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2代目イスト発表会
1)一味違ったコンパクトカー、イストがフルモデルチェンジ!
先代ヴィッツの派生車種として2002年5月に登場したイストが2代目モデルにフルモデルチェンジされた。初代イストはコンパクトカーでありながらも、スペシャリティ性のあるちょっとSUV風なスタイルや俊敏な走りなどを売りに安定したセールスをキープし、競争の激しいコンパクトカー市場でも強い存在感を保っていた。その2代目モデルはどんなモデルに生まれ変わったのか? ジックリ紹介していこう。(永田)
2)万人向けではないイストのコンセプトとは?
それでは2代目イストの開発コンセプトから説明していこう。メーカーが掲げた開発コンセプトは「New Style,New Position」。つまり、今までにはなかったスタイル、位置付けのコンパクトカーを作ろうという狙いで新型イストは開発されている。その狙いを達成するために盛り込まれたアイデア、技術は
・ボディ幅を3ナンバーサイズ(1725mm)まで拡大したことによる力強いスタ
イリング
・1.8リッターエンジン搭載によるゆとりある走り
・サイド&カーテンシールドエアバッグの標準装備化などを通したクラストップレベ
ルの安全性能
などである。確かに今のところ日本には「3ナンバーサイズ」や「1.8リッター」のコンパクトカーは少なく、インパクトはそれなりに強い。簡単に言ってしまえば、やはり「一味違ったコンパクトカーが欲しい人向け」といったところなのだろう。
そして、メーカー側が想定しているターゲットは日本、サイオンブランドで販売される北米市場ともに「先進性や個性を重視する30歳前後のユーザー」とのこと。イストがどんなユーザーから支持を集めるかにも注目したいところだ。(永田)
イストの商品概要をプレゼンテーションする三浦チーフエンジニア
3)より存在感を増したスタイリング
イストのスタイリングは初代モデルも通常のコンパクトカーよりも若干高いロードクリアランスなどにより、コンパクトカーというイメージ以上の存在感を持っていたが、2代目イストは初代モデル以上に力強いスタイルとなっている。
まず、フロント部分から見ていこう。全体的なイメージとしては初代モデルに似た部分もあるが、1725mmまで拡大された全幅やバンパー下部にアンダーガードを設けられたバンパー形状などにより、コンパクトカーでありながらSUVのような雰囲気に仕上げられた。
前から見るとシャープさも感じます
サイドビューやリアから見たスタイルもコンパクトカーとしては珍しい16インチホイールや太いCピラー、フロントバンパーと同様のアンダーガード風のリアバンパーなどの効果によりコンパクトカー離れした存在の強さを感じることができる。
側面は面積の小さいガラスが特徴
太いCピラーが後方視界を狭めないかちょっと心配
ただ、側面と後方から見ると、何となくスズキのスイフトやSX4を思い出してしまう人もいるかもしれない。そのあたりが販売成績に与える影響はあるのだろうか?(永田)
4)斬新かつスポーティなインテリア
2代目イストのインテリアは、コンセプトに相応しい斬新さとスポーティな部分を兼ね備えたものに仕立てられている。
まず、目立つのが航空機などの位置を把握するために使われるレーダーをイメージしたという「コンセントリックメーター」である。「コンセントリックメーター」は1つの円の中にスピードメーターとタコメーターが一緒に組み込まれており、非常に斬新。また、通常は回転が上がるに従って時計回りに動くタコメーターが、半時計回りに動くというのも興味深いところだ。2代目イストからメーター位置はセンターからドライバー前に移動されている。
実際の視認性はいかに?
もう1つ目立つのが「フローティングセンタークラスター」と呼ばれるセンタークラスターパネルだ。造形的にも面白いし、スイッチ類がドライバーに近くなるので、操作もしやすいのではないだろうか。
インテリアには小物入れも豊富
ちなみにインテリアの質感自体は特にプレミアム感を感じさせるものではなく、ヴィッツやラクティス+αといったところだ。(永田)
5)後席、荷室はパーソナル性を感じさせる設え
2代目イストのリアシートとラゲッジスペースは率直に言ってそれほど広いものではない。しかし、「広くはないけど、十分使える」という部分がパーソナルな雰囲気を高めているとも言える。
リアシートの広さはちょうどヴィッツ程度といったところ。短時間なら後席に座っても問題ないと考えられるが、長時間になるとちょっと狭さを感じることもあるかもしれない。
ドアの開口角度も大きくないのでファミリーカーとしては不向きか?
ラゲッジも「スペース性を重視していないコンパクトカーの平均レベル」だ。スペース性を重視するなら、ラクティスあたりにしておく方が賢明といえるだろう。
広さはそれほどでもないけど、床下にある物入れはかなり使える
だが、現在両手では済まないくらいのコンパクトカーが日本で販売されていることを考えれば、イストのようなクルマがあることもなかなか面白いとも考えられる。スペース性を重視したモデルの多い日本のコンパクトカーの中で、イストがどのくらい支持されるかもにも注目したいところだ。(永田)
6)エンジンはお馴染みの1.5リッターと1.8リッター
2代目イストに搭載されるエンジンはカローラ等にも搭載され、もはやお馴染みとなっている1.5リッターと1.8リッターだ。今回イストに搭載するにあたっての改良ポイントについてエンジン担当の方に伺ってみると、主なところはコンパクトカーであるイストに1.8リッターエンジンを積むために行ったエンジンマウントなどの変更のみとのお答え。1.5リッターは長年使われているためかなり熟成が進み改良され尽くしているし、1.8リッターもまだ発表されて1年程度のエンジンということで、まだ大きな改良を施す時期ではないといったところなのであろう。細かい部分の改良と1170kgという比較的軽い車体と132馬力の1.8リッターエンジンの組み合わせがどんな走りを見せるかに注目したい。
コンパクトボディと1.8リッターエンジンの組み合わせは大注目
トランスミッションは1.5リッターはこちらもお馴染みになりつつあるCVTだが、1.8リッターには最近のトヨタの新型車では見ることのなかった4速AT(ウィッシュやアイシスの「1ZZ型」1.8リッターのATと同じもの)が組み合わされる。1.8リッターエンジンのトランスミッションがちょっと古い感じのする4速ATとなった理由は、コストやクルマとのマッチング等を総合的に判断した結果とのこと。だが、10・15モード燃費を見ると、イストが15.4km/lであるのに対し、車重はほぼ等しく同じ1.8リッターエンジン+CVTという組み合わせのカローラ・アクシオのラグゼールが17.2km/lであることを考えると、やはり早いうちにCVTへの変更を望みたいところだ。(永田)
7)やっぱりイストはヴィッツ兄弟でした
2代目イストは冒頭からお伝えしているようにコンパクトカーでありながら、3ナンバー幅となっている。このサイズから「イストは1クラス上のオーリスのプラットホーム?」と思われた方もいるかもしれない。しかし、実際には今まで通りヴィッツやラクティスなどに採用されているプラットホームだ。といっても、16インチタイヤを履きスポーティなコンパクトカーという一面もあるイストを合わせた部分的な板厚アップ、ホイールもP.C.Dはコンパクトカーによくある100のままながら、4つから5つにナットを増やす(重量増に対応したもの)などの手直しが施されている。なお、シャーシ担当の方によれば「狙ったのはしっかり感とキビキビ感」とのことである。(永田)
タイヤサイズは195/60R16、イストとのマッチングはいかに?
8)イストからトヨタ車の衝突安全性が大幅アップしそうです
2代目イストの大きな注目ポイントは、イストが7月に開かれたトヨタの年央記者会見で明らかにされた「乗用車系全車へのサイド&カーテンエアバッグの標準装備化」の1号車になったことである。サイド&カーテンエアバッグは2列シート車で大体6万円程度する装備であり、やはりオプション設定だと選択するユーザーは少なく装着率は伸び悩んでいた模様。そこを思い切って標準装備にしたのは大英断といえるだろう(表示価格が上がってしまうのを覚悟で行ったことも含めて)。次はトヨタでVSCと呼ばれる横滑り防止装置の全車標準装備化に期待したいところだ。なお、イストの場合は現状だとVSCは、最上級グレードの180Gにのみオプション設定される(6万3000円)。
サイド&カーテンエアバッグの装着により側面衝突時の死者が37%減るという統計も
イストから新しく盛り込まれた衝突安全性向上のアイテムとして「アクティブヘッドレスト」がある。「アクティブヘッドレスト」とは追突された場合の首へのダメージを軽減するためのもので、具体的には衝突された際にシート内に設けられたワイヤーを使ってヘッドレスト斜め上方に押し、むち打ち傷害を軽減させるというもの(ワイヤーは追突時に乗員の腰がシートバックを押す力によって作動する)。比較的簡単なシステムながら効果は大きいようなので、早い段階での他車種への展開を期待したいところだ。
アクティブヘッドレストの作動イメージ
サイド&カーテンエアバッグの標準装備化やアクティブヘッドレストばかりが目立っているが、イストは衝突安全性や歩行者保護性もかなり高いとのこと。今のところ「一番安全なコンパクトカー」といって間違いないのではないだろうか。(永田)
9)価格設定はちょっと強気か?
新型イストにはベーシックな150X、上級の150G、180Gという3種類のグレードが用意される。
ベーシックな150X(165万9000円)でもオートエアコンや16インチホイール(スチール製)、サイド&カーテンエアバッグまでオーディオ以外はフル装備状態。価格の上昇も先代イストの1.5リッターのベーシックグレード(149万1000円)と比較して、16インチホイール、サイド&カーテンエアバッグ、CVTなどが付くことを考えれば納得いく範囲だろう。
150G(178万5000円)は150Xとの差額12万6000円で、アルミホイール、CDプレーヤー、本革巻きのステアリング・シフトノブなどが追加となる。
そして、180G(189万円)になると1.8リッターエンジン、スマートエントリー&スタートシステム等が加わる。
正直なところコンパクトカーとして見ても、ライバル車(ピッタリのライバル車はないのでクロスオーバータイプという部分が近いスズキSX4など)と比べても、サイド&カーテンエアバッグが付いていることを考慮しても割高に感じる。「G」グレードの約180万円から190万円という価格帯では、ウィッシュやストリーム、同じトヨタのハッチバッグのオーリスを選ぶことも可能であり、この価格設定でどのくらい売れるかという点には大きな注目が集まりそうだ。(永田)
福祉車両の「ウェルキャブ」も3グレード用意される
10)イストは華のあるコンパクトカーとなるか?
2代目イストの月間販売目標台数はモデルサイクルを通して2000台、初年度については3000台とのこと。どちらかというと北米への輸出分の方が多く(サイオンチャンネルを通したアメリカでの販売は近々始まる予定)、日本ではそれほどの販売台数を狙っていないことと考えれば、この販売目標台数も納得できる。また、見方によっては「日本での販売目標台数が多くないからこそ、3ナンバー幅にすることもできた」という考えも出来るわけで、2代目イストが「スペシャリティ性もあるコンパクトカー」として市場からどんな評価を受けるか興味深いところである。(永田)
CMキャラクターはオダギリジョーさん
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