アルシオーネSVXを最初に見たのは今年1月に行われたデトロイトショーだったが、このときは正直いってあまりカッコイイとは思わなかった。きっと読者諸兄も、このクルマのスタイルを見て「いい!」とすぐに思うことはないだろう。
 ところが、である。その後日本でアメリカ仕様に試乗したり、アメリカで数日間アルシオーネと過ごすと、評価が大幅に変わってきた。見慣れると可愛い、と思い始める女の子のようで、このクルマはなかなか奥行きがあるのだ。デビュー時はあまり騒がれず、時間が経つほど売れ出すというレガシィのような味わいなのかもしれない。以下、ジックリこのクルマを紹介したい。
 まずはボディだ。クルマというのは、写真で見るのと実物はけっこうイメージが違うもの。アルシオーネSVXもそいつがあてはまる。おそらくこの本を見てもあまり大きいと思わないかもしれないけど、ボクがこのクルマを見たときの第一印象は「うーん。こいつはけっこう迫力あるなぁ」ということだった。
 確かにスペックを見ると大きい。全長は4625o、全幅1770oもあり、これはフェアレディ300ZXの2by2を10pも長くしたようなプロポーション。ディアマンテとはほぼ同じなのだ。



 スタイルは2年前の東京モーターショーで発表されたSVXのイメージをそのまま残してる。富士重工に聞くと、フェンダーのフレアを縮小したため全幅がナローになった程度という。ガラスで被われたコクピットや、個性的な窓ガラスはうまく生産車にも継承しているようだ。また、ガラス面積が非常に大きいと言うことで、日本仕様はウインドゥに高価なUVカット(熱を反射する)ガラスを採用。蒸し暑い夏も快適性を確保できるように考えられている。
 ボディのデザインはジウジアーロによるものだそうで、そういわれてみるとボンネットからドアミラーあたりの処理はピアッツァと共通するものがありそう。ただアルシオーネSVXはピアッツァのようにジウジアーロそのものではなく、細部はけっこう手が加えられているハズ。
クルマ自体の狙いは『ツーリング2ドアクーペ』。つまり雪や大雨といった悪条件下でも、安心して走れるスペシャルティカーとして考えられている。確かに今後はスパイクタイヤが使えなくなる時代。2ドアスペシャルティカーとしても、このクルマのような全天候性能が求められるのかもしれない。世界的にみても雪が降る地方に住んでいる人の割合は大きく(特に高額収入者層)、クルマの完成度さえ高ければ意外に大きな需要があると思う。

 搭載されるエンジンは、カタログデータによれば形式は4バルブDOHC。3318tの水平対向6気筒とある。面白い排気量に感じるかもしれないが、これにはしっかり根拠がある。3318tを6で割って1気筒当りにすれば553t。このピストンで4気筒にすれば2212tになる。これはなんとアメリカ仕様レガシィの水平対向4気筒と同じなのだ。つまり信頼性や耐久性が実証されている従来の4気筒のパーツを多数流用し、2気筒分を加えたものと考えていい。
 エンジンを新規開発をするとなると途方もないお金がかかるが、これならいいエンジンを最小のコストで作ることが可能。ただシリンダーヘッドは新設計だ。レガシィ用のヘッドはバルブの挟み角が高回転型となっており、そのままだとアルシオーネが狙ったパワー特性にはならない。そこで燃費や騒音の低下も実現できるよう、まったく新しくしたとのこと。このあたりは開発ストーリーを読んで欲しい。 また、アメリカ仕様の最高出力は230馬力となっているものの、日本仕様はオクタン価の高いガソリンに合わせ、240馬力までパワーアップ(アメリカのハイオクは96オクタン程度しかないのだ)。一部ではターボが追加されるというウワサもあるようだが、これはない。というのも最初から計画にないとのこと。



 では試乗だ! 大きめのドアを開け、コクピットに座ると室内は案外タイト。もちろんウインドゥ面積は大きいから解放感はあるが、同時にインテリアに包まれたような雰囲気を持つ。なんかに似てるな、と思ったら飛行機。このあたりはいかにも隠れた名戦闘機といわれる『疾風』を作っていた富士重工らしい味が出ている。
 インテリアはシンプル。現行のアルシオーネはスイッチや操作パネルが超派手。まるで近未来のクルマみたいなダッシュで、コンピューターから生まれたクルマというイメージがある。が、アルシオーネSVXメーターさえもアナログで、スイッチ類にも奇抜さは感じない。もちろんパワーシートやCD付きのオーディオといった豪華装備は標準となるが、相当常識的。
 さあスタートだ。革巻のセレクトレバーをDレンジにシフト、アクセルを踏み込む。すると思ったよりずっと軽くスタート! 最高出力は240馬力ということで、試乗前はあまり期待していなかったが、けっこうトルクは太い。データを見ると最大トルクは31s。これはNSXより強力なのだ。しかもトルクバンドは広いから、通常の使用では優れたアクセルレスポンスを持つし、発進時のパワーフィールも充分満足出来ると思う

 高速回転域は水平対向6気筒の超得意とするところで、振動はほとんど感じない。テストコースでは180qのクルージングを楽しんだが、法さえ許せばまったくストレスを感じることはなかろう。ちなみにギア比は非常に高く、100qでも2100回転少々(タコメーターでは読み切れない)。したがって高速クルージングでも静かだろう。アクセルワークを丁寧にすれば好燃費も期待できる。


 足回りと駆動系はレガシィと非常によく似ている。サスペンションは、フロントがロアアームを持つストラット。リアもデュアルリンク式ストラットの4輪独立懸架。
このサスペンション形式はスポーツカーとして考えれば不満があるものの(やはり限界性能だけを追究すれば、キャンバー変化の少ないマルチリンクやWウィッシュボーンがベストだと思う)、様々な状況を克服しなてはならないロングツアラーとしてはメリットが大きい。
 一例がサスペンションのストローク(タイヤが上下する距離)。Wウィッシュボーンやマルチリンクは、サスペンションストロークを長くしようとすると長い上下のアームが必要となり、サスペンション自体が大きくなってしまう。荒れた路面を高速で駆け抜ける時には、ストロークが長くないとダメなのはいうまでもない。そういった見地に立つと、アルシオーネSVXのような全天候性のクルマはストラット式のサスペンションがマッチしていたりするのだ。
ここでストラット式の弱点である『キャンバー変化』という専門用語を説明しておこう。タイヤが100%の性能を発揮するためには、当然ながら路面に対し垂直になってないとダメ(前から見てタイヤの下面がすべて接地している状態。)。ところがコーナーでクルマが傾くとタイヤも傾き、タイヤの接地面が減ってしまう。こうなるとタイヤの性能を発揮するのが困難になるのはいうまでもない。ストラット式はその変化量(これをキャンバー変化という)が大きく、コーナーでフラフラする原因になる。
 FRやFFだとこのキャンバー変化が致命的になるため、スポーツカーはキャンバー変化の少ないサス形式を選ぶのだ。ところが許容度の大きい4WDはこの弱点をうまくカバー出来る。実際にアルシオーネSVXはオーバー200qでも(最高速は235qくらい出るという)ほとんど手放しで走れ、コーナーでフラ付くこともなかった。



 その4WDシステムだが、アルシオーネSVXには****という前後の駆動力を変化させるシステムが採用されている。これは前後の駆動力配分を前後35%/65%から、50%/50%まで変化させるもので、ハイスピードコーナリング時は後輪駆動車に近い味が出るという。
実際にチェックしてみたが、確かにアメリカ仕様と違って限界まで追い込んでも大きなアンダーステアは出ない。もちろんFRのようにテールスライドをすることはないが、案外ナチュラルなハンドリングに仕上げられている。
 また、レガシィのようにコーナーの入口でアクセルを戻してやると、きれいにテールは流れる。しかもコントロール性は非常に高く、安心して攻めることが出来る。
 富士重工ではアルシオーネSVXをロングツアラーだといっているが、ハンドリングに関しては4WDスポーツのなかでもトップクラス。限界スピードも高い(アメリカの雑誌によるテストでは、フェラーリ・テスタロッサと同等のコーナリング速度をたたきだしている)。

アルシオーネSVXのグレードは二つ設定されている。どちらもエアコンからアルミホイールまで標準装備で、違いは4WSとABS、クルーズコントロールの有無となる。ABSはコスト高になるものの、その分高度なコントロールを可能とする4チャンネルタイプ。4チャンネルタイプはNSXやGT−Rに採用されているのをみても解る通り、条件が悪くなればなるほど細かい制御を実現できるシステムである。
 滑りやすい雪道から舗装路までという広い使用条件では、やっぱりこの方式しかないというのが富士重工の主張。ボクも様々なクルマのABSをテストしてきたが、確かにこの会社のABSはバランスという点ではレガシィを含め最良の性能を持っていると思う。
 そしてミッションはATのみ。このあたりまでくるとアルシオーネSVXの狙いが明確になる。富士重工は本気で世界一悪条件に強いスポーティクーペを作ろうと考えているのだ。クルマの3大要素は「走る・曲がる・止まる」である。このクルマは雪道からドライ路面までをトータルすると、世界で最も性能の高いクーペだといって間違いなさそう。前にも触れたが確かに世界の先進国のうち、雪の降る地域は多いし、日本でさえスタッドレス時代になれば関東以北はSVXのようなスポーティカーが便利だろう。



 しかし問題がないわけじゃない。それはクルマとしての魅力。フェアレディZにしてもソアラにしても、サイフのヒモをこじ開けるような魅力があるから高いお金を出してしまうのだ。アルシオーネSVXはこの点でちょいとばかり地味。最初にも書いたように、一発目に与えるパンチが弱いのである。でもレガシィがそうだったように、富士重工のクルマはドカーンと売れるよりジワジワ売れて行くパターンが得意。
 おそらくこのクルマもオーナーになった人の口込みで、良さは浸透していくのだろう。ボクも一台しかクルマを持てなければ、こいつを第一候補にあげると思う。だって、4人乗れて235q出て、コーナーは速くてスキーに行けるクルマなんてそうないでしょ?
 そうそう。つまらないことだけど、インパネの木目はちょいと気に入らない。ディーラーオプションかなんかで本杢目のパネルかなんかが出たら迷わず交換したほうがいいと思う。以上ザッと説明したが、おすすめグレードは333万3千円と安いVEにABSとエアバックのオプションを付けたもの。価格はライバル関係になると思われるGTOのATとほぼ同じ360万円だ。

 日本では9月18日の発表ということで、アルシオーネSVXを公道で試乗するのは時間的に無理(この本の締切に間に合わない)。ところが面白いことにアメリカでは8月下旬に発売されており、富士重工に問い合わせると試乗できるクルマもあるとのこと。それなら、ということでちょいとアメリカに出かけてみた。
 いつもながら長いフライトを終えロス市内のホテルに着くと、すでにSVXはパーキングに止まっていた。カラーは黒。初めて見るカラーバリエーションだが、こいつは案外SVXに似合っている。特に西海岸の青い空にはピッタリといった感じ。
 すでにアメリカでは雑誌にSVXの試乗記が出ており、なかなかの評価をもらっている。空港で買ったロード&トラックという雑誌を見ると性能テストをしており、確かに素晴らしいデータ。
 例えばスキッドパッドというアメリカならではのテスト項目がある。これは日本で言う定常円旋回。つまりフラットな路面に円を描き、その上をグルグル回りコーナリング能力をチェックするテスト。ここで発生する横Gが大きければ、コーナリングがいいということなのだ。



 驚いたことにこのテストでSVXは0、92Gというデータをマークしている。0、92Gといってもピンとこないだろうが、これはポルシェカレラ2より速く、フェアレディ300ZXターボやフェラーリ・テスタロッサと同等の数値。スポーツカーとしても超一流である。
 また、ブレーキや加速性能も素晴らしく(0〜400m加速はソアラの4リッターより速い)、この本を見る限り、二万五千ドル(約340万円)で買えるクルマとしては最良の一台だと思える。
「そんなに性能がいいのかね?」と思いつつ試乗車をピックアップし、撮影のために街に出る。とはいっても本格的な走りはもう少し後。そこでまずは注目度をチェックすることにした。

 結論から言うと、SVXに対する期待は想像以上であった。仕事柄ロスで新型車に試乗する機会は多いのだが、写真を撮っていて話しかけられる率はフェアレディ300ZX以来で最高だったように思う。
 意外だったのはスタイルに対する評価。日本では「パッとしない。目立たない」という声も多いようだが、ロスでは圧倒的に「ナイス・カーだね」という声を掛けられる。
 詳しく聞くと、やはりスタイルがいいのだという。ボクも最初のうちは「アメリカ人好みなのかね?」と思っていたが、数日SVXにつき合うと徐々に「いい!」と思えるようになってきたから不思議。
 どうやらこのクルマ、パッと見はあまり目立たないが、長くつき合うと良さが解って来るタイプの女の子みたい。ボクもインテリアに使われている変な模様のダッシュパネルを除き、相当好きになってしまったのだった。

 本格的な試乗に入る前に、日本仕様とアメリカ仕様の差を紹介したい。まず外観だが、これはスポイラーが違うそうだ。アメリカ仕様は写真を見ても解るように、スタイリッシュなスポイラーが付けられる。
 このスポイラー、なかなかいいデザインだと思う。日本仕様のアルシオーネSVXと比べてもらえば解ると思うが、明らかにこのスポイラーを付けたほうがスポーティ。日本仕様もオプションで大きなスポイラーが用意されるということだが、果してどんな形か楽しみ。
 カラーもアメリカ仕様はモノカラー(一色)がメイン。日本はツートーンが多いそうだが、ボクは黒のモノカラーがSVXに似合うと思う。黒だとSVXのきれいなラインがよく見えるが、ツートーンだとウエストラインのところでクルマのデザインが分断されてしまう感じでもったいない。
 後は日本仕様とまったく同じ。アメリカ仕様が写真でカッコよく見えるなら、おそらくカラーリングの違いのせいであろう。日本仕様にもモノカラーはあるので、ボクはそちらをプッシュしたい。



 インテリアはとっても富士重工らしい。驚いたことにエアバックだけでなく、パッシブシートベルト(ドアを閉めると電動でシートベルト動き、自動的に装着するシステム)が標準装備なのだ。
 アメリカのレギュレーションでは「パッシブシトーベルトまたはエアバックを装備すること」となっているので、これまでは両方付けているクルマがなかった。
 この件を富士重工に聞くと「エアバックが付いていてもシートベルトが締まってないと効果はありません。しかも助手席の人を救えるのはシートベルトですからコスト高を覚悟で両方付けました」とのこと。
 富士重工は最近アメリカでボルボに対抗するコマーシャルをやっている。内容は濡れた路面でボルボが壁にぶつかるシーンが登場し「ボルボは丈夫です」というナレーションが入る。次にレガシィが走ってきて壁にぶつかるかと思いきや、ABSが効いて壁の前で止まる。で「レガシィはもっと安全です」とくるのだ。
 富士重工はこのところ安全をキーポイントにしているようで、その結果がパッシブ+エアバックの組合せになったのだろう。ちなみにパッシブシートベルトは日本ではまだ認可になっていないようだ(輸入車についてはOK)。

 足回りは4WDのシステムが異なる。アメリカ仕様はシンプルなセンターデフタイプの4WDで、前後のトルク配分は50対50の固定(レガシィと同じシステムだ)。この国ではコーナーを攻める人が少ないので、難しい機能は不要なのかもしれない。
 エンジンは基本的には同一ながら、アメリカ仕様の方がやや低く230馬力。これはハイオクガソリンのオクタン価の関係らしく(日本は最低98オクタン。アメリカは最高でも97オクタン程度)、高回転での伸びが違うという。

 では試乗だ! 最初はアメリカの雑誌で好データを残しているエンジンのチェックをするため、ハイウエーに入る。ここでいつもの通り、全開加速! するとやっぱり速いじゃないの! 100qまでは6秒少々で到達し、そのままアクセルを踏んでいるとあっけなく200qをオーバー。空力がいいためか、まだまだ加速は続きたくさんq出てしまった。
 ヨーロッパ仕様の最高速は235qだそうだが、この数字は確実にマーク出来る、と思う(ボクが出したとはいっていない)。日本で試乗した時は狭いテストコースだったのと、慣らしもしていない新車だったため220qしかマーク出来なかったが、走り込んだテスト車は本当に速い。
 それにスピード感がなくなるテストコースと違い、公道だと他車との比較も出来るので実力通りの速さを体感出来るもの。おそらく日本仕様も公道なら充分速いと思う。実力的にはフェアレディ300ZXのノンターボといい勝負かもしれない。



 エンジンフィールも良好。撮影のため外で走行音を聞いてきたら「クォーン!」という非常に抜けのいいサウンド。直列6気筒と違い、シャープな排気音が特徴だ。しかも前にも書いたがアメリカで乗ったクルマは完全に慣らしが済んだ状態だったため、各ギア共レッドゾーン直前まで軽々回った。
 次はハンドリングである。日本仕様は前後のトルク配分を変えるシステムが付いているため非常に素直な味付けだが、アメリカ仕様は普通の4WD。どういったハンドリングなのか非常に興味があった。
 ということで、挨拶変わりに割とキツメのコーナーに飛び込んでみた。するとけっこう速めに進入したつもりなのに、何気なく通過されてしまった! 相撲で言う「肩すかし」というワザを食らったみたいで、タイヤすら鳴かない。

 よーし、やったろうじゃないの!ということで、次は本気で攻めてみることにした。すると今度は4WD車の限界時に現れるアンダーステアが顔を出しクルマが負けたのだが、本当にコーナリング速度は高いようである。
 外誌のテストデータである0、92Gは充分マークしそうな程で、以前試乗したフェアレディ300ZXとまったく遜色ないレベルにある。しかもハンドリング特性もコントローラブルで(レガシィを大きくした感じで、テールを流したときのコントロール性が高い)、でかいボディを振り回すことも可能。
 もちろん限界まで走り込むと気分のいい4輪ドリフト気味になる日本仕様と違い、典型的なプッシュ・アンダーステア(後ろから押される感じで前論が外にふくらむ)が出る。でもそれまではとても素直。
 高速安定性は最もチェックしたかった項目だった。というのもアメリカのハイウェイは凸凹が多く、出来の悪いクルマはハンドルを取られがち。SVXのサスペンション形式であるストラットは凸凹でのアライメント変化が大きく(勝手に4WSをしてしまうのだ)、進路を乱す例が多い。
 ところが思いきりスピードを上げても直進性は良好。おそらくそういった場面ではフルタイム4WDの持ち味がしっかり出て、ビシッとしたスタビリティを確保することに成功しているのだろう。

 さて、日本とアメリカでアルシオーネSVXにたっぷり試乗したが、このクルマをどう評価したらいいだろう。
 まずチェックポイントその1であるスタイルだが、これは慣れると相当気に入ると思う。ボクはいまだに日本仕様のツートーンはいいと思えないが、モノトーンの方はボディが塊に見えてきれい。味けのないフロントグリルも見慣れるとシンプルで好ましく、飽きがこないかもしれない。
 その2はインテリア。スペースや快適性は高く、4人でのロングドライブもまったく問題はなさそう。何度も書くが、ダッシュの木目以外は色使いも好感が持てる。
 その3はエンジン。日本仕様は高回転で雑音が出ていたものの、アメリカ仕様はクリアなサウンドでパワーもあった。日本仕様は先行試作モデルなので、アメリカ仕様くらいに仕上がっていればまったく問題はないと思う。
 その4のハンドリングは高い点を上げていい。フルタイム4WDの、しかも高速ツアラーとしては相当レベルが高いところにある。
 という具合いで、このクルマは想像以上によく出来ている。やや地味なスタイルのせいで、見慣れる必要があるのがネックとなりそうだけれど、レガシィ同様序々に評価が高まってくると思う。
 ボクの家には幸い駐車スペースがあるので数台のクルマを所有できるが、もし一台に絞れといわれたらアルシオーネSVXは理想に近い存在かもしれない。