<プレオのデビュー時>
「ヒト」という生き物にとって「コダワリ」は非常にやっかいな性分だと思う。例えばお茶を飲みたい場合、最低限安っぽいプラスティックの容器があればいい。他にお茶を入れるモノが無ければ誰でも文句をいわないだろう。しかし様々な器を入手出来る環境になると、誰でも口当たりの良い焼き物を求めるようになる。さらに余裕があれば、仕上がりまで気になるようになっていく。
クルマも同じこと。基本的には移動するための道具だ。他に手段がないとすると、動くだけで有り難いと思ってしまうだろう。なのに「コダワリ」という性分がムクムクと湧いてきた途端、単なる道具でなくなるから面白い。これは買う側でなく、作る側にも言えること。どうせ作るなら少しでも良いモノを作りたい、というのがニンゲンの不思議なところ。
最近のスバルを見ていると「コダワリ」を感じてならない。例えばエンジン。現在広く使われている新世代の水平対向エンジンは、10年前、初代レガシィに搭載されデビューした。普通のメーカーなら、モデルチェンジの時に小さな変更を加える程度だと思う。実際、10年前とほぼ同じスペックのエンジンを使っているメーカーは多い。いや、それが常識か。
なのにスバルは明らかに解る改良だけで5回行った。先代レガシィでさえ、デビュー時とマイナーチェンジの2回手を入れ、普通なら10年分くらいの進化してるのだから。さてさて、プレオである。このクルマのハンドルを握って驚いたのが、質感の高さ。一般的に軽自動車というのは、移動の道具に近い存在。とりあえずエアコン付いてパワステ付いてオーディオ付いて安ければいい、だ。
おそらくプレオの開発チームは、その認識を受け入れたくなかったのだろう。「コダワッタ」と表現してもいいか?少なくとも従来の”ケージドウシャ”というイメージではない。個人的に「そこまでやる?」と感じたのがAT。スバルはヴィヴィオで金属ベルトを使う無断変速CVTを採用していた。このAT、スクーターのように変速ショックがなく快適ながら、発進の時だけスムースさに欠ける。
いや、ケージドウシャだと割り切れば従来型でも十分だった。でもプレオの開発スタッフは「もっと良くなる」と考えたのだろう。スタート用に普通のATと同じトルコンを採用。つまりトルコンATのスムースな発進と、CVTの滑らかな加速感の両立を狙ったワケ。只でさえコスト高なCVTに、一段とお金を掛けたのだ。
結果、素晴らしいATを得たと思う。普通の乗用車でも、これほど気持ちよく走れるATはない。しかもスポーティグレードは、ハンドル部分のスイッチでシフトチェンジ可能な7速マニュアルタイプとしている。考えようによっちゃ「過剰」な装備なのだが、コダワリを尊ぶタイプの人にとっては辛抱タマランというもの。
エンジンも二重丸を付けておく。アクセルを開けた瞬間からレスポンスするスーパーチャジャー過給なので、パワーの出方が自然。64馬力仕様は1000tくらい。58馬力仕様だと800tくらいのターボ無しエンジンのように走ってくれるのだ。やや大人しいフロントマスクは御愛嬌ながら、スバルのイメージに負けていない”小型車”に仕上がっていると思う。
<CTに掲載されたネスタの記事>
激しい戦いが続いてる軽自動車戦線ながら、プレオはちょいとばかりハンデを抱えていた。そいつぁ「スタイル」である。人気抜群のワゴンRやライフと比べ、やっぱし地味。顔つきにイマイチ気合いが入ってないんだな。いや、正確に表現すると、年輩のユーザー層の評判は決して悪くないのだが、若いヒト達の食い付きイマイチとか。プレオのキャラクターであるナカタ選手のイメージを持ってしても、クルマは売れない。もちろんスバルの開発陣も解っていたんだろう。昨年10月にプレオ発表した時点で、若向きの別バージョンを仕込んであった。
どう違うかは写真を見て欲しい。一応「ヨーロピアンテイスイト」だというので、赤坂にある迎賓館の前でサックリ写真カッパらうことに。走りも国会議事堂前コーナーだ。タイヤ鳴らすワケにもいかんので攻めてないけど。自動車雑誌でこの2カット決めたの、CTだけでしょ。マトモな編集者はバカらしくてそんな写真取らないだけ、というウワサもあるが……。少なくとも普通のプレオよりずっと存在感あるし、ワタシは気に入った。意外だったのがリア。ずいぶんイメージ違うけれど、リアハッチゲートは普通のプレオと同じ。リアコンビのデザイン換えただけで、雰囲気まで変わっている。
走りはどうだろう。スタート用のトルコンの容量を上げたり、エンジンマウント改良して静粛性を高めたりしたとか(普通のプレオも同時に改良され、10・15モードネンピも向上した)。久しぶりで乗ったので前のプレオを忘れているけど、比べるまでもなくホントにスムースである。エラく気に入るのがギア比で、CVTのメリットをフルに使い高速巡航しても回転数低い。売れ筋となる「ちょっとだけ過給」エンジンを搭載するモデルは、ハイパワーターボ以外でイチバン巡航時のエンジン回転低いと思う。これなら将来高速道路の制限速度が100qになっても快適。
64馬力のハイパワーターボにも試乗してみた。コッチは相変わらずパワフル。例のスイッチ式シーケンシャル制御の7速CVTをフルに使うと、マニュアル車みたいに走る。普通のスイッチ式ATって、せいぜい2速と3速を切り替えるくらい。7速あると、ワインディングロードでも2速から5速までの4速を使えて楽しめる。この7速CVTに乗る度に「スポーツカー作ったらエエのに」と思う。スタイル的に評価すると、もはや圧倒的にネスタだろう。ワタシくらいのジジイでさえ普通のプレオよりネスタがイイ。人気になるに違いない。
<afの記事>
人気の軽自動車の中にあって、ちょっとばかり地味なスタイルなのがスバル・プレオ。顔つきに鋭さないし、リアビューもステーションワゴン風で個性薄い。人気抜群のワゴンRやライフと比べ、やっぱし地味だと思う。それでも高年齢層の評判は悪くないのだが、若いヒト達の食い付きイマイチとか。まぁワタシでさえプレオもスタイルは物足りないです。おそらくスバルの開発陣も解っていたんだろう。昨年10月にプレオ発表した時点で、違うスタイルの別バージョンを用意してた。
それが今回紹介する『ネスタ』である。ネスタとは「ニュースター」という意味。どう違うかは写真を見て欲しい。コンセプトは「ヨーロピアンテイスイト」と言う。驚くのがプレオと全然違って見える点。特にリアビューなどは、バックドアそのものは同じなのに雰囲気まで変わった。フロントスタイルも、全然違う。普通のプレオよりずっと存在感あるし、ワタシは気に入った。ドレスアップする時の参考になる。さすがメーカーのデザイナー、やるとなったらやる。
個人的には車高ある軽自動車のミニミニバンでヨーロッパ車みたいなグリルが似合うかな、と思ってたけれど、案外とマッチングよい。グリルそのもの形状もメッキの質感などキチンと出ており、安っぽさを感じさせずに仕上がっていた。もしかしたらネスタが出たことによって、プレオの販売台数の販売台数を押し上げるかも。ちなみに車両価格が高く感じるのは、プレオだとオプション設定になっているABSなどを標準で装備しているためで、車両価格は5万円程度高いだけ。
走りはどうだろう。発進時に使うトルコンの容量を上げたり、エンジンマウント改良して静粛性を高めたりしたとか(普通のプレオも同時に改良され、10・15モードネンピも向上した)。エラく気に入るのがギア比で、CVTのメリットをフルに使い高速巡航しても回転数低い。売れ筋となる「ちょっとだけ過給」エンジンを搭載するモデルは、ハイパワーターボ以外でイチバン巡航時のエンジン回転低いと思う。これなら将来高速道路の制限速度が100qになっても快適。
64馬力のハイパワーターボにも試乗してみた。コッチは相変わらずパワフル。例のスイッチ式シーケンシャル制御の7速CVTをフルに使うと、マニュアル車みたいに走る。普通のスイッチ式ATって、せいぜい2速と3速を切り替えるくらい。7速あると、ワインディングロードでも2速から5速までの4速を使えて楽しめる。この7速CVTに乗る度に「スポーツカー作ったらエエのに」と思う。シフトを繰り返してワインディングロード走ると、ミニバンだということを忘れてしまうほど。
これで軽自動車の主なラインナップは全て出そろった。大いに迷うと思うが、ワゴニストの読者諸兄が買うとなると、やっぱしターボ無しモデルじゃ辛い。となるとワゴンR、ムーヴ、トッポBJ、ネスタの4車種に絞られてくる。この中で最もオトナっぽいのが、ネスタかもしれない。ワゴンRのRRとか、裏ムーヴだと少し子供的。コストパフォーマンス高い「ちょっとだけ過給エンジン」(900tのノンターボエンジンと同じような実力)から選ぶとなると、ワゴンRかネスタ。ワタシはネスタをプッシュしておく。