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ブレイド発表会
1)国産初のプレミアムHBが登場!
トヨタから06年最後の新型車となるブレイドが発表された。ブレイドは10月に発売されたオーリスをベースに「国産2BOXカーの頂点となるクルマ」を目指して開発された。現在、日本で販売される車の3割が2BOXカーとなっているけど、その多くは1500cc以下、150万円前後のクルマたち。「上級2BOX」という今まで日本車にはなかったマーケットに参入したブレイドとはどんな車なのか? 今回はベースとなったオーリスとどう違うか? といったことを中心にお伝えしていこう。(永田)
2)コンセプトは大人向け、狙うユーザー層は?
メーカー側が設定したブレイドのコンセプトは「洒落た大人の高級ハッチバック」である。どんなユーザー層を狙っているのか? このあたりについて製品企画を担当された吉ヶ崎さんにお伺いした。
吉ヶ崎さんによると「オーリスが20代から30代の一般的にハッチバックを購入されるお客様がターゲットです。対して、ブレイドは年齢で言うと40代、50代の子育てが終わったお客様をターゲットにしています。これはマークXなどのセダンに乗っていらしたお客様が次に買い替えるクルマの選択肢(現状ではSUVなどに買い換えるケースが多い)に新しい提案したかったという部分もあります。もちろん、走りを重視する若い方がお買い求めになることもあると思いますが」とのこと。
確かに40代から50代の女性ユーザーがクルマを選ぶ際には、「おじさん臭い」といったイメージのせいでセダンはダメ、取り回しがしにくいからSUVは嫌だ、というケースも結構あるようで「こういうクルマが欲しかった」という顧客は意外と多くいるのではないかと思う。
中心になる価格帯が220万円台から250万円台なので「ライバルはゴルフでしょうか?(ゴルフ1.6Eが約240万円)」という質問もぶつけてみたが、吉ヶ崎さんからは「結果的にお客様がゴルフと比較されるケースはあるでしょうけど、コンセプトの違い(ブレイドは上質感重視、ゴルフは走り重視)もあってそれほど意識していません。ですので直接的なライバルはないと考えています」。ちょっと強気にも見える月間販売目標台数3000台についても「このコンセプトを受け入れて下さるお客様はたくさんいると思っていますし、販売チャンネルのトヨタ店、トヨペット店ともに強い販売力がありますからクリアできます」というお答えだった。
独特なコンセプトと同様にスタイルも個性的です
なお、ブレイド自体国内専用車である上に、ヨーロッパ向けのオーリスにもブレイドのような2.4リッター仕様は用意されない。最近は輸出を重視したクルマをよく見るが、ブレイドは完全に日本のユーザーに向けて作られたクルマなのだ。(永田)
3)外見は結構違っています
ブレイドはプラットホーム以外の「目に見える部分」もオーリスをベースとしている。しかしながら、外装でオーリスと違っている部分はかなり多い。簡単に言ってしまえば「側面は同じだけど、前と後は別もの」である。何しろフロント、リアともにオーリスとの共通部品はないのだ(ヘッドライトやリアコンビランプが違うのでフェンダーまで別の部品になる)。よって、実車でも写真でも前と後から見ればまったく別のクルマである。
側面はほぼ同じ
デザイン上の特徴は、大人向けの顔つきや個性的なテールランプといったところだろろか。特に「クリアレンズにLEDランプ」で作られたテールランプは未来のクルマのような雰囲気を感じる。
ブレーキランプは綺麗な光り方をするそうです
比較のため、オーリスのスタイリングもご覧いただきたい
オーリスの方が全体に若々しい雰囲気
デザインを担当された方によると「デザインコンセプトもクルマのコンセプトと同様に上質感や走りのイメージを出すことが狙いでした。見所はフロントの踏ん張り感、車格感ですね」とのことだった。
ボディカラーは大人っぽさも感じさせるジンジャーレッドマイカメタリック、ディープゴールドパールクリスタルシャインなど7色が用意される(塗装も膜厚が増やされより上質になった)。このデザインをユーザーはどう評価するか?(永田)
4)インテリアはかなり高級志向に
ブレイドのインテリアは、基本的な形状はほぼ同じながら、エクステリアと同じくらいオーリスと違う。オーリスのインテリアはアーチ型のセンターコンソールなど遊び心を感じさせる部分もあったが、どちらかというと質実剛健といったもの。
オーリスのインテリア
それに対してブレイドは高級感やプレミアム性を感じさせるものに変更された。
一目で高級に感じます
具体的な違いとして、まずドアを開けたときに気づくのがドアトリムに張られたスエード調の表皮(グレードや内装色によって違いあり)。このスエード調表皮はメーターコラム上やグローブボックス上のアッパーボックスにも張られており、上質な感じをアピールしている。
インテリアに布を張るというアイデアは久々に見た気がします
また、Gグレードのアルカンターラと本革のコンビのシート生地(標準グレードはファブリックシート)、センターコンソールボックスのスエード調、ソフトレザーの表皮、本革巻きのステアリング(オーリスの3本スポークに対して4本スポーク)、シフトノブなど手が触れる部分にはとても気が配られている。また、メーターの意匠もより大人向けのものに変更された。
写真はアルカンターラと本革のコンビ地のシート
室内の広さは基本的にオーリスと同じとなる。特に低くフラットな後席フロアが特筆できる。ただ、ラゲッジスペースはリアサスペンションの形式がダブルウィッシュボーンになったせいで、高さが若干犠牲になっている。
ブレイドのインテリアは「ハッチバックでは今までなかったもの」として高く評価されそうである。(永田)
5)余裕のあるエンジンで走りを楽しもう!
ブレイドに搭載されるエンジンは2AZ−FEエンジン。2,4リッターという、余裕の排気量を持ちます。最高出力が167ps/6000rpm、最大トルクは22,8kg−m/4000rpm。エスティマやRAV4などに搭載されているものと同じエンジンです。しかしながら若干スペックは異なる。ブレイドの最高出力が167psなのに対し、RAV4などでは170psを発しているのです。この出力の違いやエンジン全体の特徴を含め、エンジン担当の松尾さんにお話を伺いました。
「エンジンはRAV4などと同じものです。2AZ−FEは2000年くらいから使い始めている古めのエンジンですが、RAV4に搭載する際に大幅な改良を加えており、古さはまったく感じません。馬力の違いは排気管の違いによるものです。ブレイドでは静粛性に大きくこだわったため、排気音をできるだけ小さくするよう排圧抑え目の排気管となっています(排気管を絞っている)。よって排気の抜けが若干悪くなり、3ps下がっているのです」とのお話でした。
ちょっぴり贅沢なエンジン
2,4リッターエンジンは、1400kg(ブレイドG。FF)という車重に十分過ぎる動力性能なので、3馬力に大きな違いはないと考えたのでしょう。組み合わされるトランスミッションはスーパーCVT−i。これまたエスティマなどとベースは同じ。トランスミッションに関してパワートレーン技術部の小川さんにお話を伺うと「ベースはエスティマなどとまったく同じです。しかしギヤ比はブレイド専用のセッティングで、エスティマなどよりハイギヤードとなっています。これは車重が軽いことなどを考慮してのものです。7速スポーツシーケンシャルシフトマチックを備えているので、スポーティな走りももちろん可能です」。
「パドルシフトは考えなかったのですか?」という質問には「確かにパドルシフトについては開発の方でも考えましたが、今回は不採用となりました。コストの面や、ターゲットユーザーのことを考えた時に、必要性は高くないとの判断です」とのこと。
パドルシフトが欲しかった?
走り好きからすれば、パドルシフトは便利なのですけどね。まぁ見えないところに色々とお金をかけたクルマですから、パドルシフトまで望むのは贅沢なのかもしれません。
燃費は10・15モードで13,4km/L(FF。4WDは12,8km/L)と発表されています。エンジン排気量を考慮すれば、なかなかいい数値ではないでしょうか。排気量に比べ車重が軽めだから、燃費に有利なのでしょう。もちろんCVTも一役買っているはずです。
このクラスのクルマにこのドライブトレーンは十分過ぎるもの。トヨタはこのクルマを「2ボックスの最高峰」と位置づけていますが、まさしく余裕のある上級な走りを見せてくれそう。なお、噂されている3,5リッターエンジンの搭載については、正式な発表はありませんでした。こちらもクルマ好きにとっては気になる存在ですよね! (新美)
6)足回りはより贅沢に……
エンジンの次はシャシーです。ブレイドのシャシーは基本的にオーリスのものと同じ。けれど大きく違う部分もあります。それはリヤサスペンション。オーリスはトーションビームだったのに対し(FF)、ブレイドは新開発のダブルウィッシュボーンとなっているのです(オーリスも4WDはダブルウィッシュボーン)。よってオーリスよりも乗り心地よく、懐深い走りが楽しめそう。サスペンション取り付け部にブレースを配置して補強している他、サスペンションジオメトリーを最適化したりと気合い入っています。ちなみにショックアブソーバーはオーリスと同じくKYB製のものです。
さらに上質な走りへ(写真はリアサスペンションの透視図)
シャシーについて担当の井戸さんにお話を伺うと「一応ゴルフなどを参考にしましたが、ブレイドはあくまで国内専用車種であるため、ゴルフを目指したというワケではありません。国内にあったセッティングとなっています。よってヨーロッパ車の乗り心地を期待されると、ブレイドに乗った時に少し柔らかいと感じるかもしれません。しかししなやかさとともの腰のある乗り心地を目指したものであり、日本ではこのセッティングが一番合うと思っています」とのこと。
ブレイドはオーリスより大きなエンジン積むため、ブレーキも強化。ブレーキの径がオーリスはフロント・リヤともに15だったのに対し、ブレイドはリヤが16に大型化されています。他にもマスターシリンダーのサイズをアップさせたり、熱容量も上げたりしているとのこと。しっかり止まるための努力も怠っていません。
動力だけでなく制動力も万全!
FFが基本のブレイドですけど、一応4WDモデルについても説明しましょう。担当の吉ヶ崎さんによれば、4WDでも通常はFFだとのこと。システムとしては路面状態や走行状態に応じて駆動力配分が行われるもので、前輪の空転などを感じると後輪にも駆動力を配分するというスタンバイ式であります。また全車にVSC(車両姿勢制御システム)が標準装備されます。
電動ステアリングについても、ステアリングギヤボックスをブッシュを介さずに直接サスペンションメンバーに取付けることで、高い応答性とダイレクト感を実現しています。
オーリスは「見えないところにお金がかかっており、乗れば良さが分かるクルマ」と評されています。となるとベースが同じであるブレイドも、走りの良さはかなり期待できるはず。車重が増えているため相対的にバネ下重量軽くなっていたり、リヤがダブルウィッシュボーンとなっていることで乗り心地は確実に向上しているはず。2,4リッターエンジンと共に余裕ありながらも楽しい走りを生み出してくれるはずです。(新美)
7)グレード&装備はどう?
お次はグレード紹介です。ブレイドのグレードは大きく分けて2つ。ベースグレードの「ブレイド」と、豪華装備となる「ブレイドG」の2つであります。それぞれにFFと4WDがラインナップされます。
まずはベースグレードの方から見ていきましょう。ベースグレードといっても装備は十分。ブレイドGと比較すると、外装ではマットガードの有無しか違わない。内装ではまったく違いなし。本革巻ステアリング&シフトノブや、常時発光式メーター、スマートエントリー&スタートシステムなど豪華であります。
ベースグレードでもSRSエアバッグ(運転席&助手席)・SRSニーエアバッグ(運転席)・SRSサイドエアバッグにSRSカーテンシールドエアバッグなどエアバッグ全てが標準装備されるのは立派! シャシーのところでも紹介しましたけど、VSC(車両姿勢制御システム)も付きます。CDプレイヤーや6スピーカーも標準。
安全装備を標準にしたのはエラい!
装備内容に不満が出るはずもなく、ベースグレードとはいえ豪華と言ってもいい装備であります。値段は224万7000円(税込み。FF)。2,4リッターエンジンを搭載していることなども考えると、なかなか良心的な価格ではないでしょうか。加えてブレイドは見えないところにもお金かかっている。そこのところも加味すれば、お買い得といっても差し支えありません。
上級グレードのブレイドGはどういった装備になるかというと、ディスチャージヘッドランプが装備されたり、天井大型イルミネーションや本革&アルカンターラシート表皮、パワーシート(8ウェイマルチアジャスタブル)に左右独立温度コントロールフルオートエアコンなどが付きます。あ、6連奏CDチェンジャーも付くのでした。これだけ装備が付いて、値段はベースから31万5000円高の256万2000円。31万5000円以上の価値アリだと思います。ちなみに4WDはそれぞれ21万円高となります。
天井のイルミネーション。最近増えましたね
値段はそこまで安くないものの、装備内容を見れば納得できるもの。トヨタからすれば、シャシーなど見えないところ(ユーザーにアピールしにくい場所)にお金かけているため、売りにくいかもしれせん。ブレイドを「高いからなぁ……」と思う人も、一度乗ってから判断してみてはいかがでしょうか。(新美)
8)「大人しくない大人」を探せ!
今回の新車速報、いかがだったでしょうか。トヨタによれば、ブレイドの月販売目標台数は3000台。なかなか強気であります。「大人しくない大人」をターゲットに、ちょっと高級な2ボックスが果たして日本でどれほど売れるのか。新たな市場を開拓できるのか。トヨタは豊かな販売網と販売力を持っているだけにある程度は売れるでしょう。よって3000台という台数はそこまで難しくはないと思います。もちろん簡単ではありませんが……。
トヨタの新たなる挑戦であります!
ちなみにトヨタはアムラックストヨタとメガウェブで、ブレイドの特別展示と無料試乗キャンペーンを開催。12月22日〜来年4月8日までの期間、数多く用意された展示車を見たり試乗することができます。近くのディーラーに試乗車がない場合や、メガウェブなどの近くに行った際、乗ってみてはいかがでしょうか。(新美)
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