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5代目セルボ発表会
1)スズキの隠し玉、セルボが登場
今年は1月に発表されたアイを皮切りに、10月までに新規モデル&フルモデルチェンジが続々(何と7モデル!)。軽の当たり年となった。「さすがに年内もう新しい軽自動車は出ないだろう」と思っていた方も多いかもしれない。しかし、軽自動車業界の勢いは留まることを知らないらしく、本日スズキからスペシャリティな軽自動車「セルボ」がされた。セルボというモデル、一昔前までは独自の個性を売りにする軽自動車としてファンの多いクルマだった。そのセルボが軽自動車へのニーズが多様化している21世紀に復活した。久々にカムバックしたセルボはどんなクルマなのか。今回もじっくり見ていこう。(永田)
新型セルボと津田社長
2)目標は誇りを持てる軽自動車!
新型セルボを簡単な言葉で紹介すると「カッコ良さを売りにする軽自動車」となるのだけど、それだけを狙いに開発されたわけではないようだ。新型セルボの開発コンセプトは「Fit On My Style」。「生活やライフスタイルにあった軽自動車ってなんだろう?」と思う方も多いだろうが、スズキによれば「軽自動車の一番のメリットである、使い勝手の良さや経済性はそのままに、カッコいいデザイン、スポーティさ、パーソナル感を追求した」とのこと。
つまり、マイナス面は最小限にしながらスペシャリティな軽自動車を作りたかったとのである。このような軽自動車が出てきた背景には、軽自動車のユーザー層の変化も大いに関係している模様。ここ最近、男性や熟年層の割合が増加し、女性ユーザーからの要望も「かわいい車が欲しい」という声と、「かわいいだけでは物足りない」との意見の両方が増えているそうなのだ。この状況を見れば、新型セルボのような軽自動車の必要性も分かっていただけると思う。
ちなみにこのクルマにセルボの名前を使った理由について商品企画を担当された横山さんに聞いてみると「スペシャリティというコンセプトやデザインを考えると、開発スタッフから自然とセルボの名前が出てきた、といったところですね」とのこと。やはりスズキにとってセルボは大事な名前なのだろう。今度は絶版にならないよう願いたい。(永田)
3)スタイルだけなら軽自動車に見えません
セルボのスタイリングのテーマは「エレガントで躍動感のあるエクステリア」である。具体的には“セルボと一目で分かる存在感を持ちながら、オシャレに乗りこなせるデザイン”を目指したそうだ。皆さんはセルボのデザインを見てどう思われただろう? 「街で見たら一発でセルボと分かるし、軽自動車とは思えないボリューム感や存在感がある」(ご意見番の国沢氏)。“軽自動車とは思えないデザイン”というと、セルボのライバルとなりそうなソニカもデザインの方向性は違うけど、軽自動車離れしたデザインと感じる。この2台はコンセプト、デザインともにいいライバルとなりそうだ。
エアロなしの顔つきはプレーンな感じに
スタイリングを引き立てるボディカラーにも2色の新色が設定されるなど、かなり気合が入っている。今回ボディカラーの選定を担当された西尾さんにお話を伺うと、「ボディカラーのテーマは夜景です。夜景をテーマにしたのは新型セルボに大人っぽい雰囲気を盛り込みたかったからです。その意味で新色のジュエルパープルパールメタリックが一番相応しいと思っています。もう1色の新色となるビーナスゴールドメタリック(津田社長と写っている新型セルボのボディカラー)も、室内ではなく屋外で見るともっと違った魅力があるので個性をアピールしたい方にはこちらもおすすめです」とのことだった。カッコいいスタイルに7色のボディカラーの用意された新型セルボは、ボディカラーを選ぶのも楽しい作業となりそうである。(永田)
手前のクルマの色がジュエルパープルパールメタリック
4)インテリアも独自路線!
スタイルに続いてインテリアを見ていこう。インテリアデザインの目標は「運転席のスポーティさ(=包まれ感)と助手席の広さ感の両立」である。ちょっと矛盾する感じもするこの2つの要素を両立するために用いられたのが「S字型インパネ」だ。
S字型インパネとはどんなものか? 写真を見て欲しい。ちょっと見づらいかもしれないが、インパネを右から左に向かって見ていただくと、アルファベットのSの形に見えることだろう。運転席のある右側はドライバーに近いため包まれ感を、助手席側はダッシュボードが遠くなるため広々感を両立できるということなのだ。なかなか面白いアイデアだと思う。ちなみにダッシュボードやトリムのシボ(模様)はリーフ(やわらかい葉)をイメージした意匠だそうだ。また、専用デザインのオーディオやゲート式のセレクターがおごられているのもよりスペシャリティ感を引き立てる演出として大きく貢献している。
左上を開けると大きな物入れが
新型セルボのインテリアでもう1つの魅力的な部分としてシートが挙げられる。シートは写真の通りセミバケットタイプで、ホールド性は申し分ない。しかも、座面が硬めで長距離走行でも疲労の少ないタイプのように感じた。このようなシートが与えられたのは新型セルボがスポーティさとプレミアム性を売りにするクルマなのだからだろう。ちなみに、前席の広さ自体はごく平均なところ。広さを重視するクルマではないので、これで十分かと。(永田)
一見すると小型車のシートのように見えます
5)広さ重視ではないですが
前の項で「広さを重視するクルマではない」と書いたが、「まったく使い物にならないリアシート、ラゲッジスペースでは困る」という方もいらっしゃると思うので、この2つをチェックしてみよう。
リアシートは「座高の高い人だと、ちょっとヘッドクリアランスが厳しいかな」といったところ。代わりに着座位置が高いので、足元空間は意外と広い。また、ドアの開口角度が広いのも隠れた魅力だ。
4人乗りもさほど苦にならないでしょう
ラゲッジスペースは普通のハッチバックの軽自動車としてみれば広い方だろう。リアシートを倒すと大きな買い物にも十分対応できそうだ。
もちろんリアシートは分割可倒式
このように、デザイン重視でありながらも新型セルボは必要十分以上の実用性を持っていることがお分かりいただけたと思う。このくらいの広さがあれば、たいていの人は満足できるのではないだろうか。(永田)
6)パワートレーンではATに新しさが!
新型セルボのエンジン、トランスミッションは基本的にワゴンR、MRワゴンといったスズキの軽自動車に使われている3気筒エンジン+4速ATを使う。
エンジンはNAと扱いやすさを重視したMターボの2本。新型セルボに搭載するにあたっての改良部分はなかったそうで、今までとまったく同じものと考えていいだろう。
写真はMターボエンジン
4速ATも今まで使われていたものとハードウェア的には変わらないものの、新型セルボではターボ車にマニュアルモードが設けられたことが新しい。マニュアルモードの導入についてトランスミッション設計部の山下さんに聞いてみると、「マニュアルモードを付けたのは、やはり新型セルボがスポーティな性格だからです。AT車でもできるだけ楽しい走りを味わって欲しいですから」と答えていただいた。ちなみにCVT仕様(最近ワゴンRのNA車に追加された)の追加については「もちろん技術的には可能ですが、今回はコスト等の都合で見送りました。将来的にはセルボのスペシャリティ性を上げるためにも設定したいですね」。もし、CVTが設定されれば、セルボがもっと魅力的になるのは間違いないだろう。ぜひとも、CVT仕様のセルボも欲しいところだ。(永田)
7)シャーシには専用チューンが
新型セルボのシャーシはワゴンR、アルト、MRワゴンに使われているもの。そのため特に新しい部分はない。しかし、新型セルボの性格に対応した専用のチューニングが行われている。専用チューニングの内容は
1.スプリング、ダンパーのセッティングの最適化
2.スタビライザーの追加
3.ウレタン製バンプラバーの採用(バンプラバーとはサスペンションがフルストロークするときのショックを吸収するためのもの。ウレタン製の方がゴム製よりも揺れの収まりがいいため、乗り心地向上などに寄与する)
4.ステアリングギアレシオを一般的な軽自動車よりもクイックに設定
などである。これらの変更はスポーツ性の向上だけでなく、乗り心地や取り回しの向上にもつながることなのが嬉しい。
また、ボディ構造も基本的にはアルトと同じ構造を使っているが、補強のやり方や板厚の見直しが行われ、必要な剛性を確保しながらも重量を増やさないよう配慮されているそうだ。
非常に評判がいい新世代のスズキの軽自動車用のシャーシに、専用のチューニングが施されたセルボの走りは、大いに期待できるものに仕上がっているのではないだろうか。(永田)
写真はターボ車に付く14インチアルミホイール。NA車は13インチホイールになります
8)装備も軽の枠を超えています
新型セルボはスペシャリティな軽自動車がコンセプトになっているだけあって、装備もコンパクトカー以上に充実している。その中から目立つ装備を2つ紹介しよう。
1つ目は全車に標準装備されるキーレススタートシステムだ。このシステムは他社でキーフリーシステムなどと呼ばれているもので、リモコンさえ持っていれば、鍵の開け閉め、エンジンの指導ができる。装備自体はもう珍しくないけど、軽自動車でありながら全車に標準装備というのがすごい。
2つ目はターボエンジンのTとTXに装備されるハンズフリーシステムである。Bluetooth対応の携帯電話をお持ちの方だったら、あらかじめ登録しておくだけでコード等使うことなくハンズフリー通話ができるのだ。新型セルボを買ったら携帯電話をBluetooth対応にしてもいいだろうし、逆に初めからクルマがBluetooth対応になっているからと新型セルボを買ってしまう人もいるかもしれない。
右上のボタンを押すと、通話が出来ます
キースタートシステムが付いているので、付随してセキュリティーアラームまで全車に付くのも嬉しい。軽自動車の購入をご検討される場合には、ぜひセルボの充実した装備も一目見ていただきたい。(永田)
9)グレードは3つ、買い得感高し
新型セルボにはNAエンジン1グレード、ターボエンジン2グレードの合計3グレードそれぞれに4WDもある)が用意される。
NAエンジンのG(FF車で103万7400円)でABSがオプション扱いになっていることを除き、キーレススタートシステムまで含め基本的にフル装備状態。クルマを足として使うユーザーだったらこのグレードでも十分だろう。
ターボエンジンはT(114万2400円)とTX(124万7400円)の2種類。TはGに対してターボエンジンの他、ABSや14インチホイールなどが追加される。追加される装備の価値を考えると、少ない上乗せ額でターボ車に乗ることが出来る計算。このグレードが一番お買い得といえそうだ。
最上級のTXはTの10万5000円高でアルミホイール、エアロパーツなどが付く。「純正のエアロパーツがいい」と考えているユーザーにはこのグレードがいいだろう。
価格設定はスペシャリティな軽自動車であることを考えると、全体的に割安感のあるものだと思う。ライバルとなりそうなアイ、ソニカ、R2あたりと激しい販売競争を繰り広げることになりそうだ。(永田)
大型モニターを使っての商談も可能
10)カッコイイ軽は今後活性化していくのか?
セルボという名前を聞くと、かつての4WDターボのような本格的なスポーツバージョンの登場を期待されている方も多いのではないだろうか? このあたりについて商品企画を担当された方に伺ってみると、「今のところは街乗り等の実用域で使いやすいクルマを目指しているので、スポーツグレードの設定は考えていません」とのことだった。ガンガン走りたい人向けの軽自動車は、今後もKeiワークスが担当していくのだろう。また、一部の雑誌などで「新型セルボがKeiの後継モデルとなる」という報道もあったが、そのようなことはなくKeiの生産も継続されるそうである。
今回の新車速報「セルボ編」はいかがだったでしょうか? 新型セルボは今までスペシャリティな軽自動車を持っていなかったスズキにとっては、イメージ向上に貢献しそうな1台となりそうです。また、月間販売目標台数も5000台とかなり数が見込まれているので、最近ダイハツに押され気味となっている販売競争においても強い戦力になるのではないかと思います。激しい戦いとなっている軽自動車市場でセルボがどんな評価を受けるか、興味深いところです。今回も最後までご覧いただきありがとうございました。(永田)
スズキスポーツのエアロパーツが付くと、かなりヤンチャな雰囲気になります
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