「この楽しさをどう表現すればいいだろう?」というのがカプチーノを降りた時の素直な感想であった。なにしろこんなに面白いクルマは久しぶり。想像以上にハイレベルな仕上がりで、評価はほとんど満点に近い。
 とにかく試乗レポートをお届けしよう! 試乗コースは紅葉の始まった箱根。オープンで走る舞台としては文句なし! まずは短いシフトストロークを持つギアを1速に放り込み、ハーフスロットルでクラッチをミートする。
 走りだした瞬間に感じたのが「軽自動車じゃないみたいね!」ということ。ライバルであるビートは低速トルクが小さいためか、走り出すとき"頼りなさ"を感じる。ところがカプチーノはしっかりトルクが出ており、グイッと前に出ていこうとする。
 理由は簡単。ターボとノンターボではトルク特性がまるで違うためだ。ビートもカタログ上では64馬力ながら、レッドゾーン直前まで回さないと充分なパワーが出ない。一方カプチーノはターボエンジンということもあって、2500回転くらいからタップリしたトルクが出る。つまり排気量にすれば1300ccくらいの余裕があるといってよかろう。



 そのせいか、軽自動車が共通して持っている「安っぽさ」や「頼りなさ」がない。また、ドライバーに視界にあるフロントノーズは思ったより長いため、クルマ自身も大きく感じるあたりも乗って気が付いた。
 絶対的なパワーは「スポーティだね」と思えるくらいあって、80km以下のワインディングロードならユーノス・ロードスターよりキビキビ走る感じ。日本の狭い道路にはジャストフットのサイズ&パワーではなかろうか。
 しかもギア比が高いため(ビートは80kmで4000rpm。カプチーノは3000rpmだ)、高速クルージング時も圧倒的に静か。ビートが近所の足だとすれば、カプチーノは小さな乗用車の実用性能を持っているといっていい。
 心配したボディ剛性はまったく問題なし。荒れた路面を走ってもボディは震えず、ガシッとしている。

 足回りも良く煮詰められている。ビートは危険な挙動が出やすいミッドシップということで、限界に達する前にアンダーステアが出るように仕上げられている。おまけにサスペンションは弱点の多いストラットタイプ。乗ったことのある人は感じたと思うが、路面に凸凹があれば直線でも勝手に4WSしてしまい、まっすぐ走らないのだ。
 対してカプチーノは本格志向でよく曲がる。デキの悪いFRだと、コーナーに入るときにアンダーステア。そしてアクセルを開けると急激なオーバーステアになるが、カプチーノはとても素直。
 Wウィッシュボーンというサスペンション形式の効果がしっかり現れ、急激なアンダーステアやオーバーステアが出にくい(強いて言えばもう少しアンダーステアが弱いと、ベストセティングだと思う)。
 ボディが小さいために高速コーナーはさすがに怖いものの、80km以下のタイトな峠道なら思いきり攻めることが可能だ。
 もしカプチーノを買おうと思ったら、これを読んだ後すぐにディーラーに直行することをすすめたい。生産台数は当面三桁の中盤(最高で月間1000台)程度。早くも納期は半年とかいわれる事態になってしまった。迷っているとすぐに納期は1年以上になってしまうだろう。
 ちなみにオプションはエアバック、ABS、LSD共に来年2月から。最初はオーディオくらいが目玉のオプションだろう。ただし音質はイマイチ。もし音にうるさいなら、社外品を考えた方がいいと思う。