|
SX4発表会
1)スズキの新世界戦略車、デビュー!
スズキから新たな世界戦略車であるSX4がデビューしました! スイフト、そしてエスクードに続く世界戦略車はどうなのか? 今回発表された「SX4」は2007年から参戦予定のWRCにもベース車として使われるクルマ。当然そのポテンシャルは高いはずです。コンセプトは別に詳しく紹介しますが、簡単に言ってしまうと「SUVとスポーツハッチの間」。SUVの走破性を持ちながらもファンな走りを楽しめるという、なかなか魅力的なものであります。「スズキと言えば軽自動車」のイメージを強く持っている人もいるかと思いますが、スズキ自身もそれは重々承知。軽自動車から登録者への乗り換えで他社に奪われていた顧客を取り戻し、また顧客が他社へ流れるのを防ぐためにも、SX4に寄せる期待は大きいでしょう。クルマ雑誌等でも大きく扱われているSX4。皆さん一緒に見ていきましょう。(新美)
今までにあまりない類のクルマであるSX4のコンセプトについて紹介しよう。スズキ側で掲げているコンセプトは“クロスオーバー レボリューション”。「スポーツコンパクトの走り」と「SUVの機動性」を融合させたクルマを目指して開発された。つまり、小さくてオシャレな感じのクルマだけど山や河原に遊びに行くときにも十分頼りになるクルマなのである。コンセプトは全長と最低地上高にも象徴されており、全長を見ると似た価格帯にあるカローラ ランクス、ティーダよりも短い4115mm。最低地上高はよりオフロード走行を意識したグレード「1.5XG」でライバルよりも15mmほど高い175mm。街中で使いやすく、アウトドアなどに活躍してくれそうだ。また、SX4の開発における大きな話題としてフィアットとの共同開発がある。このあたりのことを商品企画の藤崎さんに伺ってみた。藤崎さんによると「開発のほとんどはスズキで行いました。ただ欧州市場向けのディーゼルエンジンがフィアットから供給されているので、ディーゼルエンジンに関する部分は共同で開発しました」とのこと。共同で開発した部分は予想よりも少ないということだ。すでに販売の開始されている欧州では好評となっているこのコンセプトが日本市場ではどう評価されるか、非常に注目である。(永田)
コンセプトを象徴する1.5XG
2)デザインも国際色豊か
SX4のデザインをみなさんはどのように感じられただろう? 私は「堂々としていて存在感がある。見慣れるともっと良く感じるのでは」と思った。特にスポーティなデザインを好む方だったら受け入れやすそうである。デザインについてはデザイン担当の縫村さんにお話を聞くことができた。縫村さんの話で一番驚いたのはデザインも共同開発だったこと。スズキと開発をしたのはイタリアのイタルデザイン社(イタリアの名デザイナージウシアーロ氏が代表を務めるデザイン会社)。一番初めに出来上がったデザインはイタルデザインの開発したもので、そのデザインを共同で煮詰めたそうだ。そしてバンパーなどの細かい部分はスズキ側で仕上げたとのこと。そう言われると日本車とはちょっと違うデザインテイストである。ちなみにオフロードも意識したグレード「1.5XG」と標準タイプとの外見上の違いは悪路での石ハネなどのダメージを防ぐ前後、側面のアンダーモール、ルーフレールなどとなっている。(永田)
こちらはスポーツグレードの2.0S
3)広い! 快適!
さて、SX4の内装です。内装ははっきり言ってスイフトに似たデザイン。インパネのデザインにしろメーターにしろ、細かなところで違いはあるにせよ、受ける印象はそんなに違いません。頭上空間も申し分なく、また後席足下だって余裕たっぷり。「スイフト」にも言えることですけれど、この居住空間の広さは軽自動車でパッケージングを突き詰めているスズキの強みでしょう。フロントシートも比較的大きくたっぷりとした座り心地。後席は前席ほど快適性が高くありませんけど、それでも十分以上の快適さを持っています。これならロングドライブも苦にならない。スイフトと決定的に違うのはやはりヒップポイントの高さ。車高が高い分だけヒップポイントも高く、見晴らしのいい中で運転できるでしょう。ヒップポイントの高さは乗降性にも大きく寄与しているはず。シートには撥水仕様(赤色のステッチなんかも入ってオシャレ。質感もまぁまぁ高い)やシートヒーター(4WDには標準装備)なんかも設定されています。インテリア担当者の方も言っていたけれど、「高品位で、長く多くの人々に好まれるデザインです。遊びではなく本質を追究しています」という言葉通りの内装ではないでしょうか。(新美)
4)エンジンは2種類
SX4には2種類のエンジンが用意されます。1つはスイフトと同じ1、5リッターの「M15A型」DOHCエンジン。実用性と経済性を考えると、SX4にはベストバランスとも言えるエンジンであります。スペックは最高出力110ps/6000rpm、最大トルク14、6kg−m/4000rpmとスイフトの1、5リッターエンジンと全く同じ。1200kg前後の車体には十分でしょう。もう1つはエスクードにも搭載されている2、0リッター「J20型」エンジン。エスクードの縦置きに対してSX4は横置きのため吸・排気系の取り回しは違いますが、スペックはほとんど変わらず。最高出力145ps/5800rpm、最大トルク19、7kg−m/4000rpmと、最高出力発生回転数だけ、エスクードより200rpm低くなっております。この200回転について何か意味があるのかとエンジン開発者の大澤さんに訊ねてみたところ「特に意味はありません。というか、何で200回転下がったのか、よく分かりません」。え? 分からないの? 恐らく吸・排気系の取り回しの違いから来ていると思うのですけど、一体原因は何なのでしょうかね。個人的には、どうせ2、0リッターエンジンを搭載するなら、もうちょっとスポーティな方向にチューニングして、「スポーツ性」を感じさせても良かったのではないかと思います。実用性は1、5リッターの方に任せておいて、WRCを感じさ
せるようなエンジンにしたら良かったのではないかと。それを大澤さんに言ってみる
と「そうですね。でもやはりユーザーの方は実用性を重視しますので、低速トルクを犠牲にはできないのです」。う〜ん、そこを何とか……。ともあれ、パフォーマンスに不満はない。なんせエスクードの2、0リッターエンジン搭載車に比べれば300kgくらいも軽いのですから。(新美)
よりスポーティなエンジンを求む!
5)いずれは6速MT搭載?
エンジンに続いてはトランスミッションであります。2種類のエンジンに組み合わされるのはゲート式の4速オートマチック。僕は「スイフトの5速マニュアルを搭載するグレードもあるだろう」と思っていたのですが、意外にもマニュアルはナシ。WRCのベースカーにもなるSX4なのに、マニュアルがないなんて……。そんなことをミッション開発者の中村さんと話していると「僕ももちろんマニュアルは搭載されると思っていました。なのでカタログを見て愕然としました(笑)。ヨーロッパでは当然マニュアル設定もありますし、実はスイフトの5速だけでなく、6速マニュアルだって開発済み。6速の方はさらに大きなトルクにも耐えられるようになっていますので、開発者の方としてもぜひとも搭載してほしいミッションです」とのこと。確かにマニュアルはニッチな市場かもしれないけれど、でもせっかくだから設定してほしいですね。WRC参戦記念車とかで、エンジンをチューニングして6速マニュアルを搭載したモデルを出してくれませんかね? そうすればスバルみたいにニッチなクルマ好きの人を取り込めると思うのですけど。(新美)
マニュアル求む
6)4WDシステムはどうだ?
オフロードでも走れるハッチバックということで4WDシステムの詳細について紹介したい。トランスミッションの項で登場していただいた中村さんに新しい4WDシステム i―AWDについてもお伺いすることができた。中村さんのお話では「システムとしてはシボレークルーズの電子制御カップリングを使ったEMCD 4WDシステムがベースになっています。選択できる3つのモードのうち、ほぼFFで走る2WDモード、クルマ側で最適な前後トルク配分をする4WDオートモードはEMCD 4WDシステムと同じです。しかし悪路からの脱出などで使う4WDロックモード(60キロ以上になると自動的に4WDオートモードへ移行)はほぼ直結4WDに近い状況となる点がEMCD 4WDシステムと違います」と説明していただいた。さらに「このi−AWDなら北海道の雪でも大丈夫です」と自信の声も。ちなみに「どのくらいのオフロードまで行けるでしょうか」という質問には「オフロードコースのようなところはさすがに厳しいですが、林道や河原くらいなら全然大丈夫です。行動範囲が広がるのでSX4をお買い求めの際にはぜひ4WDにして下さい」とのお返事。ぜひ一度、SX4で雪道など条件の悪い道を走ってi−AWDを体験してみたい!(永田)
こんな感じのシステムです
7)走りもヨーロッパ仕込み
SX4がベースとして使っているのは各メディアから走りの面でも高い評価を受けているスイフト。スイフトベースというだけで気持ちよい走りを期待してしまう。スイフトからの変更点などをシャーシ設計担当の木元さんに聞いてみた。「ベースはスイフトですが、大幅にボディ剛性、サスペンション取り付け部の強化などを行っています。サスペンションも形式としてはスイフトと同じとなりますけど、かなりの数の部品が異なっています」とのこと。予想よりもスイフトとの違いは大きそうだ。タイヤも1.5リッター車で16インチ(2リッター車は17インチ)というかなり贅沢なものを使っている。またヨーロッパでのテストも数多く行われているそうで、ヨーロッパ仕込みの走りを味わえそうである。最近、走行性能の評価が急上昇しているスズキの最新作「SX4」はどんな走りを見せるのか? 試乗がとても楽しみだ。(永田)
1.5リッターでも16インチ!
8)WRカーもあったゾ!
会場には今年2月にジュネーブ・モーターショーで発表された「スズキ SX4 WRCコンセプト」も置かれていました。皆さんご存知の通り、スズキは2007年からWRCに参戦すると表明済み。気になる方もいると思うので「スズキ SX4 WRCコンセプト」のスペックについて簡単に紹介しておくと、エンジンは2、0リッターのターボエンジン。最高出力320ps/4000〜4500rpm、最大トルク65kg−m/3000rpmであります。トランスミッションは5速シーケンシャルで、駆動方式はもちろん4WD。前・後に機械式デフ、センターに電子制御式デフが装着されております。昨年ラリージャパンを取材している時も思ったのですけど、WRカーって文句なしのカッコ良さがありますよね! 本当にカッコイイ。今回の発表会ではこの「スズキ SX4 WRCコンセプト」がサーキットを走行する映像も流されました。テールをうまく流しながらサーキットを走る姿は圧巻! JWRCはスズキではなく「スズキスポーツ」が主体となって参戦していました。「スズキスポーツ」は「スズキ」という名前がついてもスズキとつながりは強くなかった。それが今回、WRCの参戦に当たってスズキが35%出資し、つながりは強くなった。スズキ全体できっちりWRCに力を入れていくのです。せっかく参戦するのですから、ぜひとも頑張ってもらいたいですね! そしてブランドイメージをうまく構築し、ますます魅力的なクルマを開発していってほしいものです。WRC参戦はブランドイメージだけでなく、最新技術のフィードバックという意味でも効果は大き
いはず。軽自動車も順調に売れているし、さらにWRCの技術を使って魅力的なクルマを作れたら言うことナシ! (新美)
カッコイイ!
9)販売店に大型モニター
今回は販売店に導入を開始した大型モニターも紹介されていました。50インチもの画面をもつ大型モニターは各販売店で商品説明の際に使用されるもの。高性能パソコンと接続することにより、専用のタッチペンでモニター画面を操作できます。クルマを回転させて好きな角度から見たり、エアロを付けたりボディカラーを変えたり、ホイールをチェンジしてみたりと色々なことができるため、より顧客のニーズに応えられるだけでなく楽しく手軽にクルマ選びができるとのこと。また従来説明のしにくかった複雑な機構などについても音声付きの動画で解説できるそうです。各販売店には全ての車種を展示してあるワケではないため、この大型モニターは大いに役立つと思います。会場には何台もこの大型モニターが置かれており、なかなか綺麗な画面でした。7月から導入を開始した大型モニター、今年度中に全国3000カ所の販売店等に配置される予定です。これで店頭に展示していないクルマについても、実車を確認するがごとく商談を進められ、販売促進につながればとスズキは期待しております。ただし、7月現在で見ることのできる車種はスイフト、MRワゴン、SX4の3車種だけ。順次車種を拡大していくとのことですが、できるだけ早く全車種を見られるようにしてほしいものです。ちなみにこの大型モニターのお値段を訊ねてみたところ「開発費等との関係もあるので明確な価格はお答えできません。ただ、販売店には月1万円から1万5千円くらいで貸し出そうと思っています」。一体いくらくらいなのでしょうかね? (新美)
10)スズキの元気さを感じました
今回の新車速報 SX4編はいかがだったでしょうか? 今日の発表会にはメーカーの方がたくさん出席しており、内容の濃いお話をいっぱい伺えました。おかげでとても楽しく取材を進められました。勢いのある会社は違いますねえ。世界戦略車SX4の成功を祈りたいと思います。今月はもう1台期待の新車が発表されます。2代目となるストリームです。この新車速報でもストリームについて詳しくご紹介していきますので、お楽しみに! 本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。(永田)
お世話になった実験部の平塚さん(左)とミッション設計部の中村さん(右)
|