すみませんでした! ナニを隠そう『ウィザード』なるモデル、詳しく知りませんでした。もちろん存在を含め、車名は存じておりましたが「どんなクルマか?」となると「はて?」だったのだ。読者諸兄もそうでありませんか? そんじゃ共に学習しましょう! まずいすゞの担当者にハナシを聞くと、どうやらハイラックスサーフのライバルモデルとして考えているらしい。言われてみればサイズといい、排気量といい、スタイルといい、ハイラックスサーフ的。テラノにも似ている。数年前までなら、けっこう人気のカテゴリーだったと思う。ここにきて販売は厳しい状況ですけど……。
資料見て「へぇ〜」と感心したのが価格。3,2リッターのV6エンジン(言うまでもなくガソリン)搭載するフル装備モデル『LS』は265万2千円と、予想外にお安い。ハイラックスサーフで、ほぼ同じ装備内容を持つグレード285万8千円なのだ。さらに今まで対応していなかったオフセット衝突も、新GOAなどと同等の64qになった。改めてスタイルを眺めてみたら、なかなかエエでないの! いすゞというメーカー、地味だし存在感をアピールしないから損してるけど、やるべきことはキチンとやっているらしい。少し感心した。
乗るとどうだろうか? 一台目の試乗車はガソリンの売れ筋グレード前出の『LS』。オプションのセミアクティブサス8万円が装着されていた。Dレンジをセレクトして走り出すと、こら悪くない。キチンとフリクション取れた乗り心地で、ハイラックスサーフやテラノと比べても遜色ない。というより、積極的にイイと思う。若干エンジンがラフながら、トヨタの3,4リッターV6だってこんなもんだ。動力性能も十分納得できるレベル。約1800sで3200tだから、900sのヴィッツに1600tエンジン積んだのと同じ。
テストコースに入り、ハンドリングもチェックしてみた。基本的な特性は弱アンダー。速度上げていくと、徐々に膨らんでいく。でもアクセル戻してやればキチンとノーズ内側に入ってくれる。強くタックイン仕掛けてみたら、写真のような姿勢になった。テールのコントロールは非常に楽で、万一オーバースピードでコーナーに入ってしまっても、少しウデあれば立て直せるだろう。この手のSUVの中ではベストなハンドリングかもしれない。テラノはテール流れると挙動クイックだし、サーフも腰がない感じ。今まで試乗したことなかったけど、ウィザード予想外に良いクルマだ。
例のセミアクティブサスが、もしかしたら効いているのかもしれぬ。というのはSUVの割にシャッキリしてるから。普通、ここまでハードなダンパー付けると乗り心地まで堅くなってしまう。可変式のダンパー使うと、普通の状態はソフトをキープ。ハードに攻めた瞬間、ハードに切り替えることが可能。8万円のエクストラなら装着する価値はある。ちなみにウィザードの4WDシステムは『TOD』というタイプ。FR状態で通常走り、滑りを関知した瞬間、前輪にもトルクを伝えるもの。極悪路用の前後デフをロックしたカンペキ4WDモードも選べる。
2台目は直噴ディーゼル。コモンレールタイプの最先端技術を投入したエンジンで、ディーゼルとしてはクリーンだというのがセールスポイント。確かに黒煙も目立たず「ディーゼルとしては」イイのだろうけど、ガソリンより臭いことは間違いない。また、パワーもイマイチ。特に千回転くらいのトルクが弱いため(ディーゼルターボの共通する弱点)、極低速で悪路を走るような時、トルク不足を感じた。ディーゼルエンジンって、大都市じゃフィルター付けないと乗れなくなりそうだから、地方のヒト用と割り切るべきでしょうね。早くガソリン並にクリーンなディーゼルを作ってください。
今回ウィザードと一緒にミューもマイナーチェンジした。ミューはウィザードの3ドアモデルだと思えばよかろう。試乗車が無かったので乗れなかったけれど、この手のクルマとしちゃ軽い1680sのボディに、3,2リッターV6エンジンを搭載するからスポーティだと思う。また、ガソリンエジン車はリアがオープンになる。加えてサンルーフまで標準で付いちゃって227万2千円という大バーゲンプライス。次期型RAV4あたりと比べても戦える価格設定だったりして。アメリカあたりじゃ人気車だというので、ぜひ一度試乗してみたい。
個人的に興味深いのが『アライブ』とネーミングされた2WDモデル。フル装備の5ドアで1680sと軽く、3,2リッターV6エンジン搭載し214万円! おいおい安いでないの! スタイルも4WDよりこれまた次期型RAV4の5ドアと比べてもお買い得。なんたってワンプライスのRAV4と違い、値引きだってしてくれちゃうのだ。もちろんミューもアライブも、オフセット衝突に対応している(従来モデルは未対応だったので積極的にすすめる気がしなかった)。ミニバンやステーションワゴンに飽きた、というようなヒトは、ぜひとも候補にしたらいかがだろうか。