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2代目ノア/ヴォクシー発表会

1)Mクラスハイトミニバンの王者が2代目に

トヨタのミドルクラスハイトミニバン、ノア/ヴォクシーが5年7ヶ月振りにフルモデルチェンジされ、2代目モデルに生まれ変わった。ノア/ヴォクシーは2001年11月の登場以来、モデル末期となっても合計で1万台程度の月間販売台数を記録するという非常に安定したセールスを記録。初代モデルの累計販売台数はノア/ヴォクシー合わせて80万台に達している。月に2万5000台もの需要がある大激戦区で戦っていくためにノア/ヴォクシーはどのような進歩を果たしたのか? 隅々まで紹介していこう。(永田)

新型ヴォクシーと渡辺社長

2)目指したのは「乗る人全員への優しさ」

2代目ノア/ヴォクシーのコンセプトは、初代モデルが大成功を収めたこともあって基本的にキープコンセプトといっていいだろう。その中で2代目ノア/ヴォクシーは「乗る人全員に優しさを提供する」という狙いの元で開発された。この狙いを達成するために設定された柱は大きく2つ、「爽快な走り」と「一段と心くばりが届いた使い勝手」である。「爽快な走り」というのはスポーツカーに求められる走りの性能とは違う意味合いとなるが、とにかくドライバーにストレスを感じさせないこと。目標達成に向けては新開発エンジンの搭載、より広い視界の確保などが行われた。一方の「一段と心配りが届いた使い勝手」については、乗降性の向上やより豊富で使いやすくなったシートアレンジメントなどが具体的な取り組みとして挙げられる。

2代目ノア/ヴォクシーを紹介する水潤チーフエンジニア

また、ノアとヴォクシーのターゲットユーザー層は今までだとノア:30代から40代のファミリー層、ヴォクシー:ノアよりも若干若いファミリー層といったイメージだったが、2代目も基本的に同じ狙いと考えていいだろう。ちなみに、メーカー側ではノア:親しみやすさ、ヴォクシー:クールという狙いで開発を進めたとのことだ。(永田)

3)スタイルはターゲットを象徴したものに

それでは、2代目ノア/ヴォクシーのスタイリングを見ていこう。まず、ノアは狙いに「親しみやすさ」という項目があることからもわかるように、どちらかという万人受けを考えたものといえそうだ。初代のイメージを踏襲しながら、丸みを帯び現代的に仕立て直されたといったところだろう。

ちょっと爬虫類的な部分もあるか?

一方、ヴォクシーは初代からの変化がノアよりも大きい。ヘッドライトとウインカーが別になっているデザインは先代から引き継いでいるものの、印象としてはbBやハイエースあたりに近い感じである。若干クセが強いような部分もあるが、ノアよりも若いユーザー層をターゲットにしていることを考えれば、このくらい個性的なスタイルの方がヴォクシーの狙いには合っているのかもしれない。

写真はディーラーオプションのエアロパーツ付きのヴォクシー

そして、側面はノア/ヴォクシーともにまったく同じ(シエンタに若干似た雰囲気)で、リアに関しては初代をより洗練させたデザインといったところだろう。(永田)

リアはbBやラクティスをイメージさせるところも

4)「使いやすさ」が特徴のインテリア

2代目ノア/ヴォクシーのインテリアはとにかく使いやすいことが特徴に挙げられる。ステアリングコラム上で前後に操作するタイプからインパネシフトに変更されたシフトレバーや、初代から引き継がれたセンターメーター、見やすく手の届きやすいスイッチ類など、ほとんどの人が「使いやすい」と感じるのではないだろうか。

ユニバーサルデザインにも配慮されたインテリア

また、Aピラー付近に設置された三角窓や左フェンダーの下側を映すために設けられた補助ミラーなどにより、視界が広いことも大きな美点である。

下側の補助ミラーが、今までボンネット上にあったミラーの代わりに

「使いやすさ」といえば色分けにより区別をしやすくしているボンネットオープナーとフューエルリッドオープナーも地味なところだが嬉しい工夫だ。「ガソリンスタンドで間違ってボンネットを開けてしまった」ということも大幅に減るのではないだろうか。(永田)

黒い方がフューエルリッドオープナー、ベージュがボンネットオープナー

5)広さは従来並みでも、気配り満載が満載の2列目、3列目

2代目ノア/ヴォクシーはプラットホームを先代と共用しているため、ホイールベースも変わっていない。広さに関しては初代とほぼレベルと考えていいだろう。といっても、2列目、3列目の広さは4595mmという全長(グレードにより若干違う)を考えれば、かなり上手に室内空間を確保しているといえる。

特等席の2列目

長距離ドライブも十分にこなせる3列目

2代目ノア/ヴォクシーで広さ以上に目立つのは細かな気配りである。例えば、30mm低くされたステップ高や30mm広くなった開口部により、乗降性はかなり向上している。また、乗り降りの際に使うアシストグリップも新たに下側に「チャイルドグリップ」というものが追加され、小さなお子さんでもより乗り降りをしやすくなっている。

下側に見えるのがチャイルドグリップ

至るところに気配りが行き届いている2代目ノア/ヴォクシーは、5ナンバーサイズでは最もファミリーカーに適した1台といえそうだ。(永田)

ラゲッジルーム下にはこんな物入れも

6)2代目ノア/ヴォクシーの目玉その1 シートアレンジ編

「乗る人全員に優しさを提供する」という狙いで開発された2代目ノア/ヴォクシーの目玉の1つがシートアレンジである。他車ではあまり見られない物が3つあるので、1つづつ紹介していこう。

1つ目は「チャイルドケアモード」だ。「チャイルドケアモード」とは2列目左側のシートがスライドドア側に回転する機能で、小さなお子さんの乗せ降ろしを容易にする機能である。室内に入らず、車外からでもチャイルドシートからお子さんの乗せ降ろしを出来るのは非常に有難い(3万5700円のオプションとなる「ロングスライドマルチ回転シート」を選択すると装備される)。

チャイルドシートが必要なお子さんがいる方には非常に便利

2つ目は8人乗り仕様全車に標準装備される「ウォークスルーモード」である。「ウォークスルーモード」は2列目中央席を、2列目右側席の方に畳むことが出来るものでそのままウォークスルーも可能となる。また、副次的なメリットとして2列目右側に座った人のアームレスト代わりになるという面もある。ちなみに、「2列目中央席を左右席両方に畳んで、2列目左右分のアームレストにする」というアイデアもあったという。しかし、そうしてしまうと今度はウォークスルーをするための横幅を確保できないということで、今回はこのような形に落ち着いたとのことだ。

通常時はこのモードにしておれば、3列目の乗り込みや2列目の快適性も上がるはず

そして、3つ目も8人乗り仕様全車に標準装備される「ワンタッチスペースアップシート」だ。ハイト系のミニバン全般にいえることだが、3列目シートを跳ね上げて収納するクルマの場合にはシートが重いせいで、かなり力が必要となる。その煩わしさを解消しようというアイデアが「ワンタッチスペースアップシート」である。具体的な機能は、レバーを引くとシートバックが前に倒れる→そのままシートが跳ね上がる(シートの支柱も)というもの。そのあと、Dピラー付近に位置変更されたロック部分を差し込めば3列目シートの収納が完了する。つまり、ほとんど力も使わずかつ車内に入ることもなく3列目シートを収納できるのだ。このアイデアは非常に画期的であり、ちょっとした感動を覚えるくらいのものである。ちなみに、この機能は特にモーターなどを使っているわけではなく、比較的単純なバネの力で動いているとのことである。

サードシートの収納機能はぜひディーラーで見ておくべき

ここで紹介した3つの新しいシートアレンジメントはどれも魅力的で、シートアレンジメントを理由にノア/ヴォクシーを買う人が多く出るのではないかと感じるくらいだ。新しく開発されたシートアレンジがノア/ヴォクシーの販売成績を押し上げることは間違いないだろう。(永田)

7)2代目ノア/ヴォクシーの目玉その2 新型エンジン

2代目ノア/ヴォクシーの2つ目の目玉が新開発された2リッターエンジン「3ZR型」の搭載である。このエンジンはカローラ、オーリス、プレミオ/アリオンに搭載されている1.8リッターの「2ZR型」のストロークを9.3mm伸ばしたものだ(ボアはそののま)。

2代目ノア/ヴォクシーには2タイプの「3ZR型」エンジンが搭載される。まず、ベースとなる「3ZR−FE」である。このエンジンは1.8リッターの「2ZR−FE」の延長線にあるもので、吸・排気両側に可変バルブタイミング機構を持つDual VVT−iを備え、特に日常よく使われる回転域での乗りやすさが重視されているという。

そして、もう1タイプが2代目ノア/ヴォクシーの目玉とも言える「バルブマチック」を搭載した「3ZR−FAE」だ。すでにトヨタから技術発表はされているものだが、「バルブマチック」とは日本車では初めてとなるエンジンの出力制御にスロットルバルブを使わない機構。スロットルバルブの代わりに出力制御をしているのは、Dual VVT−iと連続可変バルブリフト機能で、バルブのリフト量を変えることで出力制御が行われている。

出力制御にスロットルバルブを使わないメリットとしては、スロットルバルブを通して空気を吸い込む際に起きる損失(ポンピングロス)をなくせることがある。そのため、通常の「3ZR−FE」に比べると最高出力が15馬力増加(158馬力)、10・15モード燃費も0.8km伸びた14.2km/lまで向上している。その他にも、レスポンスの向上や排ガスのクリーン化といったメリットもあり、日本のガソリンエンジンの大きなブレイクスルーといえるだろう。ちなみにバルブマチックを搭載することによって、エンジン重量は3kgから4kg増加しているとのことである。

トランスミッションは全車CVTで、バルブマチック付きエンジンを搭載するグレードには7速スポーツモードも装備される。

新開発エンジンとCVTがどんな走りと燃費を見せるか、大いに楽しみなところである。(永田)

8)シャーシはキャリーオーバー、でも安全装備の充実度は拍手もの!

2代目ノア/ヴォクシーのシャーシは「新設計されたシャーシは2世代に渡って使う」というトヨタの基本的な流れ通り、初代と同じシャーシが使われている。しかし、基本的な構造は同じといっても全体的なボディ剛性の強化やサスペンション取り付け部の補強、パワーステアリングの電動化、エンジンの変更に伴ってマウントも新しくなっているなど、かなりの多くの改良が施されている。ノア/ヴォクシーと同じように、シャーシを旧モデルと共有するカローラやプレミオ/アリオンの仕上がりも良好であり、ノア/ヴォクシーの完成度もかなり高いと予想できる。

タイヤサイズはスポーツグレードが写真の16インチ、標準グレードに15インチ

また、初代のノア/ヴォクシーもVSC(姿勢制御システム)のオプション設定が多くのグレードにあるなど、安全性にはかなり気の使われたクルマであった。その良き伝統は2代目にも引き継がれ、全グレードにS−VSC(横滑りが起きた際には操舵アシストも行う)、サイド・カーテンエアバッグがオプション設定されている。この3点はセットオプションということになっており、価格は14万7000円(4WDと後輪のディスクブレーキが標準装備されるグレードは13万6500円)である。安くはない金額だが、緊急回避性能の飛躍的な向上や万一事故に遭ってしまった際の被害低減を考えれば、決して高くはないものだろう。初代に引き続き、ノア/ヴォクシーは「安全性の高いMクラスハイトミニバン」としても人気を集めそうだ。(永田)

予算が許せば、ぜひオーダーしておきたい

9)標準的なグレードの買い得感が際立つグレード設定

ノア/ヴォクシーのグレード設定は、標準グレードとエアロパーツや16インチアルミホイールなどが装備されるスポーツグレードに分かれる。標準グレードから詳細を紹介していこう。

3列シートのミニバンであるノア/ヴォクシーの中では変り種といえるのが、2列シート5人乗りで空間を自由に使いたいユーザー向けのノアYY(ヴォクシーTRANS−X)だ。このグレードでは3列目シートが省かれ、乗車定員も5人となる代わりに広大な荷物スペースとこの空間を区切って使うためのデッキボード(テーブルとしても使える)が装備される。価格は199万5000円となっている。「5人乗れればいい」と考えるアウトドア派などには面白いチョイスといえそうだ。

初代モデルのYYは、全体の5%を占めていたとのこと

5人乗りのYYとTRANS−Xの1つ上のグレードとなるのが、販売の中心となると考えられるXである。Xはオーディオ(ノア/ヴォクシーは全グレードを通してオーディオはオプション設定)と電動スライドドアこそ付かないもの、価格は203万7000円とかなり安い。また、Xにディスチャージヘッドライト、左側電動スライドドア、オプティトロンメーターが追加されるX“Lエディション”も220万5000円と、似た装備内容のセレナやステップワゴンに比べると10万円近く安いイメージだ。そして、ノア/ヴォクシー全体を通して一番高額となるのがノアV(ヴォクシーV、260万4000円)である。このグレードには最上級グレードとして相応しく、アルミホイール(15インチ)、クルーズコントロールなどが装備される。

スポーツグレードはノアS(ヴォクシーZ、それぞれ233万1000円)とノアSi(ヴォクシーZS、245万7000円)の2グレードの設定。両グレードの装備差はバルブマチック付きエンジン、CVTの7速マニュアルモード、スマートエントリーなどとなっている。両グレードの価格差12万6000円から装備の違いの分を引くと、バルブマチック分の差は大まかに6万円程度といったところ。価格差を燃費が上がる分でペイできるかとなると難しいかもしれないが、新技術を味わうという部分ではまずまず納得のいく金額だろう。

福祉車両の設定も充実

全体的に標準エンジン搭載を搭載した230万円前後までのグレードの買い得感が目立つ。リーズナブルな価格に優れもののシートアレンジなど、ノア/ヴォクシーはセレナとステップワゴンにとって強敵となるのは間違いないだろう。(永田)

10)ノア/ヴォクシーはMクラスハイトミニバンの王者に君臨し続けるのか?

室内の広さなどでは飛び抜けた部分はないが、新しいシートアレンジや新エンジンといった部分のインパクトが強烈で、非常に高い商品力を備えていることがお分かりになると思う。ちょうどいいサイズと、トヨタカローラ店・ネッツ店という超強力な販売力を武器にノア/ヴォクシーがどこまで販売を伸ばすか大いに注目したいところである。(永田)

親しみやすいノアとクールなヴォクシー、皆さんだったらどちらを選ばれるでしょうか?

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