さ調節可能で、4つのフックをうまく使って様々な物を固定すれば、荷室を有効に使えるのは言うまでもありません。ヒモだけでなく、「ステラ」の内装では助手席や運転席シートバックなど、様々なところにフックが設置されております。買い物袋を掛けるのもヨシ、傘入れをぶら下げるのもヨシ、色々なことに使えるはずです。


幼児のいる若奥さんに重宝されそうな「ヒモ」

<後席楽乗りグリップ> 内装開発者の主張も最後になりました。いやー、長かったですねぇ。ここまで付き合ってくださった皆さん、ありがとうございました! ってまだまだ新車速報は続きますよ! 最後までお付き合い下さい。最後に紹介するのはフロントシートバックに設置された「後席楽乗りグリップ」です。タクシーなどについているアレですね。和田さんによると「デザインの人達には反対されるのですけどね。しかしお年寄りは乗車中だけでなく、乗り降りの時にもこれがあると大変ありがたいとのことですので。デザインを重視するあまり使い勝手を犠牲にしてしまったら、こういった実用軽自動車の魅力は薄れてしまうと思うんです」。なるほど確かにその通り。というワケで和田さんにグリップを握ってもらいました。和田さん、色々と丁寧に説明して下さってありがとうございました! (新美)

「和田さんグリップを握る」の図

 5)楽しい用品も揃っています

 クルマの買うときの楽しみの1つに用品選びがある。今回の発表会には純正オプション品の装備されたステラも展示されており注目を集めていた。面白い用品をいくか見つけたので紹介したい。1つめはアンブレラホルダー。クルマに乗っていると置き場所に困ることの多い傘。たいていの人はリアシートなどに乱雑に置いているのではないだろうか? その問題に対応するのがこのアンブレラホルダーだ。ステラのアンブレラホルダーは運転席足元の邪魔にならないところに付けるようになっており非常に便利。おまけに固定ベルトや水受けトレーまで備えられている。これなら雨の日も楽しくなりそう? 価格は1万8375円となっている。

 こちらが自信作のアンブレラトレー

 次にパッセンジャートレー(1万6800円)も面白い。これは前に倒せる助手席シートの背もたれ部分における置けるトレー。後席に乗せた赤ちゃんにミルクをあげたりするときなどに便利そう。さらにこのトレーの四角に縁取られた部分は、マクドナルドでお持ち帰りをしたときにくれるトレーの大きさに合わせており、ピッタリと固定できるためポテトなどが散らかったりなどしないのも嬉しい。ちなみに用品の開発を担当した新実さんによると、一番自信のある用品はアンブレラトレーとのこと。(永田)


手前にマクドナルドのトレーを置けます

 6)嬉しい嬉しいエンジンの改良

<エンジン> 「R2」とほぼ共通のエンジン(直列4気筒DOHCとスーパーチャージャー付きの2種類)ですが、後発だけにそれぞれ改良されております。まずNAの方から。スペックはほとんど変わりませんけど、燃費が改善されている。コンピュータのソフトウェアを書き換えたことにより、22、5km/Lを実現しているそう。もちろん自動車税の軽減を受けられるグリーン税制適合車でありますし、排ガスだって国土交通省平成17年基準排出ガス75%低減レベルを達成していますから、環境にもちゃんと配慮されたエンジンと言えるでしょう。

 嬉しいのはスーパーチャージャー付きエンジンの方の改良です。最大トルクこそ1、0kg−m下がっていますが、今までハイオクを入れなければならなかったのが、レギュラー使用になったのです。ガソリン高いですからね〜。経済性高いはずの軽自動車にハイオクを入れなければいけないなんて、経済性高くない。とまぇそれぞれ改良されているわけですけれど、このエンジンの何よりの特徴は直4らしい静かさとスムーズさ。いくら直列3気筒エンジンを改良しても、直4に勝つのは簡単ではありませんよね。(新美)

エンジンと開発者の香川さん

 7)シャシーはR2とどう違う? 

 ステラのベースとなっているのはR2である。比較的全高が低いR2とハイトワゴンであるステラ(全高の差は125mm)でどのように違うのか? シャシー設計部の福島さんに話を聞くことが出来た。福島さんによると「R2と比べると、背の高いことに対応したセッティングとなっています。具体的にはサスペンションストローク量の延長、ロールセンターが高くなっており、R2よりも乗り心地を重視しています」とのこと。なるほど家族で使われるケースも多くなりそうなステラにはピッタリの味付けだ。細かい部分では電動パワーステアリングのECUセッティングの変更がされており、フィーリング向上が図られている。ブレーキも少ない踏力でも確実な制動力を発揮する、安心感の高いブレーキとなっているそうだ。走りでは定評のあるR2を細かい部分まで改良し、さらに熟成させたクルマといえるステラ。ハイトワゴンクラスでもナンバー1の走りを見せるか?(永田)

タイヤサイズは全グレード155/65R14となかなか贅沢です。

 8)ステラの印象を聞いてみました 

 ここまでステラを紹介してきたが、今回の発表会で実車を見た人の目にはどう映ったのだろう? 会場にいらっしゃっていた自動車評論家の松下宏氏に意見を伺った。松下氏は「人気のジャンルのクルマだし、それなりの台数は売れるのではないでしょうか。ただ、個性を売りにするスバルのクルマとしては、スタイルやコンセプトが他車と似ているのがちょっと残念かな」との意見。さらに「一番安いL(98万7千円)だとABSはオプションになる点が良くない。確かに100万円を切りたいのは分かるけど、命に関わる安全装備を削ってまでというのは評価できないですね」とおっしゃっていた。この意見には私も同感。できることならこの値段のままでABS付きにして欲しいものだ。また当サイトのご意見番でもある国沢親方は「新しいコンセプトのクルマじゃないけれど、軽自動車は実用性が重要。スバルらしさを感じるかどうか、乗ってから評価したいと思います」とコメント。スバル期待のステラがユーザー、メディアからどんな評価を受けるか非常に興味深いところだ。(永田)

こんなシートアレンジもできます

 9)スバルは自動車業界の吉本? 

 さて、最後に「ステラ」と直接関係はありませんが、スバルの方達についてちょっとだけ。今回の発表会で永田と僕が共通して思ったのは、「とっても楽しかった!」ということ。スバルの社員さん達は、気さくというか、どんどん話しかけてくれてとても取材しやすかったのです。「ねぇねぇ、ここも見てくださいよ」とか「ここはどう思います?」と、取材する側に対する開発者の姿勢が積極的だったように思えるのです。そして、面白い人も多かった。下の写真は小宮さんという広報の方なのですが、これはもうウケを狙っているとしか思えない(笑)。トヨタとの提携でスバルらしさの消滅が懸念されていますけど、こういった人々のいる限り、スバルは大丈夫だと思います。(新美)

(笑)

 10)ステラはスバル期待の星となるか?

<プレオはどうなる?> 雑誌等のスクープではプレオ後継と言われてきたステラ。しかし、今のところプレオもスバルのラインナップには健在となっている。プレオは今後どうなるのか? 商品企画の石塚さんに伺ってみた。石塚さんによると「今後もプレオの生産は継続されます。ただ、商用ユースや低価格車のみの設定となるでしょう」とのこと。プレオファンには一安心といったところか。またステラの登場により、スバルの軽自動車は中核となるステラ、広いスペースを必要としない人向けのR2、パーソナルなR1、商用、低価格に特化したプレオという棲み分けがハッキリとし、販売力も強化されそうだ。ちなみに売れ筋グレードは上から2番目、3番目となるカスタムR、標準タイプのLXと予想されている。

 今回の新車速報 ステラ編はいかがだったでしょうか? ステラの発表会には、クルマ好きにファンの多いスバルらしくというか、たくさんの担当エンジニアの方がいらっしゃっており、皆さんから楽しい話、貴重な情報をいただきました。結果、我々取材班も楽しく情報収集し、手前味噌になりますが充実した内容になったと自負しております。今年はすでに4台の新しい軽自動車が発売され「軽自動車の当たり年」となっている中、来週もダイハツからMAXの後継と言われているソニカが発表されます。もちろんこの新車速報でも情報発信していきますので、お楽しみ! 本日も最後までお付き合いありがとうございました。(永田)

黒はなかなか精悍!